クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

検証 バランススロットル64 ニュートンブレーキ

2013-01-31 15:16:52 | バランススロットル

自動車運転の中でももっとも大切なブレーキング技術を伝える為のツールとしての言葉に
“ニュートンブレーキ” を考えてみました。
ニュートンブレーキング、ニュートン型ブレーキといった呼び方、使い方でもいいかと思います。
正しいブレーキの掛け方、あるいはブレーキングテクニックを“ニュートンブレーキ”というのを
知ってる?とたずねられれば、なにそれっ、となりますよね~。
そこから話が始まって、逆算型の・・・とか推算型の・・・とかの言葉を用いて、
具体的な説明に入っていけます・・・、この時の説明に便利な用語はまだ募集中です。
一緒に考えて行きましょう。
ポンピングブレーキ、ダブルクラッチ、カウンターステアー、ソーイングハンドル、
ヒールアンドトウ(トウアンドヒール)、ローリングトウ、ロックツーロック、
クリッピングポイント、アウトインアウト。
これらも同じような目的の、ある形態、動作を表すのに、又は伝える時のツールとしての
言葉かと思います。
同じ役目の言葉と考えていただければ、理解してもらい易いかと。
リンゴが枝から離れた瞬間に地面までの距離がわかっていれば、地面に到達する時間
と速度がわかります。
車が停止する場所が決まっていて、そこまでの距離と今の速度から
必要な減速度を求める事ができます。
減速度を先に決めるなら、減速開始のポイントを求める事が出来ます。
こういったように、物理の法則のままに物事は起きる(自動車に関しては特に)のだから
そのことを理解した運転技術を知る必要がある。
そこから“ニュートンブレーキ”となった訳です。
これが私の考えた忍術の極意なるものなら“國政流”とでも呼べばいいのですが
これでは広がりは期待できません。話をややこしくするだけです。
誰が考えたかは別にして、ブレーキのかけ方は“ニュートンブレーキ”なんだよ、と
ダンナから奥さんへ、ないしは子供に話して聞かせる。先生から生徒へも。
このブログを読まれている方も、ブレーキング技術を伝える時の便利な言葉として
ニュートンブレーキを活用してください。
もちろん、人に話して聞かせるにも、人から問われても答えられるようにしたいですね~、
いや、なってください。
無論自分で“できる”ことが最優先ですけど。

 


検証 バランススロットル63 CX-5エンジンブレーキと低速トルク

2013-01-30 15:50:11 | バランススロットル

直線スピードをフットブレーキでコーナリングスピード近くまで落とし
トレールブレーキングで速度を下げ続けながらハンドル角を
切り増していくことで、減速円が描ける。
同時に車両姿勢もしっかりと出口に向けることができる。
もう少しコーナリング区間が長く、その先が更に回り込んでRが小さくなっている時は
アクセルを抜くだけで旋回円を小さくできる。
ハンドルを動かさなくても、進路を内側方向に変えられるという訳だ。
丸いハンドルとアクセル(駆動のオンオフ=スピードの増減)の二つの使い分けの方法でもある。
アクセルを抜いて旋回円を小さくすることは誰でも自然にやっている事なので
気が付かない人が多いかもしれないが、ラインコントロールをスムースに行う上でとても重要なところだ。
国産のあまたあるAT車がなんとなくコントロールしづらく感じる一瞬が、
旋回中のアクセルオフ時の反応が無い時。
進路を少しだけコーナーの内側に向けるにも、100%ハンドルに頼らざるを得ない。
速度が落ちないままハンドルを切り込むと、進路は変わるが横Gが高くなる。
Gボールならボールがこぼれ落ちる。
ハンドルを切り増すたびにGコントロールがうまくいかない事になり、ギクシャクとした
Gの振れ幅の大きい運転になる。
この時、扱いづらさを感じるのだ。
そして今度はコーナーから立ち上がる時、旋回姿勢からハンドルを直線に向けて戻すと
Rは大きくなっていくが、横Gも抜ける。
Gボールで言えば、ボールが中央に転がり落ちる。
コーナーから立ち上がる時もハンドルではなくアクセルオンでRを大きくする事で
横Gから加速Gにつながり、Gの方向を変える運転になる。
こうすれば“とてもスムースな”立ち上がりになる。
ところが、このアクセルオンのときに低速トルクがあればの話。
低速トルクの無いエンジンと、ハイギヤードで待機するプログラムの国産ATは
アクセルを開けてもRを大きく出来ないから、ハンドルで進路を動かす。
するとGコントロールがギクシャク、ここでも乗りづらさを感じる。
よく効くエンジンブレーキと低速トルクの組み合わせで、二つのハンドルが揃う。
これが使いやすかったらラインコントロールの精度とGコントロールが自由自在。
MT車が扱い易く感じる理由の一つでもある・・・と、長々と書いてしまったが
CX-5、氷上でタイヤ一本分外さずコントロールできた。
ABSもDSCも顔を出すことなく、その仕上がりにあらためて驚く。
こんなに運転がカンタンで正確に走らせられる車は久々だ。



糠平湖氷上トレーニング

2013-01-28 22:38:18 | イベントレポート

行ってきました、ぶっ飛ばしてきました、糠平湖の氷上で。
例年の厳しい寒さはやや緩め。
車から降りてパドックで立ち話が出来たから、太陽の出ていた昼間はマイナス10度あるかないか。
2,6KMのコースは、二日前に降った50CMほどの雪が、除雪はしてあるものの
コース幅を狭くしているのが残念(コース作りはきっと大変だったとおもう)。
昨日のタイムトライアルの名残の、競技用スパイクタイヤで彫られた深いわだちが所々あるが、
うっすらと雪もあり、スタッドレスタイヤでも結構なスピードで走る事ができる。
所々にある逆バンクでは危ういズルっ!があるが、基本的な運転操作をチェックするには十分。
私自身は5年振りの氷上トレーニング参加だ。
久々に競技用スパイクタイヤを履いた4WDランサーで、何周か走ることができた。
この時助手席に誰かが必ず乗っていたのだがその反応は様々。
なかでも前々からの知り合いはゴール後、
「国政さんは手元に力が入っていなくて体が柔らかい。シフト操作も街中を走っている時と何も変わらない」と。
そうどこにも力なんて入っていません、速度が速いからといって運転に力がいるわけでは無いので。
と思っていたら、誰かが「オレ、脚がイテ~」と来た。
相当脚に力を入れていたんだなーと。
空港にたどりついてやっと緊張が解けた時に発した言葉、氷上初体験だから仕方ないか。
初めてのメンバーも含めて全員無事トレーニングを終えることができた。
個々の持ち帰りの内容を聞いて見たい気もするが、やめておこう。
森ケイタ氏二回目の氷上、どんなメルマガになるのか、これは楽しみだ。


検証 バランススロットル62 伝言ツールとしての言葉

2013-01-26 20:51:14 | バランススロットル

森ケイタ氏とのメルマガの打ち合わせの最後に
運転のキモとなるブレーキングの説明をしていく時に
その一言で大切なところのイメージを言い表せるような伝言ツールとしての
言葉を探して欲しいと 宿題を預けた(押し付けた?)。
メルマガ1/22号を読まれた方は森さんが書かれた“逆算型”を見られたかと思います。
アクセルを開けていく操作、ハンドルを切り込んでいく操作は積算型の操作という風に使うとしたら、
目標位置の何十メートルも手前から減速動作を開始し、
一定Gで結果を待つのみのブレーキングは何型?と言うのが今回の宿題。
はるか手前から止まる動作を予測するから予測型?
何秒後に止まるを遡って予知するから予知型?
その減速動作の開始をここから始める、と誰かに伝える必要はないが
ある意味、予告型の行動とも言える。
一旦、減速動作に入れば動作を維持するのみで、加えることができないから不変型とも。
逆戻りできないから不可逆型(非可逆型)でもある。
他にも、良く見て判断する、状態を見極める、から見極め型ともいえる。
また、ブレーキ動作を開始する時点で判断を終わらせて行う動作だから
決断型あるいは決行型などの言葉もある。
ダイブ型、バックホーム型・・・ほかにも色々ありそうだし、まったくの新語、造語でもいいと思う。
しかし森さんに押し付けたままではいけないから、その後自分の中でもあれこれ考えてみました。
で、思いつきました。
物理現象に則した行動の表現として、馴染みやすく、ナンダロウと聞き耳を立てたくなるような言葉を。 
森さんには伝えたので、次回または次々回、文面に。 


NB6C おお手入れ

2013-01-25 12:48:15 | ガレージレポート(オリジナルボックス)

通勤で使っているNB6Cロードスターの走行距離が11万粁を越えたこともあって
サスペンションの消耗部品の交換を行った。
ついでに前々から気になっていたライントレース性のチューニングも同時に作業。
フロントサスペンションのジオメトリー変更が主で、トレール量の変更、
バンプステアー特性の変更、バンプタッチ寸法の変更、
これに合わせて減衰値のチューニング・・・と、結構な大手術。
ジオメトリー変更については半年ほど前からいろいろと調査して
NAロードスターの部品の中から選択して部品を組み合わせた。
ボールジョイントも消耗していたようで、交換後は舵感がシャキッとなった。
ロードスターの売り?だったハンドル中央付近の密度の高い応答ゾーンが拡散して
切り始めからの手応えの増幅感も自然になった。
すでにステアフィールチューニングKIT(オリジナルボックス オリジナルパーツ)を
組み込んであり、ステアリングギアBOXのフリクションを何分の一かに落としているにも
かかわらず、フラッタリングが全く出ない。
旋回姿勢からハンドル手離しで戻しても、以前のようにロールの戻りが
ガクンと落ち込むような動きではなくなった。
ロールのタイミング、ヨーコントロール、ライントレースのバランスも格段に良くなった。
ワインディング路を気持ちよく走らせながら“景色も”見れそうだ。


検証 バランススロットル61 踏力一定をうるさく言う理由

2013-01-24 23:07:58 | バランススロットル

踏力一定と表現していますが、これは減速G一定のことです。
そしてこの時の“一定”とは、減速Gを維持している右足の筋力を
一定の強さにしているということです。
ブレーキペダルを踏みつけている力が一定ならば、
減速Gも基本的に一定の値を持続します。
これが減速中のG一定の説明になるのですが、“踏力一定”を
ワンパターンのブレーキの掛け方と勘違いしないでください。
いつでも同じ強さの減速という意味ではありません。
減速強さ(ブレーキ強さ)は、場面場面で違ってくるのが当たり前です。
ある時のブレーキングの組み立てをブレーキング開始から終わりまで一定Gで行う、
それが減速G一定です。
一定Gを守って減速操作を繰り返していれば尺が身についてきて・・・というのが
先回のくだりになります。

では一定Gで減速操作ができない場合を考えて見ましょう。

・ポンピングブレーキといわれる、ブレーキング途中に何度も減速Gを抜いて
 帳尻あわせをするパターン
・始め弱めのブレーキングからスタートし、しばらく走って停止目標に近づいてきたら
 これも帳尻あわせでブレーキをウンと強く踏み込んで、カックンブレーキで止めるパターン

代表的なのがこの二つのパターンかと思います。
どちらも自分のパターン、自分のペースでブレーキングを組み立てていることです。
となると、他の車との交流は苦手、つまりはギクシャクとした協調性のない走らせ方と言えます。 
当然、尺が身についているとは思えません。
これがひとたび低ミュー路になったらどうなるか。
ポンピングは間違いなく制動距離が長くなるのと、強い弱い(又はゼロG)を繰り返すクセで
強い、の時にABSが介入したら、自分で予定している制動Gが得られないことになり、
予定している減速の組み立てが、その一瞬で崩壊!します。
もう一つのパターンも、最後に強く、は実現しません。
タイヤグリップの上限値が低くなれば、こういったことが起きることが容易に想像できると思います。
いや~滑りやすい道は気をつけるから、と言い訳が聞こえてきそうですが、
人のクセは場面場面でカンタンに変えられるモノではありません。
これが一定Gを常日頃心がけていれば
速度に合わせる
路面ミューに合わせる
他車に合わせる・・・といったことができるのと、
良いクセはどんな場面でも発揮できる・・・と思いませんか? 

 


検証 バランススロットル60 尺を知る 

2013-01-23 13:39:55 | バランススロットル

ものの長さを知る、ということですが今回は制動距離のことを説明するのに
便利な言葉として選んでみました。
森ケイタ氏のメルマガにも同じ内容が出てきます。
両方読まれている方はカブリますが・・・。
皆さんの経験の中に、時速100km/hからゼロ停止までを
一回のブレーキングの中でやったことってあるでしょうか。
その時の減速Gの強さは0.2Gでも0.4Gでもフルブレーキングでもいいのですが
条件は一定Gで!(違った速度からでも同じく)
すると、減速Gを開始してから停止するまでの長さ、つまり尺が体感できます。
もちろんメジャーで計って、その数値を知ることもいいかも知れません。
しかし正確な数値が必要な訳ではなく、この時の減速強さと必要距離(時間)の
“感覚”を知ることで、減速停止に必要な“尺”がわかってきます。
この尺を知らずして、目標に向かって止まることが出来るでしょうか。
いつから減速を開始するかも、尺を知っているからこそできることです。
ここがあやふやのままで前走車との車間は、何をもってして決めているのでしょう。
自車の速度管理も同じです。
尺を知ればスピードが出せるところ、落とさなければいけないところの嗅ぎ分けも
当たり前のようにできます。
幸い、信号機の多い日本では、ストップ&ゴーのトレーニングが否応なくできるので
一定Gを心掛けていれば、尺の感覚が身に付きやすいとも言えます。
今日から帳尻合わせのブレーキングではなく、ブレーキングを開始したら
停止位置が見えるような“尺の感覚”を養いましょう。
但し、信号停止の場合、前後に車両がいない、歩行者ももちろんいない条件下でのみです。


 


スバル1300G

2013-01-20 23:06:21 | セッティングレポート(SUSPENSIONDRIVE)

スバル車の集まりがあると聞いて今日は本庄サーキットへ。
いました、1300Gが。
もっとたくさんいるはずが、今日は1台のみ。
Sタイヤを履いて元気良くコースを走っていました。
走行時間の合間を利用して、あれこれ1300Gのオーナーに質問を。

-このエキゾーストマニホールドはどこ製?
-ブレーキパッドはどんなものを使っていますか?
-エンジン回転数はどこまで使っていますか?
-これまであったトラブルは?
-ボデーのサビは?
-修復箇所は?

ちなみにブレーキパッドは?と聞いた時、ニコッと笑って
「たくさん種類があるよ、あれと共通だから。」と、すぐ目の前の車を指差した。
その車はFD3S(RX-7)!
そのRrパッドと1300GのFrディスクパッドが同じ。
1300GのパーキングブレーキはFrに掛かるようになっていて
FD3S Rrのキャリパーごと付いている訳だ。
いや、時代的にはFD3Sが採用したRrキャリパーは、その約20年以上前から
1300Gが装着していたFrキャリパーそのものなのだ。
という訳で、あれこれ教わって、我が1300G修復の準備を進めたような気がしてきた。
先は長い。 


自動車は脆弱なもの

2013-01-17 21:07:58 | バランススロットル

森ケイタ氏のメルマガで自動車は“脆弱なもの”と書いてもらった。
都内にひとたび雪が降れば、自動車が走らなくなる。事故も起きる。
先日の天気は雪が降ったあと雨になり、夜半に冷えて路面はツルツルに凍結。
スタッドレスを履いていても、よほど注意して走行しないとアンコントロールになる状態だった。
路面に傾斜があれば、何かにブツけて止めることになる。
都内の事故の多くは、ドライバーがあまりにも雪道になれていないことが考えられるが
自動車はもともと脆弱なもの。
運転手のスキルが低ければ、こうなるのは目に見えている。
とは、ほとんどのドライバーが他人事としか考えてないのではないだろうか。
乗用車なら1.5トンの鉄のカタマリ。
トラックなら20~30トンの巨大な家の様なカタマリ。
いったん動き始めれば速度のエネルギーの責任者(管理者)とならなければならないのに・・・
と、TVのニュースを見ながら考えていた。
皆さんの日頃の心構えやいかに。

 


ヒストリックラリー

2013-01-15 22:59:54 | イベントレポート

一昨年はドライバーで、昨年はサポートカーのドライバーでヒストリックラリーに参加した。
で、今年は再度ラリーカーのドライバーで参加の予定・・・となった。
ヒストリックラリーモンテカルロではなく、3月のベルギーで開催されるヒストリックイベント(ポッピーラリー)。 
車両はバイオレット。
そのバイオレットのオーナー氏がコ・ドライバーを務める。
私と組むのはモチロン初めて。
全日本ラリー選手権のコ・ドライバーも務める彼は、いつかはヒストリックイベントに出てみたいと、
バイオレットを手に入れて温めていたのだ。 
ヒストリックラリープロジェクトの初年度から、ラリー愛好家の何人かが集まって
プロジェクトを応援してくれている、そのメンバーの一人でもある。
3月中旬のベルギー北部の気候が少し心配なことと、ヨーロッパに移動した直後にラリースタートとなると、
時差ボケがどう影響するのかが読めない。
5日間ほどのリハビリ時間のあったラリーモンテカルロでは何とかなったが、
今回の猶予は1日だけになりそうだから、日本に居る時から準備を始めるべきか?
時差ボケに効くと言われている甘酒も忘れずに買っておこう。