
総選挙の結果は、比例区の投票支持率は20%台であったにも拘わらず、野党勢力の選挙協力の失敗もあって、小選挙区では過半数以上の大勢力を占めた。
公明党との連立で、衆議院で2/3以上を獲得した勢いで、次の参議院選での過半数を占めることが、現在の自民党政権の最優先課題となっている。
そのためには、2012年11月の国民に約束した公約は棚上げして、とにかく選挙に有利な政策だけをアピールする作戦となった。

選挙公約では、『新しい競争力は、人と地域』だとして、「グリーンエネルギー革命で新産業と雇用を生み出す」としていた。
しかし、所信表明では「エネルギー政策」に重点を置くどころか、一言も触れていないに等しい、逃げ姿勢ばかりである。
また、「農林漁業を6次産業へ転換、15年度までに3兆円産業に育成」と掲げていたが、予算のバラマキだけになる「戦略なき農林水産業」への、選挙対策に留まっている。

また、食料自給率50%を目指すと公約では言いながら、農水大臣を党内事情を優先させた素人政治家を任命した。
専門外の役割を振られた農水大臣の政策への無定見ぶりは、頼りないに尽きる。
仕方がなく、農林漁業への当面の政策は、ほとんど民主党時代のままで、これでは6次産業化も食料自給率50%目標にも、公約実現には程遠い低レベルだ。

それでも、初めの1年~2年間は、未熟ながらも民主党政権は、マニフェストに掲げた公約の実現に、取り組んでいた姿勢は認められる。
しかし、自民党は総選挙公約を、わずか2か月しか経っていない段階で、すでに公約違反を公然と実行し始めている。
選挙民を裏切る傲慢さが問題だ。
