庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

経済停滞を打開するには最低賃金引き上げに賛同させる。

2013-12-16 | 経済問題

安倍自民党政権は、国の財政が悪化している状況に対応するには、消費税を増税するしかない、と判断した。

2014年4月から3%の消費税アップが決定されて、今は駆け込み需要の増加により、一時的な景気回復の機運が始まっている。

この需要増加期において、景気回復の機運が盛り上がって、4月以降も需要が衰えない様にするには、どうするのがよいか。

それは、購買意欲が最も高い、低所得者層の賃金を引き上げて、消費活動を継続させることである。

 

自民党を公明党は、再来年の消費増税を検討するに当たって、軽減税率の実施をどうするかの議論が紛糾して、玉虫色のママの先送りとした。

消費増税は、所得の少ない人の税負担率が重くなるので、不公平を増大させる。

だから、生活必需品の消費税を無税にするなどの、軽減措置が必要になる。

だが、それと並行して、最低賃金を引き上げることが、消費税アップの弊害を軽減できる。

来年のできる限り早い時期に、最低賃金の引きあげを実現するのが良い。

 

アメリカの連邦最低賃金は、現在は時給7ドル25セント(円換算で740円)であるが、経済学者のクルーグマン氏は、10ドル10セント(円換算で1020円)に引き上げることを提案している。

民主党は賛成する上に、共和党の57%が賛成しているから、法案は成立する可能性が高い、と言っている。

日本では、どの党が「最低賃金引き上げ」に反対するか、来年の国会で審議をしてみてはどうか。

自民党の保守派や企業よりの議員は、すぐに反対姿勢を見せるかもしれない。

 

消費税を5%も上げる予定であるから、少なくとも5%以上の「最低賃金引き上げ」が、提案されるべきである。

何事もアメリカに動きに忠実な「対米追随派」は、自給1000円を主張するのが、正しい選択だ。

影響は、安い人件費で成り立っている事業者に出るだろうが、一律に時給が上がるので、国内での競争条件は平等である。

輸出依存の製造業が、国際競争力が不利になると騒ぐだろうが、円安で10%も有利になっている現状からは、少し、元に戻るだけである。


企業経営者の言うことを優先して経済停滞に沈む日本。

2013-12-15 | 経済問題

日本の経済活性化には、「大企業とお金持ちを儲けさせて、その恩恵を一般国民に広がる様にする」と言う説明が、安倍内閣の基本的な方針である。

しかし、この「トリクルダウン効果」は、今では怪しい理屈と判明している。

経済発展してきたアメリカ社会では、この30年くらいの間に、富裕層と雇われる人との所得格差は拡大する一方であった。

日本の企業はアメリカ型ではないから、従業員を大切にして給料を増やす筈だ、という期待は、この10年間の実績によって裏切られている。

 

この20年間の経済停滞の最大原因は、人件費の削減、労働分配率を引き下げる企業活動であることは、今や明確になっている。

安倍自民党政権も、アベノミクスの恩恵を受けた大企業に向けて、儲かった利益を従業員の給料アップに向ける様に、要請をしている。

だが、ホンの一部の企業しか、それには応じられないで、甘い期待に終わるだろうし、中規模以下の企業や輸出関連の少ない企業は、それこそ、給料削減をしたい過酷な環境になる。

アベノミクスの円安誘導は、人件費の削減促進と同じ影響を及ぼすのだ。

 

企業活動が何よりも利益の確保を最優先するのは、当たり前の行動である。

1990年代から、地球環境問題が社会的にクローズアップされて、環境に害する行動は、企業に一定の規制を課さなければならないとされた。

経団連を始めとして、企業は利益を減少させる規制に反対してきたが、先進国の責務として、政府は法的な規制を進めてきた。

これにより、不十分ではあるが、環境悪化の方向を転じる方向に進んでいる。

2000年代の最大問題は、デフレ経済化に向かって先進国の大半が進み、経済破壊の危険性が増している。

 

この対策にもっとも有効と考えられているのは、低所得者の給与を引きあげて、総需要の増加を引き出す政策が必要になっている。

企業は自由活動に任せると、際限なく「人件費を削減する」行動に走りだす。

正社員の比率を下げて、出来るだけ外注化し、パート従業員で賄える様に経営の合理化に進む。

その歯止めになるのは、「最低賃金制度」があるだけで、現在の先進国経済の転換には、この『最低賃金の引きあげ』が、まず一番に実施されるべきである。

ところが企業経営者は、開口一番に反対し、それでは経済が悪化すると言う。(続)


自民党政権は高度経済成長時代の成功に囚われている。

2013-12-14 | 経済問題

安倍自民党内閣の経済政策の根底にある認識は、まず富裕層にお金が潤沢に回る様にすることで、贅沢品や交際費関連の消費が増える筈である。

この消費増加の効果が順番に回りまわって、其の周りにいる普通の人達にもお金が潤う様になるから、全体に消費が増える。

時間がかかる弱点はあるが、これを続けて行けば、必ず全体の経済は好転する。

これが、いわゆる「トリクルダウン」による経済活性化の理屈となっている。

日本が高度経済成長の時代には、この理屈で、日本全体の経済成長は確実に中間層の給料に反映されて、消費が好循環に増大した。

 

では先進国が軒並みに経済成長が鈍化した現代で、この理屈が正しいと言えるのかは、おおいに疑問がある。

世界の最富裕国である「アメリカの現状」を、参考にしてみてはどうだろう。

経済学者の「クルーグマン氏」は、この数十年には、アメリカ人の所得格差は拡大している、と指摘している。

アメリカの小売業に従事する従業員(管理職でない)のインフレ調整後の賃金は、1974年に比べて3割も減少している。

この間にアメリカ全体は40年間ではるかに豊かな国になったにもかかわらずだ。

 

アベノミクスの支持者は次の様な説明を持ち出してくるだろう。

この間に貿易に自由化が大幅に進んで、中国などの新興国での商品生産が活発になり、価格競争が激しく進展した。

だから、人件費の引き下げが必須となり、それでも引き下げが無理な業種は、生産地を新興国に移転しているからだ。

製造業の一般従業員の給料が抑制されたり、引き下げられるのは、貿易自由化のもたらす結果による。

だから為替レートを引き下げて、価格競争力を強化するのが必須なのだ。

 

「ちょっと待って下さいよ。」

と言うのは、小売業の従業員まで、新興国の安い賃金の影響を受ける理由には、なっていないではないか。

経団連の旧産業の経営人たちは、少しくらいの利益が増えてきても、やはり自由貿易が更に進む「グローバル化経済では、給料を増やせない。」と言う。

つまり、価格競争力を維持するために、製造業の賃金を抑制してきたために、その他の販売・サービス業までもが、給料を引き下げられて来たのである。

「グローバル化経済社会」に入った現代は、「トリクルダウン」は起きないのだ。


高所得者の収入を増やすことが経済活性化とカン違い。

2013-12-13 | 経済問題

アベノミクスのやり方は、とにかく大企業やお金持ちを儲けさせることが第一優先である。

円安誘導では、輸出に依存している大企業を、価格競争力を有利にすることで、一時的でも良いから利益を増やす様にしている。

その利益のもとは、輸入企業とその関連の事業者に、輸入代金の増加によって、支出を余儀なくされたお金を回しているのと、同じことである。

 

また、2014年4月からは消費税率が5%から8%に増税される。

この影響で4月以降の需要の急激な減少によって経済が悪化するのを防ぐ、という名目で、5.5兆円モノ景気刺激策を打ち出すという。

それでなくても、震災復興の工事で活況となっている建設土木事業者を、さらに忙しくなる仕事を増やすので、工事費は上昇の一途になる。

つまり、一般国民から3%も余計に税金を課して、景気刺激策の対象となる企業の収益増加に回すのである。

 

その上に、今回の政府の税制改革では、法人税を削減したり、交際費の課税控除を増やすことで、儲かっている大企業をさらに利益を上乗せする制度にする計画だ。

その一方で、大多数の一般国民の生活必需品をなっている軽自動車の税金を1.5倍に増額させる。

2015年4月からの新車購入者からとして、世論の反発に配慮して姿勢を採っているが、ホンネは、大企業への減税の財源を、低所得者の日常生活費からお金を召し上げて賄うことで違いはない。

 

こんなに大企業優遇とすれば、儲かったお金がだんだんに下請け企業へ回っていくことで、最終的には働く人への給料が上がる様になる、とでも思っている。

いわゆる「トリクルダウン効果」を期待して、まず、一番上層の大企業やお金持ちに儲けてもらうことが最優先の政策となっている。

しかし、バブル崩壊以後の「格差拡大社会」の潮流では、儲けたお金をやすやすとは、給料アップや下請け企業への配分を増やす大企業はいない。

経済のグローバル化が飛躍的に拡大して、価格競争の激化した市場競争では、人件費の削減、下請けへのコストダウン要求は激烈に進んでいる。

デフレ経済の長期化は、この世界的な変化を見誤って、働く人の給料を強制的にでも引きあげる仕組みを怠ってきた【制度改革の失敗】がもたらしたのだ。


アベノミクスは経済の基本を間違えてデフレ対策とする。

2013-12-12 | 経済問題

鳴り物入りで経済対策の第一弾として、「超金融緩和」を進めると宣言し、日銀の独立性などお構いなしに、政治的介入でアベノミクスをはじめた。

その成果は、「円安誘導」に成功して、世界中から投機資金を呼び込んで「株式市場の活性化」により、株価の上昇という【見かけの景気回復】に表れている。

しかし、その反面の貿易収支の赤字拡大が増加して、遂には、経常収支が赤字になって、日本は停滞期から収縮期に移行した様である。

 

デフレ経済からの脱却は、物価上昇率がプラスに転じて、2%程度の上昇率を目安としている。

輸入品の価格が上昇して、エネルギー経費の増加で、輸送費の分が物価上昇に反映することで、デフレ経済から脱却している、と言えるのか疑問が膨らむ。

株価上昇で恩恵を受けた一部の資産家以外は、みんな物価上昇で困るのだが、アベノミクスの推進者たちは、お構いなしに円安誘導を成功と見ている。

1割の資産家が恩恵を受けて、9割の国民が損害を受けるのが、「アベノミクスの第一の矢」であることが、1年足らずで実証できた。

 

第二の矢の「国土強靭化」と旗を立てて、公共工事を大幅に増やしてきた。

この成果は、大震災の復興事業が遅れる効果を生みだし、建設資材の価格上昇を引き起こしている。

これも、一割の建設関連産業が恩恵を受けて、その他の産業はその「トリクルダウン効果」が現れるのを待っている状況だ。

政府の借金を増やして公共工事で需要不足を補う方策は、すでに、効果が限定的であると実証されている。

それでも借金が出来る間は、景気の下支え効果があるので、止められない。

 

安倍政権のやることは、基本的な国民の心理が理解出来ていないことに、欠陥があるのだ。

日本の長期デフレ経済は、生活が豊かになったが、実は将来に対する希望や夢が縮小して、今の生活維持を優先している次世代が大半になっている。

自民党政権時代に、格差社会を拡大させて、将来生活に不安を増加させてきた。

民主党と自民党の原発依存社会の破綻で、エネルギーの将来に不安を起こした。

長年の放漫財政による借金の積上がりは不安どころか、危機寸前である。

9割の国民に不安増大の生活を強いるので、極力、おカネを使わないのだ。

これが慢性的な需要不足となって、デフレ経済を長期化させている原因である。


原子力発電の負債から目を逸らさせる秘密保護法の奇策。

2013-12-11 | 核エネルギー・原子力問題

経済産業省は「エネルギー基本計画」の原案を12月6日に示した。

民主党政権が、2012年の野田内閣の末期に、「2030年代に原発ゼロ」を目指すとした基本方針を白紙から見直すとして、【原発は重要なベース電源】に転換する計画と打ち出している。

「原発に頼る比率は可能な限り引き下げて行く」としているが、数字は一切示さずに、曖昧なままの表現で済ませている。

どれくらいの原発を稼働させるのかは、「必要とされる規模を十分に見極めて」、原子力規制委員会の審査を経て「安全性が確保された」原発は稼働を進める。

 

この方針に転換するに当たって、「使用済み核燃料の最終処分」には、従来どうりの「核燃料からプルトニウムを取り出す再処理路線」を続ける。

これによって、プルトニウムを管理するリスクは増大し続ける「不安」がある。

その残さ物には、放射性物質が残って「数百年単位で貯蔵する必要」がある。

原子力産業界は、この再処理路線を維持すれば、使用済み核燃料の行き場がなくなってしまう状態から、一時的に逃れられる。

最終処分地決定まで、時間稼ぎをすることに膨大な経費をつぎ込んでいるのだ。

 

安倍政権と経産省の原子力官僚は、原発の負の遺産をできるだけ隠して、最終処分地の責任を次世代に先送りして、難題から逃げ回る方針を選んだのである。

この様な無様な状態を、国民に知られたくないので、マスメディアが大騒ぎをしている【秘密保護法】の強行審議を進めて、国会の騒乱状態をモノともせずに、不完全な審議のママに成立させてしまった。

安倍政権は、この為に内閣支持率を低下させたが、その程度の犠牲を払ってでも「原発維持路線への転換」を決める方策を講じたのである。

 

廃炉費用の積み立て不足は、原発再稼働の可能性があるうちは、大きな問題にされないで済ませられる。

プルトニウムは、実現困難な「プルサーマル稼働」で消費することにしておく。

【使用済み核燃料】は再処理路線の維持で、責任を逃れて次世代にツケを回す。

六ヶ所村の再処理工場が動き出せば、建設費のムダ使い批判から逃れられる。

これだけのメリットのある「原発維持路線」への転換は、できるだけ目立たない様に進めるに限るのだ。

秘密保護法の強行採決の影に隠れて、粛々と経産省官僚の仕掛けが進む。

弱小のバラバラ野党とマスメディアは、この奇策にまんまと載せられている。


歴代自民党政権は原子力発電産業で負の遺産を作りだす。

2013-12-10 | 核エネルギー・原子力問題

自民党の政治家達は、電力会社と経産省の原子力官僚にだまされたとして、責任を逃れようとしている。

目の前の大問題として、福島原発4基が大事故を起こした後の放射性物質を「これ以上の放射能拡散がない」様にして、完全に処理する方策は見えていないので、処理費用はウナギ登りに増え続ける。

また、福島県の原発周辺地域の放射能汚染地に、地元の人たちが避難先から戻って、以前の様な生活が出来る目途を立てなければならない。

その地域住民の生活をはく奪した東京電力の責任は、いまだに不明確なまま、国が当面の保障を建て替える状況で迷走している。

 

だが原発事故とは関係のない【廃炉費用の積み立て不足】、【プルトニウムの後始末】、方策が見えない【使用済み核燃料の最終処分】の責任はだれなのか。

その上に、原子力関連事業の、【再処理工場の建設投資とその後始末費用】。

今では誰も実現出来るとは考えていない【高速増殖炉・「もんじゅ」の研究・開発投資】は、一体、いくらの税金投入をして、継続する度に無駄な経費を積み上げて行くのか、不透明である。

これらの必要な費用は、膨大に膨らむ筈であるが、政府からは一切の説明はなく、ただ、今の段階では数値を秘密にしている。

 

さらに輪をかけて呆れかえるのは、これだけ【不備だらけの原子力産業】を、輸出産業として位置づけて、政府が先頭に立ってセールス活動をしている。

安倍首相は、世界一の安全性を満たせば、世界中の原子力発電要望国から、注文が捕れるので、日本の経済成長に貢献できる、とノーテンキに言い放つ。

もし、原子力産業企業が受注を採って建設で儲けたとしても、一時的に収入が増えるだけで、国内産業への見返りはわずかに留まる。

 

原発建設で10年かかった後で、30~40年の稼働中に事故が起きた場合に、建設した企業の責任として賠償請求がくる上に、本当のリスクは、トップセールスに動いた「日本政府」に賠償責任を問われることにある。

この様に今までの40年間で、原子力産業を儲けさせる一方で、膨れ上がる負の経費を積み上げて曖昧にしてきた【無責任さ】は、歴代自民党の体質である。

3・11大事故で、過去の過ちを認めた様な口ぶりは影を潜めて、甘い想定に浸って【目先の利益を原発産業界に求める】悪の体質は、全く変わっていない。

この様な無責任体質を海外諸国に広げて、大きな負の遺産を増やす始末だ。(続)


自民党政権は電力会社を悪者にして国民の批判をそらす。

2013-12-09 | 核エネルギー・原子力問題

原子力発電事業という「膨大な利権構造」を作りあげて、政権維持の資金源にしてきた自民党は、いまだに、その悪弊から抜け出せない。

「原子力発電は安価」という存続理由はすべて崩壊しているのに、化石燃料費がかさむ火力発電よりも、国益を守るためには必要だ、と主張し続ける。

今回の大事故は、「電力会社の利益優先」の体質が、安全対策の想定を甘くして、必要な事故対策を怠った【電力会社の無責任・能力不足】に原因がある、と言いたいのである。

自民党の政治家達は、経済産業省の官僚と電力会社の幹部の言うことを、信用してきたのは間違いだった、とホンの少しの非を認めるだけである。

 

だが、安全対策だけに落ち度があったわけではない。

現在の「使用済み核燃料」の行き場が、全く決まっていないことは、電力会社の責任よりも、政府と自民党政治家達に、大部分の責任があるのだ。

 小泉元首相は、この問題に確たる方針も示さずに、「原発を稼働し続けることは無責任だ!」と言い切った。

今頃になって、それを認めるのも遅すぎると言いたいが、それでも、率直に現実を直視して、責任感を取り戻したい意識は評価すべきであろう。

 

それに対して安倍首相は、代替の電源供給もあてに出来ないのに、「原発ゼロ」を言い出すのは無責任だ、とご都合主義の言い逃れに終始している。

電力会社にとっては、放射性廃棄物の最終処分方法と処分地の決定は、政府の責任でやるとの方針の下に、原発の増設を進めてきたのだ。

ところがプルトニウムを採りだす【再処理路線】は、今や完全に破綻している。

2011年11月の時点の核燃料サイクル検討会では、プルトニウム燃料を1グラム利用する度に、40ドル(現時点で4000円強)の損失が出る、と試算した。

 

日本には、英国に保管してもらっているプルトニウムが17トンある。

これを引き取って、日本の原発で【プルサーマル稼働(プルトニウム混合燃料)】で消費する方法は、原発再稼働さえ国民不安で実現が難しいのに、この処理方策は実現性がない。

つまり、製造してしまった「プルトニウム」は、核兵器に利用出来ない形にして、廃棄処分にしかできないのが現実である。

この処分法で、イギリス政府は3年後に処理設備の稼働を計画している。

イギリス政府に依頼して処分をするにも、高額の廃棄処分費用が必要だ。(続)


電力会社は先送りしてきたツケをすべて国民負担に回す。

2013-12-08 | 核エネルギー・原子力問題

電力会社は原発が動かせないという理由で、昨年から電気料金の値上げが必要だとして、経済産業省に申請して大幅な値上げを獲得した。

国民は、不安のある原発を再稼働するよりは、電気料金の値上げを飲んで、原発事故の再発を避けることを優先した。

その国民の理解のよさに乗じて、電力会社は軒並み黒字化して、経営陣の高額な収入を確保している。

その電力会社に貸し付けしている金融関係各社も、貸付金の利子で儲けを増やして、国民生活に負担を押しつけながら、高額の収入を得ている。

 

その上に稼働開始から30年以上経過している原発は、新規の安全基準を満たす為の経費負担を考慮すると、早急に廃炉をして損失処理をする必要がある。

だが、電力会社は【廃炉処理による損失額】を避けようとして、「再稼働申請に向けた対策工事」を続ける姿勢で、老朽原発も維持し続ける扱いにしている。

そのための経費は、2012年度だけで1.2兆円に達しているが、これもすべて電気料金に加算されて、国民に負担を回すだけで、電力会社の損失はない。

電力会社と貸付の金融機関を守ることが、制度上の最優先の扱いになっている。

 

安倍政権は、これらのムダな維持費や、無駄な投資になりかねない「再稼働の為の追加工事費」を、すべて電力料金に上乗せすることを承知している。

それならば、「原発の再稼働を国民が認めることで、電気料金の値上げを回避できる。」と約束しているのか、と言えばそうではない。

「稼働開始から30年以上経過している原発」は、予定の稼働率より大幅に低い実績であるから、廃炉に要する費用の積み立て金は不足しているのだ。

結局、残された原発の後始末には、再稼働の如何にかかわらず、膨大な積み立て不足金と、全く見通しのついていない、放射性廃棄物の最終処分までに要する経費が、完全に不足している。

 

安倍政権がモクロミどうりに、原子力規制委員化の安全審査をタテにして、「原発再稼働は安全」と宣言して、電力会社に稼働を認めたとしよう。

すると、電力会社は原発の稼働によって、火力発電の燃料費が削減できるから、

発電経費が下がる筈だ。

しかし、電力会社は絶対に電力料金の値下げは、計画には一切いれない。

その代わりに今度は、【廃炉費用の積み立て不足】に充てる為に電気料金の値上げを申請してくる、コトに間違いない。(続)


国民に不公平を強いることばかり実施する自民党政権。 

2013-12-08 | 核エネルギー・原子力問題

安倍自民党政権は、エネルギー政策の見直しを「自民党の政権ビジョン、公約」には掲げないで、経済産業省の官僚群に丸投げの状態である。

このほど経済産業省は、今までの失策には極力触れない様に、原子力発電維持路線を曖昧のママにして、原発の依存度を少しずつ減らしていく路線とした。

政府の正式なエネルギー政策は、菅内閣が2011年3月11日以前に策定した路線の、「原発増設。原子力発電依存度50%」の長期計画であったから、これよりもマシになる、との自己満足路線である。

 

ところが、原発大事故によって、原発台増設路線は破綻し、野田内閣においては、15%程度の原発依存度を引き下げて、運転経年の多い原発から順次廃炉にして、2030年代には減圧依存度をゼロにする、方針に転換した。

これは、原発を即時ゼロにするのは電力不足を招くから、との説明であったが、実際には各電力圏内の節電と融通電力で、電力不足は問題ではなくなった。

原発依存の「唯一の説明理由」は、火力発電の燃料費の増加によって、発電コストが上昇するので、国民負担が増えるから「原発は再稼働」するのは、国民生活の為である、としている。

 

実際の電力会社の経営状態は、2013年9月期の決算で、各電力会社は軒並みに業績を回復して黒字決算である。

特に事故を起こした東京電力は、2011年度は4000億円の赤字であったのに、2013年度9月期の中間期で1400億円の黒字になっている。

それでも、政府は東電の事故処理の為に「5兆円までの東電に貸し付ける」仕組みになっていて、この借金は、東電が電力料金を値上げした儲けをふやし、何十年もかけて返済させることになっている。

つまり、電力消費者の負担で、東電を儲けさせて事故処理をしようというのだ。

 

そして、東電の株主責任は問われずに、貸付をしている銀行や金融機関の債権を守り抜くことが最優先となっている。

銀行やその関連投資家のお金持ちに損失を出させないことが第一優先で、これの為には、国民が不安を言おうが「原発再稼働」の路線を維持する。

もし原発の再稼働が大きく遠のけば、廃炉処理に追い込まれる原発が多数にわたり、電力会社の財務状況が原発廃炉の損失で一挙に悪化する。

原発を再稼働に向けて動いている姿勢さえ示せば、廃炉になることは避けられるので、その間は「維持費を出し続けて電力料金で回収する」のである。


国民に不安を興すことばかりを優先する自民党政権。

2013-12-06 | 国創り政治問題

経済の再生を約束して政権交代した安部自民党政権は、超金融緩和以外の経済政策には、手詰まり状態である。

その代わり、国民に不安を持たせることばかりを、優先的に取組をしている。

今回の機密保護法案を「国民不在の拙速審議」との大きな批判を浴びて、7割以上が慎重審議及び廃案を望んでいるのに、数を頼みに強硬採決をしてしまった。

これで、大多数の国民が「自民党政権」に、国政を託すことに不安感をもった。

 

なぜこれほどに、国民に知られない様にしたいのか、理解に苦しむ判断だが、中国の脅威に怯えて、「アメリカの軍事力のカサ」に頼ろうとする姿勢が、国民の不安感を増長しているのである。

民主党政権が国民の要望を、時間をかけて「脱原発の路線」を選択した。

2030年代までに、『原発依存ゼロ』のエネルギー政策に転換するとして、国民に提示した。

しかし、自民党政権はこれを反故にして、白紙から見直して【原発依存社会】へ復帰しようと画策している。

 

これは、アメリカと中国の核兵器大国の間にあって、核エネルギー技術を放棄することに怯えて、とにかく「既定の原子力エネルギー利用路線」にしがみつくことが無難であろう、との「決められない政権の実態」を現わしている。

その様な優柔不断の基本姿勢であるから、国民から大きな批判をあびながらも、【原発再稼働】を、原子力規制委員会の安全審査だけに「下駄を預けた」格好で、安全優先を唱えているが、【国民の大多数は不安だらけ】におかれる。

安倍首相は、世界最高の安全基準を決めて審査しているから、世界で最も安全な原発になる、と言い張るが、福島原発に事故処理を見ると誰も信用しない。

 

安倍自民党政権の「国創りの方向性」は、全く迷走状態で、日本の将来をどの様な『安心社会と先進環境立国』にして行くのか、暗雲だらけである。

「日本の文化的な高いレベル」で存在価値を世界に認めてもらうことが、「世界中から信頼と尊敬を集める国」になる。

それには、軍事力に頼る国ではなく、世界が期待する先進技術を実現して、世界の「環境保全と経済発展に貢献できる新産業」を活発に興すことである。

核エネルギー技術に固執したり、軍事同盟に走り「国家機密を膨大に増やし続ける強権国家」の路線では、国民の期待とは大違いであろう。

【機密保護法と原発依存社会復帰路線】は、白紙撤回以外は、国民は望まない。


環境保全と安心社会を願望する国民に逆行する安倍政権。

2013-12-05 | 国創り政治問題

日本の国民が将来の国のあり方について、「地球環境を大事にする産業政策」を望んでいるのは明らかである。

これは、自分たちが築いてきた社会の発展が、一面では経済的な豊かさを実現したと感じているものの、環境破壊の弊害を引き起こした懸念が生まれている。

それゆえに、これ以上の経済発展を目指すにしても、まず優先すべきは「次世代の為に豊かな地球環境を残す」ことを、最優先するべきと感じている。

だから、万が一の大事故で「放射能汚染の負の遺産」を残す様な【原発依存社会】に拒否反応を起こすのである。

 

安倍政権は、この「次世代に負の遺産を残さない」という思想が、欠落している「ノーテンキ世襲型政治家」たちの集合であろう。

自分たちは、生まれながらにして恵まれた環境と経済的な豊かさのなかで、甘やかされて育てられた。

今の若い世代の様に、遺産もなく、停滞社会に鬱積した環境で育ってきた人たちを理解する感覚が身についていないのだ。

将来の生活環境の悪化に不安を抱えて、経済的にも格差拡大の中で、埋没する次世代が多数になるのに、円安誘導でハシャイデいる政治家の無責任さだ。

 

安倍首相は、お金の価値を下げる「円安誘導政策」に埋没している。

超金融緩和とは、日本円の金額が同じ額でも、世界の中では購買力が減って行くことと同じであるから、相対的には貧乏になっているのだ。

しかし、世界を駆け巡る「国際投機資金の目」から見れば、これは絶好の稼ぎ時であるから、円安誘導は株式市場の上昇の潮流にのって、ウの目タカの目で、「潜在成長力のありそうな株式」に、おカネを投資している。

この人気に煽られて、株式市場の平均相場は「安倍政権の発足」以来、5割の上昇を示して、投機資金のマネーゲーム家にはおおいに貢献している。

 

これを見て【目先しか見えない守旧経済界の頑老】と、政治的な人気だけを【政策判断の成果】とする政治家どもが、日本経済が復活していると吹聴して、自分の成果だと思いあがっている。

円安誘導は、輸入品の価格上昇はもとより、エネルギー源を9割以上、輸入に頼る日本経済にとっては、コスト上昇のダメージを受けるのは自明である。

大多数の国民と大部分の輸入品依存企業、国内サービス産業、国内製造業に、大きな損害を与えて、将来不安を増やしているのに、ほこらしげのアホさだ。


自動車産業は世界の先端を行く環境性能と安心装備で発展。

2013-12-04 | 交通問題・自動車

日本で売れ続ける自動車は、従来の技術の枠内で生き残っているわけではない。

省エネルギーの最先端を走る「ハイブリッド車」などの環境性能の革新を図った商品が、消費者の支持を受けて販売ランクのトップ集団を構成している。

また、軽自動車の進化も目覚ましく、省エネ性能はもとより、機動性、快適性、安全性のレベルは、20年前のレベルからは、段違いである。

これらの商品は、単なる価格競争から抜け出して、高い付加価値で商品力を強化してきた結果で、売れ続けているのである。

 

この2車種とも自社で生産していない企業は、国内の販売では後退を続けて、消費者からは見放されル状況に陥ってくる。

一時期の円高対策として、「小型の低価格帯の乗用車」は、海外生産に移転して生産し、価格競争力を維持する路線を採用した企業が有利かと思われた。

しかし、自動車の様な先進技術を競う商品で、単なる低価格の魅力だけで販売を維持しようとする経営判断では、脱落する運命にあった。

 

消費者の意識の変化を先取りして、世界に誇れる環境性能や安心装備を、次々に開発してきた成果が、今の自動車産業の地位を世界一流に維持できている。

それ故に、安易な海外生産移転で価格競争力だけに頼ると、企業は停滞し始めて遂には脱落する。

この様に、日本の消費者がこれからに時代に求める価値は、「地球環境に適合する」ライフスタイルに沿える商品であり、価格の安さより『より一層の安心感』を持てる先進技術を採りいれることである。

この様な価値観の変化を「旧産業の老朽化した経営陣」は、理解できる能力がないと思われる。

 

地球環境の対して優れていると称して「原子力発電所」の増設を「低炭素社会の実現」をスローガンと掲げて進める【大欺瞞政策】を推し進めた「腹黒い政治家ども」も、品格を疑われる。

何よりも「経済の活性化とデフレ脱却」が重要だとして登場した「安倍自民党政権」は、超金融緩和のカネ余り状態を過剰にさせて「円安誘導」には成功したが、国民全体は物価上昇の【より一層の不安な状態】に誘導した。

民主党政権が遅まきながらも「2030年代には原発ゼロ」を宣言したのに、白紙撤回して「原発依存社会への回帰」を打ち出して不安を煽る始末である。

地球環境を破壊し、原発事故の不安を抱えたままで、経済復活はあり得ない。

 


日本の軽自動車の進化を汲みとる消費者の感性を見る。

2013-12-03 | 交通問題・自動車

自動車の技術進化を捉えてみると、ハイブリッド車や電気自動車などのクリーンテクノロジーの重視路線が光っている。

その一方で、2013年の販売実績では、「軽自動車」の躍進が目を引き付ける。

消費者は今の時代に合った「ライフスタイルの合う身の長けサイズ」の、合理的な軽自動車を選択しているのだ。

日本独特の規格として発展してきた軽自動車は、全長3.4m、全幅1.48mの枠のなかで、最大限の居住性と安全性を追求している、『現代のハイレベルミニカー』としての地位を築いている。

 

日本での軽自動車の販売台数は、210万台になる勢いで、過去最高のレベルになる見込みである。

この販売台数は、日本車の販売数の半分を占めるレベルで、外国車も含めた全販売台数の4割以上となる。

今や地方都市では主流となっている軽自動車は、都会の若い世代、老年世代にも十分に受け入れられる高品質の仕様となっている。

先進技術の象徴である『自動ブレーキ装置』(全方の障害物や車に衝突する危険があると自動的にブレーキで停止する装備)を備える様に進化した。

 

 軽自動車は走る機能だけで、最小レベルの能力のガマン車、とのイメージを持たれてきたが、都会でも地方でも、合理的なサイズで受け入れられている。

その上、省エネルギー車として最適である上に、都市内でも、高速道路でも充分な性能をもっている。

安全性の向上も最新技術によって、外国企業が驚くほどのレベルで、世界で「最も緻密な構成の自動車」と称賛している。

日本の技術の得意分野である小型化が、軽自動車の枠内での居住性と安全性の実現に詰め込まれている。

 

日本の消費者は、賢い選択眼をもって、「軽自動車の高付加価値」を認めている。

維持費がリーズナブルに安くすむ上に、走行時の燃料消費も最小で済ませる合理性を備えている。

その枠内で合理的な判断の上に、さらに、万が一の過失を考慮して、「自動ブレーキ」などの安全装備にはおカネを惜しまない。

つまり、日本の消費者は合理性と同時に安心感を得る装備に価値を認め、お金を惜しまないのである。


自動車社会を支える技術進化に沿った電力技術改革を。

2013-12-02 | 交通問題・自動車

日本の産業構造において、大きな比重を占める自動車関連の「技術革新」の動きは、世界に引けを取らないレベルで、日夜、研究開発が盛んである。

基本の動力エネルギーは、「ガソリン、軽油」の化石燃料依存から離脱できる様に、「世界最高レベルの省エネルギー性能」を各社が競っている。

さらに、電力エネルギーの利用に向けて、「電気自動車」の開発競争も激しくなっている。

電力とガソリンを使い分ける「プラグイン・ハイブリッド車」も、いよいよ、本格的な市場競争の時代に突入する。

 

これらの新技術商品を支える基本の部分は、「高性能・長寿命・低コスト」であるが、中でも「二次電池(充電放電を繰り返してつかう)」の技術開発は、生命線ともいえる重要な基幹技術である。

新技術の進化には、「市場の需要に支えられた商品の販売」が進まないと、革新技術は育成出来ない宿命を持っている。

『ハイブリッド車』に始まった「二次電池の技術革新」は、今や、「電気自動車」と『プラグイン・ハイブリッド車』の普及期において、技術競争が激化する。

 

この様な最先端の分野では、一日たりとも停滞はゆるされない。

常に先を見る姿勢に徹して、過去のしがらみや成功体験に縛られていては、すぐに停滞の陥り、先頭グループから脱落して敗退する。

モーター技術や電力の制御システムは、この自動車の技術革新に必要性に迫られて、難しい課題を次々の克服して、世界の最先端を維持している。

家電製品の分野では、液晶テレビに象徴される様に、前向きの姿勢に経営判断が躊躇した途端に、海外の企業にトップを奪われて、赤字に転落した。

同様に、太陽光パネルの開発生産技術において、政府が普及にブレーキをかけた間に、中国メーカーに抜かれて、いまや経営に苦しむ状況に追い込まれた。

 

自動車産業の技術革新は、電力供給体制が硬直化していることで、自動車ユーザーの不安感から、「最新技術車への購入関心」が削がれる様になる。

その様な風潮になれば、新規需要の減少になり、企業の投資意欲が削減されることで、技術進化のスピードが遅くなってしまう。

それは、自動車産業も【家電産業の赤字】、「太陽光パネル産業の苦境」とおなじ様なトップから陥落する危険性に、常に晒されているのだ。

電力業界が後ろ向きの原発維持の姿勢では、技術革新に邪魔になるだけである。