クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

G-BOWL 練習会 2

2012-05-30 16:26:33 | G-BOWL

練習会を通して感じた事をいくつか挙げてみたいと思う。

やはり!!なことは、初心者ほどアドバイスに忠実に動作を変えられること。
これは以前、学生さんへの運転教育の時に感じたことと同じで、
個々の運転スタイルがまだ確立されていない分、素直に体が受け入れられる、
というパターンが今回もみられた。

そしてもう一つのやはり!!は、ベテランの人ほど、
「今、ブレーキの踏力を途中で踏み足したのが、わかりますか?」と注意して、
本人に自覚があるにもかかわらず、次にまた同じことをやってしまう・・・コレを何度も繰り返す人がいるのだ。

「もう少し元気良く強いブレーキをかけてみましょう」とアドバイスしても、
腰が引けているかのようにその強さが出せない、といったパターンの人もいた。

牛が車の正面にでてきたら、「晩飯はステーキ!」の人だ。
肉は美味しいかもしれないが、ブレーキングはまずい。大いにまずい。

日常で使っている踏力に慣れているのはよくわかるが、
この人は前走車との車間の考え方など、どうしているのだろう?と心配になる。
しかしまあ、自分が強いブレーキをかけられないことに気がつくのも、今回の様な練習会があってのことだ。
が、多くの人は気がついていないのだから「今夜はステーキ!」のドライバーが
周り中にいることも同時に知っておかなければいけない。
自分は前の車に追突せずに止まれたけど、後ろからドカンというのも十分考えられるから、防ぎ様が無い。
車間の狭いドライバーには「どうぞ先に行ってください」と、私はさっさと道を譲ることにしている。

毎度の事ながら、色々と考えさせらる練習会だった。

 suspensiondrive


G-BOWL練習会

2012-05-28 10:10:04 | G-BOWL

事前打ち合わせを2月から3回。
当日の資料作りにプレトレーニング・・・と、準備万端でG-BOWL練習会に突入。
朝から好天。
涼しい風に吹かれてドラミは木かげで行った。
ザッカー誌の取材も入り、読者からの応募3人も加わって、年齢巾20~73才!
女性3名、男性15名の計18名が生徒。
私も入れたスタッフが10数名(大半が運転のツワモノ)。
生徒の数と先生の数が近い練習会というのも、そうないだろう。

練習会のテーマは“ブレーキ”。 車を止めるのは“人”である。
正しい減速の仕方、考え方と理由。
つまり動作と知識、その実際をトレーニングするのだが、一人で乗って迷い込んではいけないので
必ず横に誰か同乗・・・を条件とした。
生徒が空き時間に乗ることもあれば、インストラクターが乗ることもある。
助手席に乗ることで気付くことがたくさんあるのだ。
G-メーターを装着した車で同乗走行しながら、Gの大きさを体感してもらって
おおよその目盛りを自分の中に取り込んでもらった。
日常の信号停止とか、やや急ブレーキに感じられるのはこれくらい、ハプニングブレーキは・・・
と、目安程度の数値だ。
G-BOWLを使ってのメニューは、今回G-BOWLジムカーナをやった。
無論、タイム計測ありだ!

加速、減速、旋回と、要素は全て取り込まれているから
Gの強さを頭に描いて、ボールが転がり出ないようコントロールしなくてはいけない。
外から見ていてもドライバーが集中している様子がヒシと伝わってくる。 
ゴールの停止ゾーンに入れて止めるブレーキも、一定Gを心掛けているのがワカル。
このプレッシャーをドライバーに与えられるのが、G-BOWLなわけだ。

最後の最後、車が完全に停止する寸前にボールがポロリの人もいたりして、
最後まで気を抜いてはいけないのが周りの人に伝わる。
本番のアタックを終えて、外で見ている人は
“そこでGを強くしたらボールが落ちる~!”と、心の中で叫んでいる様子がうかがえる。
他人事ではなくなっているのだ。

進行を全面的に支えてくれたインストラクターに「ありがとう」と声をかけると
一様に皆、「いやいやこちらこそ勉強になりました」と、ニコニコしながら真顔で答えてくれた。 
人の振り見て・・・か。
私も良い運転を伝えるコツを確認できて、一歩前進できたように思う。
練習は真剣に臨まなくてはいけないが、集中できる“空気”を作る事だと再認識。
楽しく学ぶことで効果が何倍にもなる。

参加者の皆さん、おつかれ様でした。
運転は自分の為のもの、まずそこです!
車を自在に操れるようになれば、同じ空間に居られて 同乗者は快適をいただけます。

手伝ってくれたスタッフの皆さんに感謝!
素晴らしい練習会になりました。 


忘れ去られたもの ステアーフィール

2012-05-24 15:25:50 | なんでもレポート

先日、久々にヒストリックラリーモンテカルロ参加車両のTE27トレノを走らせた。
今年のドライバーの山口氏のドライビングが、いかに丁寧なものだったかうかがえる程、
私が昨年ドライブした時とコンディションが変わっていない。
そして今回のブログネタ、高速道路を走りながら、改めてステアフィールについて考えてみた。

TE27トレノはハンドル外周で10mm程が手応えのないスカスカの領域で、非常に軽く動くから
N感と表されるステアリングセンターは、明瞭に“手応え”で感じることが出来る。
この範囲のハンドルの動きでは、車の進路はまったく動かず直進する。
右切りと左切りの間に存在する機械の遊びの寄せ集まったものともいえるし、
左右の中央である証でもある。
そこからハンドルをどちらかに動かせば手応えが加わって、タイヤに微量の角度が付き
車両の進路が動き始める。
100R、300R、500Rといった、ほんの少し舵を切り込んだ状態の車両の落ち着き、保舵が
ごく自然にコントロールできる。
力を緩めれば自立直進の状態に戻るから、真っ直ぐに走らせる努力は要らない。
直進走行の進路の修正は、N感の両端の手応えの出るところを、ほんの少し触る(押す)だけで
1000R、2000Rが描けることから、その労力も気遣いも最小限、楽々という言葉以外にない。
車線の中でアッチへフラフラ、こっちへフラフラするような走りとは無縁。
これほどピュアなステアフィールを感じられる車は、近年無い。
最近の車は、当たり前のように、N感が無く渋く重いから、まっすぐ走らせる事を常に
ドライバーに強いることになる。これは誰にとっても乗りずらい。
TE27を走らせて、まともなステフィールに触れ、涙が出るほどうれしかった。
完全に忘れ去られたものの一つがこの、ステアフィールと言えよう。
冷静に見れば、現在の物は粗悪な捏造ステアーで受け入れがたいものばかりだ。
これは懐古話ではない。


片手運転 2

2012-05-20 16:47:35 | なんでもレポート

上手い運転で思い出されるのは、中国海南島のタクシー運転手の事。
 (以前にブログに書いたかもしれない)

仕事でホテルと会社の往復に、毎日タクシーを使う。
ある日のドライバーが、実に感じの良い運転をする。
当然、次の日も次の日も指名した。
最終日一日、仕事に空きが出来たので、このタクシーの運転手にお願いして海南島をドライブ。
とても快適な旅となった。

旅の途中、「あなたはとても優れた運転手だ」と伝えると、素直に喜んでくれた。
そして、誰に運転を教わったのかを尋ねると、
「父が運転手をしていて、その父に“車の運転は誰でも出来る” しかし“上手く走らせる”のは
 とてもむつかしい(彼の父の年代の車は仕上がりが悪くて、ドライバーの苦労が必要だった
 という意味にもとらえられるか!?)」・・・と。
その言葉を聞いて、上手く走らせることとは・・・を考えて実践している、と
若いタクシードライバーは答えた。
運転のキモとなるGコントロールが、正に文句ナシ。
そこを彼は見い出したのだろう(オソルベシ)。

振り返って、国内のドライバーの上手さのレベルはどうだろうか。
責任感をも認識している人は少なく感じる。
運転の文化レベルは、世界水準といえるのかどうか・・・。


片手運転

2012-05-19 12:01:15 | なんでもレポート

先日、車両の引取りで群馬に行ったときの話。

大型トラックでも20台は停められるだろう広い広いコンビニの駐車場で待ち合わせをした。
少し早めに到着したので、約束の時間までの間、出入りするコンビニ客を眺めていると、
ツヤのある黒色の軽が入ってきた。
ドライバーの背が低いのか、シートポジションが後ろ下がりなのか、首から下が見えない。
ケイタイで左手は使われているので、フォークリフトのそれのように片手でハンドルをクルクル回して
空いているスペースに停めた。
しかし脇目も振らずに一直線に進んだのではなく、途中で一旦停止に近いスピードに落とし
頭を向け始めたのだが、なぜかバック。
違うスペースに入れ直した。
この間全て片手ハンドル。
周りを見回して確認している様子はまったく無く、他の車の動きが無かったら何も起きなかったが
駐車場に入ってきてからの行動は“車に意志”が半分しかなく、携帯電話の影響ありありの
モソモソとした動き。
そこに居るのは自分だけ(当然回りに駐車している車ありました)、の世界だ。
こうもカンタンに車を動かしていいものだろうか?
片手で回せるハンドル、右足一つで操作できてしまう車というのは確かにありがたいと思うが
回りに気遣いの無い運転を助長しているのではと思えてならない。
事故は起きてから考える?だって、起きる(起こす)までわからないもの・・・といった声が
聞こえてきそうなその場の空気だった。


Q-200 作品例 その3

2012-05-10 19:46:13 | なんでもレポート

柄はパーシモン風。
手の込んだペイント+表面仕上げで、とてもきれいに仕上がっている。
 (手間がたっぷりとかかっています)
和室に溶け込む色合いだ。

仲間と一緒にスピーカーを仕上げていくのが、けっこう楽しそうだ。
その仲間の一人もQ-200を1台組み立て、これとは違う色合いに仕上げた。
そして、その昔に買っておいたアンプをつないでみたら、ビックリの音!で、
本人相当ニコニコらしい。

柿の木色のオーナーは来客からのコメントを聞いて、ニコニコ。
聞きやすい音は、誰が聞いてもわかるんだね~。 

しかし色々なCDを鳴らしていくうちに、音の良し悪しが気になり始めて・・・というのが 
最近の悩みらしい・・・。
つまり、音楽として聴きたいのだが、録音の違いで薄っぺらな音に聞こえてしまうものがある。
アレは何が違うんでしょうね~。

とてもむつかしい話です。 


G-BOWL 45

2012-05-10 16:05:52 | G-BOWL

今月より販売のG-BOWLに Original Box 30周年のロゴが入りました。
これを手に入れると、あっという間に運転がうまくなる・・・なんておいしい話はありません。
今までのものと同じです。

G-BOWLセットに同梱されている3種類のボールの使用目的(使い分け)を整理してみました。

             
     「ピンポン球」(燃費運転ボール)
 *繊細なアクセルコントロールの練習に最適です。
  高速道路走行・一定速度走行時などにボールの転がりに注意して
  ていねいなアクセルコントロールに集中すれば、エコ運転につながります。
  (同乗者も安心&快適)

 

 

             
     「オイル入りピンポン球」(トレーニングボール)
 *Gコントロールのトレーニングに最適なダンピングを持たせたピンポン球です。
  スポーツサスペンションの車輌、ワンボックスなど重心高の高い車での使用も出来ます。

 

 

             
     「ゴルフ練習ボール」(達人ボール)
 *アクセルコントロール・ブレーキタッチ・ステアリング操作など、
  Gコントロールドライブの完成度を高めるときに使用します。
  自在に転がりをコントロールできれば達人領域へ。

 

#いずれのボールでも、Gによる転がりの位置は同じです(同じGを示します)。

 


G-BOWL 44

2012-05-08 22:47:23 | G-BOWL

G-BOWLを使っての運転練習会を今月26日(土)に開催する。
これまで車好き、運転好きを集めての練習会は数え切れないほどやってきたが
今回は勝手が違う。
ほぼ全員が、ごくごく一般的なドライバーと呼べる人達なのだ(一応車好きの人達ですが)。
G-BOWLを使ってというのも、実は初めてのようなもの。
練習会でたびたびG-BOWLの話しを取り上げてきたが、一日の練習メニューの中で言えば
一部に加えていただけで、決して主役ではなかった。
が、今回はG-BOWLを使ってGの説明をしていくつもりだ。
Gを数値で“見る”、Gの方向を“見る”といった時に、Gの入門者にとてもわかり易いと思う。
少し心配なのは、運転を伝えていく時の言葉(用語)だ。
車好きの仲間同士なら、専門用語を使うことに、いちいち気を使ったりしないが
今回は大切なところを正しく伝えなければならないから、カッコよく専門用語を
使ってしゃべるのではなく、丁寧にかつ、平易な言葉を選ばなくてはいけない。
さて、この練習会にザッカー誌の取材が入る。
5月10日売りの号に、3名分の参加者募集の案内が(多分)でるハズ。
さて、どんな練習会になるのだろうか、楽しみだ。 


G-BOWL 43

2012-05-02 21:36:52 | G-BOWL

実は一つ一つ手作りなんです。
プラスチック製品なら、金型を作って数千個単位で作れば一つの値段は
もっと安く出来るのですが、残念ながら今はまだ 簡易型で制作しています。
コストも手間もかかるけど、少ロットで動かすには仕方ありません。
制作手順は、見本となるG-BOWLと同じものを準備して、まずシリコンで凹型を作ります。
フィギュアーなど自作された方は馴染みのあるものですが、このシリコン型も
数十個抜くとダメになります。 

             

この凹型にG-BOWLの本体になる樹脂を流し込みます。
硬化して熱が下がるのを待って型から抜き出し、細かい目のサンドペーパーで水研ぎして
表面をきれいにします。
そのあと箱詰めして、あのG-BOWLの顔となるきれいなデザインのカッティングシートを
纏いに送り出します。
戻ってくればG-BOWLの出来上がり。
ピンポン球、オイル入りピンポン球、ゴルフ練習ボールの3個をセットしてG-BOWLの荷姿となります。

G-BOWLは樹脂の“ムク”で出来ているので、手にすると重量感があります。
材料費を考えれば、肉薄にして軽くしたいところですが、オモチャでは無い・・・というのを
目方に託す意味もあって、しっかりとした作りにしました。
足の上に落とすと危ないレベルの重さです。

XaCAR誌次号もG-BOWLを使ったドライビングの話しが紹介されます。
 


30周年

2012-05-01 14:35:58 | なんでもレポート

自動車のサスペンションを淡々と追いかけて30年。
若い頃の苦労は買ってでもしろ・・・は、どこにつながるのだろうか。
もう若くはないのに、まだ苦労を買っている気がする。
仕方ないから苦労も楽しみの内と、思うことにしている。
確かにサスペンションは面白い・・・と最近思えるようになってきた。