日本の将来の活性化には、「高付加価値の製品」を生み出す改革が必要だと言う論には多くの人が賛同する。
しかし、どの方向に力を注ぐかでは議論が錯綜して、一向に方向が定まらない。
自動車産業でいえば、ひとつは次世代自動車の技術を省エネルギーに向けて革新する方向である。
具体的には『ハイブリッド自動車技術』の進化を進める方向で、今のところ世界の先端を行く技術開発で、日本市場の活性化に役立っている。
しかしながら、省エネや生産コスト削減など、ニーズに沿った改良を重ねることは、日本は得意とするが、根元から革新する技術で新たな需要を創りだす様な革命的な分野は不得意である。
それは、日本は軍事技術をベースにした発明には適していない国情だからだ。
アメリカの様に世界中から優秀な人材を呼びこんで、国策的に軍事的優位を保持する仕組みが出来ている。
世界70億人の半分を対象に、大学に招いて選別して能力を開発している。
一方の日本は1億人を対象に選別して細々と研究する程度しか出来ない国情だ。
宇宙産業分野やバイオテクノロジー等、先端科学技術では、どうして先頭に出ることは難しい国力の限界がある。
技術革新に挑戦し続ける努力はすべきであるが、挑戦する分野は、賢く選択することが、日本にとっての戦略であろう。
軍事技術の延長上の【宇宙開発関連事業】への挑戦は、「身の丈を考慮すれば、潔く撤収」を決断すべきであろう。
先端科学技術への日本の挑戦力は、アメリカの30分の1程度であると認識すれば、全方位的な技術開発挑戦は、避けるべきだ。
それよりも、日本の国民性の特徴に適した、繊細性や感性にベースをおいた「独特の分野での革新」を続けるのが賢い選択なのである。
また、島国の特徴に注目し、世界6位の海洋面積国家である利点を活かすことで、アメリカ、中国、EU諸国をしのぐ「革新技術へ挑戦」が必須であろう。
このブログで書いてきた様に、国としては海洋産業国家の路線を目指すのだ。
そして、各地域の風土と文化、特産物に着目した「高付加価値製品」の開発と革新には、地方が主体となって人材を育てて、自立的に継続する路線を採る。
中央官庁の全方位のバラマキ的、成長戦略では、確実に失敗の道を進む。