庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

国の主権を守る責任者はアメリカでは大統領で有識者ではない。

2017-01-31 | 国創り政治問題

国民の安全な生活を守るのは、国の主権の中でも、最重要なレベルの役割であり、そのために、各種の制限と制度を設けるのは当然の行為である。

アメリカのトランプ新大統領が、国民にテロ攻撃の危険が及ぶことを、今以上に抑止することを掲げて、すでにビザを取得した人の入国を、一時的に制限した。

これに対して、世界中の国の有識者たちが、暴挙だとして非難している。

すでにビザを取得した人でも、社会の状況が大きく変化しているので、テロ攻撃の可能性が少しでもある人物を入国させない、と判断する責任者は誰か。

アメリカでは大統領が、国民の生命の安全を保つことが最大の使命である。

 

今回の入国制限の対象になった国は、以前は社会的な安定を、一定レベル以上の状態を維持していた。

しかし、ブッシュ政権下とオバマ政権の16年間で、【社会情勢が著しく不安定】に劣化して、アメリカ人が憎悪を受ける危険性が、圧倒的に増えている。

不安定化させた責任の大半が、アメリカの【介入主義による政治体制の不安定化】によるが、だからと言って、アメリカ人の安全を守る必要性は最重要である。

今回の入国制限は、従来の入国審査より厳格化して、テロの危険性を最小に抑える為に90日間の一時的な休止である。

それを、長期的に入国制限する【特定国からの入国禁止】と報道された。

 

難民の発生の原因は、多くは【アメリカの外交政策失敗】と、【介入主義による「既存政権の不安定化」に多くの原因】がある。

だから、他国よりも【多くの難民を受け入れる責任】がある。

だから、難民受け入れ拒否であるならば、世界中から非難されるのは道理であるが、難民の中に「テロリストの候補者」が紛れ込む可能性は大きい。

この紛れ込む事態を、1万人に一人でも見つけ出して、その容疑のある人物を、難民認定しない政策は、大統領の責任で行うのは筋が通る。

その厳重な審査を可能にする準備期間が120日も必要だというならば、その期間の難民認定は一時的に休止することになる。

 

それを特定国からの入国を禁止とか、難民認定を長期的に禁止する、とか「報道機関が誤報道をする」から、有識者というレベルでも誤った言論をする。

アメリカは、介入主義による外交政策の失敗を、率直に認めるべき責任がある。

ブッシュ政権下は言うに及ばず、オバマ政権の優柔不断の外交で、不安定国家を増やし、多くの難民を発生させた責任は大きい。

だからと言って、一般のアメリカ国民を不安全にしても良いと言う理屈はあり得ないし、アメリカ大統領には、自国民の安全を最重視する責任がある。

入国審査の基準や、難民認定しない判断基準が、社会的な変化に十分に対応できていないと大統領が判断することで、一時的な休止は妥当な政策であろう。

日本政府では、【入国審査と難民認定の基準はアメリカ以上に厳しい】のだ。(続)

 


多国間貿易協定よりも二国間貿易協定が得意な日本を真似せよ

2017-01-30 | 経済問題

アメリカの新自由主義を真っ向から否定する「トランプ大統領の保護貿易主義」として、世界中が大騒ぎしているが、貿易の必要性は全く肯定している。

トランプ大統領は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を打ち出しているが、貿易の不均衡を是正したいと考えているのだ。

また、自国の利益を優先する貿易には積極的姿勢であり、貿易取引を否定する姿勢も発言もない。

それを、自由貿易制度を否定や再交渉を言い出すから、「昔の保護貿易取引」を復活させる、世界の秩序を破壊する、とんでもない政治指導者として報道する。

 

しかし、トランプ大統領の狙いは、各国家との取引は二国間での交渉で、国益を両者が獲得する貿易取引にするべき、だとの主張である。

日本に対しても、すでに従来の日米貿易の不均衡を是正する要求であり、貿易を制限するとは言っていない。

メキシコとの貿易取引が、メキシコにとって有利な条件になっていることが、アメリカ国家の不利益な状況だから、再交渉を要求している。

国境を守ることと同じレベルで、国の貿易収支をバランスさせることを、言い出しているのだ。

実際に、メキシコとの貿易取引収支は、アメリカの大幅な赤字で、その上に、メキシコ製のアメリカ向け自動車が、大量に量産される現実である。

 

公平な目で見ると、アメリカ人が買う自動車は、「アメリカで製造」して販売すれば、アメリカでの雇用が生まれるから、トランプ氏の主張で合理性がある。

しかし、アメリカ人の給料が高い分は、自動車の生産コストが上がるから、販売価格に上乗せするか、販売店の利益を削る。

どちらにしてもアメリカ人の方で、人件費の差額分を負担することになる。

それでも、トランプ大統領の判断で、メキシコ生産よりも「アメリカでの国内生産」に移すことを要求するのは、アメリカの主権での国益問題である。

二国間の貿易を協定するのであれば、この件を「両者の国益が折り合う様に調整する」のが筋であり、日本はいつも二国間協定で折り合いをつけてきた。

 

そもそも、多国間の貿易協定がメリットあると判断するならば、「北米自由貿易協定(NAFTA)」のような三国間の貿易制度を実現すれば良いのである。

1994年の当時では、新自由主義が謳歌していた時代で、自由化はすべての面で、合理的な経済の長期的なバランスに収束する、と豪語していた。

しかし、20年もたってみると、アメリカの製造業は疲弊して、中産階級が没落して社会不安が拡大した。

「低所得者階層が拡大して、教育環境も悪化し続けている」状況では、北米自由貿易協定が失敗しているのは明らかである。

日本の様に「二国間協定」にしておけば、もっと早く対応策が実行出来た。(続)

 


トランプ政権の挑戦目標は、成功モデルの国を実現するのだ。

2017-01-29 | 国創り政治問題

「アメリカを再び偉大な国にする」と目標を掲げて8年間の大統領を務める覚悟を語ったトランプ氏を、メディアは傲慢で信頼できない大統領としている。

しかし息子ブッシュ政権が、世界中にばらまいた、不安定社会の現実を直視して、その原因を追求するならば、トランプ氏の主張もかなり正当性がある。

ただし、言動が従来のスマートな様相とはかけ離れているので、その見かけの乱暴さを批判の根拠にしているのは、メディアとしてのレベルが低い証拠である。

オバマ政権が引き継いだアメリカは、経済的にも外交的にも大失敗の遺産を受け継いだので、逆境であることは同情すべきだが、8年間の成果は評価できない。

特に、不法滞在移民の容認や、オバマケアの不完全な妥協策は、負の遺産を残している【優柔不断の産物】であろう。

 

不法滞在移民を、しっかりと取り締まって身柄を確保し、不法に滞在する正当な理由がなければ、本国に強制送還するのは、正当な主権国家のせきむである。

また、治安の乱れた不安定の国から渡航してくる外国人を、空港や港で厳重に取り調べて、入庫似て規制かどうかをチェックするのは、国境を越えるときの通常の手続きであって、外国人を差別する意図ではない。

これらを、きちんと政府の責任で実施している日本では、メディアも専門家も批判する人はいないので、話題にすらならない。

ところが、アメリカで同じ意図で国境を警備し、入港審査を厳重にしょうとすると、途端に【外国人差別だ、宗教差別だ】と大騒ぎをするマスメディアが多い。

 

まさか、安倍晋三が実行することはよくても、ドナルド・トランプが実行するのはケシカラン、とでも言うのだろか。

トランプ新大統領が実行したいことは、「国家の主権を行使して国境を機能させる」ことにある。

アメリカは法治国家であり、その法制度をきちんと機能させることが、政府のいの一番の責任である。

日本は国境警備も、入国審査も、不法滞在外国人の取り締まりも、先進国のレベルとして模範的な国である。

 

トランプ大統領は日本を見習って、「国の主権を行使したモデル国」を作りたいのである。

アメリカは、富を流出させながら、「世界の警察官」を担う気概を持って、あらゆる方面にアメリカ的正義を広めることが、国の責務だとしてきた。

ブッシュ政権下とオバマ大統領の後始末の失敗で、各地の紛争が激化して不安定化してしまった。

ついに、世界の警察官はもうやめると宣言したので、あとは、自分の国の治安と経済状態を向上させることが第一優先の仕事である。

トランプ大統領は、すばやい大統領令によって、姿勢を鮮明にしている。(続)


新自由主義経済は富を増加させても分配の機能が全く欠落する。

2017-01-28 | 経済問題

資本主義が成熟状態に近づくにつれて、アメリカは経済停滞や不況に見舞われた。

この時期に経済成長を促すためには、積極的に財政出動をして、政府が主導する消費購買力の増進をさせる政策を実行した。

それと並行して、政府の支出を増やす効果のある「軍事力の増強」が、景気対策として重要である。

アメリカはレーガン大統領に時代に、この景気浮揚策を実行して「経済の活性化を図れたが、財政出動も軍事予算の増大も、政府の借金を増やすので、長続きはできない。

 

そこで、経済を刺激する目的で規制緩和や富裕層への減税をして、投資を増やす効果を狙ったが、グローバル化の波の加速により、お金は大半が海外に流出した。

新自由主義経済では、世界中の完全なお金の移動に自由を目標としているために、

為替レートの変動は市場に任せるとしているので、お金の移動は管理できない。

政府は、あらゆる規制を撤廃して、企業に投資を活発にする事で、後は経営努力に成功した企業が勝ち残る、市場原理に任せるだけである。

負け組の企業は市場から退出させるので、経営活動の効率、「投下資本利益率」を最大化する効果を期待できる。

そして、政府の市場への関与は最小限にすべきとして、政府は警察と軍事を管理するだけに限定するのが、原則である。

 

資本主義の先進国では、「規制緩和」や、「お金、物、人の移動」を自由にする事が、世界平和と経済成長の最終目標だとして、政治家のスローガンとなった。

しかし20年たっての現在は、経済成長率はかろうじてプラスであっても、働く人への分配は減少し続けて、【失業率は増大し低賃金層は貧困化】が続いている。

その上に、アメリカの民主主義を広めるとして、世界にアメリカの制度を押し付ける、「おせっかいと人道主義」を広めて、不安定な国を増加させてしまった。

特に、息子ブッシュは「テロと戦う」と宣言して、無用なイラク戦争を引き起こして、アメリカに多大の損失をもたらし、中東全域に不安定国を増加させた。

 

世界を不安定にして、先進国の貧困層を困窮させているのは、【新自由主義経済】と【アメリカの介入主義】である。

トランプ新大統領は、このどちらの原因にも踏み込んで、アメリカ優先主義で、保護貿易を復活させる方針だ。

同時に軍事力の増強を図り、財政出動によって、アメリカ国内での公共事業を大幅に増やすことで、アメリカ国内に回るお金を増加させる。

メキシコとの国境に壁を作り、越境を取り締まる上に、犯罪歴のある不法滞在移民を本国に強制退去させる。

この低賃金労働者の供給を減らして、公共事業の増加で労働需要を大幅に増やせば、賃金水準は需給に任せても上昇していく。

雇用の創出はそれからだ。(続)

 


トランプ大統領の蛮勇はアメリカの活力を再生する。

2017-01-27 | 経済問題

世界の潮流は【新自由主義経済の理論】に沿った、国境の壁をなくす方向が正しい選択だと、世界の政治指導者が訴えてきた。

その最先端を進んでいた「欧州連合EU」の目標が怪しくなってきて、イギリスは【EU市場から撤退して旧来のイギリス連邦諸国との連携】する方針に転換した。

まずは移民の自由な入国を制限し、難民の受け入れ義務からも離脱した。

「人の移動の自由化」は、弊害が大きいと判断して、ドイツが主導する[EU

理念を否定」する方針に転換したのだ。

同じように移民の自由化制限まではしていないが「不法滞在越境者を締め出す」政策に、アメリカのトランプ新大統領は、明確に転換を命令した。

 

この政策転換に対して、世界の有識者や経済専門家は、時代を後退させる危険な判断だとの批判を、集中砲火のように浴びせているが、正しいのであろうか。

この10年間ほどは、「新自由主義経済」と、「自由化の流れによる格差拡大」の問題が表面化して、世界の停滞と混乱を引き起こしている。

この問題に、有効な対策を打ち出している政治家や経済専門家は少数派である。

この潮流に果敢に反旗を翻した「大統領候補のトランプ氏」が掲げていた【保護貿易主義】、【一国(アメリカ)優先主義】は、時代錯誤と嘲笑されていた。

しかし、【有効な対策を提案もできない「既得権層」】は見放されて」、アメリカは「アメリカ国民に主権を取り戻す」とした、トランプ主義を選択した。

 

まずは、国境を守ることを明確にして、人の移動の自由化には歯止めをかけた。

次には、物の移動の自由には、当時国の両者にとってメリットのある範囲の、「二国間貿易協定」に変更して、「物の移動を管理できる制度」に、転換する。

この方針に沿って、[TPP]では、いの一番に離脱した。

その次に、「北米自由貿易協定」の再交渉を持ち出したが、メキシコは再交渉を拒否する姿勢を強めている。

さらに、【お金の自由な移動に疑問点】をぶつけて、「二国間の貿易収支」のアンバランスを問題として、中国政府、日本、メキシコ政府をやり玉に挙げている。

「お金の移動の自由化」、「物の移動の自由化」を当然だ、としていた世界の有識者や政治家やからは、時代を引き戻す「暴挙、素人政治家の蒙昧」とされた。

 

しかし、世界経済の停滞と混乱を引き起こしているのは、「新自由主義経済」の理論的な破綻が原因である。

その破綻した経済を活性化して、一時期の模範的な国家である「アメリカ国民の豊かさ」を再生しようとする勇気を、暴挙と決めつけるのは早計だろう。

資本主義の究極は、経済停滞して「社会主義革命が発生する」との理論から、自由主義経済の行き着くところは、革命を引き起こすことになる。

トランプ氏は、その究極を迎えることに反発して、資本主義を一国優先主義に転換することで、繁栄を再生しようとする。

「蛮勇と言うべき信念」である。(続)

 


トランプ大統領の政権公約は確実に実行するが・・・。

2017-01-26 | 国創り政治問題

アメリカの不法滞在移民は1100万人に達している。

不法滞在移民の一部の不埒ものだが、麻薬取引や殺人事件などの悪質な犯罪に関わる不法滞在移民を擁護する人はいないだろう。

ところが、マスメディアや自称リベラル派の人たちは、人道的な立場を前面にたてて、不法越境者を防止する「メキシコとの国境に壁を建設」は暴挙という。

現在では、メキシコとの国境に1000kmの壁が建設されている。

「残りの約2200kmに、越境が困難になる長大な壁を建設する。」との選挙公約は、

だれにも明確な公約で、大統領に就任後の1週間で、大統領命令を発したのは、

選挙公約を反故にするのが通常の政治家にあって、異例の真面目な政治家である。

 

しかし、その大統領命令に対して、マスメディアの論調はトランプ氏の【おごり高ぶり、傲慢な政治家】として、最低レベルの評価をしている。

国境を守ることは、自国の国民に対する最低限の責任で、それをおろそかにする政治指導者は、怠慢のそしりを受けるのは当然だろう。

ところが、日本では周辺が全て海洋で、天然の壁ができているから、越境者を取り締まるのは比較的容易である。

アメリカとメキシコの国境は、大半が無人地帯の過疎地、砂漠地帯で、越境する無法者には、闇に紛れた越境が可能で、それを請け負う犯罪組織もある。

これらを放置してきた歴代のアメリカ政権の方が、はるかに政治家レベルが低い。

 

トランプ大統領は勇気を持って、「歴代政権の怠慢を批判」しているのだ。

問題は、「壁の建設費用をメキシコに全額支払わせる」と、選挙公約に掲げたことである。

外国に対して支払わせる命令はできないし、無理強いすれば、外国の主権を脅かす行為である。

アメリカが全額を負担するのが最も妥当であるが、選挙公約をしてしまったから、メキシコ側が拒絶することを承知で、首脳会談を先送りする外交手段にでた。

国境の壁の建設工事は、数ヶ月以内に始まる予定だが、費用負担の外交交渉は、1年ではとても決着しないだろう。

 

メキシコ政府では、現在の大統領の支持率は10%台に下落しているので、交渉相手としては信頼できないし、譲歩を迫っても無駄だと判断したようだ。

そこで、費用の大半を「メキシコとの貿易交渉を優先的に進める」作戦をとり、「北米自由貿易協定(NAFTA)」の再交渉を始める「政権公約の実行」に入った。

生真面目なトランプ氏は、何よりも国民との約束の政権公約を実現する方向での政治活動を優先するのだろう。

それも外国企業とか国際的金融資本家の利益などは視野の外で、「アメリカ第一」を掲げて、最終目的の「アメリカ国民の利益」になることを優先する。

非常にわかりやすい政治行動だが、その影響がどう出るかは、これからだ。(続)

 


アメリカのワシントンDCの政治家は国民の生活は無視する。

2017-01-25 | 国創り政治問題

トランプ大統領は、選挙期間中の公約通り、「アメリカが主導して進めたTPPから離脱」を正式に表明した。

世界の自由貿易推進擁護者や、グローバル化こそが世界経済のベストの選択だと主張する「世界連邦願望者」の論理を、真っ向からはねのけて決定した。

国境をなくして、「お金の移動の自由化」、「ものの移動の自由化」(貿易の完全自由化)、そして「人の移動の自由化」に反旗を翻した「変人大統領」である。

日本でも、2000年初頭に、「自民党をぶっ壊す」と宣言して、首相の座に着いた「小泉純一郎氏」を思い出させるように、政権公約を大胆に実行に移していく。

「既得権益」を破壊することが、経済の活性化を招くとの認識も似ていて、郵政族の権益構造を破壊する「郵政民営化」と同じように、既得権に踏み込んでいく。

 

アメリカの既得権益構造は、ワシントンDCに住む【国際的金融資本家の利益】を代弁する、民主党、共和党の政治家たちと、その手先のロビイストである。

彼らは、アメリカ国民に奉仕すると選挙期間中で公約しながら当選すると、ロビイストを使って【国際的資本家の利益が最大化】できるように法律を作る。

あからさまに、資本家の利益追及ではなくて、アメリカ国民の利益を代弁しているかのように法律の文面を装うテクニックを駆使する。

この法制度によって、グローバル化した企業経営者は、投下資本の利益率が最大になるように経営して、資本家の覚え目出たく成果を生み、高給料を得る。

ストックオプション制度によって、短期的な利益を追及して「株価の上昇を図る」ことで、働く人とは桁違いの高額な報酬を懐にする。

 

もし、ワシントンDCでの連邦議会で、グローバル企業にとって「経営が不自由になる法制度」の政策が提案された場合は、ロビイストを使って画策をする。

法案の文面では、アメリカの国益に沿うように書かれていても、随所に【グローバル企業の活動が有利になる条項】を忍ばせて、法案を成立させる。

確かに、グローバル企業の活動を自由にして、「資本投下に対する利益率が最良になる経済制度」にしていけば、世界中での富の総量は最大化できる可能性がある。

だが、そこで増加した富は、グローバル企業を所有する【国際的金融資本家の富】が増えるだけである。

その活動に貢献した企業経営者の報酬に一部がまわり、企業経営を有利にしたロビイストとワシントンDCに住む政治家への献金となる。

 

こうして、ワシントンDCを中心とした【既得権益集団の利益増大】となる政治が続き、その間に「アメリカ国民の給与」の増加は、ほぼゼロに抑えられていた。

アメリカの所得格差の拡大は、オバマ政権では無視できないほどに拡大して、各地で所得格差に対するデモが頻繁に発生した。

しかし、経済成長を果たせば「恩恵がそのうち回っていく」との、【トリクルダウン効果】の言い訳でしのいできたが、ついに限界に達したのである。(続)

 


アメリカのリベラル政治家は、今や絶滅危惧種に減少した。

2017-01-24 | 国創り政治問題

過激な言動で物議を醸すトランプ氏が超大国のトップに就いたことを、映画監督のオリバー・ストーン氏の真意を、朝日新聞15面(オピニオン)に掲載している。

その意見を以下に紹介すると、「トランプ大統領もあながち悪くない」として、トランプ政権への期待を表明している。

「トランプを良い方向に捉えよう」とツイッターに書いていて、【ヒラリー・クリントンが勝っていれば危険だったと感じていた。】と言う。

「ヒラリーは本来の意味でのリベラルではない。アメリカによる新世界の秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのが良い、と信じている」と指摘する。

「【ロシアを敵視し、非常に攻撃的】で、第3次世界大戦の可能性さえあった。」

 

「アメリカはこうした政策を変える必要があります。トランプ氏は【アメリカ・ファースト】を掲げ、他国の悪をやっつけに行こう、などと言いません。」

「妙なことですが、この結果、政策を変えるべきだと考える人たちに近づいている。」と指摘して、「トランプ氏がプラスの変化を起こせるように応援しようじゃありませんか。」と。

【リベラル派が多いハリウッドでは反トランプ氏目立ちますが、との質問には、「そのリベラルと呼ばれてきた人たちが、ものすごい介入主義者と化してしまい、

民主党は、中道右派となってリベラルの左派を代表していません。」と断言する。

戦争への道を避けるのが「リベラル派」の最大の使命だが、アメリカのリベラルを自認する民主党政治家は、介入主義による戦争を引き起こしてきたのだ。

 

その一方で、右派の代表的なブッスユ政権は、イラクに介入して「民主的な清家を支援するとして「イラク戦争を引き起こし、膨大な資産の破壊を招いた。

今やアメリカの保守党の右派とリベラル派を自称する民主党の政権が、世界でのいたるところに介入した影響で、テロ攻撃の常態化した世界での不安定を招いた。

「トランプ氏はまともでないことを言い出し、雇用を増やすと誇張しているが、そこから良い部分を見付け出せば、アメリカにとって新鮮な方向に転換する。」

「ロシアと強調してテロと戦うとの発言は正しい。」

介入主義を捨てることで、世界での戦争への道を避けていけば、プラスの変化を引き起こす「新政策の実行が期待できる。」

オリバー・ストーン監督は、このように今までのどの政権よりも、リベラル派が目指した「世界を実現する可能性を期待して、トランプ政権を応援しようという。

 

世界の平和秩序を追い求める「アメリカのリベラル派」は、アメリカ流に考える体制を押し付けることで、かえって、秩序を破壊することに貢献してきた。

オバマ政権では、ブッシュが火種を撒き散らした後始末もできずに、中途半端な介入を続けて、アメリカの国力を疲弊させている。

トランプ氏はアメリカ・ファーストと言いながら、介入主義から遠ざかり、アメリカの国益だけに専念する。リベラル派も顔色なしの世界が実現するか。(続)


ワシントンDCの政治家はアメリカ国民より資本家の利益。

2017-01-23 | 国創り政治問題

アメリカのトランプ新大統領が、ワシントンDCの政治家たちから権力を取り戻すと、就任演説で強気の宣言を掲げている。

ワシントンDCに滞在して、大勢のロビイストを駆使して「政策を作り出す政治家たち」は、自身の選挙での当選を継続できるように、あらゆる謀略を図る。

政治活動には、膨大な活動資金が必要で、そのためにはアメリカだけでなく、世界中での事業活動で、収益を確保している大企業からの献金を受けている。

これは、民主党政権のオバマ氏もヒラリー氏も、膨大な献金受けているのは、自分の政治活動には不可欠のお金で、政治家としては当然の行為とされてきた。

これが、ワシントンDCの政治家が、「グローバル企業の既得権益」を代弁する政治に陥る原因である。

 

トランプ大統領は、選挙期間中を通じて、このような既得権益を守るグローバル企業からの政治献金を一切、拒否していると豪語していた。

自身の事業の利益で獲得した資金を利用するだけで、大統領選挙をたたかい抜いたから、ワシントンDCにいる政治家たちとは、違っていると宣伝している。

「既得権層は己の身を守りましたが、アメリカの市民を守りませんでした」と言い切り、就任演説では、その構図は終わりにする、と宣言した。

この20年以上も支配してきた「政治勢力の論理と既得権益」を、真っ向から否定して、その構造を破壊するのは、並大抵のことではなくて、抵抗されるだろう。

大統領がいくら命令しても、【面従腹背】は政治の世界では、当然のように水面下では活動し続ける。

 

この権力構造の転換は、トランプ大統領が8年間の任期を【挑戦し続けても実現は困難な革命】である。

だから、当面の「アメリカ市民の大きな不満」と高々と掲げて、製造業の雇用を守る、新規の雇用を創出する、と「分かりやすいスローガンを掲げる」政治だ。

その攻撃相手を、【メキシコに進出している自動車産業をやり玉に挙げる】ところから始めていく作戦だ。

メキシコだけでなく、貿易不均衡を持ち出して「不当に為替操作をしている中国政府」を攻撃相手に選んで、自由貿易を間接的に批判する戦術を取り始めた。

中国製品を締めだすことはできなくても、アメリカの雇用を守るというスローガンを掲げるからには、効果を論じる専門家の言い分など、聞く必要も無い。

 

こうして、世界の貿易不均衡をやり玉に挙げて、世界中での貿易額が縮小しても、アメリカの雇用が増える、と主張できれば良いのである。

グローバル企業は、世界貿易が縮小すると「資本収益率が減少する」から、今までのような【いいとこ取りのぼろ儲け】は減っていくだろう。

その影響で、ワシントンDCの政治たちへの政治献金は縮小していくだろう。

それが、トランプ大統領の狙いだ。(続)

 


ワシントンDCから権力を取り戻すと宣戦布告する蛮勇。

2017-01-22 | 国創り政治問題

トランプ新大統領が、製造業の雇用を取り戻すとして、自動車会社などに関税強化を図る目的で、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を打ち出している。

人件費の安いメキシコに、製造業の拠点が大量に流出したことで、アメリカの経済に多大の損害をもたらしている、との言い分が本音である。

また、メキシコからの不法な越境者が、低賃金労働者としてアメリカ人の職場を奪ったり、低賃金化の悪影響を及ぼしている、として、国境に壁を作る公約だ。

このどちらの政策も強引に実行すれば、選挙民への公約は果たせるだろうが、雇用をどれだけ回復させて、低賃金化に歯止めをかけられるか、未知の領域である。

その政策だけでは、製造業を復活させるのは容易ではない。

 

トランプ大統領が就任演説で「首都ワシントンから権力を取り戻す」と、宣言している内容は、大胆な宣戦布告に相当する。

「あまりに長い間、この国の首都の小さな集団が政府からの恩恵にあずかる」と、その不公正な実態を、就任演説で「全世界に白日のもとにさらした」のだ。

「既得権層は身を守りましたが、我が国の市民は守りませんでした」」という。

「本当に大事なことは、国民によって政府が支配されているかどうか」だと、言い切る問題の本質をついている。

本音のところは、今までの歴代政権が、一部の既得権層の支配を受けて、【超富裕層だけに富が集中的に集まる【現代の理不尽な制度】をやり玉にしているのだ。

 

日本では、超富裕層への富の偏在は、アメリカほどひどくはない。

資本主義社会の本質的な流れは、成熟期を迎えた社会では、経済成長が鈍化するのは、理論的にも当然の流れである。

それを、金融資本家を頂点とする超富裕層は「世界中で最も資本収益率の高い国」の経済成長率を高めて、利益の確保を最優先にする。

アメリカの資本家が、自分たちの資本収益率だけが関心事項で、アメリカの国が豊かになるかどうかは、関心が薄い。

ましてや、アメリカ人の雇用が失われて、低賃金化が進んでいることなど、問題とはしないで、メキシコに投下した資本収益率だけがよければ、と考える。

 

また、アメリカ国内での事業主には、メキシコからの不法移民が増えた方が、人件費を安く抑制できて、利益を増やすためには、低賃金労働者が欲しいのである。

こうして、ワシントンの一部の政治家たちを、【政治献金によって子飼いの議員とする】ことで、政府の政策に偏よった判断をさせている。

その理不尽さを追求するジャーナリストは、メディア企業をお金の力で支配する株主の立場から、不都合な事実は報道から消されて、人道的な報道にバケル。

これが、いままでのワシントン政治の支配者が権力を左右している構図である。

トランプ氏は、この理不尽な権力の構図を、白日のもとに晒して、【太鼓持ちの政治家とロビイスト】を、締め出したいのだ。

蛮勇としか言いようがない。(続)


トランプ政権とイギリス のEU離脱を理解できない専門家。

2017-01-21 | 国創り政治問題

今までの自由貿易体制に真っ向から批判をぶつけて、アメリカ大統領に就任したトランプ氏は、「ワシントンDC」から、権力を取り戻すと宣言した。

同じ時期の、イギリス国民の半数が、EUの中央委員会のエリートたちが支配するEUから離脱する選択をして、欧州統合の理念に反旗を翻した。

アメリカの場合は、隣国のメキシコから「不法に越境してアメリカの低賃金労働者の仕事を奪う不法移民」の増加が、大きな要因になった。

イギリスでは、中東とアフリカからの難民の急増で、EUとして受け入れを割り当てる強制が、低賃金労働者の生活を圧迫する不安が増大していた。

 

自分たちの職場を奪われ、将来の生活に大きな不安が増大すれば、現在の政治家たちを不信任するのは当たり前の選択である。

ワシントンDCで優雅に暮らして、労働者の気持ちや生活苦を理解できない専門家や政治家たちは、美辞麗句で「国民のことを第一に配慮する」と言い続けてきたが、批判が鬱積している実情を理解できていなかった。

アメリカの経済指標では、成長率は2%台以上を維持しているから、生活レベルは向上していると勘違いをしていたのである。

大多数の低所得者層は、この20年以上にわたって、実質的な収入は減り続けているのである。

 

経済専門家や人道的知識人たちは、経済成長したパイを配分する上での不都合を是正して、所得格差の縮小によって、低賃金労働者の生活向上を図る、とする。

しかし現実には、この20年間で「経済成長して増加した利益配分は、ほとんどが【超富裕層の収入と資産】に配分されて、働く人への利益配分は、一部の知的な労働に従事するスペシャリストに回されるだけであった。

アメリカの歴代政権は、経済成長を追い求めて、「資本の移動の自由化」を図り、スペシャリストを世界中から集める「人の移動の自由化」を進めてきた。

前の大統領のブッシュが、金融業界のいいなりに自由化を進めて、サブプライムローンでバブル崩壊を招いて、世界経済を大恐慌寸前までに追い込んだ。

 

オバマ政権の8年間は、それを立て直すためには、メキシコからの不法移民の低賃金労働者を、特別に処遇して、経済成長を取り戻すことに躍起となった。

そのあおりが、従来からの白人労働者の職場が奪われて、中産階級が没落して、大半が低賃金労働者に転落してしまった。

トランプ氏は、この低次元の問題をシンプルに「製造業の復活による雇用回復」と、『不法滞在移民を出来るだけ本国に送り戻す』と公約したのだ。

人の移動の自由化は、「超富裕層の資産増加」と、スペシャリストの優遇に効果があるだけで、低賃金労働者への影響はマイナスしかない。

専門家は机上論を繰り返して、利益配分の適正化とか、幻想的な政策を訴えているが、20年以上も嘘をつけば、庶民が反乱するのは当然の結末であろう。(続)


アメリカの格差拡大社会では安心できる生活環境は低下する。

2017-01-20 | 国創り政治問題

トランプ大統領の目指す社会では、生活環境はどうなっていくのであろうか。

大統領候補争いの段階から、アメリカの復活には、「製造業の雇用の復活」を最重点にすると訴えてきた。

経済学者や既得権層の政治指導者たちが、もっともらしく経済成長率とか金融の効率化などと、専門的な指標で「庶民をはぐらかす」ことを、批判してきた。

白人の低所得者や失業者は、「とにかく仕事を作って雇用確保」が必要だと訴えてきた本音のところを集約したのである。

第一に、メキシコからの不法移民を締め出して、今以上の低賃金労働者の流入を防ぐために、メキシコとの国境に長大な壁を建設する、と。

犯罪歴のある「不法滞在者を本国に強制送還する」と宣言した。

 

このどちらも、日本政府では当たり前の「国の責任として実行」されているが、アメリカでは、実現不可能が無謀な人数差別主義だとして批判された。

批判する政治家や評論家たちは、製造業の失業者の対策には無言のままだ。

今では、不法移民の低賃金労働が、アメリカの労働者の全体の低賃金化を進めて、豊かな時代の【中産階級の低落を加速】してきた事実が明確になっている。

本来は働く層の代表である「民主党のプロ政治家」が、低賃金労働者の要求を実行する責務であるが、歴代の民主党大統領と政治家は、実行しなかった。

日本の民主党政権の時期に、労働者への利益配分が低下し続け、最低賃金の引き上げも実行しなかったのと同じ現象が起きている。

 

なぜ、経営者側のトランプ大統領や安倍首相が、働く人への収入アップを強く主張しているというのに、労働者側の代表の政治家が実行しないのか。

それは現代では、民主党政権の政治家たちが、一度も「低賃金労働の経験」をしていないからであろう。

学生時代の本の知識ばかりを勉強し、政治家になってからは、経済専門家(多分、一度も労働の経験が無い)の、総論的な経済理論だけを取り入れる。

これでは、現場の人の気持ちも実態も、理解できるわけがない。

その点でトランプ氏は、不動産業のビジネスを通じて、現場で働く人たちのことを、しっかりと見ている、と推察できる。

 

民主党政権の中枢にいて、弁護士の資格で、エリート層だけと付き合って、政治家となって「トップにのし上がった」オバマ氏とは、生活感覚が違う。

政治家としては大統領夫人として、「王朝に育ったヒラリークリントン氏」では、総論的な福祉政策には詳しくても、末端の労働者の気持ちは理解できない。

格差拡大社会を増殖させた【新自由主義経済の理論】は完全に破綻している。

マスメディアは、盛んに【保護主義に逆戻りの批判】をしているが、格差を拡大させてきた、自分自身の批判を先にすべきであろう。

格差拡大社会は、生活の不安を増殖させる元凶だと、認めるべきである。(続)

 


日本が1990年からの冷戦終了以後に進展した国になれるか?

2017-01-19 | 国創り政治問題

1980年代の日本は「Japan As Number 1」ともてはやされた「バブル経済社会」の時から、進展できているのであろうか。

ソ連という共産主義陣営に対抗する時代には、アメリカも自制心が働いて、「労働者の利益を重視する社会構造に「資本主義経済を修正」してきた。

日本はそれを見ならいながら、日本的な社会構造に修正を加えて、「日本的な経営」に磨きをかけて、高度経済成長を果たしてきた。

働く人たちは、「一億総中流意識」と言われるくらいに、生活水準が毎年のように向上して、将来の日本社会をバラ色に想像することができた。

しかし、ソ連が崩壊して、対抗する勢力が衰退した時期から、資本主義経済が傲慢とも言える【資本家の利益最優先】に移行してしまって、迷走しはじめた。

 

資本主義経済では、成熟してきた市場では、「モノ造りによる収益性」よりも、【お金の操作による「資本の利益率」】が高くなる。

そこで、日本では土地神話を利用した【不動産バブルに埋没】して、土地投機ブームが起きた。

数年でバブルは弾けて、多くの不良債権が発生した上に、金融業界の不祥事が重なって、完全な金詰まり状態に陥って、バブル崩壊後に長期の経済停滞がおきた。

この時期に政治家のレベル低下もあって、不良債権処理が長引いてしまい、金詰まり状態が経済の足を引っ張る金融不況が蔓延した。

企業の収益性が落ちていくに従って、給与アップも減少していった。

 

収入の減少は、当然のように消費購買力を引き下げて、不況を長引かせる。

企業の投資は、グローバル化の進行と共に、海外からの要請に応じて【新興国への投資増大】となって、国内の【製造拠点が海外に移転】が潮流となった。

労働組合では、給与増加が「製造業の海外移転を加速する」との恐怖感から、ベースアップ要求を控え目にして、ついに、要求すらしなくなっていく。

企業は賃金引き下げができないから、【人手減らしとアウトソーシング】に力を入れて、【非正規社員の仕事を増やし】て、実質的な人件費を下げていった。

政府は産業界の要請だとして、「非正規社員の職場対象を規制緩和」していったので、今では正社員の割合が6割近くまでに減少している。

 

こうして、金融界の堕落をはじめに、産業界の生き残り作戦、それに協力する労働組合、あと押しする政府、と4者の相互作用によって、デフレが深刻化した。

安倍政権が経済の再生が第一として、超金融緩和による「荒療治でのカンフル剤」で、デフレマインドを払拭したことは、一定の成果と言える。

その後の産業界の行動は、国内投資に向かわないのは経営の合理性だが、それを無理矢理に「官製春闘」と揶揄されながらも、賃上げを強く要請した。

民主党政権では、何もやれなかったが、「経営者よりの政権が賃上げを要請」するのは、「アメリカのトランプ流儀の始まり」と言えるかもしれない。(続)


アメリカは豊かな社会を目指したが成功しているか?

2017-01-18 | 国創り政治問題

1960年代のアメリカ社会は、ソ連との冷戦が激化していたが、製造業の飛躍的な進化によって、生活水準が向上し続ける「世界で一番豊かな社会を」であった。

資本主義経済の欠点である「所得格差の増大を防ぐ福祉政策」が、真剣に取り組まれて、労働者の権利と収入は大きく改善されていた。

もし、資本主義の原理に任せていたら、資本家側の利益を最大化する経営によって、労働者の賃金は低く抑えられてしまう。

これでは、労働者の不満がたかまり、それは対抗する勢力の「共産主義革命」への道を開くことになって、最も避けたい事態であった。

 

その共産主義への対抗策として、資本主義は大きく規制をかけて、所得格差の縮小を図るべく、労働組合の強化と支援や、弱者に対する福祉政策が実施された。

その負担は民間企業に負わせてきたが、共産主義化されるのを防ぐ為には、賃金上昇や福祉向上の経費は、資本家側も飲まざる得なくなり、抵抗は少ない。

こうして、アメリカはソ連との軍事競争の費用は膨大に膨れていたが、労働者の豊かさは「資本主義諸国のトップ」に躍り出る勢いであった。

しかし、欧州諸国の力が付いてくると、アメリカは競争に負ける分野が増えて、徐々に経済強国の地位が低下して、労働者への配分も削減されるようになる。

 

それに加えて、貿易自由化が進んでいくことで、庶民が購入する低価格品は「新興国の製造品」に切り替わっていく。

さらに、人件費の高止まりに経営が圧迫されるとして、ソ連の崩壊をきっかけにして、製造拠点の海外への移転が加速していった。

この段階から、アメリカは製造業による豊かさから、金融事業の収益に依存する経済構造に転換していく。

さらに、インターネット関連の飛躍的な進化によって、ヒトデの省力化が短期間に進んで、低賃金労働だけが増える経済構造に変わっていく。

こうして、中間所得層の職場が大幅に減っていき、低賃金労働だけが残された職場になってしまった。

 

資本主義経済の理屈どおりに、市場の自由な競争環境を広げることで、世界の経済がリンクすることになって、アメリカの労働者の賃金が抑えられる。

それが進行しているのに、アメリカ経済は金融資本家の「マネーゲームによって利益率は高レベルに維持」できていた。

国の総合的な経済成長率は、高めを維持することができたから、本来は政府が関与して「所得の平準化を政策的に実行」して、労働者の不安を抑えるべきだった。

しかし、バカな経済学者たちが、新自由主義を唱えて、政府が干渉することを否定し続けてきた。

ついに、アメリカは資本主義経済の初歩の時点の保護貿易主義、一国経済の最適化を図る、「アメリカ・ファースト」に転換する。

成功を祈るのみだ。(続)

 


安倍政権の目指す国つくりは不安の増大が継続する社会。

2017-01-17 | 国創り政治問題

安心できる暮らしが継続する社会が、日本の国民が望んでいる国つくりの方向である。

安倍政権は、長く停滞した「デフレ経済から脱却する」ことを、政権公約としてきたが、経済成長の看板を掲げるだけで迷走しているばかりである。

その原因は、経済成長率を高める事だけが目的のようになって、国民が望まない事業の拡大が、無秩序に盛り込まれていることにある。

最近の政治的な動きでは、【一時期のリゾート法】のように、観光や娯楽の新興を促進して、お金が回ることだけがメリットのような低レベルの施策になる。

 

一番ひどいのはカジノ法案であるが、日本人の【トバク依存症の対策】もできていないのに、さらに、一晩で無一文になりかねない「カジノの設置」認めた。

世界で120ヶ国以上がカジノを認めているのだから、「日本もそれに習え」との無節操の考えで、議論抜きの強行軍で進めてしまった。

トバクによる「ストレス解消」など、精神的な効果があるとしても、既存の競輪、競馬、ボートレース、パチンコ、などで、もう十分である。

今以上の射幸心を煽る事業などを拡大して、日本の精神性を堕落させることが、どれほど逆効果がでてしまうことを、想定すらしない無節操ぶりである。

 

安倍首相は、とにかく、精神性を高める分野には、まったく無頓着で、経済が第一と言いながら、【穴を掘って埋める事業】のような政策が好きである。

それならまだいい方で、穴を掘る事はしても、埋める事ができないような、無謀な政策も強行してしまう。

日銀に超金融緩和の政策を強いる事で、デフレ脱却を目論んだが、世界の金融状況がグローバル化された状況では、日本の国内にお金が回る事はない。

むしろ、余計な【マネーゲームの資金提供】によって、為替の変動が激しくなり、株価の乱高下を起こしやすくなる。

この乱高下の現象を、以前の状態にもどすことは、もはやできない状況だ。

お金のコントロールをやりにくくすることで、経済界や金融界の不安感は高まる一方である。

 

庶民の方は将来の不安定な経済動向に備えて、できるだけ「タンス預金を増やして」、不測の事態に向けて防備を固める。

それが、消費購買力を減少させることになって、ますます、デフレ傾向になる。

デフレ脱却を無理にでも図るために、財政出動による公共投資を増やしていけば、国の借金は増大して、金利上昇の懸念がさらに高まる。

国の借金を返すあてがさらに遠のくから、不安感は増大して将来の増税に備えて、財布の紐をさらに絞り込む。

その影響は回り回って、消費不足、民間投資不足の状態に逆戻りする。

不安を増加させる経済対策は、回り回って、さらに経済停滞を招くだけだ。(続)