庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本は先進国問題の原因から逃げることばかりに固執。

2018-04-30 | 経済問題

アメリカが新自由主義の行き過ぎによる金融業界の崩壊にこりて、市場経済に任せれば、最良の成果が生まれるとは言えないと実証をした。

経済効率だけを優先する資本主義社会の行き着く先は、間違いなく、資産格差の拡大を際限なくひろげ、収入格差拡大で社会不安になる。

その象徴として、自由貿易に異論を唱える「トランプ大統領の誕生」を契機として、自国優先主義、貿易協定の再構築が動き始めた。

しかし日本では、表向きは自由貿易主義を信奉しているとの安倍政権によって、現状の路線を進めることに固執している。

トランプ大統領弾は自国優先主義の公約通りに、対外貿易の不均衡に対しては、中国と日本をやり玉に揚げて、是正を強化する。

一方の日本では、自由貿易を標榜しながらも、国内の雇用流出を防ぐために、円安に誘導する超金融緩和を継続して負債を積み上げる。

また、製造業の人件費を下げるために、非正規雇用を増やし、それが、正規雇用社員の給与水準も引き下げる悪影響を生み出した。

円安と給与抑制で、実質収入が下がり続けた日本は、消費が低迷して企業の新規投資は全く増えない。

世界の問題の集積地になっているが、逃げの政策しか打ち出せない。

為替操作による輸出力依存、人件費抑制による経済停滞、消費不足経済での設備投資不足。全て、逃げ政策のツケが回っているのだ。


外交とは武力を使用しない知恵の真剣勝負の戦場だ。

2018-04-29 | 国創り政治問題

世界の安全保障は、いつの時代にも常識的な判断力では、予想外の展開に動き出す時が、大きな転換点になる。

特にアメリカのような軍事力が最高の国では、優良なエリートの判断力では、戦略的に分析の上で進めるのが従来であった。

しかしアメリカのベトナム戦争以後は、予想外で外交交渉の出番が少なく、軍事力による介入が、すぐに検討されてきた。

イラクの問題でも、外交交渉の役割が全くおろそかにされて、すぐに、イラク攻撃が決断され、外交不足の、戦争開始が度々起きている。

それは、アメリカの対外的な戦略が、自由主義体制、民主主義の育成などの、政治体制の押しつけが目的で、外交交渉の知恵を駆使しない。

対外的な目標の押しつけが、アメリカの衰退によって弱まってきたことが、外交交渉の役割の意義を、表舞台に押し出している。

対外的な利益の争奪戦は、相手国の立ち位置と利害を、知恵を総動員しての協働的な積み上げによる。

その上で、妥協点の創作が可能になるように、各方面のちからの関係を組み上げて利害を一致させる。

最終決断の土台の武力の威嚇はあっても、それは利害の一致点が見つからない時だけで、武力行使は外交の失敗と認める覚悟を伴うのだ。


トランプ大統領は歴史に転換を刻む意欲満々だ。

2018-04-28 | 核エネルギー・原子力問題

トランプ大統領の外交政策は、当初は従来のしがらみを全てご破算にして、ビジネス感覚で処理しようとして世界から蔑視されていた。

ところが、北朝鮮の核兵器を放棄させる軍事的な強行策の展開で、金正恩委員長と感覚的にウマが合いそうだとして、首脳会談を受託した。

従来のような、外交官僚の下準備をして上での外交交渉ではなく、一気に米朝首脳会談の直接交渉の要請に、即決で受託をしたのである。

アメリカの安全を第一に考えての長距離ミサイルの開発放棄を迫る腹であったが、金正恩の決断は、トランプの懐に飛び込む作戦だ。

常識破りの首脳同士の駆け引きだから、凡人や優等生の官僚には、思いもつかない展開になっている。

従来の6カ国による「核兵器開発の完全放棄」の交渉は、そもそもの目的が「北朝鮮側の優先事項」を考慮していない交渉だった。

金正恩が言明したように、「北朝鮮の安全保障と体制の維持承認」が実現するならば、核兵器と無理に開発し保有する必要がなくなる。

当たり前のことであるが、優等生の緻密な頭では、それが65年も経つ「休戦協定のママの手つかず状態」を、凍結していたのだ。

トランプ大統領の素人感覚の外交と、無着クチャぶりの軍事力の見せつけが、金正恩の決断を早めたことは間違いない。

やはり政治家は大胆で決断力が必須であり、総合判断力が問われる。


東北アジアの将来の姿を見ていない日本の安倍政権。

2018-04-27 | 国創り政治問題

今回の南北朝鮮の首脳会談をみていると、65年の負の遺産を背負った過去を、この機会に乗り越えての将来の理想の姿を見ている。

まず体制の違いを問わずに、民族の交流を盛んにして、それぞれの文化を大事にしながら、経済発展を協働的に実施する。

その入り口としての休戦協定を、平和協定と経済協力の関係を築くことを最優先事項として、障壁や恨みを乗り越えていく覚悟をした。

その大きな障害の「核武装による戦争抑止力」の考え方を大きく転換することで、軍事力を優先する勢力の増殖を止める。

この障害を取り除くのは難問だが、北朝鮮の金正恩の体制で、それが実現できるかに掛かっている。

その大きな難題を乗り越える手段として、アメリカの強大な軍事力と中国のアジア制覇の野心を、うまく利用する戦略であろう。

この戦略構想で、韓国の文大統領と金正恩委員長との間で、合意ができそうな状況になりつつある。

北朝鮮と習近平政権との同盟関係と、米朝首脳会談の成否によって、この戦略の成功の可能性が見えてくる。

その一方で、日本は対米追従一辺倒からの発展と、将来の姿を構築しようとする意欲も感じられなく、努力する姿勢すらない。

日本の政治家は、全て理想を失った3代目ばかりのようである。


米中韓北朝鮮の4カ国で合意が進んで、日本は付録か。

2018-04-26 | 核エネルギー・原子力問題

韓国大統領の太陽政策路線が具体化して、北朝鮮との緊張緩和の微笑み外交が、実を結びつつある。

朝鮮戦争の休戦協定によって、同一民族の間に、政治体制の違いによる断絶が生まれてから、65年も過ぎ去っている。

この緊張緩和を進める歴史的な会談が世界中の注目を浴びて、21世紀の世界が平和に向けて進んで欲しいとの期待が大きい表れである。

大国同士の思惑と権益争いの谷間での、悲劇的な現状を打破しようとする政治家の努力が、少しでも実を結ぶことが明るい兆しになる。

しかし東北アジアの平和と安定に大きく影響する役割に、日本はほとんど役割を見出せずに、ただ、経済制裁の強化言い続けるだけだ。

アメリカが対話重視路線に転換したのに、安倍政権の外交路線は、硬直的で将来展望への配慮が全くないことが露呈した。

中国政府が、【北朝鮮が核兵器の完全放棄路線に転換した】のを機会に、すかさず、金正恩委員長を国賓級の扱いでもてなして参入した。

これで北朝鮮の方針を擁護して、休戦協定と平和協定に格上げする路線が、大筋として構築されたことになる。

朝鮮戦争当時は、日本はアメリカの占領下にあったから、日本が口出しも役割も演じられないのは当然だが、65年後もそのままだとは・・。

いつでも日本政府は、アメリカの言いなりの付録国家であろうとする。


安倍政権の有言不実行は、今や常態化している。

2018-04-25 | 国創り政治問題

日本の長期にわたる経済停滞は、グローバル化する世界経済に対処する方策を怠って、従来の路線のままにして改革をしないのが原因だ。

安倍晋三政権は、経済の活性化こそが日本再生の道だとして、経済成長の目標を掲げて取り組んだ。

しかし実行したことは、日銀の異次限金融緩和政策だけであった。

お金を市場に潤沢に流通させれば、市場での資金需要が高まって企業の新規投資が増えるとの見込みであったが、大きな見当違いであった。

しかし3年ほどでやっと気が付いたが、政策の転換はできずに、経団連一部の経営陣に、春闘の賃上げ額を要請しただけであった。

デフレ経済の原因が、20年以上にわたる労働分配率の低下が最大原因であるとわかっても、それに対して政策面ではなにもできない。

企業はお金を借り入れないで、内部留保ばかりを増やすだけだ。

働く人は、実質賃金が上がらずに、将来に備えて蓄えをするしかなく、消費不足を加速させるので、ますます経済活動は萎縮する。

安倍政権の国会答弁では、都合のいいところだけの数値で、経済が好調であるかのように説明して、大胆な経済転換政策はゼロに等しい。

優秀だった官僚たちは、今や保身の「ヒラメ官僚ばかり繁殖」して、あちこちで情報隠しと、忖度、改竄でのごまかしが横行する。

改革を怠った政治家の怠慢が、日本政府の信用凋落を引き起こした。


圧力強化を言うだけの日本は完全に対話路線の枠外に。

2018-04-24 | 核エネルギー・原子力問題

北朝鮮がアメリカと中国の首脳の思惑を慎重に探った上で、核兵器の完全放棄を前提とした、国の存立基盤の路線構築に動き出している。

つまり、アメリカからの体制保証の獲得と同時に、核兵器の完全放棄を担保とした、中国からの安全保障を得ての衛星国の地位を得る。

国防体制の基本は維持するにしても、膨大な軍事費の圧力から経済発展に転換するには、国外から多くの資金導入が必須である。

それを、アメリカ資本に完全に依存しないで、中国からの資本導入も含めて、大国同士に競合させる状況と創り出すこと選択した。

中国政府としても、隣国の北朝鮮を共存できる衛星国として自立させて、自国の経済発展にも活用出来るモデル衛星国の育成である。

金正恩が米朝首脳会談の設定に先んじて、習近平の中国を訪問しての首脳会談で、おおよその中朝関係の将来路線に合意を得たと思われる。

日本の安倍政権は、これらの将来への路線をまったく想定もしないで、ただ【核兵器の完全放棄を迫るアメリカのトランプ政権のお先棒担ぎ】で、経済制裁の強化だけを声高に主張していた。

これでは、核兵器の完全放棄だけにしか目がいかないで、その後の北朝鮮の自立の選択や中国との関係など、視野に入れていない。

日本が米日安保体制に安住して、外交ボケ、核の傘による安全保障ボケに陥っている政治家には、対話路線の感覚はゼロに等しい。


中国と北朝鮮の同盟関係が極東の安定の基盤となる。

2018-04-23 | 核エネルギー・原子力問題

今回の北朝鮮と韓国の首脳会談の設定によって、一気にアメリカに特使を派遣しての、米朝首脳会談の設定が唐突に決断された。

この転換において、北朝鮮がアメリカに対して、「核兵器の完全放棄を前提とした直接会談」を、提案したことが転換の大元である。

なぜ昨年までの北朝鮮が、アメリカの強硬な姿勢に逆らってでも、核兵器と長距離ミサイルの開発にこだわったのか。

それは北朝鮮が直接交渉に臨んでも、核保有国としての地位をテコにして、将来の国家存立と経済発展への基盤を作ろうとしたのだった。

従来の地位のままでは、核保有大国の意向にほとんど左右される、衛星国としての下流国家になるしか道はなかった。

それは、中国に隷属した衛星国の将来への保証であった。

日本が冷戦時代を通じて、軍事的にはアメリカの衛星国の地位を甘んじて受けたが、日本はその分の軍事費負担を軽減することができた。

北朝鮮が選択する未来は、中国の衛星国となるにしても、一度は核保有国家として技術力と実行力を米中に認めさせた上で、アメリカと中国との体制保証を獲得してから、核兵器の放棄を条件に自立する。

自立のための安全保障体制と経済の発展支援体制と取り付けるのだ。

それが、中国と北朝鮮の同盟関係の構築路線につながる入り口だ。


都合の悪いことには目をそらしてきた安倍政権の窮地。

2018-04-22 | 核エネルギー・原子力問題

日本の将来のあり方を、安易にアメリカ追従する安保体制を延長するだけの踏襲に終始してき他安倍政権が、行きつまりを露呈した。

北朝鮮のアメリカに対する挑発路線では、経済制裁の強化を言うだけで、その後の方向はアメリカに依存するだけであった。

従来のアメリカの政権とは一線を画したトランプ大統領のやり方は、アメリカの国益第一優先主義によって、軍事力による威嚇も、交渉により駆け引きも、従来のやり方にはこだわらない。

韓国と北朝鮮の首脳会談が突破口になると見て、すぐに決断をしてすかさず、金正恩との首脳会談を承諾した柔軟性には、意表を突かれた。

北朝鮮の核放棄には、アメリカの軍事力の威嚇と米韓日の経済制裁で選択した路線を続けることしかない、と言い張ってきた。

しかしトランプ大統領は、その先のトップ同士の直接交渉に活路を大きく転換したので、完全に日本は路線の外に放り出された格好だ。

経済政策では空振りばかりで、肝心の目標をおざなりにして5年を空費したしまった頭の硬さが災いしている。

近隣外交では、北朝鮮との外交路線は、なすすべなく先送りをしてきたために、情報ルートさえ皆無に近い。

韓国政府との意思疎通もなく、ただ従来の対米追従路線に固執して、的外れであったツケが、日本がはみ出してしまう原因である。

 


北朝鮮は核放棄の道を進み始めたから転換が始まる。

2018-04-21 | 核エネルギー・原子力問題

北朝鮮の金正恩は、従来のアメリカの路線では、核兵器の保有国になるくらいの脅威を与えないと、アメリカは相手にしてくれない。

だから、アメリカ本土に到達できるミサイルの開発が必須で、それの技術開発に莫大な費用と人材を投入して実行してきた。

到達距離だけは可能な性能になったが、大気圏再突入による弾頭の耐久性には、まだ未完の段階になっている。

それでもトランプ大統領は、北朝鮮の核兵器の威力を認めて、本気の軍事力行使の威嚇行動を展開した。

つまり、核兵器としては未完成だが、本気で対峙してくるアメリカの体制に転換させることに成功したのである。

ここで、一気に核放棄を条件にとした本格的な首脳交渉を展開しようとして、特使の派遣を決断して、これが、トランプ流の外交交渉の感覚にうまく合致したのであろう。

従来のアメリカの歴代政権のやり方では、金正恩の戦術は成功するとは考えられない。

しかし、政治の経験がなく、ビジネス感覚の交渉に長けたトランプ大統領との駆け引きには、どうやら共通点が見つかったようだ。

その点では、安倍晋三のような、口先だけで決断しない政治家では、トランプ大統領とはウマが合うとは思えない。

もちろん、金正恩とも・・・・。


東アジア地域の協調体制が大きく転換して動き出した。

2018-04-20 | 核エネルギー・原子力問題

今回の北朝鮮の申し入れが、核兵器の放棄を前提条件としての、アメリカ大統領との直接会談の提案に始まった。

トランプ大統領はこの提案を伝えに訪米した特使の言い分を聞いて、すぐに会談を受託して、直接対話に方針を転換した。

従来のやり方は下級レベルの往復による、はらつもりの打診を繰り返した上で、最後の詰めの決断をするために、トップ会談を持っていた。

金正恩の提案をすぐに取り込んで、複雑な前段階の交渉は、官僚的な手続きに時間がかかり、北朝鮮の状況がどう変わるか不透明だ。

この時期に、すぐに前に進めることで、非核化の条件を既成事実にしてしまうのは、トランプ大統領の政治感覚の鋭さだろう。

金正恩の思惑は、【一番過激な行動によって相手に自分の存在感を見せつけた上で】、一気に妥協の流れを作り出すことだ。

韓国の対話路線をうまく活用して、休戦協定を平和協定にレベルアップする路線を、北朝鮮の体制保証を図る、最適な選択としたのだ。

体制保証の確率を高めるための前段階を通過したと判断したので、一気に平和協定締結に向けての路線に転換作戦に切り替えたのである。

この平和協定と非核化は既に当然の流れとなって、あとは可能な限り、アメリカ側の協調体制をうまく引き出す戦略であろう。

アメリカ側は、したたかに、この機会をビジネス展開に利用する。


自由貿易主義では黒字の解消は難しいと今知ったのか。

2018-04-19 | 経済問題

トランプ大統領が、中国と日本に対する貿易赤字を、長い間に渡って、放置してきたアメリカの歴代政権を批判している。

批判するからには、現職大統領として、貿易赤字削減に成果が見えるようにしていくことが、中間選挙での必須の課題である。

日本に対する貿易赤字の削減には、鉄鋼やアルミの関税をかける程度では、全く追いつかない。

年間で7兆円に達する対米黒字を、日本政府が具体策で示さない限り、トランプ政権は二国間貿易交渉と求めて、韓国の場合にならうだろう。

つまり、輸出数量の自主規制を約束する、二国間FTAの締結である。

ところが、安倍首相もアメリカの要求に対して、説得できる具体策の準備は、全くできていない。

トランプ氏が、昨年の大統領就任早々に、TPP交渉から離脱して、アメリカ第一主義を掲げて、アメリカ産業の再生を第一優先政策にしたことは、誰にでもわかる筈だ。

それにしても、1年以上も経過しているのに、対米黒字の解消には、努力した後は全く見えない。

北朝鮮問題に隠れて、通商政策の最大課題である、【自由貿易主義により貿易不均衡】の問題から、逃げていたとしか言えない。

怠慢であったと、まずお詫びをしてから、真剣に取り組むべきだ。


直接対話の議題に拉致問題を加えるのはリップサービス。

2018-04-18 | 経済問題

安倍首相は、はしごを外された米朝首脳会談の路線には、仲間に入れてもらえる役回りは、完全になくなっている。

それでは日本国内の支持率低下に拍車がかかるので、付け焼き刃で、日本人拉致問題の進展に向けての言及をトランプ大統領に懇願した。

交渉上手のトランプ氏は、安倍晋三と日本に恩を売る意味で、米朝首脳会談の議題に加えると了承し、安倍首相のメンツを建ててくれた。

急遽訪米した意義をかろうじてたもったが、その見返りに、日本の対米輸出の大幅な黒字の改善を約束させられた。

拉致問題の進展は、【北朝鮮の従来の路線では解決済み】としてきたので、トランプ大統領が言及しても、適当にはぐらかされる。

その代わりに、日本はアメリカへの輸出炉抑える措置を打ち出さなければならない。

いや、アメリカの大きな要求は、農業輸出の大幅な拡充である。

二国間交渉に持ち込まれれば、日本に不利は輸入でも受け入れを飲まされるのは目に見えている。

北朝鮮問題で、悲哀を受けさせられるのは、日本の農業産業界の次世代経営者たちであろう。

安倍政権はその悲哀を真っ先に対策しなければならない。


トランプ氏の視野には核兵器とミサイルの完全廃棄だ。

2018-04-17 | 核エネルギー・原子力問題

安倍首相がトランプ氏の変節に慌てて駆けつけるアメリカでは、日本は仲間はずれの扱いだ。

日本がアメリカの核の傘の下で、軍事力行使の決意を言明していたトランプ大統領は、北朝鮮の非核化を前提とした交渉に転換した。

北朝鮮に特使を送って、トップ級の方針調整をおこなって、6月初めの首脳会談を開く計画が着々と調整されている。

トランプ大統領は、今までの政権が実現できなかった「米朝首脳会談」を、是が非でも成功する段取りをつけたいところである。

安倍晋三首相が急遽訪米をして、今までの経済制裁強化の路線を強める方針だけを、表明していたはしごを外された修正を試みる始末だ。

しかし、この段階でトランプ大統領との親密な関係をテコにして、路線の修正を要請しても、何の役にも立たないだろう。

すでに、トランプ大統領の心つもりは、北朝鮮の完全な核放棄を約束させて、ミサイルの放棄を段階的に実行させる方針だ。

そこに日本が何を言っても、役立つことはない上に、トランプ氏は、日本が軍事力の行使の駆け引きには、全く役立たずの認識だ。

休戦協定を国交樹立の平和協定に高めることで、朝鮮半島の安定化と、中国に対するプレゼンスを確立することが最優先事項であろう。


シリア攻撃はロシアの立場を迷走させる事態に。

2018-04-16 | 核エネルギー・原子力問題

シリアがアメリカの警告を無視して、反政府組織への攻撃で「化学兵器使用を強行」して、実行してしまった。

この暴挙に対して、シリアから軍事力介入を引き上げようとしていた「トランプ政権」を、中東への介入に戻る原因を作ってしまった。

アメリカが、IS(イスラム国テロ集団)の撲滅に手を焼いて、イラク、シリアの内紛を迷走させてしまった事態から、逃げ腰になった。

シリア内戦がロシアの介入によって、反アメリカのアサド政権になるデメリットと、厄介払いとするメリットを、測っていた最中である。

ロシアにとっては、シリアの安定化は、中東の地勢的有利さを利用できる数少ない機会でもあった。

しかし、アサド政権はロシアの介入を頼みにしながらも、「化学兵器使用」をロシアの反対も無視して、強行してしまった。

これでロシアの立場を一気に弱体化させて、不安定化する要因ができて、中東問題の迷走の原因を作ってしまった。

しかし「化学兵器の放棄」をシリアに強制できれば、トランプ政権は、中東の内紛からは手を引いていく戦略にしたいのである。

17兆ドルもつぎ込んで何も成果がでない上に、外交上のメリットが期待できない中東問題は、ロシアに移譲したいのである。

プーチンは、あくまでも化学兵器使用の責任は負わないだろう。