クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

小さなGの育て方

2020-10-02 16:17:38 | バランススロットル
もしもGコントロール運転がうまくできたら。

それは「クセを感じない」運転と言えます。

そこからわずかづつ外れた操作を、ああこの人はこんな運転をするんだ、と「個性」として感じるわけです。

しかし各操作を注意深くやってもうまくいかないこともあります。

つまり操作を加えた先のクルマのしつけ(仕上げ)がちゃんとできていない場合です。

もちろん市販車の話で、操作に対してクルマが勝手に動きますのタイプ。

なんとなくだけどスムースな走りができていない気がする、これってクルマ?ひと?

これを見分ける方法は、誰かお付き合いしてくれる同乗者を道連れにして二台のクルマを乗り換えてみることです。

もちろん違う車種です。

同じ印象の走りなら人。走りが変わったらクルマ。

当然ながらクセに気がつかない人もいます。

理由は、自分の運転に長い間慣れ親しんできているので、どの瞬間にクセのある操作をしているのかが分からない。

もしかしたらクセのある操作をしているかも考えている人は、リアルG-BOWLを車載すれば、
その様子がたちどころに「見え」ます。

データーを取ってゆっくり振り返りたいのならG-BOWLアプリがあります。

クセがひどいと「危ない運転」をするドライバーに認定され、小さなクセなら「運転が下手ね」とつぶやかれます。

サーキット走行ができたり、速く走らせることが上手い運転と考える前に⋯

実は「小さなGの育て方」ひとつで同乗者が感じる運転の上手い下手が決まるのを知るべし。

ハンドル操作

2020-09-25 10:14:32 | バランススロットル
ハンドル操作には、「タイミング」「量」「速さ」の条件があります。

ラリー、ジムカーナ、ダートトライアルはハンドルを回す速さがその人の「速さ」とも言えます。

カウンターステアーがタイミングよく当てられなければスピンかコースアウトします、
でその人はどうするかと言えば、スピンするかしないか、あるいは
コースアウトすれすれの速さで走らせるしかないということです。

危なっかしい走りというのがこれに該当します。

やはりタイムを競う人は、ハンドルを素早く回す技術を身につけることが必要というわけです。

それと、滑らかに走らせたいと考えている人も上手いハンドル操作が必須です。

大別するとハンドルを持ち替えないで回す場面と、手を持ち変えるクロスハンドルとに
分けることができるのですが、さてこれはどう説明すればいいのか・・・

ハンドルの握り方、シートポジション、目線の高さ・・・こう言ったウンチクの出ている教本もあるのですが、
ハンドル操作そのものを活字で説明するのは・・・

これまでの運転練習会で、ハンドルの回し方ウンヌンを話したことは一度もありません。

それぞれのクルマでステアリングレシオもタイヤもサスペンションセッティングも
「走らせ方」も同じではないので一概に説明できません。

それよりも「走らせ方を理解すること」それに向かっていけば自然と運転姿勢も良くなり、
ハンドルの触り方も変わってきます。例外なく。

走らせ方を理解していない人の走りはどうしたって出たとこ勝負、なので人一倍ハンドル操作が忙しくなるのです。


真っ直ぐ走るとは

2020-09-18 13:08:34 | バランススロットル
真っ直ぐ走るって大切ですよね〜

誰かが話していました。

真っ直ぐにも色々あってクルマが真っ直ぐ走るのか、真っ直ぐ走らせやすいのか。

前者はハンドルが固着していれば、手放しで真っ直ぐ走るになるのですが、
ひとたび進路がずれると修正が容易ではありません。

ハンドルが固着しているので微量に動かしたい力と釣り合わず、
やっと解除できた時には修正舵を超えて進路がオーバーシュートします。

進路を元に戻そうとしてまた同じことを繰り返すので、車線の中を右に左に蛇行し続けるのがそれです。

手放しでできる(軽く手を添える程度)チャンスがやってくるかと言えば、蛇行している間はムリ。

真っ直ぐに走らせられないクルマの代表と言えます。

後者の真っ直ぐ走らせやすいとは、最小の力で微少舵が動かせて、
タイヤレスポンスの最小値がコントロールできるクルマです。

最近ほとんど見かけませんが⋯


エボリューション

2020-09-08 13:12:14 | バランススロットル
ランサーが正常進化を続けてどんどんたくましくなっていった時代に、インプレッサも速さを身につけていきました。

インプレッサは今もですが。

そのバチバチ火花を散らしていた頃にインプレッサの広報車を試乗しました。

外気温も低めですこぶるターボレスポンスも良く、トルクのモリモリ感もこれまでにない市販車、と感激したのと同時に、
コーナとコーナの間の速度変化がけたたましく、ブレーキングのタイミングを逃すまいと緊張しながら運転したことを今でも思い出します。

ブレーキング技術が未熟なドライバーが不用意にアクセルを開ければ、
ガシャンとやった後に何が起きた⁈そんな独り言が聞こえてきそうなほどの速さです。

クルマは「運転手が」止めるものです。

物心ついたばかりの子供だってブレーキのない三輪車を足で止めます!

笑うところではありません、本能に従った行動がとれているのです。

この本能こそがクルマを止める指示系統の元になるのですが、
残念なことにブレーキレス三輪車に乗ったことがないだろう運転をする大人がいます。

ガシャンとやった後に何が起きた⁈⋯

運転技量のうっかり度合いを何倍にも何十倍にも拡張する能力を持つのがスーパーカーです。

スピードを出す時は一人で、人のいないところで。





車酔い

2019-07-24 09:57:51 | バランススロットル
一緒に出掛けると子供が車酔いする。

奥さんも時々⋯

まあ運転手本人は滅多に酔いません。(ゼロではないようですが)

クルマのせい?運転のせい?本人のせい?

ワインディング路だらけのこの近辺だと、道路脇にクルマを止めて
子供の背中をさすっているシーンを見かけます。

曲がりくねった道路のせいというのもあるかもしれません。

その理由がいくつかあるとして、例えばクルマを乗り換えても子供の車酔いは相変わらず、
となると運転と体質の二つが考えられます。

でも、この子はクルマ酔いしやすい、と決めつけられる子供はたまりません。

助手席の同伴者も気持ち悪いなんてうっかり口にできない、から辛いのをガマン。

バス、電車、船は平気で家族で出かける時だけ酔うとなると運転が疑われます。

「他の車との間の取り方が危なっかしい」
「操作に落ち着きがない」
「同乗者への配慮にかける」
「いつも怒っている」⋯⋯

しかし、思い当たるふしがあっても、じゃあ明日から変えるぞといかないのがクルマの運転。

森慶太氏が運転は「教養」と。

…同感。


走行会百景 その2

2018-07-31 21:45:43 | バランススロットル
とある有名な運転練習会での話。

ドライビングレッスンのスケジュールは、タイヤの正しい使い方、走らせ方を一通り教わった後実技、最後はジムカーナコースでタイムアタック。

最後のタイムアタックで張り切りすぎたと言うのか、勢い余ってガードレールまではらんでガシャンとやった受講生がいたらしい。
それも先生の見ている前で。

そんなことが起きないようにと正しい運転方法を教えたはず、あるいはそれを教わりにきたはずなのに、
今の今まで一体何を聞いていたのかとその先生は怒り心頭。←直接お聞きしました。

その日学んだことを試せば、いくらなんでもぶつかるようなことはない、と思うのですが、それができなかったんでしょうね。

高名な先生を前にしてもいつもの自分を見せてしまった、それとも受講生としての心構えが根本からなかったのか、
ルールなしの練習会と勘違いしてしまったのか、いずれにせよ前向きには捉えられないお粗末な結末を招いてしまったと言えます。


ウチの練習会であったのは、スケジュールびっしりの1日の練習を終えた後、夜の打ち上げ会場に向かう峠道を、
ほとんどのメンバーは今日の「復習」をしながら楽しそうに移動したのですが、
練習会場を出た途端いつもの自分運転に切り替えて移動した参加者がこの列の中にいたのです。

打ち上げの席で、皆さんしっかり練習しながら移動するんですね〜発言が、その自分運転の「本人」からあって分かったわけですが、
どうやら運転練習は「練習会場の中だけ」と考えられているようでした。

限界走行ができてこそ運転練習になる、それができるのは走行会場の中だけ、一般公道はゆっくり走るから練習にならない。
こんな考え方なのかもしれません。

これも人それぞれ。






走行会百景

2018-07-19 10:47:22 | バランススロットル
走行時間内目一杯走って元を取るタイプ
タイム命でがむしゃらに走るタイプ
何かしらの目標を持って走るタイプ
マシンのセットアップをしていくタイプ
ナラシと書いた看板を貼り付けて走るタイプ
初めてのサーキット走行ですタイプ
走りを教える先輩タイプ
誰とも話さず黙々タイプ
抜けそうな相手を見つけて追いかけ回すタイプ
そこらじゅうでスピンかコースアウトをして迷惑かけまくりなのに攻めた気持ちになっているタイプ
マフラー音はけたたましいのに無音の同型車に抜かれるタイプ
抜かれまいとして技量を超えた走りをしてしまうタイプ
道の真ん中をひたすら走るタイプ
後続車のことを一切気にしないタイプ
抜けそうで抜けない縦横無人のライン取りタイプ
そのうちベストタイムが出るはずの宝探しタイプ
ベストタイムの時の走りを記憶していないタイプ
攻めた時のタイムと軽く流した時のタイムが逆転するタイプ
誰かにアドバイスをもらうと一瞬だけタイムアップするタイプ
周りのアドバイスに耳を傾けるけど一向にタイムに反映できないタイプ
テクニック本を読んでトライするも自分に当てはめができないタイプ
チューニング情報に従ったクルマ作りをしてみたものの効果が見えないタイプ
何がダメでタイムが出ないのか見当が付かないタイプ
冷や汗なのか心地いい時の汗なのかわからないタイプ
ブレーキパッドがほとんど減らないタイプ
シフトアップするタイミングを逃してしまうタイプ
シフトダウンを気にして肝心のブレーキングが甘いタイプ
攻めることがタイムに結び付くと信じてひたすら大回りしてしまうタイプ
基本を知らないのにコース攻略方を知りたがるタイプ
一度コースインするとクルマの不満を幾つも言えるタイプ

あくまで私見⋯楽しみは人それぞれ。


フレットがないぞ!

2018-07-13 10:56:31 | バランススロットル
フレットのない弦楽器と言えばたくさんあります。

出したい音を探り当てる必要があり、そのためにはまず絶対音感が必要です。

今年初めの三味線旅の時にも、ポツポツと語り始めた奏者の口から、
弟子を取るときの条件として、音の記憶、音感のない子は残念ながらダメです、とはっきりと言われていました、
最初にそこを確かめるそうです、三味線の場合フレットがないのもそうですが、譜面がないというのもその理由。

どうしてこの話を、というのは知り合いの知り合いが、チェロの原型と言われているビオラダガンバ奏者で、
海外から二年ぶりに戻ってきて云々を電話で話しているときに、
絶対音感て、クルマの運転に置き換えれば絶対G感(こんな言葉があるかどうかは知りませんが)のようなもので、
体の記憶がないとね〜となったわけです。

速度の管理もコーナリングラインも加減速Gも「フレット」がありません。

気持ちいい運転を組み立てようと思ったら自分の操作でGを探り当てるしかありません。

フレットのない楽器を演奏するようにです。

音楽的センスで片ずけるわけにはいかないかもしれませんが、クルマの運転も遠からずのような気がします。

現代のクルマで不便に感じること

2018-05-27 13:58:55 | バランススロットル
パーキングエリアの白線の中にクルマを真っ直ぐに止めたい⋯のに斜め止めになってしまうことがよくあります。
最近のクルマは特に。

それは運転のセンスでしょう、も勿論ですがクルマのせいもあります。

もしもパワーステアリングではない生ハンドルのクルマだったらどうなるでしょうか。

前輪が枠内に入って進行方向が定まったら、タイヤがまっすぐに転がることを利用して、ハンドル操作をやめます。
すると前輪は枠にそって進み、車体はスルスルと前輪に正対します。
運転席から見ればハンドルがセンターに戻ることになるのですが、
タイヤ側から見ればフロントタイヤが先導して枠内を進み、タイヤの向きに車体が合致するわけです。

もちろん、ノンパワステのクルマはパーキングスピードでのハンドル操作が重いのですが、
真っ直ぐ止めるのは当たり前にできた気がします。

現代のクルマのハンドルは軽く回せて楽チンなのですが、切り込んだあとに手を離しても途中までしかもどらず、
切れたままになるので真っ直ぐに進みません。
ハンドル中央には「ドライバーが戻す」しかないのです。
さらに困ったことにN感と言われるハンドル中央の手応えを感じ取れないので、
真っ直ぐを「目視で確かめる」ことになります。

そんなことをしているから白線にそって止めたい希望は初心者レベルになるのです。

駐車場で何度も入れ直しているのを見かけるのは、ゲーム機のハンドルでタイヤの真っ直ぐを探すのと同じで、
今の状態を機械(クルマ)から知る手立てがないからです。

運転手のセンスと一方的に片付ける訳にはいかない理由です。

あたたかい目で見守りましょう。

路肩に寄れないクルマ

2017-08-21 21:08:25 | バランススロットル
狭い道で、対向車が道の真ん中を走っているのに出くわす事があります。
ブラインドコーナーの続く山道では、こちらが身を細くして避けてギリギリの対向なんてこともあります。
もう少し路肩に寄ってお互い様の感じを出して欲しいと思う瞬間です。

しかしそんな時に限って避けない対向車の運転手は知らん顔。
中にはこちらと同じだけ気を使って寄せているつ・も・り・の人がいるかもしれませんが。

運転手の技量だとかマナーの話はひとまず置いといて、クルマ側に何かあるのではないかと考えるとこの状況が少し見えてきます。

早く言えば「路肩に寄れないクルマ」が世に氾濫しているからです。

どういうことかと言えば、
ハンドルの手応えがクルマの反応と連動しない⋯⋯
一旦ハンドルを切るとビクンと大きな反応が返ってくる⋯⋯
微細な加減ができない⋯⋯直線も自分の「居場所を探す」ハンドル操作が必要⋯⋯

その結果どうなるかと言えば、広い道もクルマのせいで狭く感じるし、流れに乗ってスピードを出そうとすると道の真ん中を走ることになります。

皆さんも試しにガードレールとの距離を確かめてみてください、避けているつもりのところでクルマを止めて降りてみれば分かります。

直進性のよくないクルマは例外なく路肩との距離が欲しくなるクルマです。