
ベルギーのBuzzレーベルから出ているデトロイトテクノ系コンピも一通り紹介し終えたので、最後に番外編としてもう一枚だけ紹介。おそらくこのレーベルの作品中、世界的に最も知名度があると思われるシングル盤です。元曲はクラフトワークなどと同様、デトロイトテクノのルーツとも呼べるManuel Göttsching(マニュアル・ゲッチング)のE2-E4を再構築したイ1989年のイタリア産ハウスであり、いわゆる元祖バレアリック・サウンドなのですが、本作はそれをデトロイトテクノのイノベーターであるDerrick Mayが更にリコンストラクトした一枚。アフター・アワーズの名曲として、その筋では非常に高名な作品です。なんと言ってもA面に収められた11分15秒にも及ぶIllusion First Mixが圧巻。まるでフルートのような高音のシンセリフを基調とした美しいナンバーで、徐々にお馴染みのピアノなどが入りつつも約4分間焦らしに焦らしてからキックが入るタイミングの気持ちよさは唯一無二です。彼のインテリジェンス~ピュアテクノ路線としては先日紹介したVirtual Sex収録のIconと双璧。基本的には単純な反復音楽ながらも中毒性が異常なまでに高く、いつまでも聴いていたくなります。あまりテクノに詳しくない方でも、Youtubeあたりで聴いてみてこのあたりの感覚が分かるのであればこの手の音楽にハマる素質あり。ちなみにA面の完成度があまりに高すぎるため取り上げることが少ないですが、スパニッシュ調のギターが入るB-2のFinal Third Mixもなかなかの完成度。旧譜のブラジル音楽なんかの流れでかけるなら、おそらくこちらの方がしっくり来ると思います。知っている人には言うまでもありませんが、デトロイトテクノ初心者にも是非聴いてみてほしい一枚。本作そのもののCDはレアなのでちょっと手軽には進めにくいですが、件のIllusion First Mixだけであれば他にも入っているCDあるので、デジタル派の方はそちらを探してみてください。itunesにはたしかなかったと思うので…。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます