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2007(平成19)年度 宅地建物取引主任者資格試験 (借地借家法関係) 2

2009年05月28日 | 民法・借地借家法・裁判・判例

問14】 借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)と同法第40条の一時使用目的の建物の賃貸借(以下この問において「一時使用賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。


1 定期建物賃貸借契約は書面によって契約を締結しなければ有効とはならないが、一時使用賃貸借契約は書面ではなく口頭で契約しても有効となる。

2 定期建物賃貸借契約は契約期間を1年以上とすることができるが、一時使用賃貸借契約は契約期間を1年以上とすることができない。

3 定期建物賃貸借契約は契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れることはできないが、一時使用賃貸借契約は契約期間中はいつでも賃借人から中途解約を申し入れることができる。

4 賃借人が賃借権の登記もなく建物の引渡しも受けていないうちに建物が売却されて所有者が変更すると、定期建物賃貸借契約の借主は賃借権を所有者に主張できないが、一時使用賃貸借の借主は賃借権を所有者に主張できる。


1【正解
口頭の契約の有効性

 定期建物賃貸借契約 は、書面で契約しなければ有効とはならない。
 一時使用賃貸借契約は、口頭で契約しても有効。

 契約の更新がない定期建物賃貸借は、公正証書などの書面によって契約を締結する場合に限り、有効(借地借家法38条1項)。

 書面で契約しなかった場合は、「契約の更新がないという特約」の部分のみが無効になり、普通借家契約になる。

 ● しかし、一時使用目的の建物の賃貸借では、このような制限はなく口頭で契約しても有効。

定期建物賃貸借 契約期間は、公正証書等の書面で契約しなければ効力を有しない(借地借家法38条1項)。

一時使用目的の建物の賃貸借  借地借家法の借家の規定は適用されず、民法のみで規定。
 「契約は書面による場合に限る」等の規定はないので、口約束でも有効。


2【正解×
契約期間

❒ 定期建物賃貸借契約 は、契約期間を1年以上とすることができる。
❒ 一時使用賃貸借契約 も、契約期間を1年以上とすることができる。

 定期建物賃貸借、一時使用目的の建物の賃貸借とも、契約期間を1年以上とすることについて、当事者の合意で設定できるので、2は間違い。

❒ 定期建物賃貸借   契約期間は、1日単位でもできるので1年未満でもよい。
 また、期間の長さについて制限はない(借地借家法38条1項)。

❒ 一時使用目的の建物の賃貸借  契約期間は、民法602条の短期賃貸借(3年),604条1項の最長存続
 期間(20年)を除けば,条文上特に規定はない。(

) 一時使用目的の建物の賃貸借の存続期間は、従来の判例では5年間とされていた(最高裁 昭和43年1月25日判決)。
 ただし、一時使用目的の建物の賃貸借でも当事者の合意で期間の延長や更新をすることは可能。


3【正解×
中途解約権

❒ 定期建物賃貸借契約 は、中途解約を申し入れることができる場合がある。
❒ 一時使用賃貸借契約 は、期間の定めがあるときは中途解約できない。

 定期建物賃貸借で居住用建物で居住部分が200㎡未満の場合に、転勤・療養・親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、契約期間中でも、賃借人から中途解約を申し入れることができる(借地借家法38条5項)。

 一時使用賃貸借契約で期間の定めがある場合は、原則として、契約期間中は賃借人から中途解約を申し入れることはできない。
 ⇒ 中途解約権を留保する特約があればできる。

 一時使用の建物の賃貸借で、期間の定めがない場合は、貸主・借主とも、いつでも解約の申し入れができる(民法612条1項2号)。
 この場合、解約の申し入れより3か月が経過することによって契約は終了する。

 また,一時使用の建物の賃貸借で、期間の定めがある場合でも、貸主・借主の合意で一方または双方が中途解約権を留保したときは、特約の範囲内でいつでも中途解約の申し入れができる(民法613条)。


4【正解×
建物の売却による建物の所有権者の変更に賃借人は対抗できるか

❒ 定期建物賃貸借契約 は、賃借権を新所有者に主張できない。
❒ 一時使用賃貸借契約 も、賃借権を新所有者に主張できない。

 賃借権の登記もなく賃借人が建物の引渡しも受けていない間に建物が売却された場合、建物の賃借人は、定期建物賃貸借契約・一時使用賃貸借契約のどちらであっても、賃借権を新所有者に主張することはできないので、4は間違い。

□ 賃借権を主張できる場合
 建物の売却により建物の所有者が変わった場合、建物の賃借人は、賃借権の対抗要件を備えていれば,新所有者に対して,賃借権を主張することができる。

❒ 普通借家、定期借家等(取壊し予定の建物の賃貸借も含む)の借地借家法の適用のある賃貸借の場合は、引渡し又は賃借権の登記(借地借家法31条)があれば、賃借権を主張することができる。

❒ 一時使用の建物の賃貸借の場合は、賃借権の登記(民法605条)<引渡しは対抗要件にならない>(借地借家法40条)があれば、賃借権を主張することができる。

 
一時使用の建物の賃貸借
 一時使用の建物の賃貸借では、借地借家法の適用がない。

 以下の借地借家法の規定は適用されないことになる。
①賃借権の登記がないときに建物の引渡しをもって第三者への対抗要件とする規定(借地借家法31条)。
 ( )<一時使用の建物所有を目的とする借地権では、借地権の登記がなくても借地上の建物に登記があればよいとする対抗要件の規定は適用されることに注意。>

②賃貸借終了時の転借人の保護規定(借地借家法34条)

③造作買取請求権(借地借家法33条)

④借賃増減請求権(借地借家法32条)

⑤居住用建物での事実上の内縁の妻等の賃借権の承継(借地借家法36条)

 

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