クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

35GTRの場合 その2

2018-09-27 20:29:06 | ガレージレポート(オリジナルボックス)





あんかけのロードノイズが異常なほどにうるさかったのはどうやらこのブッシュにも原因がありそうです。

静止状態でショックアブソーバーの取り付けボルトがブッシュセンターではなく下に下がっているのがわかります。

新品状態でも押し付けられれば変形するのですが、ロードノイズのけたたましさから考えて、
ブッシュが底付きしやすくなっていることが考えられます。

35GTRの車検証から前後の重量配分と荷重を見ると、車両重量は1750kg、
前前軸重は950kg、後後軸重は800kg。54.3%がフロント45.7%がリヤ。

フロントの左右輪それぞれの荷重はといえば、950➗2=475kg。
ここからバネ下重量を引くと、475ー60kg=415kgこれがバネ上荷重。
これをダンパー取り付け位置のレバー比で換算すると、415➗0.65=約640kg

これがロワーアームのショックマウントブッシュにかかっている荷重です。
例えれば軽トラック一台分相当の荷重が小さなブッシュにかかりっぱなしになっているわけです。

ひとっ走りした後に、揉まれてやわらくなっているブッシュをギューっと640kgで押さえつけて、一晩かあるいは一週間寝かす。
こんなことを繰り返せば、やがて変形したままになります。

今回のクルマはおよそ八年が経過しているのでそろそろの感じは否めません。

ブッシュのヘタリ分で数ミリ車高が下がっています。

元の状態にするにはブッシュ交換。

しかしブッシュ単品では手に入らないので、アームごと。


35GTRの場合

2018-09-23 10:03:23 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
定年を迎えた旦那さんが欲しかった35GTRを買いに来られました。

しかし、乗り心地が悪いと奥方に言われ、自分でも期待したものと違うと感じたので、半年か一年しないうちに下取りに出してフツーの車に買い換える。

ランフラットタイヤをラジアルタイヤに変更することで、いくらか改善されるものの決定打にはならない⋯⋯
そんな人が結構多いんですよ、と自動車屋さん。

速さが売りのスポーツカーだから、サスペンションは固くて当たり前、
なのに乗り心地について滅多に触れないクルマライターが、乗り心地が硬いとはっきりと書いているところからして、
これはかなりよくないのかなと。

そしてマイナーチェンジするたびに乗り心地が改善されました⋯以前は硬かった。の繰り返し。

ライターの言葉を信じれば、今時ふわふわのサルーンな乗り心地になっているはずです⋯

ということで35GTRが目の前にあります。借り物です。

ふわふわサルーンの後期ものではなく、ごく初期タイプ。

一般道、高速道路半々の試乗に行ってきました。

ランフラットタイヤの硬さもさることながら、タテにヨコに1.8tと思えない横暴な揺さぶられと、その上にロードノイズがあんかけされた乗り心地。

助手席の奥方の気持ちを察するまでもなく、ドライバー席でも残念!

それでこのサスペンションに手を入れてなにかが変わるんだろうか。

という不安満杯のダンパーチューニング開始です。


多勢に無勢

2018-09-13 11:38:55 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
先日のお客さんとのやりとり。

ここでサスペンションをいじってもらうと車高が上がる⋯⋯

よくご存知で⋯⋯

一応「適正な車高」にするだけなんですよ。と説明。

サスペンション変更する人のほとんどが車高を下げます(おそらく)
下げない人と比較すると多勢に無勢。

この数に連動したお店の数もあるわけで、うちは無いに等しい一店、ということになるのでしょうか。

フォーミュラカー、乗用車のサスペンションは横並びで考えることができます。

車両運動の基本原理は乗用車もレーシングカーも同じで、レーシングカーだから特別ということはありません。

サスペンションの見た目がまるで違うので、にわかには信じられないかもしれませんが⋯

一緒にできないのが「市販車ベースのレースカー」

サスペンションが設計された時のレイアウトとは明らかに違う車高になっているので、
操縦性も安定性も約束できない危うさがあります。

なんとか乗れるようにするには(正攻法ではありません)乗り心地を無視して
サスペンションが動かないように硬めていくしかありません、言い換えれば
本来のサスペンションの機能を殺してタイヤグリップに依存するわけです。

車高を下げたクルマの運動特性がどうなるかと言えば⋯⋯

雨の日は怖い、ドライ路面は綱渡り、乗りこなしに時間がかかる、サーキットラップが安定しない、
ラインどりの選択肢はクルマ任せ、ワインディング路では何か起きそうで飛ばせない、
タイムアタック一発は超キンチョーする、スピンが付いて回る。

ちっとも乗りやすくないということです。

ローダウンしたクルマの危ない操縦性をして、これがチューニングカーだと思い込んでいる人も⋯⋯確かにそうですけど。

レーシングカーでベストセッティングを施すのと同じに「適正車高」を大事にしているだけなんですけどね〜うちは。

まあ、無勢のお店の話ということで・・・




躍度 その5

2018-09-06 21:33:46 | G-BOWL
検証バランススロットル ・・・ニュートンブレーキday・・・美運転・・・G BOWLミーティング。

最近、G BOWLアプリが大きく進化して、Gの躍度が見られるようになりました。

短い時間の中でGがどんな風に動いたのかを細かく再現して見ることができます。

例えば、ハンドルを動かした時の手際、あるいはブレーキの掛けた時の足癖のような、
その人なりのちょっとしたクルマの動かし方の違いを波形から探し出したりできます。

ここまでは良い測定器なら分かって当然です、がこの手の測定器を手にした人が直面するのは、
上手い運転の具体的な操作方法が説明書に書かれていないことです。

そこで、G BOWLアプリを使って、助手席目線で上手いと感じられる運転とは何かを紐解いていく勉強会をやってみようかと⋯

G BOWLアプリの使い方の解説と、助手席体験による上手い運転とまずい運転の見分け方。

こう書くとなんだかカタイイメージになるのですが、要は乗っていい感じか、
あと少し工夫があるといいよね、くらいを感じ取ることができれば十分です。

次に、自分でどう手足を動かせばいいのかを何種類か試して、その感覚をつかんでいく、こういった進め方です。

気持ちよかった時のデータと、まだだねのデータを記憶と一緒に残していくことで振り返るとことができます。

平たく言えば運転操作の基本の基本を見つけることです。

小さな教室を予約しました。

夫婦、兄弟、親子(小学高学年から)、友人同士、カップル・・・など

親しい人とペアを組んでいただいて、五組(5台)10名ほどの参加を募りたいと思います。

事務局の準備が整い次第お知らせします。