クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

アンチロールアングル その9

2019-11-26 15:53:24 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
サスペンションセッティングとはクルマの振動を変えること。整えること。

カッコよくいえば、接地感を向上させるとか、フラット感を演出する、
ハンドリングを・・・と言った言い回しもあるのですが、
実作業は微振動から大振幅の揺れを感じて気になるところを調整していく作業のことです。

運動特性と言われるオーバーステアー、アンダーステアー、グラつきの後の収束なども振れ動くことなので振動です。

走っている間、感じている振動全てを相手にするとも言えます。

鏡のように平らな道路ならクルマは静かに走ることができて、サスペンションの動きは不要のはずですが、
現実の道路はそうはいきません、綺麗に舗装されているように見えても走ると揺れが生じます。

揺れ方と収まり方、その速さなどを整えて乗り心地を快適な方向に振っていきます。

例えば目地を通過したときの車体の身震いの様子、振動が収まるまでの時間は一瞬の出来事ですが
これを頭の中でスロー再生して仮説を立てます。
そしてここを変更したらどうなるだろうかと減衰値に落とし込んでいくのです。

もちろん判定は体感センサー頼みです。

一つ前の仕様との違いが分かればチューニングは前に進められます。

「方向違い」「こちらの方向」「変わらない」の三択なのでそう難しいことではありません。

「こちらの方向」が見つかれば次は「どれくらい」

手順はこんな感じです。

といっても省けないのが工数、手間は省けません。

キャビテーション

2019-11-07 10:51:09 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ダンパーの中で使われていたナットです。

黒っぽく見えるのが何年か使用したもの。

もう一つは新品。同サイズのナットです。

錆ているわけではありません。オイルに浸かっていたので。

高圧ガス封入式ダンパーでもキャビテーションが起きている証拠と言えます。

オイル流れが高圧側から低圧側に解放されると、溶け込んでいるガスが膨らんで炭酸飲料の

キャップを緩めた時のようにバブルになります。再度圧力が上がれば消えるのですが、
いくつかのバブルがパチンと弾けて衝撃波が発生、その影響がメッキ剥がれに現れた訳です。

アルミシリンダーの内壁があばた状に侵食というのも過去にありました。

ダンパーの中のできごとのひとつ。