クルマのサスペンションと長いお付き合い

サスペンションの話、試乗記、旅の話、諸々・・・。

いい脚あり〼 その1

2021-04-22 10:24:47 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
NCロードスターを預かりました。

ロードスターを「スムースに走らせたい」というのがオーナーの希望です。

MT車なのでクラッチ、シフト、ステアリング、それとブレーキなどの操作系もスムースの条件のうちです。

サウペンションのチューニングが主な変更点になるのですが、他にもアフターパーツがたくさん投入されているので、
その効能と操作系の中に溶け込んでいるか、存在感(操作系の中にあって浮いている)を
示していないかなど見ていきます。

その中には、本人も認めている失敗部品があったりします。

ワクワクしながらその効能を期待して取り付けてみたものの、
その通りにならなかったケースと言えばいいのでしょうか。

まずは、新たに投入予定のダンパーと組み合わせるバネレート、減衰値、ストローク、車高などを検討していきます。

生地選びから始めるオーダースーツのようなもので、素材選びから始めるワンオフサスペンションセット。

市販のポン付けサスペンションキットを組み込む場合も時にはあるのですが、
例えば「旧車」と呼ばれる車両で、新品部品もアフターパーツも手に入ら無い場合、
上記のバネレート、減衰値、ストローク、車高のセットで新たに組み立て直します。
殆どのケースがそうせざるを得ないからです。

バネは新規に製作、ダンパーも外観寸法も含めて新規に製作、例えれば自動車メーカーが
サスペンション開発を始める時につける試作ダンパーと同じものです。

今回のNCロードスターを旧車と呼ぶにはまだ早い気もしますが、
後者の、一から組み立てますサスペンションセットでスムースな走りを目指します。



車高の怪

2021-04-13 11:11:39 | ガレージレポート(オリジナルボックス)
純正相当のバネで、線径も同じ、巻き数も同じ、巻き径も同じで、自由長違いの場合、
組み替えれば自由長違い分車高が変わるはずです。

上げる場合も下げる場合も。

新たに手に入れたバネは自由長で33mm「長い」バネです。
なのでこれを組み込めば単純に車高が33mm高くなるはずですが、実測データで25mmしか高くなりませんでした。

おやおやです。

ということは外す前のバネで寸法通りに車高が「落ちていなかった」と考えることができます。

おそらくですが、空車状態で既にバンプラバーで荷重を受け持っている⋯

と推測できるのはこのクルマ、都内の地下駐車場に入るようにルーフ高さを辻褄合わせ、
つまりローダウンをして新車から売られているからです。

本国仕様に対して33mmも短いバネを組み込めばバンプラバーにタッチしてもおかしくありません。

この車両姿勢から乗員が乗り込めばバンプラバーの潰しシロがさらに増えて乗り心地に影響が出ます。

なので本来の乗り心地に戻すための作業が今回というわけです。

幸い、と言っていいのかどうかわかりませんが元の車高に戻すバネが売られています。

でもそのことに気がついたとしてもどれほどの人がバネを交換するでしょうか。

正規ディーラーで買ったクルマなのに、元に戻すためにバネを手配して交換作業をお願いしなければいけない⋯⋯

このクルマに限らず新車からローダウン仕様で売られていて、明らかに不快な乗り心地の車両に、
稀ではなく遭遇します。



浅間火山耐久レース 2021 その1

2021-04-01 10:47:21 | イベントレポート


ロードスターに装着してテストしていたエンジンダンパーを、浅間火山耐久レース参加車両のヴィヴィオに装着しました。

ダンパーストロークは30mm、別タンク式、高圧モノチューブダンパーです。

ストロークの真ん中が純正ピッチングストッパーと同じ長さで、そこから+−15mm作動できるようにしたのですが、
実ストロークは数ミリのはずです。
この数ミリの中で減衰値を発揮できるように、応答性と必要と思われる減衰値を仕込みました。

コースの中の洗濯板⋯⋯波状路の走破性が向上するかどうか、ちょっと楽しみ。

開幕戦は5月9日。