大田区馬込地域は、大正末から昭和にかけて山本周五郎や尾崎士郎に川端康成、石坂洋次郎、宇野千代、北原白秋に萩原朔太郎、さらに松川事件で知られる広津和郎等多くの文士や芸術家が移り住むようになり、「馬込文士村」といわれて散策コースにもなっている。しかも、春にはサクラが綺麗な並木通りで、区民の憩い地域になっている。
この地域で約44坪の土地を賃借しているAさんは、昭和56(1981)年に更新料を請求され、支払い拒否の結果地代受領拒否されて、組合を介して供託が始まった。
この間、建物の修繕や部分改修工事問題で、相続した新たな地主との協議は時間を要して了承を得たが、更新料については不払いを貫き地代の供託は継続された。
この程、何の前ぶれなく地主代理人の不動産業者より「お会いしたい」といわれたAさんは、組合を通すようにと伝えた。業者の要望は、29年に及ぶ地代の供託金を還付したいので協力を求めてきたのだった。
その内容は供託書が整っていないということで約20年分の供託書のコピーを業者に交付した。今後の地代の受領を求めたが、賃貸借契約書の締結が先決ということで、平成22年6月分までの地代を供託し、契約書作成の協議を継続した。
契約期間の設定、地代の増額、更新料等が主要な問題だった。相互に契約書が不明のためAさんの建物登記期日から勘案して期間設定、地代の増額請求や過去の更新料の請求及び今後の約定更新料の設定を撤回することで合意した。Aさんは、地主指定の口座に7月より9月分の地代の振り込みに着手した。
東京借地借家人新聞より
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