今年のヒストリックラリーの参戦がいよいよ間近になってきた。
学生たちの第一陣はすでに現地に入り、ラリーカーを引き取って準備を始めている。
明後日出発の学生、コ・ドライバーが集まって、コンピューターの確認(作動と使用)を行った。
コ・ドライバーは全日本戦、地区戦を戦っている人達で、ナビについてはかなりの経験を持つが
プログラムを考える担当の学生は、ラリー未経験。
ということで、まだまだの使い勝手のところがあるが、この先、手直しを入れていくことで
今日は実車での動作確認を済ませて終了。
現地での活動状況は
http://minkara.carview.co.jp/userid/1549911/blog/ で見られます。
私は第二戦 POPPY RALLY(ベルギー)3/16~17開催に参戦予定。
糠平湖でのこと。
練習日の朝、湖に降りて(実際には氷の上に乗り入れて)練習走行の準備を
進めていると、何名かのゲストが来場。
早速この人たちを横に乗せてTAXIドライブをやった。
車両はランサー。
無論、競技車に仕立てられていて、WRCで使われているバリバリのスパイクタイヤを
履いている、前日の競技会にも参加した車だ。
ゲストの方々はモータースポーツにはおおよそ縁のない人たち。
車への興味もごくごく一般レベル。
全開ヨコヨコ走行を喰らわせれば「コワイ~、恐ろしい~」といって涙を溜めそうなものだが
実際は「イヤ~、オモシロイ」とでも言いそうだった。
結果はまあ、涙は無かったものの、ほとんどの人達がオモシロイ!だけかというとそうでもない。
その後に続くコメントが、なかなかどうして皆さん分析力に長けていて
「ホッホッー、そこに気が付かれましたか」とか「オッ見ているポイントが違うぞ」と
思わせる話がそれぞれにありました。
その中の一つに
「経験したことのない車の動き、走らせ方なのに、横に乗っていて全く不安を感じないのはどうして?」
と自分に(自問自答のように)問いかけているのか私に話しかけているのか、
興奮して話された方がいた。
当然この時もフルアタックではないものの、ほぼ全開ヨコ走り。
どう見せようとか、ここを見てほしいと、走りを意識して組み立てた訳ではなく
いつもの「車との合議運転」である。
氷上初体験の助手席の彼に「良い運転・悪い運転」「成功・失敗」の判断がつくかといえば
雪壁にでもドカンとやらない限り、どんなに荒っぽい運転をしようとも、
こんなもんか?で終わるハズである。
そんなことがあって、不安を抱かせないドライビングとは何か、この時改めて考えさせられる、
良い機会となった。
100km/h超のヨコ走りなら、スピードも車両挙動も不安を抱いて当たり前のハズが
実はドライバーの手からこぼれ落ちそうな車の動きに不安を感じているのかもしれない。
ドライバーが常に車を手の内に置いていることが助手席の人に伝わって
安心の元になる、というのが、今回のオチ。
結局似たような走りが出来ても、車を持て余すドライビングは同乗者に見破られ
心拍数にハネ返るということ。
ギクッときた方、精進精進。
森ケイタ氏のメルマガ最新版を読んでいると、読者からの質問の中に私の名前が出ていた。
すでに運転の本シリーズで9回目なので、国政国政・・・と連呼されれば、
といったタイミングの様にも思えるし、この辺りに来てやっと何かしら見えてきたのか、
素朴な質問というか、アイツのここが知りたい的な問いが寄せられている。
森さん本人は私と読者の間にいて、どちらにも背を向けないで質問の回答をしているところが愉快だ。
まずは耳学問から、次に実技・・・再び耳学問を振り返る、又々実技と、
「知識に水を与えてワザを育てるがごとく」。
運転技術は物理を相手にしている以上、その事の理解と車両運動と力学といった「ナゼ!?」を
覚えつつ、ワザを身につけていく必要がある。
ワザを伝えてもらうとき、ナゼをつけてもらって、そこの理解から入っていくことができれば
間違いも少なく、考え方そのものが他の事に応用できたりする。
“耳学問”はとても大切なのだ。
ということで森ケイタ氏のメルマガで今のところ順調に「運転の本の話」進んでます。
メルマガ読者から間接的ではあるものの私への質問でもあるので、次回のメルマガ、
回答から話が始まるかもしれません、編集長次第ですが。
WRCが開幕し、今年からVWがワークス参戦。
第1戦のモンテカルロラリーはセバスチャンローブが勝利し
第2戦のスウェーデンラリーはセバスチャンオジェが優勝。
VWは参戦2戦目にして勝利を手にしたことになる。
スウェーデンラリーで北欧ドライバー以外で勝利したことのあるのは
これまでローブのみだったのが、オジェで二人目となった(これもすごい事)。
スウェーデンラリーでの二人の戦いをテレビ中継で見た。
初日に出走順からか、オジェがリード。
結局このリードを保ちながら最後までゴールし、ローブの逆転はならなかったのだが
ローブのフルアタックの様子がコーナーごとに見られて面白かったのと、
今回勝利したオジェの走りの分析もなんとなくだが見えた。
第1戦のモンテカルロでは、ブッチギリに近いタイム差だったローブとオジェの関係が
今回のスウェーデンラリーでは逆転した。
モンテのコースは雪、アイスバーン、舗装とめまぐるしく変わり、コントロールが非常にむつかしい。
アベレージは道幅も狭く、コーナーが多数あって低い。
ここはベテランのローブが速くうまい。
VW初戦のオジェは、まず完走が第一として、おそらくフルアタックはせず
慎重に走らせて、ローブと争った印象は薄かった。
これに対してスウェーデンのコースは雪道でもアベレージが高い。
ゆるいコーナーの連続するところでのオジェの走らせ方は旋回中のスパイクピンのツメ跡が真横!
つまりコーナリングスピード優先の走らせ方である。
旋回姿勢の作り方も、「一瞬にして」と表現できる速さの「スパッ」、4つのラインで言えば♯4。
低ミュー路面必然の走りだが、ペースノート作りも含め、そう簡単ではない。
これに対してローブは外見ほとんど変わらなく見えるが、キチンと減速、合わせて旋回姿勢作り、
減速円と加速円を組み合わせた走らせ方、限りなく♯4に近いが、コーナーの一ヶ所に
最低スピードの切り替えがあるから♯1の要素を入れている。
そこを攻め立ててフルアタックするから、コーナーの立ち上がりでコースオフ寸前の姿が
何度も映し出されていた。
走らせ方の違いは見えても、二人のゴールタイムは正にシーソーゲーム。
タイム差はほとんどない。
そして軍配はオジェに。
見応え充分。この二人の戦いは楽しめた。
日曜日にサーキットアタックの見学に出かけた時の話。
富士スピードウェイ名物のバンク下にある富士ショートは、高台から“高見の見物”ができる。
最終コーナー辺りを中心に見ていたのだが、ウォームアップ走行が始まると
路面が冷えている事もあって、タイヤを暖めていく手順もマチマチ。
早くもストレートで全開にして前の車を抜いていくドライバーもいれば
後方を気づかいながらペースupしていくドライバーもいるといった具合だ。
富士ショートの最終コーナーは、アスファルトの広場にコースがペイントされているだけだから
目標を置きづらいのと、コーナー後半が急な下りで、一段降りたところからストレートが始まるので
アクセルオンしたまま急激に下ることから、この先でタコってイン側にゴツンのケースが
圧倒的に多い事でも知られているくらいむつかしい。
ここへの進入を見ていると、旋回姿勢が落ち着くまでに“一悶着”。
何とか押さえ込む事ができたら、次は立ち上がりなのだが、不安定な進入ラインの延長線にいるから
毎回ポジションがマチマチ、姿勢もしかり。
そこからできる範囲の立ち上がり、といったドライビングが多い。
立ち上がりと進入の重み付けが、どう見ても8~9割進入で、立ち上がりは成り行き。
良いタイムを狙うなら、直線スピードを稼ぐことが重要で、その為にはいかに立ち上がりを有効なものに
するかを考える。
そのラインに乗せるための進入と考えると、“突入”するのは賢い方法ではない。
重み付けは、立ち上がりにあり、だ。
想定軌跡はボヤケていて、走ったあとの実走ラインが自分のラインであって、振り返ったとしても
次も進入してみなければわからない?ようなドライビングだ。
皆さんのサーキット走行、あるいはワインディングでの走らせ方はどうでしょう。
ピーッと、自分の走らせるべきラインが道に描かれていますか、または見えてきますか。
“車の後ろにしか”ラインが描けないなんて、情けない話・・・ないですよね~。
PS.本日弊社HPに糠平湖氷上タイムトライアルの動画をUPしました、ご覧下さい。
オートスポーツ誌の特集スポーツドライビングのページ、読まれましたか?
自動車のドライビングは奥が深いもんですねー。
まだまだ知らない事がたくさんあって面白そうだ、というのも今回の特集記事を見て思いました。
スポーツドライビングの中でも今回の内容は、とりわけサーキット限定タイム命といった限界走行の
イメージがあり、とにかく速く走らせるにはの大前提を元に話が進んでいます。
欧州式と日本式と分けて説明してあると、ドキドキしてしまいます。
自分は日本式しか知らず、欧州式を知らないから半人前?的な不安がよぎります。
しかも自分のドライビングが日本式なのかどうかもわからないのに・・・。
一応、欧州式と日本式と言葉の違いは明確でも、中身がまったく違う訳ではありません。
(私が言うのもナンですが)基本は同じようなものだし、ブレーキリリースのタイミングが違ったり
アクセルオンのタイミング、その使い方などの考え方と少しの操作違いです。
日本人の中にも本能的に欧州式で走らせている人もいます。
また、車のセッティングあるいは履いているタイヤ、あるいはコース(コーナー)によって
欧州式になる場合も充分に考えられます。
要はその走らせ方をしっかりと理解し、マシンセッティングも含めて有利となるコーナーで
生かすことが出来れば、少しのタイムが稼げる時がある、といった考え方が正しいのでは
ないかと思います。
のべつどの車でもどこのコースでも欧州式が当てはまるかといえば、決してそうではありません。
コースの外で見ていて、明らかに欧州式のドライビングとわかるドライバーが
必ずしも速くないシーンは何度も見ました。
まずは基本とされるライン取りと、走らせ方を覚えたあと、工夫する楽しみがある・・・というのが
正しい順番ではないでしょうか。
いきなりバランススロットル走法をやったとしても・・・タイムに結びつくと思えません。
なんちゃって。
もしくは○○○風はできるとしても・・・。
昨日も富士ショートサーキットに午前中だけだが応援に出かけた。
ここのところ糠平湖の氷上トライアル、本庄サーキット、と
週末に出歩いていたので、今日は家の風呂掃除。
写真は見ての通り、カビ○○ーのボトルとローラーブラシ。
ローラーブラシにカビ○○ーを染み込ませて浴室の壁に塗り付ければ
とても効率よく作業が進む。
例のアレでシュッシュッとスプレーすると、大量に飛散して無駄が出るのはもちろん、
顔で受けたり、息をして吸い込んでしまったら大変。
ローラーブラシならその心配がほとんど無い。
とはいえ、浴室の窓は全開。
換気のために電気ファン(扇風機?)で風邪をビュービュー送り込んでおく必要がある。
ゴーグル、マスクがあればOK。
天井も楽々こなせる。
これでサッパリ、きれいになった。
検証バランススロットルの練習会の話をしたのは昨夜のこと。
なのに今日さっそく連絡があって、皆さんのその反応の速さにビックリ。
すでに何人かの申し込み(参加しますよの合図ですが)いただきました。
ブレーキを早めに掛けるのと同じで、すばやい判断と行動は三文の得!を生むかもしれません。
5月の練習会に向けて少しずつ準備を進めていきたいと思います。
今のところ日程と開催場所が決まっているだけで、細かなところは決まっていません。
コース予約ができている段階ということです。
練習内容のプランは私の中で考えているだけですが、昨日のブログに書いたようなことを予定しています。
それと森ケイタ氏にも声掛けして運転の本の実技・実体験をお願いする予定です。
これはもう私の担当なので忙しい一日になりそうです。
あ~っ、そう言えば今回は前泊ミーティングがあるので、お話しもゆっくりできます。
明日やる内容をしっかり解説して、という時間です。
これまでのミーティングは・・・参加者以外の人には興味無い話しですね、やめときましょう。
TVで福島県で起きた70数台の玉突き事故の様子を伝えています。
単独事故が引き金になったみたいだが、マイクを向けたドライバーの責任の感じられない発言と
グシャッとなった車にABSは?車両安定制御は役に立たなかったの?と一人突っ込みをしてしまった。
ギリギリ前の車にブツからずに止まれた車も、後ろからドカンとやられたらしいから悲しい話だ。
役に立っているのはクラッシュセーフティーだけか?
今年も予定しています。
検証バランススロットルの練習会。
会場予約も済ませました(私ではなく事務局担当の彼が動いてくれています)。
いつも通りの内容に加えて、Gコントロールの精度を高めることと、
全体のスピードアップ(進行スピードのことではありません、練習スピードのことです)を予定している。
ここまでの基本練習のおさらいの意味もあるし、正しく理解したのかどうかの確認も・・・。
今回の練習会で4つのラインとブレーキングがこなせるようなら、いよいよ検証バランススロットルの
本題に入っていくことができる。
といっても次々回の話になるのですが、実戦(践?)でどう走らせるのが正しいのかを検証していくのだ。
当然ながら検証のとき車一台分手前からブレーキングを開始して、ステアースピードをもう少し速く、
立ち上がりのアウトをここに置いて見よう、といった内容を再現できなくてはいけない。
練習とは一つのことができるように繰り返すことではなく(これも必要なことですが)、
自分で考えた通りに幾筋でも自在にラインを描けるようにすることです。
そのためにはどうするか・・・これは残念ながらアドバイスが難しいところです。
当人の心は当人のみしか知らないからです。
だから練習の正しいヒントを渡すところまでが、私のできる範囲です。
オートスポーツ誌 2013年2月15日号(今本屋さんに並んでいます)に
G-BOWLが紹介されています。
特集記事の内容はサーキットドライビング。
取り上げてもらったものの、ここでもG-BOWLとの結び付きがわかりづらいかも知れません。
これは以前から何度も言われていることですが、1Gまでボールが転がり落ちないG-BOWLが
欲しいとか、0.4Gが上限だと全開走行が出来ないから意味がないとか・・・。
確かに限界走行を学びたいと思っている人には、なかなか理解できないかもしれません。
サーキットの中には何か特別なものがありそうな雰囲気も理解できなくはないのですが
いきなり全開走行で学べることと言えば、失敗コーナリングぐらいなものでしょう。
ドキドキハラハラと冷や汗はセットで付いてきますけど、これをサーキット走行の楽しさ(とても
そうとは思えませんが)と、勘違いしている人が多いハズ。
サーキット走行は危ういものと、どこかで覚悟しているようにも見えます。
サーキットドライビングとと聞くと、テクニックめいた話に思えるのですが、紐解けば
“速度の管理”と“タイミング”、基本動作が正しくできた上での“組み合わせ”に過ぎません。
その基本を知る為のツールがG-BOWLな訳です。
サーキット走行で体感するGは約1.0G前後。
本番のタイヤを履いて走らなければ、練習にならないといった話も耳にします。
この考えでいくと1.0Gでしか走ったことの無いドライバーは、1.5Gから4.5GのでるF1パイロットには
一生なれない事になります。
G-BOWLの0.4Gのコントロールを覚える意味はGの強さとGの方向のコントロールです。
これはブレーキ・ハンドル・アクセルを いつ、どのくらい、どのタイミングで使うのかの基本を覚えること。
自動車操縦の基本ということです。
0.2G程の氷上を走らせても自動車の操縦は同じです。
スピードとGの絶対値が低いというだけ。
これが1.0GになってもスピードとGの絶対値が増すだけで、操縦の基本は変わりません。
F-1も同じ・・・くどくなるのでこの辺で終わりにしましょう。