クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

もう、随分と昔の話ですが

2009-08-29 13:33:18 | なんでもレポート
公設市場の中の八百屋でアルバイトをしていた事がある。
通路を挟んで向かいの店が惣菜屋、となりが魚屋。
客のいない開店前に、掃除をしながらいつものように
店員同士の世間話が始まる。
威勢の良い掛け声が地声の人達だから、他愛無い会話でも朝から元気がもらえる。
毎朝のルーティンワークで、惣菜屋のお兄さんがデッカイ鍋で
ジャガイモを茹で上げ、ポテトサラダの準備をしている。
アツアツのジャガイモの皮を、包丁を使って手際よく剥き、
サイの目までスコスコスコと切り刻む。
顔はこっちを向いていて、次のジャガイモを掴み取る時に
時々下を向くくらいで、殆ど手元を見ていない。
ジャガイモが勝手に包丁の下に移動しているかのように見える。
その、包丁さばきに見とれたものだ。
正に、プロ。
テレビのニュースで、トレーラーの事故を見かけるたびに
「プロとは何ぞや?」と、思う。
今も、あの包丁捌きが目に焼きついている。
お金を貰う職業運転手はプロと呼べるが、責任感、意識の欠落は事故の元。
運転は一瞬の油断が・・・・。
指にケガでは済まなくなるので気をつけましょう。

アルファロメオ ミト 1.6Lディーゼルターボ

2009-08-27 16:48:10 | 試乗レポート
何といってもボディラインと色が印象的。
「暗くて地味で味気ない」どこかの国の車と比べて
車の表情が明るい。
カドの取れた乗り心地は相変わらずで、バネ下の重さも気にならない。
ウマイ乗り心地のまとめ方だ。
車体のしっかり感もそこそこで、ちょっとゆるい感じがなんとも良い。
ディーゼル+ターボはアクセルを開けると、踏み込んだところから
トルク感があって、意外に速い!
むしろ、回転の伸び感が不足に感じるほど、回転の上昇が速い。
信号十字路の旋回では、アイドリング付近の回転でも力があるので、
クラッチを切らないと速度が落ちない。(多少、慣れが必要)
ガソリンエンジンのそれと、やや加速感が異なるが、マッタリ加速も
いいもんだ。ターボを効かせれば充分に速いし、ゆっくりペースも
力不足に感じないところがいい。長距離燃費はきっとイイんだろうなぁ。

焼き肉屋のにおい

2009-08-26 16:04:02 | なんでもレポート
相変わらず、夏だ。
昼間に晴れると、ムシッと暑い!
でも夕方の帰宅時間になって、日が傾いてくると
昼間との気温差が、少しずつ大きくなってきたのか
やや涼しく感じる。
FD3Sを窓全開(アクセルではない)にして、ゆっくりと走らせていると
通りの空気が生活の匂いを運んでくる。
金曜日の夕方は、焼肉屋の前に車と人がごった返していて、
焼け焦げた油の匂いが車室内に入り込んでくる。
暫くは良い匂いの余韻に浸れるが、その後がいけない。
小学校と高校の前を抜けると、住宅地に差し掛かるのだが、
その住宅地の後方に、ニワトリ数万羽が生活しているので
風向きによって、臭ってくるのだ。
通りすがりの私は、わずか数十秒でその場を離れられるが
地元に人たちはさぞかしであろう。
しばらく坂道が続いて、三増峠、テストコースにもしている、
ワインディング路を過ぎ、トンネルを抜けると、また空気がヒンヤリとする。
周りは緑で酸素濃度が高い(気がする)。
ここまで来ると、車室内に入ってくる風が心地よい。
徐々に秋の風に変わりつつある今日この頃。
(ノンエアコンのFD通勤。あと少しで夏を乗り切れる。)

ブレーキ

2009-08-22 23:01:05 | なんでもレポート
ブレーキ!ブレーキ!ブレーキ!
と連呼したくなる場面に遭遇することがある。
前を走っている車が、モタモタ走っているのに、明らかに赤信号で
そのまま通過してしまう時などだ。
軽いブレーキひと踏みで止まれるスピードなのに、その素振りも無く
通り過ごすドライバーを後ろから見ていると、「反応が遅い」と言ってしまえば
それまでだが、“いざっ”という時の反応は一体どうするのだろうか?と、
他人事ながら心配になってくる。
信号が青から黄に変わり、赤に変わって自分の居る位置もとっくに知って
いるのだから、“何秒”も前から取るべき行動は“停止”のハヅなのに
行ってしまう。こんなドライバーとは御対面したくないものだ。
同じく通勤路での事。
車社会に獣道を寸断された動物の、ヤラレタ姿を良く見かける。
私も何度か際どいタイミングで道を横切る動物に、遭遇した事があるが、
ハンドルもブレーキも使って、かろうじてかわして来た。
先ほどの赤信号を突っ切ってしまうドライバーの前に、牛が出てきたら
一体どう反応するのだろうか?全く反応無く勝負に出るのか?かわすのか?
それともクラクションを鳴らすのだけは素早かったりするのだろうか?
(一度牛を放ってみたい!)

皆さんも赤信号は“カッコ良く”止まりましょう。

2009-08-21 15:14:58 | なんでもレポート
お盆休みを利用して信州に出掛けた。
1000円渋滞をかわしながら長野県更埴インター付近の宿に到着。
翌日、信州スポーツランドで、一年振りのダート走行を楽しんだ。
古くからの知り合いから若手まで、30名近くが集っての走行会だ。
午前中は曇りで、山の上は程々に涼しく快適だったが、午後はさすがに暑かった。
コースはよく整備されていて、気持ちよく走る事が出来たのだが、やはり転倒車が
出てしまった。それも2台。両方ともFF車だ。
1台は目の前で、もう1台は見えなかったがヤッテしまった。
幸いなのは、然程スピードが出ていなかったので、転倒にしてはキズは浅い?!
お盆前にFF車の運転のアレコレをブログに書いたばかりだっただけに、
心が痛む。
どちらも見るからに危なっかしい動きをしており、周りの人のドキドキが本人に
伝わったのかもしれない。
この日、ダート走行は初めてと言う人も他に居たのだが、そちらは慎重に走らせたお陰で無事だった。
裏返し組は、少しダート走行に慣れてきた頃の“手探り?でも行ってみよう”の
走りに見えた。
FF車にハンドルが2つある事を知らないのだろうな、きっと。

検証 バランススロットル 17

2009-08-18 15:02:26 | バランススロットル
FF+LSDの正解

コメントありがとうございました。
さっそく話を進めていきましょう。
まずは、今回出題の4タイプのデフ(オープンも含めた)を、2つのグループに分けます。
1グループ目はオープンデフとギヤ式。
2グループ目は機械式とV/C。
走行ラインにLSDのクセを見つけるのに、デフの役目(差動)を許容するのか邪魔するのかの分け方です。
1グループ目はどちらもデフ本来の役目を邪魔せず、走行ラインには“あまり”影響しないと言えます。
2グループ目の機械式は駆動反力を増幅して拘束力としているので、デフの働きを邪魔する方向に効き、V/Cは回転数差に応じてデフ内部に抵抗力が発生するので、
これもデフの働きを邪魔する力となります。(据え切り時は特にです。)
左右回転差の大きい据え切り状態からのスタンディングスタートでは、前輪荷重が左右均等なところから動き始めるので、スタート直後には機械式とV/Cの影響がモロに出ることになり、加速円を一気に大きくします。オープンデフと、ギヤ式は速度に応じた大きさと言えます。
これらの理由から、外側の円に遅くタッチするのは、1グループ目のオープンデフと、ギヤ式LSD。「アッ」と言う間にタッチするのは、機械式、又はV/Cになります。
グループ分けして先着を説明したのは、V/Cも効きを強くすれば加速円は一気に大きくなり、逆に機械式も、クラッチ容量やカム角などを、穏やかな効きにチューニングすれば、小回りさせることができます。効かせ方次第なので似たものグループにしました。但しこのグループがギヤ式と、オープンデフのグループを越すことはありません。
次にギヤ式LSDがオープンデフと同じグループという理由を説明する必要があるかと思います。
LSDと名が付くとデフを拘束するイメージがあるのですが、ギヤ式LSDは違います。力の伝達方法の工夫によって、内輪の増速は許容せず、内輪からの反力を増幅して、外輪の駆動力とするところは機械式と同じ。
しかし、内輪の回転数が減る方向に力が入ると、拘束力を連続的にスルスルと緩めて、デフの動きを邪魔しません。
FF車に装着した場合、LSDの働きをハンドルの手応えとして、感じることはありません。(この事からギヤ式LSDは効かないデフと誤解されている。)
ギヤ式LSDとFF車はベストマッチ。
他は何らかの影響が色濃く出るので、相性が良くないとも言えます。
参考までに、実車テストの結果をお伝えしておきます。
一番小回りが出来たのは、ギヤ式LSD、次がオープンデフ。
LSDの影響の少ないのはV/C(市販純正で、効きが弱い)。
最も加速円の大きいのは、機械式LSD(競技用の効きの強いもの)でした。

解答としては (ヘ、オ)-(ビ、キ)の順です。

やっとできました ボールインボウル

2009-08-11 13:54:49 | なんでもレポート
ドライバーズトレーニング専用の「ボールインボウル」のボウル(お皿)が出来ました。
デザインは以前紹介した物と同じです。
ボールインボウルの話は随分以前から、あちこちで運転を解説する時に使われてきた
(考え方も含めて)のだが、実際に使用されていたのは、キッチンウェアーのサラダボウルであったり、
類似したお皿だったりした。専用のものは今まで無かった(私の知る限り)かと思う。
大きなサラダボウルにテニスボールを入れて転がせば、Gの方向は判るが
Gの強さは今ひとつハッキリしない。
車に発生する“Gを見せる”目的としてはこれで充分だがある程度は数値化したGの強さも知りたい。
それがあればドライビングレッスンに活かせると思い、0.4Gを上限とした曲率半径の凹面を持つボウルを製作した。
このボウルにピンポン球を転がして走らせる姿は一種のゲームのように見えるが、正にその通り。
ゲームのつもりで走らせても良いし、真剣になって走らせてもいい。
要はピンポン球を落さないで走らせる(コントロール)事が出来ればOK。
ドライビングの難しいウンチクは不要。落さない走りが出来れば、それなりのドライビングセンスが
あるということだ。もしもポロポロと落すようなら、その時の操作を振り返ればよいのだ。
ドライビングを簡単に分析でき、測定器ほど正確ではないにしても、ある程度定量的な確認が取れるなど、
使い方次第のところもあって、優れものです。
ボールとボウル。至ってシンプルな道具なれど運転を楽しみながら学べる(理解する)のが良いところ。
運転初心者から使えて、目指せ上級者!にもなかなか手ごわい道具です。
近日発売開始の予定。

工作の時間-3

2009-08-08 11:31:23 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3S用フロントクロスメンバーを中心にした、ハンドリングパックを販売している事に合せて、デモ用のクロスメンバーを組み立てた。
ステアリングギヤBOX、インターミディエイトシャフトまで組付けてあり、ハンドルで感じる手応えを細かく類別して見る事ができるように工夫した。
渋さ、バネ感、遊び感など、どこが影響しているのかもおおよそわかるようになっている。
設定したハンドリングパックの理由と目的、安全性などの説明用でもある。
一目瞭然、一触納得?になると良いと思う。
店頭にしばらくおいてありますが、なんせ場所を取るので、片付けてしまうかも・・見掛けないようであれば声掛けください。
FD3Sに限らず、ハンドルからタイヤまでの力の伝わり方が手に取るようにわかります。

検証 バランススロットル 16

2009-08-07 15:12:56 | バランススロットル
FF車+LSD

FF車のドライビングの話は一休みして、FF車とLSDについて
考えてみたいと思う。
LSD=リミテッド・スリップ・デファレンシャルギヤ
    (滑りを制限する差動歯車)
モータースポーツ車両に必ずと言って良い程、装着されるLSDは
速く走るための必需品というイメージがある。
装着すれば速くなる、或いは走りが良くなる!?とも“思い込まれて”いる。
マイナスイメージは話に出てこない。
果たして本当にそうなのだろうか・・・。
でも今日はやさしい話から入ろう、と思う。
まず、FF車を一台用意して、テストカーにします。
舗装の広場に、この車の最小回転半径の円を描きます。(白ライン)
(例:半径5m=直径10mの円)
更に同心円で一回り大きい円(直径15m)を描きます。(白ライン)
内側の円に接した位置に車を止め、ハンドルは最小回転半径を描くべく
据え切り状態にします。スタートポジションを決めておいて、車を発進
させた後、0.2G加速を続けて速度を上げていきます。
ハンドルは据え切りのままで、動かしません。
速度が上がるにつれて、回転半径は大きくなっていき、やがて大きい円
からもはみ出します。大きい円に前輪がタッチするポイントを比較することで
LSDの影響を探ることが出来ます。
この実験で用意するデファレンシャルギヤは次の通り。

(キ)機械式(多板クラッチ式)LDS
(ビ)V/C(ビスカスカップリング式)LSD
(ヘ)ギヤ式(ヘリカルタイプ、トールセンタイプ)LSD
(オ)オープンデフ(純正デフギヤ、LSD無し)

同じ条件下で走らせた時、4タイプのデフの加速円の軌跡がどうなるか。
外側の円に前輪がタッチするタイミングの“一番遅い”ものから順に
並べて回答下さい。理由のわかる人は、そのコメントも添えてください。
まあ、気楽なクイズのつもりで・・・。とは云へ、ヒネリはありません。
ちゃんとした理由もあります。実車テストも理屈通りの結果が出ています。

正解の話は、また。

検証 バランススロットル 15

2009-08-06 14:14:03 | バランススロットル
コントロール舵

ハンドルは進路のコントロールの他、ヨー作り(車両の向きのコントロール)、
ロール作り(車両の傾き、旋回姿勢)に積極的に使うことができれば
“車両姿勢作り”ができる話をしてきた。
そしてそれには“操舵のタイミング”“切る速さ”“切る量”の3つのポイントが
あることも話した。
今日の話は積極的に操舵したハンドルを次にどうするか、だ。
姿勢作りの為に積極的に舵を動かした後、今度は移り行く車両の動きに合わせた、
コントロール舵に切り替える必要がある。
車両姿勢を「維持する」「更に増す」「収束させる」、これも全て積極舵の内だが
車両の動きの瞬間々に合わせるのだから、やはりタイミングもスピードも量も
あって、ドライバーの勝手ではうまくいかない。
“車両が求めている正しい操作を”ということになる。
例えばの話だが、リヤが流れ出て内向きのヨーが出たときに、本能的に
カウンターステアーを当ててしまった為にヨー運動が外向きに反転して、
大アンダー、大回りコーナーリングになってしまった経験をお持ちの方も
いるだろう。“つい”やってしまったでは、いかんのだ。
車両を動かす舵に対して、コントロール舵(修正舵とも当て舵とも収束舵とも
言える)を知って、FFはやっと手の内に・・・。
もちろん、右足連動がお約束だ。