庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

天皇、皇后両陛下は、台風被災地で犠牲者に黙礼。

2019-12-31 | 環境問題

12月26日に両陛下は福島県の台風19号の被災地を訪れ、黙礼して犠牲者を偲び、被災者をお見舞いして心の活力回復を支援された。

令和の新年を迎えるにあたって、お目出度い行事が連日行われるようだが、その時の心構えとして、犠牲者を偲ぶ思いを忘れない様にと。

天皇陛下は、自身の研究テーマとして「水」に取り組まれてきたが、世界では、【水の問題で災害を受ける人】が増える傾向になっている。

人間は自然環境の中で、水との密接な関連がある生活が基盤だが、ともすると自然との共生を軽んじて、無防備に振る舞ってしまう。

産業革命以後の「地球温暖化現象は進み、気候変動に影響される」時代になっている。

日本では、「温暖化」を意味するイメージは、「穏やかで過ごしやすい気候の表現」だが、自然界での気候は過激な傾向を増している。

干ばつにさらされて、飢饉になる地域もあるが、日本では、台風勢力は記録的なレベルに達して上陸した時には、被害規模は類を見ない。

これに対する備えを、日本の政府、自治体が怠りなく準備をしていれば良いが、現実には、大きく遅れている。

そのシワ寄席になる弱点を、自然の脅威によって、『被災する人をゼロにする』ことが、政治を担う人たちの最大の責務であろう。

この時期に、天皇、皇后、両陛下が、ヘリコプターで被災地を訪れるには、「黙礼の中に込められて思い」を汲み取らねばならない。


日本の指導者たちは前例踏襲だけで将来を直視せず。

2019-12-30 | 核エネルギー・原子力問題

日本の指導者層は、1946年以後は西側の陣営に属して、アメリカの庇護のもとにおいて、国の安全を維持する路線を取ってきた。

共産圏の海外進出に対抗する軍事的防衛の方針は、日米安全保障条約によって、アメリカの核兵器の傘のもとで、米軍の軍事力依存で来た。

それから70年も経っているのに、いまだにアメリカの軍事力頼りと、経済的な依存状態を維持することを、日本の基本的方針とした。

あと30年経っても、この方針を変えるつもりはない、というのが、現政権と旧時代の指導者の頭の中であろう。

しかし核兵器問題でも、世界の潮流はすでに「核兵器の製造、保有の禁止」が将来像であることは明白であるが、日本はどう見るのか。

「唯一の被爆国の立場である日本の存在意義」も、かなぐり捨てて、アメリカの言いなりのように振る舞う、信義のない言動であり続ける。

表向きの言い訳は、「核保有国と非核保有国の橋渡しをする」と弁明しながら、今までの行動は一切なしに等しい。

冷戦時代の米露の大型核兵器の「相互確証破壊」による恐怖の均衡方式は、すでにほとんど役に立つ状況にはない。

米中ロの3国による【中型小型の核兵器開発競争時代】に突入した事態は、明白であるのに、日本政府はただ様子見の姿勢しかできない。

政権与党も野党の間でも、直視を避けて先送りで責任逃れだけだ。

日本国民の希望は、非核保有を宣言し、核兵器全廃の道を選ぶ。(続)


世代交代で将来への展開を指導者が決断する時期だ。

2019-12-29 | 国創り政治問題

日本の指導者たちは、高度経済成長時代を築いてきた起業家たちの影響で、化石エネルギーの恩恵を十分に受けて成功してきた。

その成功体験のもとでは、化石エネルギーの利用を差し置いて、地球環境の維持を優先することなど、受け入れられない事態である。

1990年代からは、化石燃料の枯渇問題と同時に、気候変動問題が将来の大きな懸念となって浮かび上がってきた。

枯渇問題に対しては、アメリカのように地下に大量に温存されている、シェールオイル、シェールガスの採取技術に活路を見つける。

日本のように「原子力発電の平和利用」に将来の希望を寄せて、代替エネルギーを目指してきたが、2011年には安全性で大きく挫折した。

それ以後の日本の指導者たちは、将来の日本の国作りの基本を見失って、ただ世界潮流の現状を見て、迷走するだけしかできない。

世界の大きな潮流は、「再生可能エネルギー社会」であると認識した上で、経済成長至上主義も行き詰まりが見えている。

2050年における日本の目指すべき「国のあり方」を作り上げる能力もなく、希望のある理想像を描けないのが現世代の指導者たちだ。

30年先の社会を世界の中での理想像とする「持続可能な日本の国創り」に、立ち向かう意欲を持てない旧時代指導者は、退出するしかない。

2050年に責任を持って『これが令和の日本の理想像』だと決断できる、次世代の指導者に、国創りを移管する行動を実行に移すべきだ。


思い切った先行投資を実行しない日本は競争で負け。

2019-12-28 | 経済問題

日本の新規産業は、平成の時代を通じて、負けばかりの展開になって、空白の30年間の原因となってきた。

昭和の時代には、家電産業の隆盛や自動車産業の躍進があって、日本全体での経済活性化に貢献したことで、高度経済成長を遂げた。

昭和に開通した「新幹線技術は革命的な鉄道」であり、いまだに世界一流を維持している、『日本生まれの世界標準』になっている。

ところが、平成時代に新規に起きた産業は、ほとんどが10年程度の短期間の貢献であり、すぐに海外移転とともに技術面でも追い抜かれて、今ではお荷物産業となっている分野が多い。

情報通信産業では、狭い日本の市場追及に終始して、世界に打って出る技術を新事業に消極的であり、海外市場構築に及び腰だった。

今では、中国、韓国の企業の後塵を配する産業となっている。

薄型テレビの技術革新では、液晶技術の大量生産を世界に先駆けて、量産化して大型テレビの先頭を走っていた。

しかし、猛追する韓国企業や、中国のモノマネ企業に追い抜かれて、今では液晶の生産工場は赤字続きで、撤退や買収の対象である。

そして、2000年代初頭に、花開いた「太陽光パネル産業」は、日本政府の消極姿勢で一気に失速して、今では中国企業に席巻された。

いずれも適切な時期に、思い切った先行投資を避けたことが、新興企業の活力の前に、敗退したのである。(続)


日本政府は環境政策で二週遅れ。企業も周回遅れに。

2019-12-27 | 経済問題

アメリカ第一主義を掲げている米国は、戦略目標を明確に定めて産業政策や金融政策を実行することで、政策の優先度が決められている。

まずは軍需産業、宇宙産業、そして、金融業では世界一の地位を保ち、IT産業やAI産業でも、世界一の地位を確保しようとしている。

エネルギー分野では、石油と天然ガスの自給が可能になったことで、【再生可能エネルギー産業は優先度を下げ】ている。

対抗する中国は、とにかく脱石油を国策として、「再生可能エネルギーの自給を確立して」、それを基盤として製造業の世界一を目指す。

その生産力を生かして、一帯一路の戦略で、経済圏を築くのが目標だ。対するEU諸国では、エネルギー産業では、脱天然ガスを優先して、「再生可能エネルギーの自給率を最大限に上げる」ことに集中する。

その間に自動車のEV化を急いで、劣勢となる自動車産業の再活性化を狙う戦略であり、その関連産業を育成して、経済成長を図っていく。

このような主要国の動きに対して、日本政府の戦略的な産業政策は、ほとんどが中途半端な状態のまま、周回遅れ、いや二週遅れになった。

これでは、日本の大企業の長期戦略が、選択と集中を決断することができずに、世界の先端分野から、周回遅れで追いかけるだけになる。

これでは、日本はマイナーの産業しか育成できないから、米、中、欧の主力企業との提携を図っていくしかない。

要するに二番手戦略に甘んじるしか、生き残りを図れない状況だ。


日本は優先政策の判断を誤り、既得権を持つ集団が害。

2019-12-26 | 国創り政治問題

日本の停滞と世界における経済的地位の低落は、1990年代以降の優先政策を、既存企業の「国際競争力維持」を重視した政策判断にある。

それは、価格競争力と重視する企業が大半であるから、まず、従業員の給与を削減して、人件費の節約でコスト削減を図ったことだ。

結局のところ、日本の消費購買力は低下し続けて、景気は停滞したままに終始している。

今になって、やっと、賃金引上げの重要性を認めて、5年前から「官製春闘」と言われながらも、経営者たちに賃金引き上げ要請をした。

遅きに失した判断だが、何もしないよりも、最小限必要なことだ。

政府が介入する賃上げは、「最低賃金引上げ」だが、これも3年前くらいからの政策である。

早急に地域格差をなくして、最低でも時給1000円以上を実現すべきだが、積極的な地方引き上げの実行政策は、検討されていない。

それを妨害する地方の集団は、低賃金労働を頼りにする、遅れた経営形態の事業者たちである。

この地域振興のもとになる、地方の新進企業を支援して、活性化させる政策が、中央政府も地方自治体も弱体で、障害になっている。

中央集権で安易に打てる政策ばかりに依存して、大企業を優遇する政策では、トリクルダウン効果などは、期待できないのは明らかだ。

今こそ「地域振興になる優先政策」を徹底的に打ち出す時期である。


日本の信頼を損なうのは、忖度政治と既得権益だ。

2019-12-24 | 経済問題

日本の世界における存在感が、1990年代の金融Iバブル、不動産バブル崩壊、を受けて、政策が迷走した期間が長引いた。

この間に世界では、グローバル化の進行で新興国の開発が活発化した時期に、製造業の移転が急速に進んでいった。

この時期には、海外移転を補う新規事業や、新技術開発のイノベーションを活発に促進しなければ、経済が停滞するのは当然である。

ところが、政府も大企業の、既存の体制を維持することばかりを重視して、政治の停滞が起きた。

その原因には、将来を目標とする『長期に国作りの目標を策定』して、長期的な展望にもとずく、新産業の育成戦略が必須なのであった。

ところが、政府も大企業の組織も、新たな挑戦課題に向かうには、大変なエネルギーが必要であるから、先送りばかりしてきた。

それは、当面の経営を守ることばかりを優先する現在の首脳陣、官庁首脳陣、そして、大企業経営者におもねる風潮が蔓延したのだ。

いわゆる忖度を働かせると、難問である新技術の朝鮮や、新事業への取り組みは、現状優先のトップには、嫌われるテーマである。

それゆえに1990年代から2018年までに、約30年間にわたって、忖度を図る姿勢が最重要との風潮が蔓延してしまった。

それは、お友達政治家が権限を持ち、省益優先官僚は大企業の存続と利益優先して、既得権益を最重視する社会全体に落ち込んだのである。


日本の災害リスクは地震に加えて台風が追加された。

2019-12-23 | 暮らし・健康問題

日本の暮らしやすさや生活の豊かさは、実感されているが、それが持続的であるかどうかは、甚だ怪しくなっている。

先の東北大震災による津波被害や、九州地方での震災では、多くの被害者と国土の破壊、インフラ崩壊がもたらされた。

今後の地震の発生については、自然には逆らえないが、備えを万全にしていくことが、日本に住む人にとっての最優先の課題である。

その上で、これからは気候変動による過激化に備えていく必要があるが、万全の対策を講じることができるだろうか。

今までは、100年に一度の台風被害とか、集中豪雨の発生とか、いわゆる「異常気候」と言って、自然災害として責任逃れ風潮であった。

しかし、気候変動の兆候は明らかで、このままでは、現在の一度C

上昇レベルではなく、3度C以上の上昇が予測されている。

台風の発生数はあまり変わらないとしても、日本に上陸時の台風の勢力が、過去にないレベルに強化されることは確実である。

日本に住んでいる人、事業を経営する企業にとって、日本のリスクは台風被害が最大になる傾向で、防災対策に優先度は大きくなっている。

今までは予算不足を理由にして、治水対策が散漫で遅れていたのを、被害実績を真摯に認めて、対策の実行を最大限に早めるべきであろう。

優先度の低い事業への予算を縮小して、可能な限りは辞めるのが、政府と自治体の最大の責務である。

既得権をすべて廃止する勢いで!


資本主義は利益追及。今後は信頼で資本を引寄せる。

2019-12-22 | 経済問題

世界の経済活動は資本主義の原則で動いていて、世界中の資本が、投資収益効率の良い企業に向けられるのは当然である。

そこから先の判断には、企業の業績の透明性が十分にあることが、投資を引きつける指標になるが、最近はESG投資が主流になっている。

以前は投資効率指標は収益性であるが、将来にわたっての収益性を考慮すると、地球環境保護の基本方針を実行する企業の方が上位になる。

一時的な期間だけの収益性や、企業の時価総額よりも、将来にわたって社会の中で有益企業とみなされるかが、企業価値となっている。

特に最近の投資機関が重視するのは、グリーン投資をどれだけ重視しているかが、企業価値を図る重要な指標となっている。

20世紀の企業価値が収益性を重視し、21世紀には、気候変動対策や、SDGsを考慮した企業戦略かが、企業の信用度を測る指標になる。

長期投資を原則にする投資機関の判断は、企業グループの信用度を最重視する傾向が強まり、一時的な収益向上は評価しない傾向だ。

その点では、日本政府の曖昧な地球環境政策しか取れないようでは、日本企業の評価は軒並み信用度を落として、低く見られる。

外国資本と提携するにしても、低く見らレル状況においては、不利な条件での交渉になるので、メリットが少ない交渉に追い込まれる。

日本政府の消極性が、ジャパンリスクとなって企業に跳ね返るのだ。

今のままでは、日本企業の苦戦は、覚悟せざるを得ない状況である。


環境保護を重視の組織・企業は社会の信頼を集める。

2019-12-21 | 環境問題・プラスチック汚染

これからの時代の良い組織、良い会社の指標が大きく転換していく。

従来は、社員数が多いとか、年間売上高の上位の企業が、ステータスとなっていた。

さらに、株主利益を重視する「グローバル化時代」に入ると、株価収益率とか、株式市場における時価を指標として、時価総額の大きさを、企業価値として喧伝していた。

だが、これからは、社会的地位が高い企業を目指すならば、『再生可能エネルギーへの依存度を100%にする』ことが指標となる。

その企業が事業活動を継続的に行うエネルギー消費量を、「再生可能エネルギー」で賄うことが、事業活動での責務とするのである。

[RE100]と呼ばれる国際イニシアティブに加盟した企業は、そのステータスとして、100%再エネ依存の事業活動を目標にしている。

すでに、アメリカの大手企業マイクロソフトなど、34社が目標を達成して、環境保護に熱心な企業としてのお墨付きを獲得している。

これが今は自治体にも波及して、世界各国の自治体では、RE100を目指す州市町村が続々と加盟して、環境保護貢献意欲と活動を競っている。

出来るだけ[RE100]企業の製品やサービスを利用し、「RE100」の自治体に住所を写すことが、満足感を得られる、世界の潮流となるだろう。

後ろ向きの行動をしている企業や、自治体、国の指導者は、社会からは批判の冷たい視線に晒されるのが、これからの世界である。


日本は高付加価値化の技術で小規模生産で生き抜く。

2019-12-20 | 快適エネルギー社会問題

太陽光パネルの国内生産は、1992年頃から開発が進み、意欲ある量産メーカーの努力で、高品質の太陽電池が量産されてきた。

しかし、価格が高い段階では、どうしても購入者の負担が大きくて、普及する量は限られてしまう。

家庭用の太陽光パネルには補助金制度が接敵されて、購入者の費用を減らしたが、半額補助程度では、どうしても数量が限られていた。

欧州では、2000年の初めに、太陽光発電の電力を固定価格で優遇して買い取る制度が実施されて、急速に太陽光パネルの普及が始まった。

一方の中国では、石油依存を減らす国策に沿って、太陽光パネルの生産と設置に、国の大きな補助が実行されて、2015年に世界一となった。

この国の優遇策が中国では突出していたので、太陽光パネルの量産メーカーは、思い切って設備投資をして、量産効果を上げる活動をした。

このおかげで、中国メーカーの太陽光パネルは世界で一番安価になる。今は、世界の太陽光パネル生産は、世界1位〜4位、6位〜9位を、中国系企業が占めて、中国は太陽光発電王国に地位を確立してしまった。

日本企業は、生き残りを狙って、中国とは別の製品路線を進んでいる。

例えば壁面に埋め込む太陽光パネルを開発した「カネカの新製品」や、ため池の水面に太陽光パネルを設置する「水上ソーラー」がある。

これから日本企業は、大量の太陽光パネルを設置する施設で勝負するより、中国企業が手がけない、高付加価値の太陽光発電に絞るのだ。


欧州、中国、米国のエネルギー戦略に日本は如何に。

2019-12-19 | 快適エネルギー社会問題

欧州のこれからの経済成長戦略は、エネルギー分野での徹底した「再生可能エネルギーの開発優先」政策で、その中身は風力発電産業だ。

そして、自動車の分野でのEV化によって、ガソリン自動車産業の劣勢状況を、転換していく狙いである。

中国政府は2002年からの再生可能エネルギーへの転換戦略を進めて、世界一の太陽光発電、風力発電国家となっている。

これに自信を持って、2050年までは徹底的に技術革新と量産化によるコストダウンに、挑戦し続けるだろう。

国際的には優位に立つ目論見で、新興国の電力増強に積極的に売り込みをして、中国の友好国を増やしていく長期的な戦略産業だ。

アメリカの成長戦略産業は、しばらくは天然ガス売り込みでいくが、その間には、イノベーションの創出を目論んでいる。

では、日本の長期の経済成長戦略は、どのような方針で進めるつもりなのか、一向に良く見えない状況が続く。

一時期は、原子力発電への依存度を高めて、将来の輸出産業にしようとしたが、2011年の原発大事故を境にして、完全に撤退するしかない。

その間につなぎとして、石炭火力発電の高効率を売り込んでいくつもりが、気候変動の過激化によって、この路線は頓挫に追い込まれる。

太陽光パネルの量産化は、中国に奪われ、風力発電は出遅れて完全に後発になり、撤退を余儀なくされた。この先どうするつもりか?


アメリカは天然ガスの輸出余力で、同盟国を増やす。

2019-12-18 | 経済問題

欧州諸国のエネルギー戦略は、不安定な中東の石油やロシアに依存する天然ガスの比率を、極力減らしていく方向である。

その目標に沿って、再生可能エネルギーの開発を国策として促進してきたが、成功しているのは風力発電の分野で、今後の重点政策だ。

一方のアメリカは、風力発電も挑戦したがうまくいっていない。

太陽光発電の分野では、日本が技術的に先頭を走り、量産体制の拡充でのコストダウンは、中国が完全に独走状態になった。

太陽光パネルの量産規模では、アメリカ企業の順位は10位にとどまり、1〜4位、6〜9位は全て中国系企業が占めてしまった。

5位には韓国企業がいるが、これではアメリカ優位のエネルギーにはならないので、しばらくは、中国産にたよらざるを得ない。

その点で、天然ガスの分野では、採取に成功しているので、国内のシェールガスの量産化拡大で、エネルギー戦略上は優位に立てる。

これから発展していく国は、電力需要の急増に対応しなければならないが、再エネだけでは無理で、天然ガス発電の需要が増える。

そこで、アメリカの戦略は天然ガスを安価で安定して供給することを売り込んで、同盟国や友好国を増やしていける目論みだ。

その意味で、トランプ大統領の「パリ協定からの離脱」は、欧州と中国に対する挑戦カードになっている。

日本はその動きを、しばらくは様子見をしたいと考えている段階だ。


アメリカは再エネを進めて、さらに天然ガスを優先。

2019-12-17 | 環境問題

アメリカは常に世界一の覇権国家を追求してきて、エネルギー政策でも、世界の覇権を求めてきた。

それが石油依存の体質が強まりすぎて、石油中毒と自虐するほどに大量消費が進み、中東の石油を輸入する弱味が強く練ってしまった。

二度のオイルショックによって、なんとか石油依存を減らすエネルギー戦略を見直して、再生可能エネルギーの導入も検討した。

太陽光発電もかなり研究したが、当時の技術では価格が高すぎて、実用化するには無理なレベルであった。

風力発電の適地も、アメリカ国土には大量にあるので、ウインドファームも設置して実用化を図ったが、当時の技術では耐久性不足だ。

それで、石油の代替になる化石燃料として、アメリカ国土の地下に眠っている、大量のシェールガスの採取技術を進めて可能になった。

採取可能な埋蔵量は100年分以上も見込めるので、アメリカのエネルギー戦略は、シェールガスにより天然ガス主流の国策に転換した。

一時期に同意した「京都議定書」も離脱して、温室効果ガスの削減は先送りする対外的なエネルギー戦略である。

再生可能エネルギーの開発をやめたわけではないが、技術の進歩や、採算性の向上が実現するまでは、様子見の姿勢だ。

アメリカの外交政策の基本には、石油から離脱して、豊富な天然ガスを輸出できる状況にして、友好国を増やしていく戦略である。(続)


中国は太陽光発電と風力発電の世界一を目標に設定。

2019-12-17 | 快適エネルギー社会問題

中国のエネルギー政策は、石炭火力発電を主力とした旧時代の構成から、2002年以降は、再生可能エネルギー重視に転換した。

これは、石油が産出しない国土において、将来の発展が電力に依存するしかない中で、国内で自給できる資源は、太陽光と風力とした。

中国南部は日照率も良好なので、太陽光発電が有利である。

また内陸部の風力適地が膨大にあって、自力開発による風力発電産業は、経済成長に取っても優良な分野であると着目したからだ。

それ以降は、国の強力な後押しもあって毎年の設置料は急増し、2015年には、風力発電、太陽光発電とも世界一の設備設置量に達した。

これに自信を得て、2050年までには、壮大な再エネ設置量を目標として、長期戦略を立てて推進する意思を表明している。

一番のネックは、遠隔地への送電線網の拡充であるが、強権国家の威力を利用して、有無を言わせない設置計画で、建設工事をしている。

同時に、石油依存を極力減らすために、自動車の電動車への転換を国策で進めて、普及目標量も世界に先端を進めている。

再生可能エネルギー電力を自動車に充電することで、対外的な石油輸入の弱みを徹底的に減少させるのが、国の安全保障政策になる。

原子力発電は、引き続き建設を続けていくが、設置量は控えめであり、これは戦争勃発時に、弱みにならない程度に抑制するからである。

エネルギー政策そのものは、国家の安全保障政策となっている。