クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

低反発○○

2019-01-28 20:36:02 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
低反発〇〇
なるものが世の中にあるらしい。
低反発と聞けばすぐに枕が思い浮かぶのですが自動車部品で。
装着車が入庫してきました。
バネレートを測定してみると表記されている値よりも10%ほど低い数値でした。
バネ上重量が乗っかると表記レートよりも10%ストロークしやすいバネということになります。
こうなると注意しなければいけないのが、ショックストロークとの関係。

特に柔らかいバネだと車高を合わせるためにスプリングシートを巻き上げていきます。
ゼロタッチポイントからプリロードをかけた分はすでにバネがたわんでいるので
ストロークがドンドン目減りしていきます。
50mm巻き上げればフリーハイトが50mm短いバネと同じで、
バネストロークはすでに50mm少ないことになります。

今回適正車高に合わせてから、残りのバネストロークを計算したら、
ショックストロークが20mm残っている位置でバネが全圧縮になる事がわかりました。
バネの底付きが起きてしまっては使い物にならないどころか、
このまま走らせるとサスペンショントラブルにつながります。

組み込まれたバネレートだと乗員2名分の重量でさらに20mm下がった位置で走行することになるので、
縮み方向へのストロークがさらに減って、ハードな底付き仕様であることは否めません。

タイヤ、ウレタン製のストッパーラバー、ストラットアッパーマウントなどがあるので、
金属的なガツンにはなりませんが、相当な衝撃が車体に伝わってくるはずです。

で話が最初に戻って、低反発とは⋯
100歩譲ってイメージを誘うだけのネーミングなら笑って済ませられる?
いや結構語呂のいいコピーライトだ。

真面目な話、大きなヒステリシス特性を持っているか、それ以外に
我々の知らない摩訶不思議な現象が起きるバネということなんでしょうか。
そうなるとこれまで読んできた教科書がないしは経験があてにならんということになります。

それともバネレートの低いことを低反発と表現しているだけのただの言葉遊び?
ひょっとしたらまじめにこんな話をした時点で低反発を考えた人の術中にはまっているのかもしれません⋯⋯



踏力一定ブレーキ

2019-01-21 10:02:51 | NEWTON BRAKE
真っ青に晴れ渡った冬の好天。

只今より離陸を開始します。

ゴーッとエンジン音が大きくなってそろりと機体が動き始め、少し間をおいてさらにスロットルが開いて景色が流れ始める。

地面から車輪が離れる瞬間がいつもなら何となく分かるのが、この日はアレッ?
外を見ると既に浮いている⋯その後の上昇のさせ方も段階的にタテGが抜けたりせずに一定Gで高度を上げていく。
天気がいいし風も安定しているからだろうと思っていたのだが。

今度は着陸時のホップステップが無く、ふわりと降りてすぐにブレーキング開始、次は逆噴射かと思ったら
エンジン音は加わらずブレーキングだけの静かな減速が続き、ある程度速度が落ちたところから、
タクシースピードにしては超速で滑走路を移動。
到着ゲートに近づくとモニター画面に誘導員の姿が映し出され、このまま舵を切ったら横Gが強く出そう、と思っていたら
スッと減速開始、頭を入れるタイミングでは横Gの発生は無し。
操作のつながりも完璧、Gの立ち上がりも角が無い。完全停止後のブレーキリリースもショック無し。見事‼︎

振り返ってみると、水平飛行から下降を開始し始める時の操作も穏やかだったし、
旋回も、操作開始の一瞬に気配りが感じられ気がついたら最後の着陸態勢に入っていた印象だ。

機内で拍手が起きてもおかしくないランディング。
ひさびさにバリの取れた操縦に出会えました。いるんですね飛び抜けてセンスのいい人が。

大昔は無事に着陸しただけで拍手があったらしい⋯





枝打ち

2019-01-15 10:10:50 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
冬の間の枝打ち作業。

前から気になっていたガレージ脇の木。

幹に虫食い跡があるので、朽ちてドスンとなる前に手を打ちたい。

木はかなり背が高いのと谷川の斜面に立っているので近くに見えても簡単にアクセスできない。
手っ取り早くやるにはということで、27mの高所作業車を借りてやることにしました。

高さ無制限の高所作業車のオペレーターは知人に依頼。

チエンソーでバッサバッサとやりたいところですが、電話線と電気線、ガレージの屋根などあって
うかつに枝を落とせません。
切り取った枝をゴンドラの中にためて、まとまったところで谷に落とす作戦にしたのですが、
とにかく時間がかかる、でも仕方ない。の繰り返し。

とはいえ、
ゴンドラ位置を上げ下げしながら落としたい枝にアプローチするのはゲーム的楽しさがあって飽きない。

しかし慣れない作業は安全第一⋯

チエンソーのエンジン音もいいもんです。

天気にも恵まれ、空が広く見えるほどサッパりしました。

ピッチング

2019-01-07 20:39:45 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
クルマの前後サスペンションが逆相で動くコト。シーソーのように車体がギッコンバッコンする様。

どこかで見かけたことがあるはずのクルマの揺れ方ですが、ピッチングと呼ばれています。

目視できる揺れ方もあれば、揺れは見えないけどピッチング方向のGを感じる場合とがあります。
ヘッドレストを後ろからツンツン突かれるように頭が前後に動かされます。
Gで感じるタイプは周期が短くとくに不快です。

ピッチングをともなう乗り心地は、なんとなく不快→長時間ドライブが苦痛→出掛けなくなる⋯⋯クルマを買い換える。

ピッチング揺れに対して、前後のサスペンションが同相で伸び縮みするバウンシングは、地面と平行に車体が上下する揺れ方。
これは快適です。

欧州車の走りが落ち着いているように感じるのは、バウンシング揺れ(姿勢)に仕立てられているからです。

ピッチングは国産車に散見、欧州車で見かけることは(ゼロとは言いませんが)まずありません。

車両全体が地面に対して平行に上下するの時の速さに対して、車両の真ん中にシーソーの支点(ピッチングセンター)があると
車両重量が前後に二分されるので、上下する時の重さは半分以下。
中央部に動かない部分もあるので、差し引くと三分の一ほどの重量が上下していると考えられます。
1.5tの重量が上下するのと、0.5tが上下するのとの違いです。
前後が連動してやり取りを繰り返すので忙しく揺れる訳です。

ホイールベースの短い軽四であってもピッチングがでなければ快適です。


NBロードスターの場合 その2

2019-01-02 23:05:23 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
NBロードスターのワンオフダンパーができあがりました。

途中、フロントはこれまでのもの、リヤだけ別タンク仕様にした状態でオーナーに試乗してもらいました。

別タンク仕様にしたら何がどう変わるのか、その違いを体感するのにいちばん簡単な方法です。

トラクションが違う⋯

一緒に試乗した人も

いいな〜

この後、フロントも別タンク仕様にして、最後はミニサーキットセット向けの身なりにセットアップして終わり。

減衰の効いた筋肉質な乗り心地になりました。

ナンバー付き車両で足を固めるとサーキットまでの道のりは「苦行」的な乗り心地の印象があったりするのですが。

今回の仕立ては「純正バネ」「純正値に近い減衰」「ストローク変更」「バンプラバー変更」「車高変更」
「別タンク仕様にして応答性と基本性能向上」でしっかり感を演出したので、道のりは・・・おそらく大丈夫。

ダンパーは往復運動で作動します。

ストロークが切り替わると、バルブの開閉も切り替わり、伸び側縮み側それぞれの部屋の圧力も切り替わります。

オイルにガスが溶け込んでいることから「圧縮性」を伴うことも知られています。

高圧側から流れ出た後の低圧側の「待機圧」も考えなくてはいけません。

ストロークが切り替わる時の減衰を発生しない「遊び感」をわずかに詰めるだけで質感が変わります。
今回の狙いはここ。

しっかりした乗り心地になったのに、ロードスターについて回るブル感は減りました。

サーキットインプレッションが楽しみです。