クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

アンチロールアングル その11

2020-01-09 14:57:28 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
YouTubeで三輪車のスライド走行を見ることができます。

カートを改造したのか、一から作ったものなのかは不明ですが、後輪が二輪、前一輪の三輪車。

リヤ左右輪はシャフトで結ばれているようです。
これは走りの途中でヨイショと内輪を持ち上げて、前輪とリヤ片輪で二輪走行するシーンが出てくるのでおそらく。

でカウンターステアー当てっぱなしでパワースライド。
深いスライドアングルの次はスピンするはず⋯とこれまでの四輪の常識で見てしまうのですが、
パワーが掛かっている間はドライバーのコントロール下にあり、スピンとは無縁。
運転技術の賜物なのかもしれませんがマンガ的な動きです。

三輪車は一輪凸に乗り上げたとしてもシャシーが傾くだけでタイヤの接地状況は変わりません。
コーナリングすれば旋回Gに応じた荷重移動が生じるものの、グリップ変化は穏やかです。

四輪車は一輪凸に乗り上げると他の車輪が支えになって、大袈裟にシャシーは傾かないのですが、
それぞれのタイヤ荷重が一気に変わります。

もしもサスペンションがなかったら、タイヤのたわみ量を超える高さの突起で荷重ゼロの車輪が出てきます。
4本脚の椅子の下にコインを一枚入れるとカタカタ落ち着かない状況になるのと同じです。

タイヤ荷重が変化すると、それに伴ってタイヤグリップも変化します。
それを緩和させるのがサスペンションの役目ともいえます。

サスペンションに柔軟性があれば荷重変動が穏やかで、タイヤのグリップ変化も少ないといえます。

サスペンションを硬くしていくと荷重変動が大きくなるので、車両挙動に落ちる気がなくなる傾向になります。

三輪車を見て四輪車を考える⋯

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工作の時間 2019

2019-12-24 10:26:28 | なんでもレポート
簡易型ダンパーテスターを作ってみました。

ダンパーをセットするブラケットをスプリングシートに交換すれば、スプリングテスターにもなります。

ダンパーテスターと言えばハイパワーのモーター駆動が一般的ですが、今回のものは手で駆動します。
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アンチロールアングル その10

2019-12-10 09:42:32 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
FF車でコントロールを失う瞬間というのを、ラリーカーのクラッシュシーンで見ることができます。

その場でクルリとスピンするか、一瞬リヤが流れてカウンターステアーを当てるも、
すでにマシンはドライバーのコントロール下になくコースアウト。

FF車特有のタックインと呼ばれる現象です。あるいはFF車でカウンターステアーを当てるとこうなるの典型的な映像。

タックイン?

最近ではあまり聞かない言葉かもしれませんが、車両の限界特性を表す言葉の一つです。

FF車のタイヤは前後同サイズが基本、ほぼ例外なく。

60%の荷重を受け持つフロントタイヤから先にグリップ限界に達し、40%の荷重を受ける後輪は
まだグリップに余裕があるので、ハンドリング特性は最後までアンダーステアーのはずです。

なのにスピンモードに陥るのはどうしてなのか。

ターマックラリーを走るラリーカーの車高はかなり低くセットされています。

いわゆるローダウン車。

となるとフロントロワーアームに上反角(バンザイ)がついています。

このセッティングでブレーキングしながらハンドルを切ると、旋回外輪に荷重が集中しやすくなります。

タイヤ荷重の変動タイミングがドライバーのコントロール下にあれば問題ないのですが、
上反角車両はそうはいきません。

上反角がロールの自励運動を引き起こすからです。

ロールが深くなるとロワーアームの取り付け点が下がるので上反角度合いが増し、
ジャッキダウン力がさらに大きくなるのと、この力はロールスピードを加速させる力にもなります。

当然すぐにショックストロークが底付きします。車体にタイヤ直付け状態。
この瞬間タイヤ荷重が増大します。
(つまずいたような感じで荷重が増大するので持続性はありません)

残り三輪のタイヤ荷重が抜け落ちるのでグリップを失いスピンモードに至ります。

荷重の乗った前輪アウト側タイヤを軸にスピンしているのが動画で見れます。

素早いカウンターステアーを当てられれば回避できるのでは?とも考えられるのですが、
横Gと連動しているジャッキダウン力がロールを深く抑え込んでいるので、
わずかな量のカウンターステアーでは効き目がありません。

逆ハンドルと言われる状態までハンドルを回してやっとフロントが動き始めるのですが、
重いフロントが一旦外向きに動くと、ヨーイングが反転して旋回半径が極端に大きくなります。
つまりコーナー外側に向かって一直線⋯

スピンするか、コースアウトするか。FF車の危険極まりない動きです。

下反角はアンチロールアングル。
上反角はアクティブロールアングルで、
前者は安定領域角、後者は不安定領域角と言い換えることができます。



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アンチロールアングル その9

2019-11-26 15:53:24 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
サスペンションセッティングとはクルマの振動を変えること。整えること。

カッコよくいえば、接地感を向上させるとか、フラット感を演出する、
ハンドリングを・・・と言った言い回しもあるのですが、
実作業は微振動から大振幅の揺れを感じて気になるところを調整していく作業のことです。

運動特性と言われるオーバーステアー、アンダーステアー、グラつきの後の収束なども振れ動くことなので振動です。

走っている間、感じている振動全てを相手にするとも言えます。

鏡のように平らな道路ならクルマは静かに走ることができて、サスペンションの動きは不要のはずですが、
現実の道路はそうはいきません、綺麗に舗装されているように見えても走ると揺れが生じます。

揺れ方と収まり方、その速さなどを整えて乗り心地を快適な方向に振っていきます。

例えば目地を通過したときの車体の身震いの様子、振動が収まるまでの時間は一瞬の出来事ですが
これを頭の中でスロー再生して仮説を立てます。
そしてここを変更したらどうなるだろうかと減衰値に落とし込んでいくのです。

もちろん判定は体感センサー頼みです。

一つ前の仕様との違いが分かればチューニングは前に進められます。

「方向違い」「こちらの方向」「変わらない」の三択なのでそう難しいことではありません。

「こちらの方向」が見つかれば次は「どれくらい」

手順はこんな感じです。

といっても省けないのが工数、手間は省けません。
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エアーチャック 解説動画

2019-11-19 10:23:45 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
高精度エアーチャック⋯スーパーフォーミュラ⋯特許エアーチャック⋯

YouTubeで検索。

最新のエアーチャックが紹介されています。

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キャビテーション

2019-11-07 10:51:09 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ダンパーの中で使われていたナットです。

黒っぽく見えるのが何年か使用したもの。

もう一つは新品。同サイズのナットです。

錆ているわけではありません。オイルに浸かっていたので。

高圧ガス封入式ダンパーでもキャビテーションが起きている証拠と言えます。

オイル流れが高圧側から低圧側に解放されると、溶け込んでいるガスが膨らんで炭酸飲料の

キャップを緩めた時のようにバブルになります。再度圧力が上がれば消えるのですが、
いくつかのバブルがパチンと弾けて衝撃波が発生、その影響がメッキ剥がれに現れた訳です。

アルミシリンダーの内壁があばた状に侵食というのも過去にありました。

ダンパーの中のできごとのひとつ。
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アンチロールアングル その8

2019-10-30 13:16:31 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
滑り出しが速いタイヤ⋯

時々耳にするフレーズです。

タイヤグリップは、タイヤを地面に押さえつける「垂直荷重」と「スリップアングル」の二つの条件があります。(もちろん空気圧も)

消しゴムを一定の力で机に押し付けて動かせば、どちらの方向であれ手応えは変わりません、
力を抜けば軽くなり浮かせば手応えが無くなります。

これと同じことがタイヤと路面の間で起きていると考えれば、滑り出しが速い時は荷重が抜けていると考えるのが道理。

四輪で接地している自動車はドッシリと安定しているように見えるのですが、走行中のタイヤ接地圧は変化し続けます。

加減速時、旋回時の荷重移動に限らず、路面の起伏でサスペンションが伸び下がる時に、
ダンパーが「加減衰」だったり伸びストロークが不足していると、タイヤが車体に吊るされた状態になり、
接地圧が失われます。

その逆に一輪に荷重が集中する場面もあります。
荷重の掛かったタイヤはしっかりグリップするので、そのタイヤ中心に他のタイヤが滑り出すことがあります。
スナップオーバーステアーと呼ばれる、旋回外側の前輪を軸にスピンする挙動がそれです。

軸となった前輪に集まった荷重は他の車輪から移ってきたもので、荷重の抜けたタイヤがグリップを失うからです。

荷重移動のタイミングとその量をドライバーのコントロール下に置けるようにするのがサスペンションチューニング。

車両運動を紐解いていけば自ずとわかることですが、結局こういった現象はあくまでサスペンションの「しつけ」によるもの。

例えばオーバースピードでコーナーに侵入した時のことを思い出してみてください。

あわてた操作を加えなければ、時が止まったかのようにゆっくり滑り出すはずです。

つい、このタイヤは滑り出しがと言いたくなるのですが⋯タイヤにしてみれば「濡れ衣」

この世に滑り出しの速いタイヤ⋯と言うのはありません。
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ニュートンブレーキ本 2019

2019-10-25 09:57:45 | NEWTON BRAKE
二種類の山登りガイドブックがあるとします。

一冊は、この山に行けば季節にこんな草花が咲いていて、この峰から見える絶景はこのルート、の
山を紹介するガイドブック。

もう一冊は天気の読み方、岩場に足をかける時の注意、装備品の考え方など普遍的ガイドブック。

ニュートンブレーキ本は今更ですが後者です。

どちらも無事に家路にたどり着くためのガイドブック。

いい景色を見れたとしても戻ってこれなかったら元も子もありません。

ドライブも同じです。

常識では考えられないような自動車事故を見るにつけ、自分を守ることはもちろんのこと、
他人に及ぶ不注意な行動は残念な限り。

知らず知らずのうちに他人頼みの行動になっている人が蔓延しているようにも感じますね。

ただ一般道を移動するだけでも、最近はクルマを走らせること以外のなにか余計な心配ごとが増えてきた気がします。
気のせいでしょうか。

狭い道で道幅一杯まで身を細めて避けても、こちらを見向きもしないで通り過ぎる対向車の運転手は総じて仏頂面。

運転が楽しくないんだろうな⋯⋯と思うことにしています。

ニュートンブレーキ本の存在も知らない。






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アンチロールアングル その7

2019-10-16 09:44:25 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ダンパーの減衰イメージは、乗用車が低く、スポーツカーは高い。レーシングカーはもっと高い。

横比較すればだいたいはこの通り。

使われているバネレート、ストローク長さなどが連動しています。

速く走るレーシングカーがカタイ足だから、カタイことと「速い」をセットで考えている人もいるようです。

カタクすれば速くなる・・・と。

純正バネだったり、自分よりも柔らかいバネを選択しているのを見ると遅い!と勝手に思い込んだり。

サスペンションをカタメルということは、四輪をストロークさせてより良い接地性を得ようとする、サスペンション本来の
目的を否定していく方向なので、当然ながらやり過ぎはいけません。

サスペンションの機能を大切にしながら程よいところを探し出す⋯

これがサーキットセッティングとか、サスペンションセッティングと呼ばれているのですが。

ここで厄介なのは「超良路」で、両手で数えられるほどのコーナーしかないサーキット中心に話が進んでしまうことです。

サーキットの中に限れば、タイヤが4本ついていればどんなカタイ足(いい加減な)でも走れます。

格闘技のようなドライビングを要求する足だとして、タイムが出ないのは走らせ方の問題、
完璧に乗りこなせば尖った動きの先にいいタイムの予感がする⋯

労多くして⋯でしかないと思うのですが、乗りづらい足とセットで「走り込み文化」もあるので、
長く楽しむにはいいかもしれません⋯おススメはしませんが。


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アンチロールアングル その6

2019-10-05 16:14:10 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
浅間火山耐久レース用の競技車スバルビビオは純正車高より15mm高くしています。

コースはサクサクの火山灰路面なので、十数台が走リ始めればいたるところに深い轍ができてきます。
軽のロードクリアランスではどう避けてもお腹を地面に打ちつけ、レースを走り終えると
下に凸だったアンダーガードが凹に変形するのを、少しでも減らすための対策です。

でも軽のトレッドのままで車高を高くすると、いかにも不安定でややもすると横転しやすくなるのでは?

その方向ではあるのですが、幸い路面のμそのものが舗装路に比べてかなり低いので、心配には及びません。

重心高さからくる転倒というより、轍に引っかかってとか土手に乗り上げてと言った理由のほうが多い気がします。

車高を上げることで腹を打ちにくくするのもそうですが、ロワーアームのアンチロールアングルが15mm追加されるので、
バネを硬くしたりスタビライザーを強化しているわけではないのに、コーナリングしている時のロールに張りがあって、
元の姿勢に戻ろうとする力が常に働いている安心感があります。

アンチロールアングルがしっかりと効いている(働いている)実感がこれです。
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