クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

夏の通勤 SM570R

2011-06-30 13:57:25 | Weblog

 

車体の軽さで選んだハスクバーナは、気には入っているのだがここまでずい分手こずった。
まず、キックスタートのエンジンの掛かりが悪かったこと。
どうやらこれが原因で、このバイクを手離す人が多いらしいと言う情報を最近耳にした。
私のバイクだけではなく、SM570に共通しているようだ。
私が手を入れたバイクの前オーナーも、同じ理由で乗っていなかったのかもしれない。
私の手許に来た時、走行距離100km未満、タイヤもパッドも新品同様。
このエンジンの掛かり悪さに、約1年ほどの時間を費やしてやっと解決した(理由も解決策もバッチリ)
今日の朝・・・。外気温が高いのもあってキック一発。
トットットットッと、昨年までの不機嫌なエンジンとは思えないほど、簡単に始動する様になった。
それともう一つはハンドリングだ。
始めは久々のライディングだったから、ギクシャクは自分のせいだとばかり思っていた。
そのうち慣れるだろうと・・・。しかしそれにしても・・・と言うのがず~っと気持ちの中にあった。
ライントレースがうまくいかない。
コーナーが来るたびに初心者のようにギクシャク走らせていた。
何せ倒し込みのタイミングがうまく取れないのだからどうしようもない。
ところが、数日前の“暑い日”にバイクで帰宅したその時に「アレッ?」があったのだ。
ある日、目覚めたら一流ライダーになっていたかのように、コーナーへの倒し込みも
ライントレースもスロットルを開けてコーナーを抜け出るタイミングも、リズミカルにでき
急速にバイクとの距離感が縮まった印象になったのだ。
えっ?これは何だ・・・?
そうなると思いつく答えは「アレ」しかない。
次の日早速手を入れた。
直進性も良くなったし、信号停止もフラツキが減って、バイクがゼロスピードになってから
足を出しても良くなった。
片手運転でヘルメットに手を入れて鼻を掻くこともできる。
当然ライントレース性の精度も、比較にならないほど良くなった。

“初心忘れるべからず” (ライディングの話ではありません)と、自分に言い聞かせた。


G-BOWL 34

2011-06-29 22:40:59 | G-BOWL

暑中お見舞い申し上げます。

G-BOWLをお買い上げいただいて“走り込み”をされた方が大勢いらっしゃるかと思います。
その後の進み具合はいかがでしょうか。
もうバッチリ、玉回しもグルグルイケル!と言う話は、まだ聞いていません。
ひょっとしたら
「最近、何だかよくわからなくなってきた」方も
「思考が止まって、ちょっと中休み状態」という方も
もしかして、案外・・・・かも。

ひとまずボールを落とさないで走らせることは出来るようになってきた。
しかし走りのリズムが未だ掴めていないパターンも考えられる。
0.4G以内はOKだが、0.4Gを越すとボールがBOWLの外へ。
ここがG-BOWLの大きなプレッシャーでもある。
心情的には、0.4Gに近づけるとリスク?が大きいので、無理?してちょっと手前のGで止める。
手前(しかもかなり手前)で、ついいつもコントロールしてしまって、消極運転になってしまっている、
というのも心配だ。
0.4Gの“フチを回す”ことのチャレンジすら忘れてしまっている人もいるのでは・・・。
あるいはやろうと思うけど、実はどうやってよいのか解らない人も。

始めはボールを落とさないことに神経を使ったけど、しばらくして慣れてみると
日常運転で0.4G内で走らせることは、カンタンなことというのに気付いていただけただろうか。
G-BOWLを使ってドライビングをすることで、
Gの大きさがあって
Gの方向があって
Gを連続させる運転があることも理解してもらえたと思う。
スムースな運転は、このGのつながりがポイント。

そろそろG-BOWLを直視しなくても大丈夫!と言って欲しい時期だが・・・。

 

 


ルノー メガーヌRS 2L TURBO

2011-06-25 15:17:35 | 試乗レポート

横に横にふっくらなので、車幅も広く全体もでかい。

車重1400kgプラス。
注目すべきはサスペンション。
独立した転舵軸を持つ、ストラット形式。
ホイール径が大きくなった最近の車両ゆえに成立した設計ではあるが、
ホイールのオフセットを大きくして、ホイールの中にブレーキシステムを全て収め
転舵軸用のボールジョイント上下も中にある。
これによってセンターピボットと呼ばれるジオメトリーに、限りなく近い
ディメンジョンを形成している。
駆動力を持つ操舵輪の理想形の一つである。
走り始めに感じたのは、車体全体が一つのカタマリのようにガッシリしていて
身震いしないことだ。
足のしつけもそうだ。
いつでも戦闘態勢。このまま峠の入り口に向いたい気分だ。
どんな加速をするかと、2速で全開。
タコメーターを目で追いかけようと思ったが、エンジンの吹け上がりの方が速く、
リミッターに当ててしまった。
ハンドルのドッシリ感は先の説明の通り。
センター付近の応答は、非常にスムースな立ち上がりの動きで、
ステアリングのギアレシオが、一見遅いのでは?と思わせるほど。
中央付近にその感度が密集していて、扱いづらい(これをレスポンスが良いと勘違いしている人も)のに
慣れている人から見れば、手を止めずに量を計れるハンドルと言える。
ウー。どこかで全開アタックしてみたい、と久々に思わせる車だ。
しかし、大きい重いは、いただけない。


通り過ぎたもの 行き過ぎたもの 2

2011-06-24 13:45:35 | 試乗レポート

私が過去にダートラ車に仕立てた車両は
・KP61 スターレット
・AW-11 MR-2
・ST165 セリカ4WD
・BG8Z ファミリア4WD
・GC-8 インプレッサ4WD
これを駆動方式別に見ていくと、FR、MR、4WD。
4WDの中で見ていくと
セリカ4WDは、センターデフとフロントデフにLSDを入れることができず
4WDで強力パワーの車であったが、トラクション不足に悩まされた。

BG8Zは、前後の駆動配分が違う4WDだが、これも無理無理試作したLSDの
容量が小さく、苦戦した。しかしレギュレーションの範囲内で軽量化に挑戦。
何と930kg!の4WDだったから勝負できた。

インプレッサはと言えば、Front、Rear、CenterとLSDが何種類も選択でき
トラクションは出せたが、ハンドリングとの兼ね合いを見つけるのに苦労した。
そして1年目はそのまま通したが、LSDの効いた時のハンドルの重さに腕力が
ついて行けず、インプレッサ2年目になって仕方なく“パワーステアリング”に戻した。

つまり、ここまで乗ってきた車両全て、パワーステ無しで走らせてきたのだ。
パワーステ付なら、キックバックはこないし、ハンドルもクルクル回せて楽だが、
センサーとしての役目をもぎ取られた感じがして、格闘技のような重ステであっても
気にせず走らせていた。
ハンドル情報のおかげで、判断を迷うことなく自信を持って走らせることが出来た。
この考えは今も変わっていない。
今回モンテを走ったTE27も、私の大好きなノンパワーステのフィールだ。


通り過ぎたもの 行き過ぎたもの

2011-06-21 12:48:22 | 試乗レポート

今だ納得できないものの一つにドアミラーがある。
現行の車では当たり前に付いていて、疑いを持つ事すら忘れてしまっているかもしれないが、
ず~っと以前はフェンダーミラーだった。
いつの日にかドアミラーに変わってしまったが、その理由が釈然としない。
バックミラーはドライバーにとって、自動車にとって、大切な機能部品。
取り付け場所を大きく変更するなら、何らかの理由があって然るべきなのにこれが解らない。
顔を動かさなくても視界の中にフェンダーミラーが常時入っている事で
右も左もミラーの中に何かの動きが映れば、直接目で捉えられる。
このメリットは大きい。

バックで入れる車庫入れの時では、ボデーラインを前のほうから見ているのと同じなので
壁との平行をカンタンに合わせられるが、ドアミラーはこれができない。
右ハンドルの場合で言えば、左側ドアミラーは、明らかに首を振って顔を横向きにしなければ
確認できないし、この瞬間、前方視界はゼロになる。
不便だし、バックミラーとしての機能レベルも低い。
今でも一部のタクシーorハイヤーなどには、フェンダーミラーを見かける。

TE27もフェンダーミラーだ。
試乗を終えて、何人かの口から「やっぱりこれですよね~。」と、
その使い易さを印象としてあげていた。
これってもしかして通り過ぎてしまったものの一つ?


TE27は 疲れない!

2011-06-17 22:17:53 | 試乗レポート

モンテカルロラリーを走った車の試乗など、そうめったにはないだろう。
しかも、40年近くも昔の車両だから、なおさらだ。
試乗会の日、バタバタとした中で聞いたコメントに
「これで4000km走るのは想像できない」とか「きっと疲れたでしょう」があった。
ところが、実はそうではなかった。
初日からの2100km一気乗りの時も、そのあとの3日間1500km(ほぼ500km/日)も
筋肉痛も無ければ、腰痛も無い。
次の日の朝に体が重いとか、あと少し寝ていたいとかも、まったく無し。
緊張していたせいかもしれないが、前日を引きずることなく続行できた。
あと3~4日続いても、おそらく何も変わらない気がする。
ヨーロッパアルプスを遠くに見ながら、絶景の中を走る楽しいドライブである、と言うのもある。
手足の動きにわかり易く反応してくれるTE27が、扱いづらいハズが無く、
走らせるのはむしろカンタン。だから楽しく走れたのだ。
疲れる車って、一体何が理由だろうと、改めて考えさせられる。
このバケットシートのパッド、いいですね~と言うコメントもあった。確かに良かった。

皆さん、書き込みありがとうございます。


TE27 試乗会

2011-06-15 13:55:04 | 試乗レポート

先週の土曜日、予定していたTE27の試乗会を行なった。
入れ替わり立ち替わり10数名が参加。
特にトラブルもなく無事に終わった。
感想を全員からは聞けなかったが、中には「なつかしい!」が口に出る人も・・・。
「乗り易い」「普通に走れる」「パワーが無い」など、総じて帰ってくると皆ニコニコ。
モンテカルロラリーのコースを走り抜いたバリバリのラリーカーを、
運転できるチャンスなんて、そう無いだろうと思われる。


*TE27試乗会に参加された皆さんのコメント、書き込んでください。(全員よろしく)
 そしてコメントもかぶらないように!
 そうなると、早い方が好きに書き込めることになるかな? 
 当日乗っていない人が読んで、その実感が伝わるような
 名コメント!お願いします。


タイヤ一本分の管理 3

2011-06-14 14:03:46 | なんでもレポート

ダメだけ言っていると印象が良くないから
タイヤ一本分の管理の練習方法の説明をしてみよう。

まずは基本のベストライン(ないしは自分の考えるベストラインを一つ固定する)が必要になる。
これがなくては話が進まないから、せめてコーナーのアウト(進入ポイント)、イン側のクリップポイント、
そしてもう一度アウト(脱出ポイント)側の車の置き位置を定める。
そしてまずはゆっくりと走らせて(と言ってもゆっくり過ぎると判りづらいから0.6~0.8G)
想定ラインをトレースする。

数回以上同じところが通れている事を確認できたら序々に速度を上げていく。
ラインを一本分外したら、前の速度に戻る。ないしは即刻、ナゼダメなのかを振り返り修正を加える。
速度を高めたら、ラインを保てないとすると明らかにその速度は速すぎる。
自分の気持ちではもっといける(良く聞くフレーズです)といくら思っても
その時の路面とタイヤの関係は物理現象として限界を超えている。
気合も根性一発も、この事を変えるわけにはいきません。

修正すべき一番大きな問題は、体内センサーをタイヤ限界にピタリとあった物にする事です。
これができなければ、いつまでたってもタイヤ一本分の管理はおろか、お~い、何処行くんだ?と
行き先を車に聞くドライビングのまま。
何が起きてもおかしくありません。
ピットの上から眺めて笑いのタネにはなりますが、ヨロシクありません。

タイヤのおいしいグリップゾーンを使って、ライントレースする。
これが出来れば当然良いタイムが出ます。
もっとも安全にTRYできて、簡単です・・・ハイ。


タイヤ一本分の管理 2

2011-06-12 13:02:04 | なんでもレポート

少し前にタイヤ一本分の管理の話を書いた。
タイム命の人は、特に注視すべきポイントだと思う。
1~2本分のタイヤ巾でライン管理ができていれば、タイムが良くなるのはもちろん
危なさとは無縁、コースアウトも転倒も全く心配ない。
それができるなら苦労しないよ、と反論したい人もいるだろう。
ならば、タイヤ一本分の意味をもう少し詳しく説明しなくてはいけない。

ベストラインを狙ってコーナーに入ったが、予測と違って少しだけ進路が外れ始めたとしよう。
その時のドライバーのとる行動は、「舵を切り増す」次に「アクセルをコントロールする」だろう。
これはタイヤ一本分を外さない、オンラインに向けての自然な操作。
(と思っている人がたくさんいるかも知れません)
しかしこれは、修正作業ともいえるから、すでにタイムにマイナスのコントロールをした事になる。
舵を切り過ぎれば(実はわずかだが)美味しいスリップアングルを逃しているから、
ベストタイムから必ず落ちる。
つまりは失敗コーナリング、オンラインを走っていても失敗があるということだ。
この先に修正しきれず、タイヤ一本分外れる・・・が来る。
するとタイヤ一本分外れた時点で、ハンドル修正、アクセル修正、そしてライン修正と
三段階目のヘマをやった結果がそれだ・・・と言うこと。

だからタイヤ二本分になり、三本分になり、コースアウトして雪壁を突き破るとなると
気絶しそうなノーコンということだ。
タイヤ一本分外れれば、自分の狙ったラインでは無いと言うことに気が付けよ!
と言うのが全てだ。
アタックしていて気合が入るとハラむのは、攻めた証などと思って悦に入っている人がいたら
日頃から精度の低い運転が、そのまま拡大されているに過ぎない。
フルアタックした時こそ、タイヤ一本分外さず、修正舵もなく、狙いすましてアクセルを
開けられるドライビングを知って欲しいものだ・・・と思ってこれを書いている。

速さの仕組みの一つだ。


ささいな事

2011-06-07 18:46:59 | なんでもレポート

車に乗せてもらった時に気になることがある。
車両をバックさせた後の発進、又は停止してバックする時。
車輪が完全に停止していないのに、シフトを入れ替えて
発進またはバックさせることです。

ATにしろMTにしろ、ミッションの中身は車が動いているときに
逆方向のギヤに入れても良い構造にはなっていない。
無論、こういった誤作動に対して壊れない工夫がなされているから気が付かないが
ATならこの瞬間、実はフューエルセーフが働いている。
MTで言えば、昔のリバースギヤはクラッチを切って回転が落ちなければ
“ギャッ”と音が出た。車が動いていても同じだ。
しかし今は、その音が出ない。
理由は“ギャッ”がウルサイと誰かが言ったかどうか知らないが、
リバースギヤにもシンクロが付いているからだ。
とは言え、回転方向がそれぞれに決まっているのだから、
逆転させて良いわけが無い。ATもしかり。

この落ち着きの無いシフト操作の理由は何か。
性格がセッカチ、と言うのもあるだろう。
私の予測だが、ブレーキで完全停止させると、ガクンとサスペンションが戻る時の
ショックが出るのを嫌って、車が動いているのにブレーキペダルから足を離して
ギヤで反対方向に動かしてしまう。

早く言えば、ブレーキ操作がウマクできない人、
またはブレーキ操作のレパートリーの少ない人が逆ギヤをやるのでは?と思っている。

また、こういう人に限ってATのシフトレバーのワシづかみ派が多い。
こんな時は、次にこの人は何をやらかすだろうと、
興味を持って見ることにしている。

心当たりの人、いませんか?