庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

来年から「悪い規制緩和」「悪いグローバル企業」を・・。

2013-12-31 | 経済問題

日本はバブル崩壊後の経済停滞時期に、経済活動の閉塞状態を打ち破るには、「構造改革・規制緩和」が優先的な課題である、とされた。

当時は【高度経済成長期に増殖した利権構造】が、いたるところにはびこってしまい、経済活動の自由度を奪って「民間活力」を引き出す邪魔をしていた。

その象徴的な出来事は、「郵政金融に群がる利権構造」の破壊であった。

これに挑んだ「小泉政権」は、戦後に増殖してきた「郵政マネー」の隠れた利権構造を転換させることに成功し、国民は構造改革路線を支持したのである。

 

この構造改革との関連政策で、「規制緩和」と呼ばれる改革路線を、企業活動を優先する雇用形態の自由化が便乗して、「賃金デフレの原因」を招いてしまった。

【規制緩和は一概に有益とはいえない】と明確になったのに、いまだに、アベノミクスでも「規制緩和は善」とばかりに唱える有識者が多い。

【有害な規制】と『格差を是正するに有効な規制』とを、正確な議論の上で実行すべき方向を選択すべきである。

 

同様に大企業は国民に利益をもたらすか?という議論も、正確なデータを分析の上で、規制緩和すべき課題と、逆に規制を課すべき問題を明確に分ける。

【賃金デフレの原因】となる様な規制緩和は今すぐに見直して、むしろ、規制を課す法制度を実現すべきであろう。

この規制に対して反対する様な行動を採る企業は、【悪いグローバル企業】と判断してよいだろう。

働く人の賃金上昇につながる規制強化に賛同する企業人が経営する企業は、『良いグローバル企業』と見做してよい。

この方向に沿って、「グローバル企業のランク」を、公表する方策も検討されるべきである。

 

企業業績を「売上高」「株価利益率」【株価総額】などで、評価する慣習を止めることを法制化するのも良い。

その反面として、「従業員の給料総額」「社会事業への貢献度」「寄付総額」などを第三者機関で評価の上で公表する。

この様な制度が実現すれば、投機家ばかりを向く大企業も変質するだろう。

資本主義制度を採用している上で、その弊害を是正するには、従来の常識を再検討して、実行可能な制度を総智を集めて実現すべきである。

企業の社会的価値を正確に知らせることが、格差是正社会への第一歩となる。


20年前の常識は通用しない世界経済の論理を直視せよ。

2013-12-30 | 経済問題

日本の経済は大企業の成功なくしては成り立たない、と多くの国民は思っているので、経済の活性化を図るなら、大企業の要求を極力、優先的に取り入れることが必要である。

これは、グローバル化経済が進展するまでは、正しい認識であった。

ところが、資本の自由化が進み、金融業のグローバル化が世界を支配すると、大企業の成功による利潤は、その企業の国籍などは関係なしに、もっとも投資効率の良い国に移転してしまうのである。

 

これは現代の社会が「資本主義経済」を採用している限りは、宿命であると受け入れるしかない。

資本主義は非合理で悪い制度であるが、今のところ「これに勝る制度はない」からと、多くの国が採用するにいたった。

ところが、その弊害が目立って「社会不安を引き起こす制度」として、非難をされる時代に入ったのである。

特にアメリカ経済においては、「1%の超富裕層を生み、99%の貧困層が喘ぐ社会」を引き起こした。

 

これは極端な非難かもしれないが、このママ突き進んで行けば「世界中の資本主義国」は、格差が拡大する一方の経済不安定社会に落ち込むであろう。

日本は今、アベノミクスの経済政策によって、10%の富裕層を潤わせ、90%の国民が物価上昇と消費税アップによる生活困窮度が上がり続ける。

安倍政権は、この批判をかわす為に、「大企業に賃金ベアアップ」を要請しているが、ホンの一部の輸出関連企業しか、応じる気配はない。

その企業もいつかは円高傾向に転じる可能性が大きいので、内部留保に努めるか、海外への業務移転を経営方針の基本として堅持する。

 

有識者の代表の様なポーズを採るマスコミは、「政府が企業の賃金に介入するのは本来は避けるべきであるが」、企業が働く人への配分を増やす必要性がある。だから、政府の要請に応える必要がある、としたり顔で述べる。

この様に日本の【賃金デフレ】を招いた【共同責任を負うべきマスメディア関係者】は、20年前の常識を掲げて、優柔不断のきれいごとに終始する。

今の時代では、政府が民間企業の賃金上昇に働きかけ、最低賃金の増加の規制を強めるのは、『格差是正に向けての第一歩』であることは明らかである。

それを実行する時期はいつなのか、『今でしょ!』。


グローバル企業が豊かさをもたらすという幻想から離脱。

2013-12-29 | 国創り政治問題

経済社会の安定には、雇用の創出が必須であり、失業率が高い国では社会不安の増大が大きな問題になっている。

グローバル企業は、その企業経営上の利益の観点からのみ雇用を作りだして、利益が期待できない場合は、雇用も切り捨てるのを躊躇しない。

国はこの企業のエゴを知っているから、「生産拠点を海外に移転するぞ!」という企業の言い分に弱い。

だから、最低賃金は低く抑えて雇用形態も自由化して「非正社員」の割合を増やし続けることを容認してきた。

 

その結果は、賃金水準の低い非正社員層の低賃金に引きずられる様に、正社員の給料までもが、引き下げられて抑制され続けた。

可処分所得の減った働く人が増えると、【総需要は減少】して行き、賃金デフレが原因で「長期のデフレ経済に突入」してしまった。

歴代政府は、この需要不足に対応するために、「借金を増やして」でも総需要不足を補う「ケインズ政策」を忠実に実施してきた。

しかし、肝心の賃金デフレには無策を続けたために、経済は好転しないで、「借金政策を継続する」状況が続いてしまった。

 

その間には、政府に脅しをかけた「グローバル企業」の海外転換は活発になって、多くの雇用が海外へ流出している。

結局、グローバル企業の言うことを聞いて実施した政策は、低賃金の働く人を増やしただけで、雇用の流出を止めることはできない。

その海外移転の時期を「少しだけ遅らせる効果」はあったかもしれないが、経済が好転しない国内市場には、グローバル企業にとっては投資する魅力もない。

つまり、国内の市場の活性化が「最大の優先課題」であって、それには、『労働分配率の増加、最低賃金の引き上げ』が、適確な政策なのである。

 

グローバル企業が必要ではない、ということではなく、「グローバル企業の言うこと」を優先して聞く必要はない。

政府も自治体も、企業誘致のためには、「働く人たちの給料ダウン」を図ることを止めるのが、最優先の政策なのである。

賃金レベルが上昇して、経済市場が活性化すれば、グローバル企業は呼ばなくても我先に進出をしてくる。

その時期には、最低賃金の低さなどは、グローバル企業には関係ない話なのだ。


守旧勢力は1980年代までの幻想に縛られたままでいる。

2013-12-28 | 国創り政治問題

今の日本にとって必要な国創りの方針選択は、「トップ階層が豊かになってトリクルダウンの効果で全体に恩恵を広める政策」を採用するかである。

この方針とは対立する政策は、「底辺の勤労者階層に恩恵を厚くし、ボトムアップで全体を活性化する政策」を採用することである。

民主党政権は、「コンクリートから人へ」のスローガンのもとに、勤労者に手厚くする政権公約を掲げて政権交代した。

しかし、3年間の政権担当の期間に、働く人の「最低賃金アップ、時給1000円」の公約すら、実行できないであえなく政権交代に追い込まれた。

 

これは、民主党の迷走政策が原因であって、実行力不足で出来なかった『最低賃金アップ』の公約が国民から否定されたわけではない。

多くの識者が、日本の長期経済停滞の最大原因は、勤労者への所得配分、「労働分配率の低下」が原因であって、【賃金デフレ】が最大の癌である、と指摘する。

自民党政権になっても、勤労者の所得増加が急務であることは公言しているが、その政策は、大企業を豊かにしてから順番に広がる「旧来の発想の政策」だ。

どちらも底辺層の所得アップが必須であり、その手法、政策手段の違いである。

 

ところが、旧来の発想に縛られた経営者や経済評論家からは、「最低賃金を政府が介入して引きあげるのは経済活動のブレーキ」になると批判する。

賃金のレベルは、労働市場の需給に任せるのが正道で、政府が介入するとロクなことがない、との「自由市場化」路線を人の賃金にも広げる発想だ。

働く人の賃金までも、モノの売買と同じ発想とは、恐れ入った考え方であるが、弱肉強食の経済活動では、当然のルールであると言わんばかりである。

この理屈によって、規制緩和(非正社員の増加)で、全体に労働分配率が低下し続けたことには、何の説明も出来ないで、口を紡ぐばかりだ。

 

この様な旧来型の一国内の経済市場だけの理論では、グローバル経済化された成熟国の経済が成り立たないのは明確である。

アメリカ経済もEU諸国の経済も、停滞と同時に高失業率に社会不安が増大したままである。

そこだけに着目して、最低賃金を引き上げたら、各企業が生産拠点を海外に移転するのが加速する。

だから、ここは我慢をしてグローバル企業の言う通りにし、労働分配率の低下には目をつぶって雇用確保を重視すべきだと、守旧派は言い続けている。(続)

 


将来の国創りの方向を決められない政党ばかりで迷走か。

2013-12-27 | 国創り政治問題

日本の国民は、電力供給の国策であった「原子力依存度アップ」には、明確に反対の意思を表明した。

たとえ、一時的に政府が再稼働を容認しても、一部の利権関係者以外は、原子力発電への依存度を下げて、将来は全廃することを選択した。

電力市場の小売り自由化が進んで、発電事業の新規参入が活発化することで、既存の原発を維持するメリットは薄れる。

老朽化した原発が廃炉になるのは避けれらず、代替に新規の原発を建設することは、もはやない。

 

エネルギーの将来ビジョンを、「脱原発依存社会」を目指すとした政党は、自民党以外は多数に上るが、その国創りの方向はバラバラである。

自民党に対抗した勢力の民主党は、内部に原発推進勢力を抱えたままで、2030年代に原発ゼロを目指すとした長期ビジョンは、未熟のままである。

それよりも、国民の最大関心時は、長期のデフレ経済によって【格差拡大の社会】に向かって、生活の不安が広がっていることにある。

 

安倍政権は、円安誘導、公共事業の乱発で、お金持ち層をまず裕福にさせて、その後の「トリクルダウン効果」で全体が潤う筈だ、として風をふかせている。

これが、まやかしであることが判明するのには、少し時間がかかってしまう。

ところが、あまたの乱立する政党は、この「アベノミクス」の懸念を訴えるだけで、国民が判断できる様な「対抗する骨太の戦略」を創ることが出来ない。

自民党にスリ寄る「似非野党」と、何でも批判ばかりして、実効性のある政策の立案すら出来ない弱体野党ぶりである。

「円安誘導」により、【お金持ちをさらに豊かにして行く格差社会】を望んでいる階層は一部である。

 

対立する骨太の戦略は『最前線の多数の勤労者の給料から上げて行く』政策の立案と実現である。

これを、安倍政権の「デフレ脱却・円安路線」と対抗出来る様にして、『賃金デフレ脱却・給料アップ路線』を打ち出す政党が必要なのである。

安倍政権も【大企業に給料の増額を要請】しているが、これではホンの一部にしか恩恵は届かない。

まず政府主導で、非正規社員の給料をあげることを義務化することで、ボトムからの賃金上昇の流れを作り出せるのだが、どの野党も無策で迷走中である。


古い政治家の認識では日本企業は国益を優先すると・?

2013-12-26 | 国創り政治問題

グローバル化した世界経済の活動では、お金の移動が自由であり、さらに【モノの移動も関税ゼロ化】の中では、生産地の選択は経済原則だけで実施される。

その様な市場で活動するグローバル企業は、国籍は既に無意味に近く状態で、ただ本社の位置がどの国に所在しているかだけの違いである。

ところが、日本の政府の頭には、いまだに、日本で発祥した企業は日本国籍に企業であるから、何を差し置いても日本のため、「日本政府の言うことを聞いてくれる筈だ」と勝手に片思いをしている。

その様な素ぶりを見せる企業は、いざとなれば完全に期待を裏切るのだ。

 

国民の立場から見たら、グローバル企業が国のことよりも株主の利益を優先する経営姿勢には、不満があるだろう。

だが消費者向けの商品を販売している企業以外では、消費者の人気取りは不要で、投下資本に対する利益率を維持するのが、経営者に課せられた役割である。

だから法規制が一番緩くて、人件費の負担が少ない地域で企業活動を拡大して行くことが、グローバル企業の経営原則となっている。

経営者は国際的な投機集団の評価に耐えられる経営をしない限り、地位を守ることは不可能なのである。

 

政府が国民の為とか国益に沿う様に、企業活動に規制や義務を課すならば、グローバル化した企業は、その様な経営環境にするならば、【活動拠点を海外に移転する】と少しだけ政府関係者に匂わせるだけで、規制を止めさせるのだ。

国民の為を思って規制を強めようとする政府は、海外移転による雇用喪失という失点を負わされて、次の選挙で敗退の憂き目の仕返しをされる。

グローバル企業からすれば、規制は極力最小にしてもらう方が、企業活動の自由度が増えて投資環境は好転する。

だから、規制の弊害が多いことをあげつらって、規制緩和を政府に迫る。

 

ここで、政府とグローバル企業の妥協点である【なれ合い政治】によって、規制緩和と人件費の削減競争の自由化を「国民経済の活性化の為」と称して、推し進めてきたのだ。

グローバル企業の雇用能力は、一国の経済にとって最重要な経済力の証明であるから、無理難題に近い企業要求に出来る限り沿ってきた。

その結果が、1000兆円を超える次世代への借金の先送りであり、賃金デフレの長期化による【格差社会の拡大】の潮流である。


日本は格差拡大を是とする社会を目指すつもりなのか。

2013-12-25 | 国創り政治問題

成熟した社会において、経済成長を最大にする様な政策をとれば、グローバル企業を優遇して成長戦略を担わせるコトになる。

しかし、グローバル企業が獲得した利益は、国内への還元が行われることはもはや期待できない時代である。

何故ならば、投資効率が最大になる様な経営をするのが、グローバル企業に課せられた宿命であるから、需要不足に陥った日本の市場に投資する様な案件は、経営上のメリットが少ないからである。

 

グローバル企業の経営者は、自分の地位を確保する経営は、先進国の従業員の割高の人件費をできるだけ削減して、途上国に役割を移転して経費を削減することである。

利益が増えたからといって、先進国の従業員に報いる様な「効率の悪い経営」を選択する筈はないのだ。

それを知らない筈がない「日本の政治家」は、大企業を優遇する法人税の減免をして、国内への投資や社員の給料アップを「ポーズだけの要請」をする。

つまり、国費を削って【私企業の株主や金融機関】に利益を配分しているのだ。

 

政府はこの法人税優遇は経済成長を促す為と国民に説明してきたが、すべては海外への新規投資にまわり、日本への再投資はわずかな割合に留まってしまう。

【成長の機会が少ない日本市場】への投資は、経営判断の分野で、政府の指示の従う必要なない、と言い訳出来る。

こうして、先進国のグローバル企業は、一部の資産家と経営者層が潤って高額の収入をさらに増やすことになる。

その一方で、大多数の国民が人件費の削減圧力によって収入は減るばかりだ。

 

経済成長を目論む政治家グループは、「GDP」の金額などのマクロ的な数値しか見ない様にしている。

しかし、実際には【一部のお金持ち階級】が収入の大半を持ちさり、多数の勤労者には配分を回さなくても、経済成長していると言う。

平均の数値が成長していれば、自分たちの政策が成功している、と宣伝出来るからである。

こんな、【まやかしの経済成長路線】を支持している国民が多い国では、不満が拡大して社会が不安定になる。

経済成長しても不安が増える社会を、国民が望まないのに日本も突き進む。


1990年代のバブル崩壊後の自民党政治に先祖がえり。

2013-12-24 | 国創り政治問題

日本政府の借金体質は【1000兆円を超えるレベル】になっても、安倍政権は傲慢にも国債依存を続ける借金財政の「2014年度予算案」を閣議決定した。

つまり、消費税増税によって国民負担を増やした揚句に、駆け込み需要の影響による経済活動の落ち込みを補う需要を、政府のバラマキ公共事業でツギハギをして、1930年代の政策である[ケインズのモノマネ]をしようとする。

将来に役に立つ投資かどうかはイチイチ問わずに、当面の経済の活性化になれば良いのだ、と議論は斬り捨てる姿勢だ。

 

この思考停止状態で、目先の経済回復だけに税金を投入する態度は、1980年代末の【バブル経済の破綻】に直面した時期の迷走状態と同じである。

経済成長の見かけの成功に浮かれて、不動産バブルの膨張が限界に達して、ついには金融機関の不祥事もあって、不良債権のヤマズミとなった時代だ。

この時期に、日本の将来の健全な発展と「国創りのビジョン」を再構築する必要が迫られていたのに、何も行動を起こさなかった。

それどころか、行政と金融業界の失敗を覆い隠そうとして、不良債権の顕在化と措置を先送りばかりしていた。

 

これは、現在の政権が「電力業界の失敗」をなし崩しに補填して、業界内のもたれ合い利権体質を温存しようとする姿勢につながっている。

不良債権の先送りは経済活動の足を引っ張り、デフレ経済に落ち込む原因をつくり出した。

今の安倍自民党政権は、原発という不良債権を出来るだけ問題ない様に見せかけるコトに苦心している。

関連する不良事業の、【使用済み核燃料再処理工場】の建設続行や、成功の可能性が全くない【核融合技術の研究施設「もんじゅ」の維持】にしがみつく。

 

産業界は国民の将来のことよりも、自社のグローバル展開に最大の関心があり、日本の市場のことなど、単なる利益追求の場のひとつにすぎない。

その国民不在に変化した「グローバル企業の本質」を知りながらも、自分の政権、自分の選挙が最優先の政治家は、民間企業のおカネの力に寄り添うだけだ。

復興予算、国土強靭化と見せかけだけは、国民受けを意識しているが、政府も民間企業も、今の自分の立場が最優先なのだ。

これから先は、「原子力関連の不良資産」の処理だけでなく、大判振る舞いした「最大の借金体質の不良資産」を、処理する「政権構想」が必須である。


知恵も誠意もない政権が借金を増やして得意顔の愚策。

2013-12-23 | 国創り政治問題

日本は経済を再生するとの名目で、歴代の政権が「国債増発による景気刺激策」を繰り返した結果、世界で最悪レベルの借入れ残高規模に膨らんだ。

年間GDPの2倍以上となる1000兆円の借入れ金額は、歴史上で経験したこともない【返済のあてのない借金体質】に、染まってしまった。

政権交代した安倍政権の1年間の実績を見ると、次回の総選挙まで、借金を増やし続ける様相である。

自民党政権の復活を応援した業界に報いることを優先した「歴代最高額の来年度予算」を、傲慢な態度で通そうとしている。

 

その中でも、「アベノミクス第二の矢」と称される、建設業界への予算バラマキが、「国土強靭化」の名目によって借金体質を膨らませる原因となっている。

老朽化している設備の耐震強化や更新は、誰しも認める施策だが、その必要性や優先度がバラバラのままに進められて、ムダが生まれている。

以前に自民党政権の票田を確保するために、道路建設の全国への展開が進められて、税金のムダ使いが問題となった。

必要性や効果の評価が曖昧なままに、建設業界の利益確保のための道路計画が進んで、ついにクマしか通らない舗装道路が、各地に生まれて批判を浴びた。

 

今度は、誰も住んでいない空地に、千年に一度の大津波対応する無味乾燥が防潮堤の建設が進もうとしている。

また、原発の再稼働申請に向けて、電力会社は「地元の意向も無視」したままに、防潮堤の建設を急いで進めてしまった。

静岡県の浜岡原発は、計画した防潮堤の高さが津波の最大値よりも低かった為に、慌ててカサ上げ工事を追加で進めるお粗末さである。

こんなことで、地震・津波対策が進んでしまっては、国民が安心して生活できるインフラ整備ができるわけがない。

 

国土強靭化とは表向きだけで、知恵も使わずにただ従来の発想による「建設業界活性化」の為に、借金を上積するだけに邁進している。

次世代が膨大な費用を払う必要が生まれる借金を充てるのだから、「本当に役立つ強固な防災施設」に造り直すには、誠意をもってあたるべきである。

経済の落ち込みを防ぐ目的に「借金をあてにする愚策」は、もう20年も失敗続きであることを証明している。

国民も国創りの基本に、「借金体質からの離脱」を骨太の柱に、と要求すべきだ。


日本の経済政策は需要不足をケインズ政策のモノマネ?

2013-12-22 | 経済問題

1920年代末から30年にかけて、世界経済が大恐慌に陥った時に、政府が借金をしてでも需要不足を補って、経済の底支えをしなければならなかった。

これはイギリスの経済学者ケインズが提唱して、「総需要不足対策」のお手本として世界中に普及した政策手段である。

この借金政策は、景気低迷に陥った時にも政府が需要不足を補うことで、景気回復を果たした効果が各国で実証されて、日本でもしばしば実施されてきた。

 

このケインズ政策は、20世紀後半において「経済活性化策」の代表となり、政府が実施したい政策の「理論的な裏付けのある手段」として利用されてきた。

アメリカの「リーマンショック後の大危機」においても、アメリカ国債の大量発行に経済を下支えすることによって、何とか危機を乗り切った。

だがこの政策の欠点は、政治家が人気取りのために、大判振る舞いする【借金予算の隠れ蓑】に使われることにある。

現在の各国政府が借金漬けに陥っているのは、この[ケインズ政策]が不誠実な政治家に利用されてきたことによる。

 

ヨーロッパ諸国の借金体質の弱みを突かれて、ギリシャの財政危機、イタリア、スぺインの国債の暴落危機、など、どれも[ケインズ政策]の隠れ蓑によって、借金を膨らませた政治家の責任である。

しかし、ユーロ圏諸国の協調体制を何とか維持しようとして、各国が支援することで、乗り越える方向である。

それもやはり、「国が借金をして銀行に貸し付ける」コトで、救済する方法なので、「ケインズ政策の銀行版」という「新型の借金政策」の一種である。

 

日本の場合は、バブル崩壊後の経済停滞期に、自民党政権が景気浮揚策として、「ケインズ政策」に頼りきった借金のヤマを積み上げてしまった。

原発大事故後の経済危機においても、政府が借金を上乗せして、「東京電力に貸し付け」をした資金で、被害者への補償、除染経費、汚染水対策費、など、「ケインズ政策」の新型【電力事業救済】による景気下支え政策に邁進している。

これらの「借金による総需要不足対策」は、一時的な経済停滞の活性化に役立つことになる。

いつまで経っても、「1930年代のケインズ政策」の亜流しか能がないのは、経済学者も政治家も経済官僚も、モノマネしか出来ない様である。

弱点である【借金のヤマズミ】を解決する政策は誰も提唱していないのだ。


日本のデフレは大手企業が作り出した企業エゴである。

2013-12-21 | 経済問題

日本の経済の停滞は、20年に渡って賃金を抑制したり、正社員を減らして賃金を抑え易い派遣社員の比率をあげるなどの、企業経営が元凶であった。

民間の企業活動の本質は【利益のあくなき追求】であるから。規制を緩和して市場競争を激化させれば、人件費の削減に向かうのは理の当然である。

この理屈は19世紀からなんら変わっていないのだ。

それに歯止めをかけることが、法制度による規制であり、労働者の権利を守る労働三法(労働基準法、労働組合法、労働関係調整法)の歴史がある。

 

今回の安倍政権が景気回復の空気作りで、利益を増やした企業には「賃金の引き上げ」が責務であるという「風向きを作りだした」のは一面では成果である。

だが空気を作るだけでなく、給料引きあげの「実効性のある制度」を作るのが、本来の政府の役割で、その面では【安倍政権は失格】であることは明確だ。

政府が出来る役割は、現行の法制度では「最低賃金の引き上げ」が出来る。

これを「民主党政権時代」には、公約で「時給1000円に順次、引き上げて行く」、としていたが、実行力不足で微々たる引きあげしか出来なかった。

だが、安倍政権は引きあげの目標すら掲げることをしない、テイタラクである。

 

その代わりに、物価上昇目標を掲げて円安に誘導して、大企業の輸出に有利な状況を作りだしている。

これによって、名目上の利益は増加して、海外に資産や製造設備を持っている企業の「円換算の価値」は大きく向上している。

これで、グローバル展開している大企業は、事業拡大をやり易くなって、さらに海外への進出速度を速めることで、利益の増大に邁進できる。

グローバルな大企業には、日本の働く人の給料の増収などは、視野の外にあるので「政府が要請している」のに、応えるポーズを採るだけに済ませている。

 

規制緩和を実施して、企業活動を活性化する方向は経済にとって、好環境であり望ましい方向である。

しかし、コト人件費の削減につながる様な規制改革は、賃金デフレを助長することになり、経済の回復にとっては逆方向になるのだ。

少なくとも、円安は15%も進んでしまったのだから、最低賃金は15%以上は引き上げると宣言しなければならない。

そうすれば、大企業の社員も給料アップの『押し上げ効果』に浴するのだ。

利益優先の企業活動を給料アップさせるには、政府の役割であると認識せよ。


空気を作りだすだけに終始するアベノミクスの空想。

2013-12-20 | 経済問題

安倍政権は金融バブルを引き起こして、見かけ上の業績向上を企業にもたらして、「経済復活が起き始めている」という空気を作りだした。

空気であるから、いつかは薄まって後には何も実態は残らない。

それでも、経済好転の空気によって、民間企業が従業員の給料アップに協力してくれれば、需要の増加効果によって、実態経済が好転し始める。

しかし、安倍首相はまったく見当はずれの「経団連の経営者」などに、賃金引きあげの要請をするポーズをとるだけで、実効性のある動きはしない。

 

民間企業は政府の要請を聞いて、給料アップに応じた時代は、【高度経済成長期】の話である。

業績向上によって、勢いをつける施策として、従業員のやる気を引き出す「給与引きあげ」は、一流企業の証でもあった。

しかし、経済停滞が続いて給与の抑制が当たり前の時代になってからは、業績が多少なりとも向上しても、一時金の増額程度しかふるまわない。

給与の増額対象は、ホンの一部の社員の業績向上に対する報奨とするだけで、一般社員は据え置きにするのが当たり前になっている。

 

従業員の給与増加の為には、成長戦略と称して、新技術の開発や新事業の促進に掛け声を大きくするが、民間企業の研究開発投資を、この10年間以上は絞り続けたので、、成果が出始めるには5年以上かかる。

つまり、アベノミクスの「第三の矢」は、成長戦略によって、企業の業績が向上した成果によって、初めて従業員への給与に反映することになっているが、マトが遠すぎて矢が届かないのだ。

物価上昇を図っている影響で、【働く人たちの可処分所得が目減り】する効果しか、この2~3年は起こらない。

 

景気回復の空気を作りだしても、可処分所得が増えなければ、一般の国民は生活が苦しくなるだけ事態に陥るのだ。

その上に、消費税増税による消費の落ち込みが確実に起きるから、「物価上昇のモクロミ」である「第一の矢の超金融緩和」も効果が鈍るばかりである。

アベノミクスト言うマジックの「第一の矢」と「第三の矢」は、マトから外れて、一時的な空気だけに終わる。

「第二の矢」の公共事業のバラマキだけは、確実にお金が流出して、国土は、ホンの少し強靭になるが、経済的な恩恵は建設業界だけで終わる。


着陸を考えない安倍政権の無謀金融飛行は強行着陸か。

2013-12-19 | 経済問題

アメリカのFRB議長のバーナンキ氏は、超金融緩和の継続を徐々に緩めて来年の1月から市場からの債権の買い取り額を減らすと宣言した。

失業率の改善に目途がついて、超金融緩和の軟着陸体制を採る政策に転換した。

アメリカ経済は2008年のリーマンショック時に、恐慌寸前の危機に直面して、やむを得ずFRBは金融緩和政策のさらに上の【超金融緩和】に踏み切った。

従来は、禁じ手であった政府の国債を買い入れることで、金融市場にお金をあふれさせる処方箋を実行したのだ。

 

この大きな狙いには、危機的状況に近づいている【失業率の早期の改善】が必須として、金融バブル、不動産バブルの発生を承知の上で、とにかく「失業率の劇的な好転」を目的としたのである。

その他のあらゆる政策を動員して、「考えられるコトはすべて実施した」とバーナンキ議長が説明する様に、最後の非常手段としての「超金融緩和」であった。

5年間の粘り強い「超金融緩和」によって、失業率は10%以上から7%を割るところまで改善し、超金融緩和の金融資産買い取りを来年から減らしていく、「ソフトランディング」の体制に入ったのである。

 

ところが安倍政権は、デフレ脱却のために「超金融緩和政策」を採るとして、日銀に大量の国債買取りを強制する【麻薬的な処方箋】を書かせたのである。

目標は「物価上昇率2%」を目指して、それまでは、市場に潤沢なお金をあふれる様に供給を続ける。

その一方で、物価上昇率2%の目標達成後の、超金融緩和を引き締めて行く道筋は、説明を避けているばかりである。

経済成長率が好転して、物価が上がれば、国債の金利はそれに応じて上昇するのが理の当然で、3%以上になる。

 

つまり【国債の借り換え金利負担増】よりも、「経済成長率」の好転による政府の税収が上回ることが必須の、「綱渡りのデフレ脱却」の暴走政策なのだ。

物価上昇率が2%に達しても、税収増が不足ならば、日銀は国債の金利を低く抑える為に、「市場から国債を大量に買い続ける」必要に迫られる。

この弱点につけこまれて、「国際投機資金」から【国債の売り攻勢】を仕掛けられたら、円は暴落の危険にさらされる。

円安を喜んでいる状況からは、経済環境は大きく悪化する危険性を伏せて、安倍政権は行き詰った場合の強行着陸をどうするのか、一切、触れようとしない。


アベノミクスは経済活性化とはアベコベの政策である。

2013-12-18 | 経済問題

物価上昇率2%を政策目標にするならば、最低賃金の引き上げが「確実性のある政策」である。

超金融緩和の様な円安に誘導して、それが、輸入品の値上がりによって、じわじわと物価が上昇して行くのよりも、被害を受ける層が圧倒的に少ない。

円安によって「即効的に効果が表れる金融資産」は、名目上の円の数値が急上昇して、「株式市場」の活況をもたらした。

株価の上昇で、民間企業が内部留保資金源として保有していた株式資産も急上昇して、見かけの企業業績向上に影響する。

 

これで、物価上昇しない段階でも、「景気回復した気分」に、日本中が浸っているので、「財政の引き締めをする機運が遠のく」効果を生みだしている。

アベノミクスの第二の矢は、こうして「国土強靭化」の大義名分のもとに、大規模な公共工事のバラマキに入った。

自民党が野党時代に冷や飯に甘んじていた時に、支援を継続してくれた業界関係者に、恩義を返すのに格好の政策である。

この様にアベノミクスの政策は、資産家の支援に対しての金融資産の高騰による恩返しと、建設業界への「倍返し」政策なのである。

 

それでも、高額所得者たちへの資産倍増の効果が、周囲に浸透する効果が大きかった「高度経済成長時代」には、一般国民も時間とともに潤いをうけた。

【トリクルダウン効果】は、この時期にはあったが、現在は既に喪失している。

「グローバル化した世界経済」の下では、これらの資産増加は、いざという時の資金に留保するか、有利な海外への投資に回されるだけに終わる。

日本国内への還流がない名目上の経済効果では、本来の経済再生の根源となる総需要の増加には繋がらない。

 

その考え方と逆に、『最低賃金引き上げ』は、一番、購買意欲の高い層に直接の恩恵が即時に現れる。

この効果に伴って、一般の消費者層の給料を押し上げる効果も表れて、総体的に可処分所得が増えた分だけ、総需要が引き上げられる。

それを予測した企業は、すかさず、内部留保していた資金を、国内への投資に回す計画に転じる。

本当の経済活性化は、この様な実態のある好循環によって、起きるのである。

安倍政権のやることは、全くのアベコベの発想で、バブル経済を引き起こす。


デフレ経済を活性化させるには賃金デフレを退治する。

2013-12-17 | 経済問題

安倍政権の目指す『デフレ経済からの離脱』は、円安に誘導して輸入品や原料価格を上昇させて、その結果で物価上昇率を2%以上に引き上げることである。

「2年間で物価上昇率2%を達成」するためには、【超金融緩和】という麻薬に近い処方箋を書いて、日銀の人事に介入をして「政府の言うこと聞く」中央銀行にさせることが必須であった。

これで、政府は放漫な財政をして、「国債を大量に発行し続ける」コトが可能になって、自民党政権は長続きする。

 

ちょっと待って下さいよ。自民党政権が長続きすることが目的なんですか?

日本が住み易くて安心出来る国に創り上げる為に、「まずは、デフレ経済から離脱」することが必要だと、国民は思って「安倍政権の誕生」を支持したのだ。

国債を大量に発行して、次世代に返済させる【国の借金を増やし続ける】ことなど、誰も支持していないでしょう。

この超金融緩和の「デフレ離脱政策」は、物価上昇率が2%に達したあとに、お金のダブつきを吸収する方策は出来ているのか、多くの専門家は危惧を抱いて安倍政権に投げているが、一向に離脱後の説明はない。

 

専門家は、物価上昇率よりも高い金利を「金融市場」は要求するのは当然で、国債を発行し続けるには、3%以上の金利負担が必要になる。

毎年、40兆円近い国債を借り換えすると、毎年の様に金利負担が1兆円以上も増えて、財政をマスマス圧迫することになる。

これを5年間続けると5+4+3+2+1=15兆円も利払い費用が5年後に必要になるので、消費税増税分などは、吹き飛んでしまうのだ。

だから、国債の発行金利を現状程度の抑える為に、日銀は市場に出ている国債を買い続ける必要に迫られてしまう。

 

安倍政権のデフレ離脱政策は、政府の借金の借り換え分を、すべて日銀に買い取ってもらってやっと成り立つ、麻薬中毒に陥る。

超金融緩和政策の中毒症状を発症させない為には、政府が財政健全化を超特急で進めなければ、日本政府は中毒患者になるのだ。

そんな実行力は「安倍政権には期待できない」と誰しも思っている。

だからこそ、超金融緩和によるのではなく、『最低賃金の引き上げ』によって、人件費を総体的に上昇させることで、「物価上昇率2%」を実現させるのだ。

20年も続いてきた【賃金デフレ】を停止させることが、最初の仕事である。