クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

検証 バランススロットル 74

2013-04-04 16:24:27 | バランススロットル
・4つのラインを学べば見えてくること、確かめられること

検証バランススロットルの定番メニューである4つのラインを試すオーバルコースを
今回、出来れば2面準備する予定でいる。

4つのラインとは何ぞや?というところから話を始めると
直線と直線の間にある曲線部をもって、前後関係をいかに効率よくスムースにつなげるかを
ラインで表したもの。
そのコーナーの大きさであるとか、走らせる車の動力性能(加速性能)、路面の摩擦係数(ミュー)などの
条件を全て考慮した時の、安全でうまい走らせ方。
つまりライン取り、という説明が良いかと思います。

その走りのパターンが各コーナーごとに、車ごとに無限にあるわけではなく、
およそ4つのパターンに分けることができます。
その4つのパターンを元にして走りを組み立てれば、峠道であれサーキットであれ、
ベストラインに一気に近づくことができます。
もし迷うようなコーナーがあったとしても、4つのうちのどれかのタイミングを
少し変えてみるとかすれば答えを見つけやすい。
走りのパターンを知らないでサーキットに向かうのとは雲泥の差。

一般道も然り。
武道で言うところのカタ(型)のようなものです。
但し自動車ですから物理現象、車両運動理論などが基になっています。

練習方法としては4つのラインの
「ブレーキ」「ハンドル」「アクセル」のタイミングが全て違うことを
覚える事からはじめて、ライン取りとそれに伴う車両姿勢の管理、
Gコントロールと全体像を体験、学習していきます。
まずはほどほどのペースで確実に4つのパターンを組み立てる。
次の段階でペースUPといった進め方を、2面のオーバルコースを使って考えています。
4つのラインについては、MFi誌NO.42号に紹介されています。

検証 バランススロットル 73

2013-04-03 16:04:46 | バランススロットル
パイロンスラロームを走ると見えてくること、確かめられること。

定常円~の説明の中で、アクセル80%、ハンドル20%を見られて、
オッと思われた方、ウ~ンの方、言っている意味がピンとこない方、色々あるかと思います。
心配は要りません。
当日になれば、あ~なるほど、になります。
パイロンスラロームと言えばジムカーナの練習イメージですが、目的を持たせたパイロン配置にすると
見えてくるものがあります。

定常円旋回では“深くロールした姿勢”を続けている状態でのコントロール方法をトレーニングするのですが
今度はフラットな姿勢から、深くロールするまでの過程をトレーニングします。
もちろん深くロールした姿勢から反転して、次の深いロール姿勢に入るまでの連続したロールコントロール、
同時にラインコントロールと車両の向き・・・つまりヨーコントロールなどもです。

定常円のときのアクセル80%、ハンドル20%に対して、
今度はアクセル20%、ハンドル80%が目標です。(パイロンは等間隔に並べます)
アクセルはスピードを一定に保つだけのコントロールにとどめて、
ハンドル操作でパイロンを抜けていきます。
パイロンを抜けていく進路を考えつつハンドルを切るのですが、車は同時にロールします。
ロールに応じて横Gも立ち上がり、ロール姿勢がもっとも深くなったところで横Gがピークに達します。
これで進路(ライン取り)とロールコントロールの二つがあることがわかります。

次にパイロンを抜けていく短い時間の中で、車両の向き(姿勢)はどうなっているのかに着目すると
必ず左右に向きを変えながら、パイロンをかわして行きます。
車体の置き場としてのラインコントロールと、そのライン上で車体の向きも常に正しい方向に
コントロールする必要があるということです。
つまりこれでハンドル操作でラインコントロールとロールコントロールとヨーコントロールの
3つを同時に行うということです。
そんなことが・・・できるんです。
これはタイミング(操舵開始のポイント)と操舵スピード(ロールとヨーコントロール)、操舵量・・・
に尽きるのですが、ちゃんと意志(目的)をもって行なえばできます。
多くの人は微妙にタイミングがズレていたり、ライン取りが先なのかハンドル操作が先なのか
わからないような組立てだったりします。
これらを整理してみましょう、というのが練習の目的で、ここにも操作の結果として出るGに着目する事で
正しい操作を学ぶことができます。

同じ時間軸のなかで
「ラインコントロール」「ロールコントロール」「ヨーコントロール」「スピードコントロール」の
4つを同時にコントロール(実は)・・・むつかしいっちゃ、むつかしい。
でも、練習テーマとしては面白い。

*芸当運転ではありませんよ。
 ワインディングに行けば、何割かはこのドライビングに該当するのと
 トップドライバーと呼ばれる人たちは、当り前のようにドライビングに組み入れています。
 これを知ればF1オンボードがウンと身近なものになります。

検証 バランススロットル 72

2013-04-02 16:45:31 | バランススロットル
次回、練習会メニューの内容紹介です。

◎定常円を走ると、見えてくること・確かめられること

○その1 ステアー特性

 一定ヨーで旋回した時の U/S特性 O/S特性、その度合い、コントロール性などがわかります。
 (市販車は U/S一辺倒?)


○その2 ラインコントロールの操作技術(正しい!)

 ハンドルとアクセルの使い分けを試す。
 定常円(一定Rの連続)だから、ハンドル角は一定にしておいて、旋回半径を決めるのは
 速度(つまりアクセル)なのだということの検証と、実際のコントロール技術をトライする。
 ハンドル操作20% アクセル操作80%が目標。


○その3 定常円旋回中にアクセル操作、又はハンドル操作を行った時の、
 横G、ヨー変化(旋回姿勢)、ロール変化の違いを知る。

 ハンドル操作によるラインコントロールの場合
 [横G][ヨー][ロール]が一気に大きく動く、ラインも変わる。
 旋回軌跡は凸凹になりやすい。
 これに対してアクセル操作によるラインコントロールの場合、
 Gの方向(Gの増減ではない)が、おだやかに変化し、ヨー、ロール、ラインもゆっくりと変わる。
 旋回軌跡は丸みを帯びた定常円に近いラインとなる。
 では、二つを同時に操作するとどうなるか。
 多くの人は何気にハンドルとアクセルを同時に使うことがある。
 これも試してみよう。


○その4 タイヤグリップの一番おいしい角度を知る。

 定常円旋回を、もっとも速く回るとしたら、CF値MAXを使って走ればいいのだが
 その角度を見つける(知る)必要がある。
 アクセルコントロールがうまくできる人なら、ハンドルロック(据え切り)まで切り込んだ状態でも
 定常円を描くことができる。
 誰が見ても無駄とわかる大舵角、そこまでいかないところ(途中)に、
 一番おいしい舵角(スリップ角)があったハズだ。
 これを知るのに定常円は便利。
 周回タイムを計る、ないしは旋回スピードを測定すればOK。
 おいしい舵角を簡単に見つけられる。
 そして大切なのは、自分の感覚と正しい舵角をリンクさせること。
 タイムアタックで気合を入れ過ぎると、タイムが下がってしまう理由も
 ここでアッサリとわかるかも知れません。
 タイム計測時の運転方法は練習当日、説明します。


ということで定常円旋回は、実験的な面と自動車運転の基本を確かめることのできる優れた練習方法です。


*ブラッセルの空港駐車場で見かけたBRZ。