庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

高所得者の収入を増やすことが経済活性化とカン違い。

2013-12-13 | 経済問題

アベノミクスのやり方は、とにかく大企業やお金持ちを儲けさせることが第一優先である。

円安誘導では、輸出に依存している大企業を、価格競争力を有利にすることで、一時的でも良いから利益を増やす様にしている。

その利益のもとは、輸入企業とその関連の事業者に、輸入代金の増加によって、支出を余儀なくされたお金を回しているのと、同じことである。

 

また、2014年4月からは消費税率が5%から8%に増税される。

この影響で4月以降の需要の急激な減少によって経済が悪化するのを防ぐ、という名目で、5.5兆円モノ景気刺激策を打ち出すという。

それでなくても、震災復興の工事で活況となっている建設土木事業者を、さらに忙しくなる仕事を増やすので、工事費は上昇の一途になる。

つまり、一般国民から3%も余計に税金を課して、景気刺激策の対象となる企業の収益増加に回すのである。

 

その上に、今回の政府の税制改革では、法人税を削減したり、交際費の課税控除を増やすことで、儲かっている大企業をさらに利益を上乗せする制度にする計画だ。

その一方で、大多数の一般国民の生活必需品をなっている軽自動車の税金を1.5倍に増額させる。

2015年4月からの新車購入者からとして、世論の反発に配慮して姿勢を採っているが、ホンネは、大企業への減税の財源を、低所得者の日常生活費からお金を召し上げて賄うことで違いはない。

 

こんなに大企業優遇とすれば、儲かったお金がだんだんに下請け企業へ回っていくことで、最終的には働く人への給料が上がる様になる、とでも思っている。

いわゆる「トリクルダウン効果」を期待して、まず、一番上層の大企業やお金持ちに儲けてもらうことが最優先の政策となっている。

しかし、バブル崩壊以後の「格差拡大社会」の潮流では、儲けたお金をやすやすとは、給料アップや下請け企業への配分を増やす大企業はいない。

経済のグローバル化が飛躍的に拡大して、価格競争の激化した市場競争では、人件費の削減、下請けへのコストダウン要求は激烈に進んでいる。

デフレ経済の長期化は、この世界的な変化を見誤って、働く人の給料を強制的にでも引きあげる仕組みを怠ってきた【制度改革の失敗】がもたらしたのだ。