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【通貨安の痛みを感じにくいことの強みと危険性】歴代ワースト成長で経済史に名を刻む?安倍首相④

2017-03-13 00:01:19 | 日本

前回からの続き)

 前回まで、アベノミクス」がもたらした円安がいかに日本経済のスケール縮小と国際的プレゼンスの低下に寄与したか、について綴りました。

 ・・・「ふ~ん、数字はそのとおりなのだろうけれど、安倍政権のもとで日本が20%も経済価値を失ったなんて実感はないな~」―――そうかもしれません。ですが、以下に記す理由から、このあたりこそ真にコワイところと考えています。

 日本・・・経済の強さの一側面は、あらゆる分野にまで輸入代替化が浸透していること。わたしたちは、自動車や電気機器に代表される工業製品に始まって、日常生活用品、医薬品、スポーツ用品とか楽器、はてはゲームの類まで、じつにさまざまな財やサービスを外国に頼ることなく、自らの手で質の高いレベルに作り上げています。しかも、どのマーケットでも複数の企業等が競り合いながら・・・

 他方、わが国がどうしても海外から輸入しなければならないのは通常ドルで取引される原油とか小麦といった原材料などにおおむね限定されます。したがって円安になっても、ガソリンとか小麦粉などを除いて、上記の最終消費者価格が極端に跳ね上がるケースはそうはないはずです。それらの原価総額に含まれる、円安で必然的に上昇する原材料費とか光熱費の割合が一定水準以下だからです。よって各企業は多くの場合、値上げを小幅にとどめるか、状況によっては企業努力で値上げしないでがんばるか、といった対応を取るわけです、売り上げ減を回避するために、そして同業他社に市場シェアを奪われないようにするためにも・・・

 ・・・以上のような事情から、わたしたちが円安の痛みを日常、あまり感じさせられることがないので危機意識がなかなか高まらないというわけ。まあ・・・通貨安でも輸入物価高が原材料等という狭い範囲にとどまるのでインフレがそれほどひどくはならない、という点は日本経済の強みでもありますが、ここで論じている意味ではコレ、国民を「ゆでガエル」に導くリスクを持つもの。もし日本が、たとえばイギリスのように兵器武器以外は何でもかんでも外国からの輸入品に依存するような国なら、通貨が下落したとたんにこれらの値段が一斉に上がるから、強火をかけられた鍋の中のカエルがそこから飛び跳ねるように「マズイ、通貨安を食い止めないと」って誰もが慌て出すところですが・・・

 ・・・それでもアベノミクス円安は確実に日本経済と市民社会を蝕んでいきます。上記データだけを見ても容易に分かるように、そして同様のことを本ブログで何度も指摘しているとおり、わが国家国民は円安デメリットで被る損失を円安メリット面で取り返すことがまったくできないからです。すでにその弊害が人々の生活を脅かしている様子はこちらの記事を含めてシツコクご紹介済みです。もっとも、自身が「カブノミクス」のプラス効果を十分に享受できる(たとえば、株の売買や配当だけで食べていける)ような方々であれば円安(株高)は大歓迎でしょうが、そんな人、日本にどれくらいいるのでしょうかね?

続く

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