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【判例】*借地上に居宅が存在し、それに接して別に庭として賃借する土地には対抗力がない

2018年10月17日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

最高裁判例


 借地上に居宅が存在し、それに接して別に庭として賃借する土地には「建物保護ニ関スル法律」第1条の対抗力を有しないとされた事例
最高裁昭和40年6月29日判決 民集19巻4号1027頁)

    

         主    文
     本件上告を棄却する。
     上告費用は上告人の負担とする。


         理    由
 上告代理人高梨克彦の上告理由第1点について

 原審の確定したところによれば、上告人(借地人)は、子のD(原審共同被控訴人)所有のa町b丁目c番のdの土地上に、登記を了した居宅を所有している者であるが、昭和30年1月当時、右土地に隣接するa町b丁目e番宅地(以下「本件土地」と略称する)のうち第一審判決添付図面(イ)(チ)線の生垣以南のA)地(その面積は後掲(B)地とあわせて12坪7合6勺3才)を、前示居宅利用の便益のため、その庭として使用するため、本件土地の所有者である訴外Eから期間の定めなく賃借し、本件土地のうち(B)地も、(A)地に従属する立場にあつたので、あわせて賃借し、右(A)(B)両地を契約の目的に従つて使用していたところ、昭和30年1月3日、被上告人(新地主)は、Eから本件土地を買い受けて所有権を取得し、昭和32年2月15日その旨の登記を経由したというのである。

 然るに、原判決によれば、上告人(借地人)の有する本件(A)(B)両地の賃借権について登記が存すること、または、右賃借権が建物所有を目的とするものであり、かつ、地上に上告人が登記した建物を有することについては、なんら主張立証がないというのであるから、上告人(借地人)は本件(A)(B)両地の賃借権をもつて被上告人(新地主)に対抗することはできないといわなければならない。たとい、上告人が本件土地に隣接するc番のdの土地上に登記を了した居宅を所有し、該居宅の庭として使用するため、本件(A)(B)両地を賃借し、現に契約目的に従つて使用しているとしても、その故に、建物保護ニ関スル法律一条の規定により、(A)(B)両地の賃借権を対抗しうると解することは相当でない。けだし、本件(A)(B)両地の賃借権は、当該土地を前示のような庭として使用するための権利であつて、同条にいう「建物ノ所有ヲ目的トスル土地ノ賃借権」に該当せず、また、「土地ノ賃借人ヵ其ノ土地ノ上ニ登記シタル建物ヲ有スル」場合にも当らないから、同条の要件を充足しないのみならず、同条は、地上建物を当該宅地上に存する状態において保全することを根本趣旨とするものであるところ、本件において、(A)(B)両地の賃借権に対抗力を賦与しなくても、上告人の所有居宅の敷地の使用権は、特段の事情がない限り、喪われることはないから、該居宅の保全には毫も欠けるところはなく、このような場合にまで同条の適用を肯定することは、かえつてその立法趣旨を逸脱すると考えられるからである。

 されば、叙上と同趣旨に出て、上告人の本件(A)(B)両地の賃借権の対抗力を否定した原審の判断は正当であり、所論は採用できない。


 同第2点について

 上告人は、原審において、本訴請求が信義則に違背し、権利の濫用に当るとの点については主張せず、そのため、原審も判断を示さなかつたのである。審理不尽、理由不備をいう所論は失当であり、採用できない。

 

 よつて、民訴法401条、95条、89条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。


     最高裁判所第三小法廷

最高裁裁判長裁判官五鬼上堅磐、裁判官石坂修一、同横田正俊、同柏原語六、同田中二郎
         

 

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