クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

人を運ぶ人

2017-07-21 14:14:10 | NEWTON BRAKE
暑いさなかニュートンブレーキ講座をやってきました。

介護タクシーとかデイケアサービスの運転をされている、職業ドライバーのようでいて、
実はごくフツーの、免許所持者というだけの方(二種免許関係ありません)対象の安全運転講習会です。

講習会の前日に、ハイエースを使って車イスに人を乗せて走ったらどんなことが起きるかを実体験。

ブレーキング0.2G、旋回0.3Gの上限を守って走っても、カートコース3ラップで気持ちワルイ〜⋯⋯⋯でした。

車イスに座ったままなので目線が高いこと、リヤオーバーハング(後軸上)位置なので、
運転席からは想像できないほど、ロール感だとかヨーイングを大げさに感じます。



これだと0.2Gが上限だよね〜という結論に。

ツルツルの氷の上ならこれ以上のGが出ないので運転の組み立てはある意味簡単。

ところが舗装路で油断すると大きなGが出てしまいます、その上限をコントロールする運転の方が何倍も難しいのです。

その「コツ」を伝授してきました。



営業バン2 ついでにカングー

2017-07-13 08:10:50 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
ダンパーメーカーの人と会いました。
席に着くなり、クニさんこの本面白いよ〜‼︎と営業バンⅡを手にした設計の人がニコニコ。

ダンパーメーカーの人には心臓によくないことが書いてあります⋯⋯と手渡す時に一応断っておいたのですが。

書いてある通〜〜り、着目点はオイルシールだけじゃないんだよな・・・

みんな読んだ?と打ち合わせの席にいる人に向かっていうと、全員首を横に振って、いやっ‼︎
買いなさいよ、この本いいこと書いてあるから・・・押してくれました。

専門分野の人に読んでもらえるのは嬉しいですね。



ダンパー話のついでに・・・

ずっと気になっていたカングーの「快適さ」の謎解きが少しできました。



カングーの純正ダンパーはスペインKYB製。

*減衰値は標準的な数値(減衰値が快適さの元ではあるものの大きな特徴はなし)

*ガス圧が掛かっていないオイルショック(乗り心地がまろやか)

*リバウンドスプリングが入っている(背の高いクルマなのにロールの張り感がある)

*ダンパーのボディー部にコイルばね(渦巻きばね)が使われている(ダンパーの応答性につながる)

*フローティングタイプのチェックバルブが使われている(通過油量を多くでき、車高保持に影響する)

*ピストン部にもコイルバネが使われている(伸び側減衰値を高速域までコントロールできる)

各部品の特徴はZFダンパーと同類。

ピッチングのそぶりもないカングーのフラットライド・・・そうだったのかの仕掛けでした。




別タンク式ダンパー その2

2017-07-10 20:16:33 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
外気温30度でカンカン照り、ビビオを走らせるドライバーにはきつかったかもしれないが、
別タンク式ダンパーの実力を確かめるにはうってつけの天気でした。


ちょうどスタートラインのある短いストレートが洗濯板状になっていて、
アクセルを開けて通過するとバタバタとタイヤが激しく上下します。
時間が経つにつれ各車のバタバタ感が酷くなっていくのですが⋯⋯別タンク式にした我がチームのビビオは、
5時間走ってもほとんど「見た目」変わらず、効果あり。



オープンクラス優勝、総合も1位、ただし同一周回のクルマがもう一台。
ドライバー6名で上手く走りきりました。

ドライバーの皆さん、見学の皆さん熱い中お疲れ様でした。
次戦は秋です。




別タンク式ダンパー

2017-07-03 22:27:12 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
浅間火山耐久レースは5時間の長丁場、しかもでこぼこ道。

軽四でそこを走るとまあ壊れること壊れること。
ストラットがエンジンフードを持ち上げたり、ロワーアームがボキッだったりと、
日常で起きたらそれは一大事と思えるようなことが浅間サーキットでは珍しくありません。

チームオリジナルボックスのクルマはといえば無事にゴール⋯⋯したもののダメージがありました。

三時間を過ぎた辺りからフロントショックの動きが安定していないのが気になったので、
ドライバー交代の時にショックアブソーバーに触ってみるとアッチッチ状態。

連続走行すれば温度が上がるのは仕方ないとして、冷めれば元に戻るだろうと思っていたらそんな生易しい話ではなく、壊れていました。

温度が上がったところからキャビテーションが起き始めて、減衰が不安定になった時にダメージを受けたようです。

修理してたとえ元に戻せたとしても5時間走り通せないのは実証済みなのでなんらかの対策が必要⋯⋯と考えて別タンク式に改造することにしました。

オイル容量が増えること、別タンクでこれまでより冷却が期待できること、
窒素ガスとショックオイルをフリーピストンで仕切るので⋯⋯ツインチューブダンパーでも気液分離式にできること。

これでキャビテーションが起きにくくなるのと、熱ダレの心配もかなり減ります、同時に耐久性も向上するはずです。