クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

スーパーフォーミュラ

2016-08-25 13:40:43 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
しばらくぶりのレース観戦。
茂木SF⋯金曜日、土曜日で練習走行二本、ドライとウエット路面両方の走りを見ることができました。
ドライ路面の走行が始まってすぐにコースアウト赤旗、
マシンを片付けてコースオープンになったものの 再度最終コーナーでスピンしてコースアウト。
フルアタックしているのかさらにもう一台がコースアウト。

練習日初日ってこんなんだったかな〜
私がサーキット通いをしていた頃からすればだいぶ時が経っているけど、コースアウトして得られるものは今も昔も無いと思うのだが⋯⋯

SFはコーナリングスピードがF1並、あるいはF1よりも速いなどの説があるので、察するにドライビングが大変なのかもしれない。

あくまで想像できる範囲、と前置きしておいてサスペンションセッティングを考えてみると。
まずボディー下部にあるスキッッドプレートの残量がゴール後にチェックされます。
規定寸法以上残っていなければ失格。
この「動く」最低地上高をどう考えていくのかというのが難しそうです。

ダウンフォースを効率よく得るためには車両姿勢があり、これは地面からの高さを一つの条件として極力一定に保つことが理想なのですが。
実際にはダウンフォースが掛かればメインスプリングがたわみ、タイヤも潰れて二つを合計した寸法分車高が下がります。
このことを見越して最初の車高を高くしておけばいいのですが、高くしすぎると床下の空気の流れで得られるダウンフォースが目減りします、
オイシイ車高を考えるとあまり高くしないのが賢明です。

車高変化量を抑えるにはメインスプリングのたわみ量を少なくします。
たわみ量を減らすとは大きな荷重でも少ししかたわまない、つまり硬いバネを選択するということです。
軽いフォーミュラマシンに乗用車の何倍もの硬いバネを使うのでどのマシンもポコポコと跳ねます。
ポーポーシング(ポーパシング)と呼ばれる動きです、ピッチングと説明したほうがわかりやすいかもしれません。
そこで登場するのが「イナーター」これでピッチングを押さえ込みます。
といっても私自身触ったことがないので(詳しくは検索して下さい)これ以上の説明はできません。
しかしイナーターを全車が採用しているかというとそうでもないようです。
それと、イナーターを使ってマシンの暴れを抑え込めたとしても、ドライビングを邪魔しないのだろうかといった心配もあります。
イナーターの文献を読んでも、ドライビング(操縦性)との関係は一言も触れられていません⋯⋯
勉強せねば。







カンヅケ

2016-08-17 23:24:24 | なんでもレポート
出張の機中で隣合わせたのが、私よりも明らかに年上の人。

さりげなく、失礼ですが⋯⋯⋯と話しかけた。

>お出かけですか、それとも帰郷ですか。

弟の新盆で北海道まで行ってきました、羽田経由でこれから家に帰るところです。

聞けば83歳とのこと、ひざの上に置いたハンドバックに手を添えたまま不動の姿勢。

そのまま一時間ほど経ったところでアナウンス、当機は着陸に向けて高度を⋯⋯⋯

>お住まいはどこなんですか。

〇〇市で今は独身独居、女房は少し前に亡くなったので。

>買い物はどうされているんですか。

軽四があるからそれで。

>この後空港からの足はどうされるんですか。

駐車場に軽四があるからそれで帰るよ。

>ところで、こちらの方で普通に家庭で食べているもので、美味しいモノありますか⋯⋯

そうだな〜 大根の漬物を干して細かく刻んだ「寒干」というのがあるよ。

もちろん帰り道にスーパーに駆け込んで手に入れてきました。

歯ごたえがバリッバリッ、ご飯が進みます。

これまで席を隣にした人の中で最もかくしゃくとした人でした。

美味しいものは地元の人に聞くのが一番‼︎




ドリフトアングル

2016-08-11 21:21:56 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
WRCに気まぐれに出ているように見える今年の「シトロエン」

しかし驚くほど速い‼︎

高速ドリフトとジャンプシーンが印象のフィンランドラリーは、ラリードライバーにとっての夢舞台、結果は優勝と三位!

昨年のチャンピオンカーであるVWポロを走らせるフィンランド人ドライバーのラトバラ(このラリー二連勝)を相手に、一つのSS で十数秒のタイム差をつけるダントツぶり。

そのシトロエンの車載カメラで見る映像が、右に左に忙しく揺らぐ感じがなく、右なら右に一度向きを変えたらそのまま立ち上がりまでドリフトアングル一定のまま走り抜けます。

当然ハンドル操作も軽くヒョイヒョイと動かすだけ。

他のクルマと明らかに違うのはドリフトアングルが少なめなこと、
しかもコーナリング初期から旋回姿勢が決まって、コーナー「後半で」ドリフトアングルが深くなることがありません。

ドリフトアングルが深くなればタイヤに大きな抵抗が発生するので、タイムロスにつながります。

ここの違いが他のクルマとのタイム差に現れているように見えます。

同じステージの二走目は、砂がはけて硬い地面がむき出しになったところにタイヤラバーが乗って黒々、
ドリフトアングルはさらに少なくなり、サーキット走行の車載映像のように、正面にコースが見えて左右のブレも全くありません。

速さの元となっているのはリヤサスペンションの信頼性(グリップレスポンス)が大きく向上しているのではないかと推測できます、
もちろんサスペンション全体を支えているしっかりボディーがあっての話ですが。

縦の動きも硬すぎず柔らかすぎず、減衰コントロールの何かを掴んだのかもしれません。

エンジンもかなり良くなったと言われていますが、今年のシトロエンの速さを紐解く鍵は、ドリフトアングルの少なさ⋯⋯⋯のような気がします。