安倍自民党政権は、国の財政が悪化している状況に対応するには、消費税を増税するしかない、と判断した。
2014年4月から3%の消費税アップが決定されて、今は駆け込み需要の増加により、一時的な景気回復の機運が始まっている。
この需要増加期において、景気回復の機運が盛り上がって、4月以降も需要が衰えない様にするには、どうするのがよいか。
それは、購買意欲が最も高い、低所得者層の賃金を引き上げて、消費活動を継続させることである。
自民党を公明党は、再来年の消費増税を検討するに当たって、軽減税率の実施をどうするかの議論が紛糾して、玉虫色のママの先送りとした。
消費増税は、所得の少ない人の税負担率が重くなるので、不公平を増大させる。
だから、生活必需品の消費税を無税にするなどの、軽減措置が必要になる。
だが、それと並行して、最低賃金を引き上げることが、消費税アップの弊害を軽減できる。
来年のできる限り早い時期に、最低賃金の引きあげを実現するのが良い。
アメリカの連邦最低賃金は、現在は時給7ドル25セント(円換算で740円)であるが、経済学者のクルーグマン氏は、10ドル10セント(円換算で1020円)に引き上げることを提案している。
民主党は賛成する上に、共和党の57%が賛成しているから、法案は成立する可能性が高い、と言っている。
日本では、どの党が「最低賃金引き上げ」に反対するか、来年の国会で審議をしてみてはどうか。
自民党の保守派や企業よりの議員は、すぐに反対姿勢を見せるかもしれない。
消費税を5%も上げる予定であるから、少なくとも5%以上の「最低賃金引き上げ」が、提案されるべきである。
何事もアメリカに動きに忠実な「対米追随派」は、自給1000円を主張するのが、正しい選択だ。
影響は、安い人件費で成り立っている事業者に出るだろうが、一律に時給が上がるので、国内での競争条件は平等である。
輸出依存の製造業が、国際競争力が不利になると騒ぐだろうが、円安で10%も有利になっている現状からは、少し、元に戻るだけである。