クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

助手席から運転を考える

2017-02-22 10:34:16 | NEWTON BRAKE
次回の運転練習会(ニュートンブレーキday)のメニューに加えてみたらどうかなと思っているのが「助手席から運転を考える」です。

常に受け身である助手席の人になって、気になる瞬間とはどんな時なのか、そしてその時の運転操作を考えてみようという話です。

運転手の中には自分の操作に体が慣れてしまって、どんなGが出ているのか客観的に分からない人がいるのです。

昔出会った人の中に、隣に誰も乗ってくれないとぼやいていた「腕自慢」ドライバーがいましたが⋯⋯笑えない話です。

まさか、免許証を持っていない人は運転について疎いから何も感じていないはず、なんて勘違いはしていないとは思いますが、
免許年齢に達しない子供でも、お父さんのマズイ運転で車酔いします。
自分で運転しない同乗者の方が敏感に感じているということを知る必要があります。

ごく僅かなGの変化を人は感じ取ります。
前後だったり横だったりタテだったり、進路の変化は横Gと回転運動を感知しています。
これらがごちゃまぜになってクルマの揺れになり、クルマの乗り心地(個性)になっているのですが、
快適と不快の境目が僅かな運転の工夫で変えられるというのもあります。

免許証を持っている人の中には、人の横には乗りたくないと言い切る人がいます。
自分と違うタイミングで運転されるのが嫌なんでしょうね、ある意味身勝手⋯⋯
でもそのやきもき体験と自分の運転と照らし合わせてみることで、何か気がつくことがあるはずです。
これが助手席から運転を考えるということです。
怖い、は論外ですが何か起きやしないかと目を離せないのは疲れますよね〜
ドライブが楽しくありません、ときには苦痛だったりします。

まず同乗者の心を知るところから運転を組み立てる⋯⋯ここから始めるのが実は最も効率のいい運転改善の方法かもしれません。

具体的にどうすればいいのかはこれから考えようと思います。


痛い!

2017-02-14 15:53:16 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
なんとも表現しずらいド派手な外装といえばイタ車ですが、それと見分けがつかないくらいの競技車を預かりました。

写真はその車についていた、フロントストラットの倒立タイプシリンダーです。
クルマはランサーEvoX、ジムカーナ仕様。

ストラット形式のサスペンションは、ストラットが減衰機能とサスペンションの支柱を兼ねているので、
伸び縮みしながら、タイヤの倒れ方向の力、ブレーキング時にキャリパーが受ける力、
トラクションがかかった時の車体を駆動する力などを常時曲げ方向(折方向)に受けています(数千ニュートン)今更な話ですが⋯⋯

今回こうなった理由として考えられるのはジムカーナ用に仕立てられた硬いバネ、高い減衰値との組み合わせの影響です。
(ここまで一度も手入れされていなかったというのが一番の理由ではあるのですが)

硬いバネは少しのたわみ量で大きな荷重を受け留め、高減衰は時間当たりのストローク量を少なくする働きをします⋯⋯
つまりほとんどストロークしないサスペンションセッティングにしたことで、力の逃げ場はストラットに集中します。

ストラットが通常の何倍もの力(曲げ方向の力)受ければ摺動部の面圧も上がりグリス切れが起きやすくなります。
さらに短いストロークで摺動し続けるのでグリスは拭い取られる一方、グリスの供給を得られるところまで擦れている箇所がストロークしないので、慢性的な潤滑不足に陥ります。
潤滑なしで強烈な横Gを受ければ倒立シリンダーのメッキが剥がれるのは当然です。

市販車に採用されている倒立タイプは柔らかいバネ、低い減衰値、長いストロークで入力を受け止めます。
大きくストロークすればグリス潤滑機能も働き、手入れの期間は比較的長めでも大丈夫なように作られているのですが、グリス潤滑は安定的ではなく手入れは必ず必要です。

改造車にすると走らせ方も影響してサスペンションの負荷が格段に大きくなる分、二乗分の一三乗分の一に寿命が縮まることを理解しておかないと、イタい結果がやってきます。






工作の時間 8

2017-02-10 17:25:13 | なんでもレポート
エアーゲージの「テスター」またはチェッカーと呼ばれるものがあるはずなのにあまり見かけません。

エアーゲージは「測定器」なので定期的に校正またはチェックが必要です、しかし現実問題校正できるタイプは少なく使い捨てのものが大半です。
精度はそれなりといっていいのか信用するしかありません。

タイヤ内圧の管理を厳しく問われるレースの世界では、タイヤサービスに出向いて「マスターゲージ」と自チームのタイヤゲージをご対面させます。

機能しているか⋯示す値は正しいか⋯当たり前のことですが失敗するとレース結果に出てしまいます「オチ」を作らないためのチェックということです。

キッカケは、工場で使っているエアーインフレータのホースがヒビ割れてきたので、
部品交換ついでにエアーゲージの校正もお願いしますと取り扱い代理店に送ったところ、
このゲージは校正できませんと言われこれも新品と取り替え。

新しいゲージがやってきたので、工場で使っているその他のエアーゲージとご対面させたところ、表示される数値はどれもバラバラ。

いつも悩んでいたことなので、これを機にとデジタル表示の圧力計を手に入れてエアーゲージの「テスター」つまりマスターゲージのようなものを作りました。

デジタル表示の圧力計には、大気圧補正の機能が付いているのと、小数点以下二桁表示⋯⋯おそらく大丈夫ではないかと。

これで代理店に出さなくてもエアーゲージの校正(チェック)ができます。





春を告げる板金ハンマーの音

2017-02-07 16:16:08 | イベントレポート
春の足音ではなく板金ハンマーの音から浅間火山耐久レースのシーズンイン。

といっても開幕戦までには少し時間があるのですが、昨年の古傷が残ったままの88号車を修復するところから作業スタートしました。

別途手に入れたビビオのインジェクション車をみると、左前がストラットタワー、サイドフレームまで歪んでいて、
大掛かりな修復作業となりそうなので一時保留⋯⋯

先ずは88号車に集中です。

G-BOWL 2017

2017-02-02 12:50:33 | G-BOWL
SUPER GT file ver,3
見開きページにドカンとG-BOWL が紹介されています。
GT500の3Gドライビングの世界が0・4GのG BOWLドライビングの延長線にあることが、ドライバーのコメントからも理解できる。
重力とどう付き合って味方につけるか。
モータースポーツの醍醐味はそこにある⋯⋯(本文から)

それと興味を引くのは、イギリス在住のコーチングプロに現役の日本人GTドライバーがレッスンを受けた話。

国内でもプロドライバーにアマチュアドライバーが教わるというケースはあるのですが。
ロブウイルソン氏の場合「謎の人物」としか見えないし、教わりに行くのが現役のトップドライバー、いくつかのF-1チームともコンサルティング契約をしている。
だれも知らないような秘策があるのかと思って読んでみると⋯⋯⋯
ここから先は本を手に入れてください。

モテギ最終戦のチャンピオンチームのスタートからゴールまでの編集なし車載DVDが付録です。

この映像から読み取れるものがいっぱいあります。