クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

最低速度

2017-06-26 22:40:50 | NEWTON BRAKE
平らな道で、自分のクルマの最低速度が何キロなのかご存知でしょうか。

最低速度なので何キロ出るかではなく何キロまで落ちるかです。

スピードメーターの表示が曖昧だったり旧車なら針が動き出さないかもしれません。

アクセルを離してアイドリング状態に近いところで走る最低速度が「駆け足スピード」だったら⋯⋯
立体駐車場で身を細めたくなるような狭いスペースに向かって、確かめ確かめ進ませるには速すぎます。

通路で、買い物カートを押している人の後についていくには、ブレーキをかけてスピードをコントロールするしかありません。

歩く速さとクルマの最低速度が近ければ慌ててブレーキを使わなくても済みそうだし、歩く速さからならブレーキの一踏みで簡単に止まれます。

歩く速さ⋯⋯時速4〜5kmでしょうか。

このあたりの速度によって、落ち着いて走らせられるクルマなのかどうかの印象が分かれるようです。
たかが数キロの速度ですが。

皆さんのクルマは何キロまで下がりますか?


ニュートンブレーキ本と四輪の書

2017-06-17 10:01:44 | NEWTON BRAKE
自動車を「速く走らせること」が上手い運転だと思い込んでいる人がたくさんいます。
この理屈で行けばゆっくりしか走らせられないドライバーは⋯⋯下手。

その人の考え方の元になっているものが何かによるのでしょうが、
速さに結びつくものがドライビングテクニックだと短絡的に考えている人ほど、
運転の基本とか初心者向けの運転教本には目を向けようとしません。

クルマを走らせることなんてワケなくできる自分はとっくに初心者ではないし、
知識も含めて運転上級者だからさらに上を目指す話でなければ聞く意味がない⋯⋯
おそらくですけどそんな人がニュートンブレーキ本を手にするとガッカリだったり薄いと思ったりするのでしょうか。

免許取り立ての娘に一言で伝える運転のコツは?と聞かれて「ブレーキをかけ始めたら踏力を一定にしたままクルマを止めること」
この一言でその娘さん、今では友達に安心ドライバーと思われています。

なので「踏力一定ブレーキ」と書いたチラシ一枚でもよかったですが、
何のことだか分からないといけないので、説明を加えてニュートンブレーキ本にしたのです。

踏力一定ブレーキの「項目」だけで60数ページ書いた訳ですから、ある意味「読みで」があります。

最近「ぶ厚い」四輪の書が出たので、本の厚さで文句を言う人はいないと思うのですが⋯⋯本の厚さ違いで運転のうまさに差が出るなら
それはそれで面白い話題になるような気がします。

17歳でF1ドライバーになった彼は数千ページのドラテク本を読破した・・・か?

ニュートンブレーキ本で運転を組み立てるか、四輪の書を熟読してから運転を組み立てるか⋯⋯⋯
どちらの本も自分の「好み」では無いと分かったら「野生」に戻るしかありません。

つまり理屈ではなく本能で走らせる⋯⋯これも悪い方法ではありません。
冗談ではなく相手は物理現象の塊なので、痛かったりドキドキするかもしれませんが、
思い込みなど全く通用しないことを知れば、そのうち力が抜けてクルマとの一体感を感じられるようになります。

どっちつかずが一番中途半端、「学ぶ」か「吠える」か⋯⋯です。



アベンシスの場合 その7

2017-06-12 11:04:15 | ガレージレポート(オリジナルボックス)



アウトバーンを走ってきました⋯⋯なんとなんとオーナー氏は新◯旅行でドイツへ、メルヘン街道にお城に自動車博物館・・・
と言った事情があって、ビルシュタインショックをアベンシスに組み込む作業がこの時期になりました。

後ろ頭をヘッドレストにツンツンとつつかれるような不快な揺れ、と言うのがアベンシスが持ち込まれた理由でした。

気になり始めたら気になって・・・当社に来られる前に一幕あったそうです。
その対策もそれなりに良かったのですが、良いところと気になるところが入り混じった状態でモヤモヤ。

その乗り心地の原因を探ります。

スプリングとショックアブソーバが別々に配置されているのがリヤサスペンション。
タイヤストロークに対して、ショックアブソーバーの「ストローク量」とストロークする「タイミング」と「スピード」が、
上下についているブッシュを押しつぶした後になるので一対一になりません、厄介な関係です。

この方式を採用しているクルマは多くあるのでアベンシスが特別なわけではありません。
しかしこの形式のまとめ(仕込み)は難しいのです。
と言うわけでここを疑って見ました。

ツンツン⋯⋯バネ下の重さが車体に吊りさがった瞬間に減衰が立ち上がり、車体にショックが発生する、と仮定して減衰値を見ていきます。
それらしいところがあるので、そこを対策してビルシュタインショックアブソーバーの減衰値を決めました。

試乗の印象は「サスペンションて本来こうですよね」(オーナー談)
「???」(国政)
ギャップを通過するたびにユサユサ揺れるのではなく、必要な時に動いてすぐに収まる・・
ハンドリングも良好、ツンツンが消えました。








浅間火山耐久レース 2017 第2戦

2017-06-05 10:40:14 | イベントレポート
雪で第1戦は中止。
今シーズンの始まりは第2戦から。
15台が参加、我々が参加したオープンクラスは一台。
敵なしなのでゴールすればクラス優勝⋯⋯だったのですが、スタートするまでこのことを知らず。
当日朝に最終受付をしてエントリーの実態がわかり、エントラントとゼッケンが判明するのは競技がスタートした後だからです。

9時45分あたりから5時間レーススタート。
いつもなら開始直後の一時間は路面がきれいでラップタイムも速く周回数が一番多いはずなのにすぐに赤旗。
転倒車、クラッシュが続き、その後もまんべんなく赤旗⋯⋯

今回の浅間火山耐久レースを見学に来られた二人に、
転倒してひび割れたままのフロントガラスで走っている(オフィシャルに安全を確認してもらってからですが)ボコボコのクルマの印象はどう映ったことか、
それも一台や二台ではなく。
時間が経つにつれ足回りのトラブルが増え始め、フロントタイヤがあらぬ方向に向いたクルマが引きずられてきます。
こういった場合ドライブシャフトがミッションの出口のところからすっぽ抜けて泥だらけ。
大概⋯⋯



さながら軽自動車破壊レース、又は壊さないウンテン大会は、各車の弱いところ確認できますレースのようなものでもありました。
どのクルマだったかリヤラテラルリンクが座屈して破断⋯⋯そのクルマを見たオフィシャルが、あと少しだからそのまま走れ・・・
もちろんユックリですが走らせてゴールしました。

我々はクラス優勝、総合で2位、トラブルなし(出ず?出さず?)
昨年まで我チームのドライバーだった人が新たに大学生チームを率いて参加。
そちらはクラス2位総合3位、壊さない、かと言って遅いわけではない素晴らしい闘いぶり。

美味しい「レタス」を賞品でいただきました。