クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

FD3Sの場合 その2

2019-02-23 13:07:47 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FD3S純正のバネレートを測定してみました。

フロントが47N/mmリヤが34N /mm、2000Nの荷重を掛けたところからのレートです。

サスペンションのレバー比を入れて計算すると、フロントが約19N/mmリヤが17N/mm
これがホイールレート、実際に走らせて感じるかたさです。

スポーツカーは足を固めてナンボみたいに思われているのに、FD3Sのバネレートは低めです。
乗用車(22N+-2Nあたり)よりも。

なぜこういった仕様になっているかは分かりませんが、純正でこのバネレートなら、考えようによっては
乗り心地の良い足にするための準備ができているとも言えます。

他のスポーツカーを持ってして、純正よりもわざわざ低いバネレートを選択する人はおそらくいないでしょうけど。

ホイールストロークをたっぷり使うようにまとめれば、乗用車並みかそれ以上の
快適な乗り味にできる可能性があります。

ホイールストロークは乗用車のそれと比べて遜色ない長さを持ち合わせているので。

バネレートだけで走りが決まるわけではありませんが、そのベース車としてFD3Sはちょっと楽しみなクルマです。

つづく


FD3Sの場合

2019-02-18 14:14:40 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
快適な足にして欲しい⋯⋯FD3Sが入庫してきました。

この車両を手に入れた時すでにサスペンションキットが入っていたようなのですが、

その後に本人が入れ替えたのが今回の足。

試乗させてもらうと快適な時間よりも不快な時間が長くそちらの印象が残ります。

この足にしてからドライブに出かける回数がなんとなく減ってきたとか。

装着されているダンパーをチューニングする方法もあるのですが、
ショックストロークが変更されていることから、今回は別仕立てにすることにしました。

RX-7 FD3Sといえば選択するのに困るほどたくさんのサスペンションキットが出回っています。

中にはあのダンパーもこのダンパーも組み込んだことがある、で今はこれ。と
何セットか試したことのある人がいたりするんじゃないでしょうか。

一時期のめり込んだけど最近はサーキットに行かなくなったし、そろそろ純正に戻そうかな⋯
そう言えば純正の足は処分して手元に残っていない、または今回のオーナーのように車両を手に入れた時
すでにサスペンションが変更されていて、純正の乗り心地を知りようがないケースもあります。

後期型になるにつれて、FD3Sの乗り味がマイルドな方向に変わった記憶があります。

その最終型の乗り心地を超える快適仕様を作るのが今回の目標。

つづく






障害物はゼロスピード

2019-02-11 17:03:33 | NEWTON BRAKE
やっぱり気になりますね〜・・・車間距離。特に高速道路。

相互安全の一番の約束事なのにその距離が足りていないシーンをみかけます。

高速道路で追突事故が起きたとニュースで取り上げられると多重事故。

自分は注意していたから前方の事故は避けられたものの、勢い良くブレーキングしたせいで
第二幕が始まるといったケースも考えられます。

高速道路を走っていて、速度ゼロの障害物があったら…
仮に100km/hで走っていたら、少なくとも100m手前で気が付いて減速動作に入らないと安全に止められません。
判断するのに仮に1秒、アクセルを離してブレーキペダルを踏み減速が始まるまで1秒、
これだけで2秒×27.8mは55m(空走)残り45mが停止までに残された距離。
それもレーシングドライバー並みのハードブレーキングで止まるかどうか、路面が濡れていたらおそらくダメ。


危険回避動作のブレーキングは、ためらわずに思いっきり踏み込みなさい、そうすれば
ABSが働いて最短距離で止まれます・・・最近の教え?

これがレーシングドライバー並みのブレーキングに匹敵するのですが、
いつブレーキングを開始するか、ABS領域のブレーキングに頭のスイッチを切り替えられるか、その動作が瞬時にできるか、
これは本人次第。

時速100kmはそれなりの緊張感を必要とするはずですが、回りのクルマと移動していると忘れがち。

100m?

自動車教習所で速度のキロを外した数値が車間距離と習った記憶が…

100mも開けると確かに安心の車間です。

とは言えマイペースドライバーを除いて、ほとんどの人はこんな車間を取りません。

大体50mも空いていれば気持ちの余裕ができるし、前の車に合わせて減速すればそう慌てなくてすみます⋯⋯
でも50mだと速度ゼロの障害物に対しては運まかせの距離と言えます。

それと、後ろの車が気になって急ブレーキが踏めないというのも困ります。
後続車との車間も結局のところ管理しなくては⋯⋯

まあこんなことを気にしながら走れば高速道路も退屈しません。


単動式復動式

2019-02-04 15:37:38 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)
「単動式」「復動式」ダンパーを検索するとちゃんと「単筒式」と「複筒式」に勘違いしてくれます。

聞きなれないかもしれませんが、単筒式ダンパー、複筒式ダンパーではなく単動式、復動式という呼び方です。
ダンパーの形式ではなく作動方式の違いを表します。

ダンパーは伸び方向も縮み方向も減衰が出るのが当たり前と思われているのですが、
伸びか縮みの「どちらか一方向」に減衰力が出る構造のものを単動式と呼び、両方向に減衰が出るのは復動式。

な〜んだですが、単動式はオートバイのフロントフォークで見かけます。
減衰バルブは縮み側のみに入っていて、伸び側はチェックバルブのみ。

厳密に言えばフロントフォークが伸び縮みすれば摺動抵抗が付いて回るので、
これを減衰力と考えれば完璧な単動式とは言えないのですが、
オイルを使って減衰値を出すのは縮み方向のみ、この作動方式が単動式⋯

縮み側の減衰値に対して伸び側の減衰値が何倍も高い値で仕込まれたダンパーがあったりするのですが、
縮みやすく伸び側だけ減衰が効いている場合に「単動式に近い動き」と表現することがあります。

サスペンションセッティングの途上で、ときに縮み側の減衰値だけで走らせることがあります、
これはあえて単動(片方向だけ減衰が効く)状態にして、縮み側の実力を確かめるためです。

一般的ではありませんが⋯