サスペンションを中心に毎日がまわっている、国政久郎のブログ

オリジナルボックスの業務紹介、サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

35GT-Rの場合 その5

2018-10-19 22:22:55 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
35GTRのフロントダンパーはタイヤの上下ストローク1に対してショックストロークはレバー比が入るので0,6の割合でしか動きません。

ダンパーへの入力スピードはレバー比分遅くなるのですが、入力荷重は大きくなります。

1,8トンの車体と地面の間にあるダンパーは、例えば路面の凸を通過した際、容赦なく縮み方向に動かされます。
減衰を発生しながら縮むのですが、凸の寸法分のストロークが先行します。

減衰を発生しながら素早くストロークすることを強制されるので、フリーピストンが瞬間的に押し込まれている、と考えることができます。

といっても、高圧ガスで元の位置に戻ろうとする力もあるので、わずかな時間の経過とともに元に戻ります。

しかし、路面の凸の形状によっては伸び側に反転した時に、減衰の伴わないストロークが顔を出す時があるのです。

35GTRの「揺さぶられ感」はこのフリーピストンの逃げが関係しています。

根本的な手を打たないと解消しません。

フリーピストンの逃げに対して、具体的な対策方法はインラインバルブを設けること。

これはピストン下室で発生する高い圧力をシリンダーに固定したバルブ(インラインバルブ)で受け止めて、
直接フリーピストンで受けないようにする方式で、レーシングカー用ダンパーとシステムは同じ。

ホース別タンク式、タンク直付け式、内部組み込み式などデザインが色々あるのですが、圧力処理の仕方などが同じという意味です。

ついでに伸びと縮みの減衰力のボリュームバランスを、最新のレーシングカーの特性である縮み側で車高を保持するタイプにしてみようかと、
サーキットに限らず街乗りでも快適が期待できます。


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35GTRの場合 その4

2018-10-14 21:07:47 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
35GTRは乗り心地がちょっと・・・と当初から言われていました。

サスペンションキットもたくさん売られています。

車高を低くするのが主な目的だとは思うのですが、コマーシャルの文言の中に乗り心地をなんとかと言ったものもあります。

ポルシェにも純正採用されている、ビルシュタイン製のダンプトロニックダンパーですが、
ダンパーはどの製品であれ、採用されるクルマへの「合わせ込み次第」で印象も変わってきます。

高圧ガスが封入されている部屋とオイル室がフリーピストンで仕切られているモノチューブダンパーは、
圧側方向で発生する減衰値(圧力)をフリーピストンで支える構造です。

減衰値が大きくなれば、フリーピストンを押し下げる力が大きくなって、封入圧を越えればフリーピストンは後退します。

そうなりにくいように圧側の減衰値の大きさに応じて封入圧を決定するのですが、道路を走れば目地があったり荒れた凸凹もあります。

速度依存型の特性で時々高い減衰が発生します、瞬間的にせよ封入ガス圧で支えられない減衰が発生すると
フリーピストンが本来の位置から後退します。

減衰を出しながらですが、メインピストンとその下室ごと動いて「ストローク」が多めにでます。

この時ピストン上室にわずかな空間が生じ、伸びストロークに切り替わった直後の、減衰を伴わない遊びになります。

これが大げさなストロークの時に出ることもあれば、微小ストロークでもタイミングによって発生することがあります。

雑味とも小さな衝撃とも言えるものが道路からの振動の中に混じるのですが、ちょうどスクランブル交差点の中から
特定の歩行者を見つけるようなものなので、それとわかるのは難しいかもしれませんがあります。

35GTRに乗ってはじめに感じたのが、この振動を伴う室内のにぎやかさと揺さぶられ。

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躍度日和 その7

2018-10-11 09:50:47 | G-BOWL
助手席の人が安心できる運転のコツを知る、と題してG BOWLアプリを使った練習会をやってみよう。

ということで参加募集を締め切らせていただきました。

今回、運転の基本の基本ということで「発進」からです。

誰かの横に乗って、発進からの数メートルを観察すれば、コーナリングとかラインどりの
テクニックを見なくてもドライバーの技量が分かる時があります。

皆さんもどこかで体験されたことがあるのではないでしょうか。

発進一つというなかれ、運転手が考えているクルマを動かすイメージのはじめのところが

Gで表現される大事な場面です。

無造作にやってしまう人、丁寧にやろうとしてもクルマとうまくやりとりできない人。

周りのクルマの流れもあるし、アイドルストップで発進のリズムが変わってしまった⋯

発進の仕方だけだと一瞬にして終わりそう、と思われるかもしれませんが、

持ち帰れるところまで考えると、快適パターンの意識の切り替えも含めて数時間の練習でどうか?

心配なところです。

操作の仕方と、アプリのグラフ、体感(躍度)をセットにする目的もあります。

躍度日和の内容は後日なんらかの形で報告できるといいのですが、どのような方法がいいのか

参加者の皆さんと話し合ってみたいと思います。

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35GTRの場合 その3

2018-10-07 18:33:09 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
サスペンションに手を加える人は純正バネを外すところから始めます。

外した途端にクズ扱いの人もいるかもしれません。

純正バネから違うものに変える行為が、チューニングの世界に入る第一歩と考えているとすれば、純正バネは踏み台程度の意識でしょうか。

しかし⋯
純正バネによって元の車高ができているのは当たり前のことですが、
実はその車高を頼りにして何ミリ下げたと多くの人が納得しているところがあります。

もしもはじめの車高がなかったら、つまり車高の基準がない状態でバネを見つけたとしたら、
純正比何ミリと言った寸法比較のドキドキがありません。

俺は30ミリ下げた、の30ミリがないわけで、低いフォルムにはなったけど⋯誰かに聞かれたら、
え〜ま〜やってありますとしか答えられない⋯あまり低くないですね、とか言われたらもう涙目で立ち直れません。

ローダウンのバネとかサスペンションキットの問い合わせで一番多いのが、何ミリ下がりますか。車高が下がらないは即却下。

純正バネと同じ車高じゃ改造に値しないんでしょうね。

で35GTRの純正バネですが、かなり優れたバネ材(弾性係数が高い)が使われています。

入手しやすい直巻きバネに交換しようとすると、取り付け長が同じなら有効ストロークが少なくなります。
ストロークを満たそうとすると、バネの自由長が長くて取り付けられないか、車高が下がらなくなります。

いや付いているよ⋯となると自由長もバネストロークもかなり短いはずです。

短いバネを入れると、今度はジャッキアップしても遊ばないようにショックストロークを詰めるか、
ヘルパースプリングを組み合わせることになります。

別のバネを持ってくると厄介を引き連れてきて、辻褄合わせに終始するはずです。

35GTRのバネは多くの要件を満たした「作品」と言えるものです。


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躍度 その6

2018-10-01 09:22:00 | G-BOWL
運転の基本の基本を見つける練習会「躍度日和」のお知らせ。

ブログ/躍度-5でお話ししたような集まりを持ちたいと思います。

G BOWLアプリの使い方がよく分からないとか、実際の運転操作はどうすればいいの?

快適運転の元って何?と普段から気にされている方向けの練習会です。

地味に感じるかもしれませんが、助手席の人が安心できる運転はコツを知れば簡単、コツを知らなければ不愉快なままです。

躍度を見られるようになってこの辺りの解説ができるようになりました。

iFulSoft HPに「躍度日和」の募集要項が出ています。


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35GTRの場合 その2

2018-09-27 20:29:06 | ガレージレポート(オリジナルボックス)





あんかけのロードノイズが異常なほどにうるさかったのはどうやらこのブッシュにも原因がありそうです。

静止状態でショックアブソーバーの取り付けボルトがブッシュセンターではなく下に下がっているのがわかります。

新品状態でも押し付けられれば変形するのですが、ロードノイズのけたたましさから考えて、
ブッシュが底付きしやすくなっていることが考えられます。

35GTRの車検証から前後の重量配分と荷重を見ると、車両重量は1750kg、
前前軸重は950kg、後後軸重は800kg。54.3%がフロント45.7%がリヤ。

フロントの左右輪それぞれの荷重はといえば、950➗2=475kg。
ここからバネ下重量を引くと、475ー60kg=415kgこれがバネ上荷重。
これをダンパー取り付け位置のレバー比で換算すると、415➗0.65=約640kg

これがロワーアームのショックマウントブッシュにかかっている荷重です。
例えれば軽トラック一台分相当の荷重が小さなブッシュにかかりっぱなしになっているわけです。

ひとっ走りした後に、揉まれてやわらくなっているブッシュをギューっと640kgで押さえつけて、一晩かあるいは一週間寝かす。
こんなことを繰り返せば、やがて変形したままになります。

今回のクルマはおよそ八年が経過しているのでそろそろの感じは否めません。

ブッシュのヘタリ分で数ミリ車高が下がっています。

元の状態にするにはブッシュ交換。

しかしブッシュ単品では手に入らないので、アームごと。

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35GTRの場合

2018-09-23 10:03:23 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
定年を迎えた旦那さんが欲しかった35GTRを買いに来られました。

しかし、乗り心地が悪いと奥方に言われ、自分でも期待したものと違うと感じたので、半年か一年しないうちに下取りに出してフツーの車に買い換える。

ランフラットタイヤをラジアルタイヤに変更することで、いくらか改善されるものの決定打にはならない⋯⋯
そんな人が結構多いんですよ、と自動車屋さん。

速さが売りのスポーツカーだから、サスペンションは固くて当たり前、
なのに乗り心地について滅多に触れないクルマライターが、乗り心地が硬いとはっきりと書いているところからして、
これはかなりよくないのかなと。

そしてマイナーチェンジするたびに乗り心地が改善されました⋯以前は硬かった。の繰り返し。

ライターの言葉を信じれば、今時ふわふわのサルーンな乗り心地になっているはずです⋯

ということで35GTRが目の前にあります。借り物です。

ふわふわサルーンの後期ものではなく、ごく初期タイプ。

一般道、高速道路半々の試乗に行ってきました。

ランフラットタイヤの硬さもさることながら、タテにヨコに1.8tと思えない横暴な揺さぶられと、その上にロードノイズがあんかけされた乗り心地。

助手席の奥方の気持ちを察するまでもなく、ドライバー席でも残念!

それでこのサスペンションに手を入れてなにかが変わるんだろうか。

という不安満杯のダンパーチューニング開始です。

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多勢に無勢

2018-09-13 11:38:55 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
先日のお客さんとのやりとり。

ここでサスペンションをいじってもらうと車高が上がる⋯⋯

よくご存知で⋯⋯

一応「適正な車高」にするだけなんですよ。と説明。

サスペンション変更する人のほとんどが車高を下げます(おそらく)
下げない人と比較すると多勢に無勢。

この数に連動したお店の数もあるわけで、うちは無いに等しい一店、ということになるのでしょうか。

フォーミュラカー、乗用車のサスペンションは横並びで考えることができます。

車両運動の基本原理は乗用車もレーシングカーも同じで、レーシングカーだから特別ということはありません。

サスペンションの見た目がまるで違うので、にわかには信じられないかもしれませんが⋯

一緒にできないのが「市販車ベースのレースカー」

サスペンションが設計された時のレイアウトとは明らかに違う車高になっているので、
操縦性も安定性も約束できない危うさがあります。

なんとか乗れるようにするには(正攻法ではありません)乗り心地を無視して
サスペンションが動かないように硬めていくしかありません、言い換えれば
本来のサスペンションの機能を殺してタイヤグリップに依存するわけです。

車高を下げたクルマの運動特性がどうなるかと言えば⋯⋯

雨の日は怖い、ドライ路面は綱渡り、乗りこなしに時間がかかる、サーキットラップが安定しない、
ラインどりの選択肢はクルマ任せ、ワインディング路では何か起きそうで飛ばせない、
タイムアタック一発は超キンチョーする、スピンが付いて回る。

ちっとも乗りやすくないということです。

ローダウンしたクルマの危ない操縦性をして、これがチューニングカーだと思い込んでいる人も⋯⋯確かにそうですけど。

レーシングカーでベストセッティングを施すのと同じに「適正車高」を大事にしているだけなんですけどね〜うちは。

まあ、無勢のお店の話ということで・・・



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躍度 その5

2018-09-06 21:33:46 | G-BOWL
検証バランススロットル ・・・ニュートンブレーキday・・・美運転・・・G BOWLミーティング。

最近、G BOWLアプリが大きく進化して、Gの躍度が見られるようになりました。

短い時間の中でGがどんな風に動いたのかを細かく再現して見ることができます。

例えば、ハンドルを動かした時の手際、あるいはブレーキの掛けた時の足癖のような、
その人なりのちょっとしたクルマの動かし方の違いを波形から探し出したりできます。

ここまでは良い測定器なら分かって当然です、がこの手の測定器を手にした人が直面するのは、
上手い運転の具体的な操作方法が説明書に書かれていないことです。

そこで、G BOWLアプリを使って、助手席目線で上手いと感じられる運転とは何かを紐解いていく勉強会をやってみようかと⋯

G BOWLアプリの使い方の解説と、助手席体験による上手い運転とまずい運転の見分け方。

こう書くとなんだかカタイイメージになるのですが、要は乗っていい感じか、
あと少し工夫があるといいよね、くらいを感じ取ることができれば十分です。

次に、自分でどう手足を動かせばいいのかを何種類か試して、その感覚をつかんでいく、こういった進め方です。

気持ちよかった時のデータと、まだだねのデータを記憶と一緒に残していくことで振り返るとことができます。

平たく言えば運転操作の基本の基本を見つけることです。

小さな教室を予約しました。

夫婦、兄弟、親子(小学高学年から)、友人同士、カップル・・・など

親しい人とペアを組んでいただいて、五組(5台)10名ほどの参加を募りたいと思います。

事務局の準備が整い次第お知らせします。


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躍度 その4

2018-08-31 22:02:49 | G-BOWL
上手い運転を目指す人に

助手席の人は快適に感じているんだろうか、というジミ〜な話です。

以前うちの練習会に参加された方が、温泉が好きであちこちマイカーで出かけるのに、
助手席の奥方が気持ち悪くならない運転を覚えたいと言われていました。

本人もクルマの乗り心地に敏感な方で、純正のダンパーで調整できる最小範囲のチューニングの違いを言われる方でした。

かなり感度の高い夫婦であることは確か、そうなると運転する旦那さんの緊張感が⋯⋯

その方の助手席体験があるのですが、ブレーキの掛け方にクセがあり、苦労されていたのを見て取れました。

その国産セダンは足応えに乏しく、指先をそ~っと曲げて調整したいほどペダルコントロール過敏で、
最近のクルマでは珍しくないブレーキタッチ。
空中に足を留め置くパントマイムコントロールが必要。

その対抗手段として、コンッコンッと軽くペダルに触れる踏み方(早く言えばポンピング)に行きついてしまった。のではないかと推測。

右足を動かしている本人はやがて慣れるとしても助手席の人はそうはいきません。

クルマを買い換えるか。パントマイムの精度を上げるか。もう一度ブレーキの使い方の基本に立ち返るか。

いずれにしてもブレーキの上手い使い方は知っておく必要があります。この方に限らず。

たったそれだけのこと?と思われるかもしれませせんが、ブレーキの掛け方ひとつで旅が台無しになってしまうんですよ。甘く考えてはいけません。

ということで隣の人が不愉快な顔をしている理由を躍度から探すことができます。


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