クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

ホンダS800

2023-06-06 09:55:53 | イベントレポート
ホンダS800を修復してナンバーを取得。そしてクラッシックラリーに出る。

その活動報告会にお邪魔してきました。

ことの始まりは一本の電話から。

プロジェクト担当の先生から学生の話を聞いてやってください⋯

でサスペンション担当の彼らがやってきました。

リヤショックアブソーバーが錆びて使い物にならないので修復の方法を教えて欲しい。

聞けば予算ゼロ。

さらにショックアブソーバーについての知識もほぼ?

しかも完成期限が迫っているので、早急に現物を作り上げて実走行できるようになるまでの手順を、
彼らが描ける内容でという条件が付きます。

少々手荒な!?・・・ひとまずこんな方法で⋯を伝えました。

その後は学園に戻った彼らの努力です。

報告会の学生たちの声が自信に満ちていたのと、一年間プロジェクトを共にした先生方からも
とにかく楽しませてもらった、そして学生たちに向かって感謝の言葉をかけられていたのが印象的でした。

その会場には今年度のプロジェクトメンバーもいて、これから始まる一年間の試練を知ってか知らずか静かに聞く姿がありました。

先輩たちの発する熱量に比べ、火がついていない後輩たちはまだ冷ややかなまま⋯

取材 NBR WRX FUJI SW

2022-12-16 11:21:11 | イベントレポート
富士スピードウエイで行われたNBR仕様のWRXの
シェークダウンテスト&お披露目会に行ってきました。

オートスポーツ誌の取材お手伝いです。



概要説明、走行、記念撮影などの予定を一通り終えた後に、
独占取材で総監督の辰巳さんと、トラックエンジニアの宮沢さんにインタビュー。

ニュルブルクリンク 24時間レースを走るサスペンションとは、を色々と教えてもらいました。
オートスポーツ来年1月売り号にこの記事が載ります。

ピットの中でエンジン暖機していても排気臭なしで純正並みの排気音。

シュルシュルと静かで速いニュル仕様。

ABSを効かせたブレーキングから、コーナリングもアウト一杯までのスキール音が、土手の上まで聞こえてきます。

マスターバック付きブレーキでABSを常用しているとのこと。

なのでフロントLSDは純正ギヤ式、センターデフも純正DCCD最弱で使用。

リヤLSDはLOMタイプでイニシャルトルク弱め。

この組み合わせがABSを生かすためのLSDの存在限界。

この日、GT300 BRZも隣のピットにいて、待ち時間の間STI渋谷さんと立ち話。

ピットの中で遠目にWRXを眺めていたら何人もの人から声をかけられました。

残念なことにうろ覚えだったり、なんと返事しようか迷う人もいたり。

マスク着用なのでお互いがわかりずらい!

さらに、以前一緒に仕事をしたことのある編集者、カメラマンも。

学生フォーミュラをやっていた時に接点のあった彼はスバルの名刺を手に目の前へ。

私が現役の頃、競技インプレッサに同乗走行をした人(二十数年前)は、ヘルメットを取った時の顔知らないし⋯

昔小関さんの部下で⋯からはじまった人に至っては記憶の巻き戻しが困難。

でもなんでも言ってくださいとこの人から優しく声をかけていただきました。

スバルとWRXを身近に感じることができたことと、取材以外にも多くの人に会えて嬉しい1日でした。



ダートラドライバー憧れの地

2022-11-16 13:04:05 | イベントレポート
ダートラドライバー憧れの地


久々の遠出。

秋晴れの中、知人との再会を兼ねて全日本ダートラに行ってきました。

整備が行き届いていて、起伏のある立体的なコースは、
ダートラドライバーなら一度はここを攻略してみたいと思わせるレイアウト。

ハイスピードコーナーをパワードリフトで駆け抜ける気持ちよさは、ダートラドライバー全員がかかる「やまい」

学生時代にかかって定年間近になってもかかりっぱなしの人が何人もいます。

何もタイムで一番にならなくても、他の参加者と同じだけ砂利を撒き散らしてカッ飛ぶことができる競技なので、
勝負のこだわりが先なのか、気持ちよく走るのが先なのか分かりません。

そうでなければ、100秒を1日に二本走るだけの競技をしに日本全国に出かける理由が見つかりません。

だからと言って誰でも一番になれるほど簡単な競技ではなく、気がつけば表彰台に縁の無いドライバーもいます。

ところが、片付けを終えて会場を後にする時に、暗い顔をして家路につくドライバーは一人もいないという不思議があります。

そんなダートラドライバー憧れの聖地と言えるのがテクニックステージタカタ。

思う存分の走りを披露する夢舞台でもあります。

スタートラインを前にして息を整え、日章旗が振られるのを待つ瞬間から、
砂利を弾き飛ばす音とエンジン音だけのトキメキの世界へ⋯






浅間火山耐久レース 2021 その1

2021-04-01 10:47:21 | イベントレポート


ロードスターに装着してテストしていたエンジンダンパーを、浅間火山耐久レース参加車両のヴィヴィオに装着しました。

ダンパーストロークは30mm、別タンク式、高圧モノチューブダンパーです。

ストロークの真ん中が純正ピッチングストッパーと同じ長さで、そこから+−15mm作動できるようにしたのですが、
実ストロークは数ミリのはずです。
この数ミリの中で減衰値を発揮できるように、応答性と必要と思われる減衰値を仕込みました。

コースの中の洗濯板⋯⋯波状路の走破性が向上するかどうか、ちょっと楽しみ。

開幕戦は5月9日。

浅間火山耐久レース 2020

2020-10-20 11:54:31 | イベントレポート
新型肺炎の影響を受けて第三戦目まで開催のなかった浅間火山耐久レースが第四戦目にしてやっと開催されました。

我がチームのヴィヴィオはトラブルなく完走。

久々の優勝です。

美味しい高原キャベツを商品でいただきました。

久々の開催もそうですがヴィヴィオ4台、ミラ、ライフ、アルト各一台ずつ計7台の参加。

自分たちが参加した記憶の中では最も少ない台数。

前日までの雨で湿り気たっぷりの火山灰路面、
コース全体にうねり凸凹が見事に「整っていて」コーナーだろうが直線だろうがジャンピングモードで周回。

滞空時間の合計は過去最高かもしれません。

いつもなら一時間に一回か二回必ず赤旗が出るはずが、今回は粛々と進行して五時間目に一度出ただけ。

走り続けると何が起きるかというとガス欠。

なので緊急ピットインして給油。

我がチーム過去最多の周回数143でゴール。(2位に7周差)

143✖️1.9km=271.7km。平均速度54.2km/h。

アベレージで見るとな〜んだですが、ヴィヴィオ以外の三台は二時間目を過ぎたあたりからパドック出入り組になり。

一台のヴィヴィオはストラットタワーとサイドフレームあたりのスポット剥がれでトロトロスピードで周回、
もう一台はエンジン不調ながらなんとかゴール。

最後までまともに走っていたのは二台のヴィヴィオだけ。

軽の背くらべとも言える耐久レースです。





浅間火山耐久レース 2018 その2

2018-06-05 15:28:27 | イベントレポート
第2戦がありました。
第1戦はかなりひどい壊れ方でニッチもサッチもいかず途中リタイヤ、諦めるしかありませんでした。
しっかりと修理して仕切り直し。
今年からクラス分けなしなので総合成績がそのままの順位。
走っていれば上位というわけにいかなくなりました。



なので今回は最初から全開走行。ひさびさに戦った感じがしました。もぎ取った感ありの総合優勝です。

しかし道の凸凹が軽には厳しい⋯⋯リタイヤ続出でした。

浅間火山耐久レース 2018

2018-04-16 21:11:28 | イベントレポート
浅間火山耐久レース2018シーズンの開幕戦が迫ってきました。来週です。

週間天気で見ても雨マークなし。

ビビオは昨シーズンの最終戦を走り終えたあと放ったらかしにしていたので、日曜は洗車。

サスペンション周りにダメージがあるようで、タイヤを触るとがたついています。

1戦で走る距離が200kmから250kmなので年間1000km。

ダート走行のダメージは舗装路のそれとは比べものになりません。

数十倍かそれ以上の距離相当と言われています。

ビビオの場合、車体は頑丈でこれまで使いっぱなし、

外板がボコボコになってしまっているのは仕方ないとして、

入力が大きいのでサスペンション周りとかエンジンマウントに負荷が集中して、

ボルトの緩み脱落などに絡んだトラブルが出ます。

トラブルのたびに対策を施してきているのですが⋯何が起きるかわかりません。







学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 4

2018-02-09 12:59:45 | イベントレポート
シャシー剛性を測定する道具をいくつか紹介したのですが、
「ダミーホイール」は車体を定盤に固定するのに使います、タイヤの代わりに変形しない治具ということです。

「ダミーダンパー」は両端ピロボールか、ガタつかないで固定できる工夫をした「つっかい棒」のことです、1G車高の長さにします。

ダミーダンパーでサスペンションがストロークしないようにすれば、サスペンションの取り付け部も含めた剛性を確認できるので、
より精度を求めたい時はこの方法です。

ゆるい測定法としては「ラダーフレーム」を使って、タイヤもショックアブソーバーもついた走行状態に近い状態で、
一輪だけ乗り上げさせて測定する方法もあります。

何キロの荷重を掛けたかは特定が難しいとしても、何センチの段差で歪みが何ミリ、さらに段差を高くしてその差が何ミリ、
といったことで二台の車の横比較などができます。

どうしても荷重をを知りたい時は、パンタジャッキの下にヘルスメーターを置いて、同じ高さまでタイヤを持ち上げた時の荷重をを測定します。
ここから水平時の荷重を引けば、およそ何キロの力を加えたか見当がつきます。
といったことで、ラダーフレームは「宙に浮いた定盤」なので使い方次第です。

ラダーフレームは材料費を入れても1〜2万円もあれば作れると思います。
一般乗用車でも、ラダーフレームがあれば(乗用車サイズのものが必要ですが)定盤がなくても、同じように測定できます。
乗用車用となるとかなり大きなサイズになるので、収納を考えると組み立て式のラダーフレームがおススメです。

学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 3

2018-02-02 13:24:58 | イベントレポート
ホイールを外して、スタンド治具をクリップボルトでとめて定盤の上にしっかりおろします(ないしは固定)。
フロントはスタンド治具の左右をしっかりとしたバーに結びます。
バーの真ん中に鉄パイプを置いて荷重を支えます。
定盤を使う場合はダイアルゲージを「定盤」に置いてそのまま測定できます。

定盤が無い場合は、赤線のラダーを後ろ二カ所前一カ所チェーンで吊るします。
ダイアルゲージを「ラダーの上」に置けば、測定できます。

ねじり剛性の考え方は、シャシーにタイヤからの荷重が入るとねじれが生じます。
サスペンションも荷重がかかるとたわみます、これもねじり剛性とみなすことができます。
荷重によってたわみ量が変わるタイヤも同じです。
タイヤ、サスペンション、シャシーの三つのバネ要素が直列に連なっていて、
荷重に応じてたわんでいることになります。
乗用車ならゴムブッシュ、ゴムマウントが加わります。
三段(乗用車は四段)に積み重ねられたバネの中にショックアブソーバーがあるのですが、
タイヤとシャシーの間です。
ショックアブソーバーが減衰を発揮するためには片方がしっかり固定される必要があります、当たり前ですが⋯。
シャシーにしっかり取り付けられいるのを見れば、ショックアブソーバーは働いているものと誰しも考えるのですが、
シャシーの取り付け点そのものが、つまりはシャシー剛性が低い場合、
ショックアブソーバーに入力があるたびにしなしな逃げ回るので減衰が発揮されないばかりか、
取り付け点が動くということは、取り付け点側からもショックアブソーバーが加振されることになるので、
腰砕けになったりツッパたりする動きになって、ブルブルガタガタとひどい振動が出たりすることになります。
こういった動きが出るとタイヤのグリップ能力を余して簡単にスリップアウトし始めます。

以前、取材でケータハムセブンの試乗をさせてもらったのですが、
明らかにオーバーサイズのハイグリップタイヤを履き、
硬いスプリングと過減衰のショックアブソーバーの組み合わせから、
通常のアスファルト路で60〜70km/hも出すと目線が定まら無いほど車体全体が身震いし始めて、
コーナーに差し掛かると0.5Gも出ないうちからスリップアウト。
シャシー剛性が低いクルマのわかりやすい挙動で貴重な経験をしたことがあります。

シャシー剛性は高いほどいいのですが、最低線はどのあたり?計算で見切りたい?
そこを知りたいのであれば、まずは先の三つのバネの数値化です。
メインスプリングのたわみ量とシャシーのたわみ量が同じだったりすると、
ショックアブソーバーの効果は4分の1以下になり、上下加振状態に陥りやすくなります。
ヒントになるでしょうか。







学生フォーミュラ フォーミュラSAE シャシー剛性 フレーム剛性 測定 2

2018-01-17 09:47:56 | イベントレポート
シャシー剛性の測定方法について

「ねじり剛性」のトライです。

まずは測定場所の準備をします。

①定盤を使って測定する方法と

②定盤を使わない測定方法があります

精度の高い数値が必要な場合(補強を一箇所加えた時の違いを見るとか)
大きな力をかけて測定したい時などにはしっかりと固定したいので定盤が必要になるのですが、
工夫次第で定盤がなくともそれなりの数値を出すことができます。

次はサスペンションが付いた状態の測り方なのか、シャシー単体なのかを選択します。

③シャシー単体の場合は力を加えるポイント(サスペンションの取り付けブラケットなど)があると作業しやすい。

④装着タイヤ、装着スプリング&ダンパーのままで測定する方法と

⑤ナックル、ハブベアリング、ブラケットの取り付け剛性なども含めた剛性を知りたい時に、
ダミーダンパー、ダミーホイールを用いて測定する方法などがあります。
(タイヤ接地点から入力した時の剛性を見たい時の方法です)

まず、定盤が有るのか無いか、この機会に定盤を揃えたいということであればぜひとも⋯
無くとも平らでしっかりとした床さえあれば問題なくできます。

次に③④⑤の中からどれか一つ選んで測定していきます、一度数値を出すところまでできれば、あとの応用はさほど難しくありません。

③の数値を押さえておいて⑤の測定を行えばハブナックル、ブラケットの影響などが見えてきます。

準備するものは

ダイヤルゲージorハイトゲージ
巻尺(コンベックス)
ウエイト(おもり)
ヘルスメーターorコーナーウエイトゲージorロードセル
シャシースタンド(シャシー馬)
パンタジャッキ
ダミーダンパー⋯⋯⋯製作
ダミーホイール⋯⋯⋯製作
定盤
*ダミーフレーム(ラダーフレーム)⋯⋯⋯製作
チェーン⋯⋯⋯(鎖、日曜大工センター)
鋼材(角パイプ)
一般整備用工具

*ダミーフレームが準備できれば定盤の有る無しに関わらずシャシー剛性の測定ができます。
*ダミーフレームの使い方を理解すれば剛性測定の勘所が分かります。

*ダミーフレームか定盤、のどちらかが必要です。