Don't Cry Out Loud / Melissa Manchester

山下達郎とのデュエット経験もある女性シンガー・ソング・ライターが1978年にリリースした７thアルバム。Marvin GayeのI Want Youを共同プロデュースしたことで有名なLeon Wareを迎えた今作は、とにかくどこまでも洗練された大人のＡＯＲに仕上がっています。オープニングを飾るA-1のShine Like You Shouldからしてポップでグルーヴィー、それでいてライトメロウな佳作となっていますが、何はともあれこの盤のハイライトはA-5のBad Weather。スティーヴィー・ワンダーのカヴァーなのですが、フリーソウル好きでこの曲嫌いな人はいないのではないかと思うほどの大傑作。オリジナルを聴いたことがないので比べられませんが、とにかく完璧としか言いようのないメロディ・ラインに、リオン・ウェアによる最高のアレンジが加わった正に奇跡の１曲です。エヴァー・グリーンな楽曲とはこのような曲のことを言うのでしょうね。いつ聴いても自然と胸が込み上げます。どこにでも安くで見つかるアルバムですが、数あるフリーソウルの名曲郡の中でもトップ・クラスに位置するクォリティを誇る最強盤です。John ValentiのWhy Don't We Fall in LoveやMarilyn ScottのLet's Be Friendsと並んで僕が選ぶフリーソウルのベスト10には確実に入る一曲。まぁ一位は不動のMelton Brothers Bandなわけですが…。