クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

営業バン その3

2015-09-25 23:09:07 | なんでもレポート
営業バン・・・の本が書店に並ぶ日が近づいてきました。
予約された方にはさっそく届くはずです。

発売と同時に全国あちこちの書店にくまなく一斉に並ぶのかと思っていたら、
最近は少しばかり様子が変わってきているようです。

amazon、三栄書房のネット販売などで手に入りますが、その他様々な告知方法で本を紹介していきます。

本屋さんに並んでいない場合は(すでに誰かが手にしてストック切れのケースもあります)注文で取り寄せるのが一般的な入手方法のようです。

当たり前と言えば当たり前なことですが、書棚を探す前に店員さんに尋ねるのが手っ取り早いと思われます。

出版社は「三栄書房」
「営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由」
「著者國政久郎」
「聞き手まとめ森慶太」
「\1400+税」

高速道路のぶっ飛ばし方を説いた本ではありません、くれぐれも・・・
クルマを、わかる、分かる、解る、判る……………内容が書かれています。

自分基準で良いクルマを探すのにその勘どころを知りたい、と思っている人にはうってつけです。

あまたあるクルマの良し悪し情報ではなく、自分でハンドルを握って走り味、操作感を感じる時のキーワードを解説してあります。
そう・・・自分で感じとる話です。



乗り易い足は速くない・・・?その2

2015-09-21 13:47:12 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
これも随分昔のことですが。

オリジナルボックスでは会社創立当初から、競技車の製作を仕事としています。
自分で走らせていたマシンも内製、サスペンションセッティングもその頃からガツガツにやっていました。

そんな中、Gr-Cマシンのサスペンションセッティングをやって欲しいいと頼まれました。

ガレージで担当者に話を聞いたところ、一ヶ月ほど先に富士SWで行われるWEC(世界耐久選手権シリーズ)に出場する予定であること、
その時リザーブドライバーを入れて4人のドライバーが登録されるのだが、セッティングの好みが皆違うので困っている・・・

ジャッキスタンドに乗せられているシャシーを見せてもらい、色々と話を聞いているうちに、どうやら問題の元になっているのはタイヤであることに気がつきました。

以前はエイボンタイヤが標準装着されていたのが、今はダンロップタイヤ。
タイヤ外径が異なり、車高が高くなったのをメインスプリングのスプリングシートで調整していることです。

グランドエフェクトと言われるダウンフォースをボディー下部で効果的に得るためには、グランドクリアランスを優先する車高合わせをします。
しかしタイヤの外径違いで上がった車高を、車高調で下げただけでつじつまが合うかといえば否!

車高調を動かせば、車高と一緒にサスペンションアームの角度が変わり、静的なロールセンター高が移動したままになります。
これだとサスペンションが設計された当初のロールセンター高のポジションから外れてしまっているかもしれません。
(結果この時はそうなっていました)

その対策方法は、リヤーのロールセンター高さの修正、つまりサスペンションの取り付けポイントをダンロップタイヤの外径に合わせて正しい位置に変更することです。

かくしてレースウイークの練習日、サーキットから連絡があり、4人のドライバー全員からOKが出ました、セッティングはこのままでいけそうです・・・

決勝は残念ながらドライブシャフトのフランジボルトの緩み!というマイナートラブルでリタイヤでした。

「乗り易さ」は「純正」とか「ノーマル」といった言葉が持つ意味と同じで、正しいものであろうことはなんとなくわかります。

ところがこれらの言葉にくっついているもう一つのイメージが、手を入れていない…改造されていない…チューニングされていない…だから速くない、
こんな風にも思われているのではないでしょうか。

しかし目一杯のチューニングが、はなから施されている純レーシングカーの場合は乗り易さなくして良いセッティングとは言えません。

じゃあ改造された市販車は?









乗り易い足は速くない・・・?

2015-09-18 09:39:51 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
少し前に手掛けたNCロードスターのサスペンションセッティングの話です。

そのクルマのオーナーは、仲間と組んで毎年筑波サーキットの4時間耐久レースを楽しんでいました、チームメンバーには女性もいます。
チームの目標は10位以内でのゴール。

タイヤグリップの前後バランスをわずかに後ろ寄りに、かといってアンダーステア一辺倒ではなく、
ドライバーの意思で旋回姿勢を変えられて、手を止めれば弱アンダーステアーのまま旋回姿勢が落ち着くあたりにセット。
これでスナップオーバーが消え、リヤーの横グリップはドライバーのコントロール下に。

練習走行でいきなり女性ドライバーのタイムが1.5秒アップ!

他のクルマとブレーキ競争しても負けない・・・
この足だと最終コーナーが全然怖くない・・・
とコメント。

で本番の予選でチームは6番手、決勝はなんとなんとの4位でゴール。
チームの喜びようといったら・・・

突然裏切ったりしない足になったので、混走時のライン取りも自在に変えられ、
小さなミスも減って4人のコンスタントタイムがよくなったことで上位ゴールできた・・・

このケースでは「乗りやすさ」が良い結果をもたらしたわけです。

乗り易い足は速くない?と、ちまたでまことしやかに囁かれていますが、
この言葉は、本当に乗り易い足のクルマを走らせた経験のない人が流布したもの・・・ではないでしょうか。

少し横道にそれますが、WRCを走るラリーカーはルーズな路面でタイヤ性能を使いきり、ドライバー技量の限界でマシンコントロールします。
綱渡りのような走りの裏付けになるのはコントロール性です、つまり最後まで信用できる乗りやすさがあって良いタイムを出せるのです。

乗り易い足は速くない?・・・皆さんも心のどこかでホントにそ~なのかな~?と思ってなかったですか。

もっとも、そうは言っても乗り易い足の定義などというのもないのであやふやなところからは出られませんが。

もしも乗り易い足は速くないと信じているのでしたら、厚手の財布を持って来社いただければ、たちどころに本物の「乗りやすくない!」足に変更してさしあげます・・・

ドキドキ状態の程度もお好み次第!1コーナーでスピンしたいのか最終コーナーで全損にしたいのかも選べます・・・冗談ですけど。



トークショー

2015-09-10 22:35:19 | なんでもレポート
営業バン・・・の本がもうすぐできあがってきます。


その発売時期に合わせ、トークショーの案内が届きました。


日時:10月3日(土)午後1時30分~
場所:三栄書房ロビー(新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア7F)
内容:『博士のエンジン手帖3』『営業バンが高速道路をぶっ飛ばせる理由』
    発売記念トーク&サイン会
出演:畑村耕一(エンジン博士)×國政久郎(サスペンションの神様)
   世良耕太(モータージャーナリスト)森 慶太(モータージャーナリスト)
料金:無料(ただし、会場で新刊を購入していただきます)
人数:先着100名様(椅子数の都合です)
応募:mfi@san-eishobo.co.jpへ、ご参加の旨記してお送りください


といった内容です。




営業バン

2015-09-07 21:40:49 | なんでもレポート
*今どき、奇特でワイルドな方も居るもんです。狩猟採集の両方イケる方からいただきました。


今月末に本屋さんに並ぶ予定の、森慶太氏との二人羽織本、営業バンが高速道路を・・・の抜粋コラムが、http://carview.yahoo.co.jp/で紹介されます。


中味は1回目が営業バン最速のヒミツ、2回目、3回目が真っ直ぐ走るの途中まで、4回目がボディの途中まで


■掲載タイミング
1回目 → 09/09(水) 10:00:00
2回目 → 09/16(水) 10:00:00
3回目 → 09/24(木) 10:00:00
4回目 → 09/30(水) 10:00:00


一体どんな内容なんだ!
が事前に分かります。

観戦・応援

2015-09-04 22:03:51 | イベントレポート
          *オーストリアから参加のマシン



静岡県掛川市で行われている、学生フォーミュラの大会に行ってきました。

手作りのマシンは150kg!とバイク並みに軽量なモノからから250kg~?あたりの重量です。

市販されている四輪自動車用のダンパーでは、ストロークもダンパーのサイズも大きすぎます。

自転車用のダンパーを流用しているチームがあったりするのですが、最近は学生フォーミュラ向けの専用ダンパーが売られています。

そこで、最近の学生フォーミュラの使われているダンパー事情のチェックを兼ねて、知り合いのチームの応援に出かけました。

大会のエントリー台数は約90台(校)
カーボンモノコックのマシンもちらほら、馬鹿でかいエアロパーツ装着車も。

順調にいってますか?と九州から参加のチームに声を掛けると、順調じゃないところが順調です!と自虐的回答を笑顔で返してこられました。

どうやらマイクロバスとマシン移送のトラックの二台で遠征のようでした。

チーム員は何人ぐらいですか、の質問に先生2人を入れて18名です、これ以上マイクロバスに乗れませんから!・・・
明るい先生でした。

元自動車メーカーの有名エンジニアだった人が、定年後に大学の教授に、そして今回学生を引き連れて参加されていました。

穏やかの話し方は、過去に何回か取材で対応していただいた時と変わりません。
この方もなんだか楽しそうで、チームはトラブル多発なのにニコニコ!

パドックを歩くと学生がへたり込んで休んでいるように見えて居眠りを・・・みんな寝不足顏!

オーストリアから参加のマシンは・・・ドイツ大会4位の実力。
対戦する日本チームの実力は?

結果が楽しみです。


          

*でかウイングとスポイラーは、ボディーに装着されているのではなく、サスペンションに直接ダウンフォースがかかるように工夫されている、名前はツインシャシー。





G-BOWL 50

2015-09-01 23:59:52 | G-BOWL
毎日の仕事の流れの中で、同じような車両が入庫してきたり、お客様からの問い合わせ内容が重なる、なんてことが時々あります。

リアルG-BOWLの問い合わせが個人ではなく大手の会社からありました、二社とも複数個の注文。
どんな使い方をされるのか気になります、尋ねてみたいですね~。

どちらかの注文窓口の人から聞いた話だと、元なんとかの人からの紹介、とのこと、・・・元なんとかさんありがとうございました。

0.3Gを上限としなければいけないプロ運転手の会社はその使われ方がなんとなく想像できます。

もう一社の方は社内教育?・・・推測ですが。

もう何度も書いていますが、リアルG BOWLを車載すれば、どんな荒くれ運転手も大概は緊張してコチンコチン運転になります。

ボールがお皿から転がり出てしまえば、たかが0.4Gの範囲でクルマをコントロールできないヘボなドライバー・・・のシールをペタッとおでこ貼られた気分になります。

ハンドルはこじる、アクセルの開け方はショックが出ようが御構いなし、
シフト時のクラッチミートも、回転合わせに気を使ったことなどないといった操作をしていることに、薄々自分で気がついている人ほどG BOWLのお皿が浅く見えます。

そういえばここまで書いて思い出しました、リアルG BOWLを初めて目にした仲間が発した最初の一言が、あっ浅いっ!・・・でした。

他にも、1Gまでボールがこぼれないやつを作って!というのもありました。
ケツを思いっきり蹴り飛ばして・・・というのは嘘ですが、
お前な~ときつく説教しました。

運転の「見える化」によって、実は自分の運転は・・・
ま~いろいろな意味で楽しめます。