庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

経済の好転を図る政策立案には、硬直化した頭では無理。

2011-11-30 | 経済問題
野田政権と民主党は、「増税、ゾーゼイ」やかましい議論を展開しているが、公約においては、「4年間はゾ―ゼイしない」と明確にうたっていた。
先の大震災復興においては、この事態ばかりは想定外であったので、25年間に渡る「復興税」を新設して、国民の負担を求めた。
さすがに、日本国民は理解力があり、同胞の不幸を一刻も早く支援するためには、広く負担をもとめた新税には寛容である。

その余勢を利用して「公約にはなかった消費税アップ」を、選挙の洗礼も受けずに自民党と手を結ぼうとしているのは、国民生活を蔑ろにする暴政であろう。
タダひとつ、選挙で『公約して新税を設ける』提示をしていたのは、『温暖化対策税(環境税)の創設』である。
鳩山内閣では目玉政策として打ち出したが、他の政策の未熟さと不手際で、タナザラシになって、この「環境税」の議論が宙にういてしまっている。

民主党と政府の税制調査会において、景気浮揚と産業の空洞化抑止の狙いで、「自動車取得税」と「自動車重量税」の廃止が議論されている。
この減税は確実に自動車の販売と生産に好影響を与えるが、財務省は減税には消極的で、代替の財源が得られない限り減税はできない、との一点張りである。
財務大臣は、民主党議員でありながら財務省のアナウンサーとなって、減税はできないから、何も変えられないとグズグズ言うばかりである。
「温暖化対策税(環境税)」のことなど、どこかに完全に忘れ去っている様だ。

この状況では、自動車2税の廃止による減税策を実施して、自動車生産と販売増加による経済好転を狙うべきである。
その代わりに「温暖化対策税」として、原油にかかる税金を増税(石炭も同様に)することで、財源の確保は充分に可能である。
自動車を買って保有するコト自体は、経済効果がある上に、雇用の確保にも通じる貢献ができる。
そして原油にかかる増税分は、燃料価格の上昇によって、燃費の良い自動車に買い替えるインセンティブを増加させ、その分の経済効果も上乗せされる。

この様な「判り易い増減税効果」も議論出来ない様な「税制調査会」とは、どんなメンバーなのだろうか。
経済に悪影響を与える消費税アップにこだわり、頭が硬直化したのだろうか。
財務省と経産省の官僚に政策立案を頼るから、こんな事態に対応できないのだ。

大阪からの刺激で国政の怠惰が見える。罰を与えよ!

2011-11-29 | 国創り政治問題
人間は外からの刺激を受けなければ、緊張感もなくなり惰性に陥る習性がある。
3・11以降は、100年に一度の国難と受け止めて、政治の世界も少しは目が覚めたと思いきや、すでに、各党の言動は次の選挙のことばかりが先に立っている。
大阪市長選において、波風を立てたくないという理由だけで何もしてこなかった現職の市長を支援し、政策の中身も提示しない既成政党には、大阪府民は落第点を与えた。

2年4カ月前の総選挙では、民主党は『地域主権』を骨太の方針に掲げて、「中央政府の役割は外交・安全保障などに特化し、地方で出来ることは地方に移譲します」と公約している。
しかし、今回の大阪市長選の争点となった、大阪都構想については、何も検討しないで、反対する現職市長を応援した。
骨太公約に掲げながら、「地域の活性化や行政の効率化などの政策研究」は、一切してこなかったとしか言いようがない。

橋本徹氏が選挙で訴えた、「2重行政による非効率と税金の無駄を削減する」事は、民主党が掲げた、国と地域自治体の2重行政のムダを廃止して行く方向とおなじ発想である。
だが、選挙によって大阪府民が、民主党の政策検討の実績は、ほぼゼロと評価したのである。
また、自民党も政権時代から、『地方分権』を掲げて、国の出先機関の廃止・縮小など打ち出し、道州制に向けての法整備などを実行すると公約していた。
しかし今回の大阪都構想は、今頃になって「どの様な内要かを聞かせてもらってから検討したい」と、まったくシロウト並みの発言を自民党総裁がしている、テイタラクである。

自分のプロフェッショナルな仕事をしていないモノには、相当する罰を与えることで、目標の達成に向けて脳を刺激し、言動にエネルギーを与える。
これが、人類の進歩の仕組みであったのだから、中央の政治家たちの不勉強、惰性によるサボリには、相応の罰を課すべきである。

まずは、公約の履行度や取組姿勢を評価すれば、既成政党の議員たちの歳費を半減する事から実行するべきだろう。
そうして、初めて国民に負担を求める土台ができる。
増税はその後の話なのだ。

空気に身を任せる人と、改革の空気を創りだすひと。

2011-11-28 | 国創り政治問題
国民の責務は、やはり選挙において、自分の思いを実行してくれる候補者に投票する事が原点である。
大阪市長選、大阪府知事選において、「二重行政の無駄を徹底的に洗い直し、市役所の既得権構造を破壊する」と宣言した、橋本徹氏の主張を選挙民が受け入れた結果がでた。
この選挙結果は、国政のだらしなさを批判し、大きな影響を与えるであろう。

大阪市は、財政赤字のままで行政の硬直化を招いて、行政の役割が効果的に果たされていない。
住民の幸福度を図る指標では、日本で最下位であるとの評価もあり、治安や福祉の面でも大きな課題を抱えたままである。
今までのしがらみや、特別な関係のある団体にばかり優遇する行政が行われ続けて来た為に、全体の活力が損なわれているのは明らかである。
しかし、それを続けて来た現職の市長を候補者として支援した政党は、問題意識もなく、改革する発想もないままに、とにかく馴れ合い的な政治と行政を続けるつもりであった様だ。

この結果は、既成政党に対する批判、民主党政治と自民党の万年野党的な言動を、大阪府民は拒否したことを意味する。
同じ様な国政選挙をしたら、何も意思がまとめられない民主党にアイソつかし、反対ばかりの党略だけに専念する自民党を捨て去る結果が出るだろう。
民主党は衆議院で多数を占めながら、実はひとつの政党としての政策の一致はまったくない、と言ってよい2つ以上の政党となっている。
選挙民は2年4カ月前に、民主党のマニフェスト(公約)を見て投票しているのだから、次の選挙までは公約を死守すべきである。
だが重要な公約はすべて先送りか曖昧にして、責任をもつ姿勢は皆無である。

野田内閣は、公約の不実行ばかりか、公約にはしていなかった増税やら、官僚依存の政治姿勢を強めている。
「国民生活が第一」と謳っておきながら、「民主党の政治家の身分が第一」であり、仕事をする上で頼らざるを得ない「中央官庁の官僚様たちが第二」である。
そして、『国創りのビジョン』はどこかに棚上げして、次の選挙対策のことばかりが言動を支配している。

野田首相は、【中央官僚と組織を守ることが第一】です、と言いたいのだろう。

自分で方向性を示さず空気を見て動く風見ドジョウ。

2011-11-27 | 核エネルギー・原子力問題
野田内閣の閣僚である細野環境大臣(原発担当)は、福井県の高速増殖炉(もんじゅ)視察後に、廃炉も含めて来年に判断をしなければならないと語った。
野田首相、枝野経産相、文部科学相は、核燃料サイクルの見直しを、いまだに表明していない。
その中で、次世代の代表である細野氏が、踏み込んだ発言をしたことは、評価出来る。
「もんじゅ」は既に1兆円モノ税金を浪費しながら、まったく目途が立たない状況であり、超楽観的な目標でも、実用化は2050年とされている。

この様な非現実的で無駄の象徴である事業に、惰性としか思えない継続をしている責任者は、国民に顔を向けることができない筈である。
11月20日に行われた行政刷新会議では、「抜本的な見直しが必要」と提言した。
衆議院の決算行政監視委員会も、「中止を視野に入れた徹底した見直し」の勧告を出す方向だ。
この様に、周りの空気が廃止の方向になってから、やっと「高速増殖炉の廃炉」を決定するのが、野田流なのか。
こんな有様では、日本の重要な国創りの方向を打ち出す様な「リーダーシップ」の発揮などは、まったく期待できない。

高速増殖炉(もんじゅ)の見込みが立たない場合は、当然の様に、青森県六ケ所村の「使用済み核燃料の再処理工場」の稼働を停止する必要がある。
こちらの無駄使いは、「もんじゅ」の比ではなく、さらに、放射性廃棄物の直接処分の具体策は、まったく目途が立っていないことは周知の事実である。

野田首相は、問題に取り掛かるのを常に先送りしている。
周りの空気からやらなければならない段階になっても、どの様な方針にするかを曖昧に表現して、周りから責められない様に、泥の中に潜むことにしている。

国のエネルギー政策の根幹を見直す作業が「エネルギー環境会議」で、来年の夏までに行われる。
同時に内閣府の原子力委員会では「原子力政策大綱の改訂作業」を進めている。
また、民主党内では、「原発事故収束対策PT」が出来て、原発の再稼働に厳しい枠をはめる議論を進めている。
そして、同じ民主党内の「エネルギーPT」は、原発の再稼働をしないと電力不足に落ち入るとの立場で、安全性は割り切る。

この議論を泥の中にいて、空気を読めるとは思えないが、そこが野田流なのだ。

東京電力という企業は国民のことなど考えていない。

2011-11-26 | 核エネルギー・原子力問題
原子力発電を国策と称して自社の利益追求を最優先してきた企業の代表として、東京電力の体質は、徹底的に洗い直される必要がある。
地域への電力供給を独占的に支配できる体制が、戦後の65年間に渡って継続してきたので、いたるところで殿さま商売の態度が、染み込んでしまった。
電力消費者はお客様ではなく、自分の支配下にある使用人扱いである。

独占的に電力を販売出来る権限が、電力事業の近代化や合理化をする努力を怠る様に堕落してしまう。
競争相手となる電力会社はいないので、自社の都合で決めることができる。
顧客の要望や苦情などは、一切、聞く必要もないので、いつも「地域独占の権益」を守るために、役所の方ばかりを向いている。
電力料金の承認を得るために、経済産業省の官僚と、電力産業に顔のきく政治家との付き合いばかりが、重要な仕事となっている。

これが40年以上も続けば、完全に「政・官・民」の癒着が強力な構造となって、どこからも改革の圧力をかけてもビクともしない。
しかし、この癒着体質の欠陥によって、原発の安全性については、致命的な事故を起こして破綻してしまった。
その後始末は、いまだに目途は立たず、事故後の補償費用が、放射能の汚染地の除染作業の困難さによって、膨大に膨れ上がる見込みとなっている。
この様な事態に陥っても、経産省と電力会社は、地域独占の弊害が根本的な原因であるとは、思っていない。

航空会社の日本航空JALは、民営化された後に、殿様商売の体質を改革する事に失敗して、企業間の競争に敗れて倒産した。
一時的に国が国有化による再建に入り、支援をすることで。経営合理化を図っているが、その中身は読者もごぞんじであろう。
東京電力には、JAL以上の損失と事故賠償や後始末費用が確実に発生する。
通常ならば、間違いなく倒産すべき企業だが、いかんせん、地域独占の電力供給体制の為に、倒産させるわけにはいかない。
だからと言って、国民の税金である国のおカネを、電力族の言うとうりに投入したら、親方日の丸体質は、そのまま残って再建は不可能になるだろう。

まずは、東京電力が保有している資産、送電線網を切り離すことである。
送電線網の経営を、東京電力管内の自治体に移管する事から電力再建は始まる。


経産省の官僚が操る電力政策に国会議員は意のままか。

2011-11-25 | 快適エネルギー社会問題
国民の願いは、安全で安心して暮らせる生活環境を整える国に住みたい。
その基本となる、エネルギー・電力の「安全・安心・安定供給」は、国や自治体の根底となる責務である。
原発の様な不安全で、不安だらけで、安定供給も疑問があり、経済的に高価な電力をに依存する事を、一日も早くなくして行きたい。
それには、当面は天然ガスなどにたよるとしても、将来は再生可能エネルギーに依存する社会を一日も早く実現してもらいたい、と国民は願望している。

その「再生可能エネルギー」を促進するための法律が、先の国会で8月末に成立して、実際の施行は2012年4月からと決められた。
この法律が実際に効果を発揮するかは、電力の買取り価格や具体的な条件を定めて、新規の参入事業者を活発にして行けるかにかかっている。
『仏を創っても魂を入れる』コトが必須であり、それを検討するメンバーの人選は、重要な課題である。
しかし、原発の維持にしがみつこうとしている経済産業省は、またまた、再生可能エネルギーの進展を妨害しようと企んでいる。

京都議定書が締結されて(1998年)、温室効果ガスの削減を図るには、再生可能エネルギーの促進を図る必要が生じた。
その時にも、促進するための法律「新エネルギー促進特別措置法」が制定されたが、この時には、旧産業グループの経団連や守旧派の学者たちが、骨抜きの優遇策をうまく潜り込ませたために【新エネトクソ法】は、再生可能エネルギーの普及促進には、まったく役立たずであった。
この結果によって、原発依存にせざるを得ない状況におかれて、民主党の仮免許政治家たちは、泥沼のエネルギー体制に追い込まれたのである。

この様な骨抜きにおおいに貢献した人物たちは、・山内弘隆(一橋大学大学院商学研究科教授)氏、・山地憲治(地球環境産業技術研究機構(RITE)理事・研究所長、元電力中央研究所 研究員)氏、である。
そして、今度の「調達価格等調整委員会」には、この様な妨害貢献人が、委員として経産省から出されている。
極め付きは、電力の多消費産業の代表として・進藤孝生(日本経団連地球環境部会長、新日鐵代表取締役副社長)氏が、妨害作戦の先頭に立つことになった。

国会の同意が必要だが、国会議員は経産省に操り人形扱いされている。

原発ゼロへの国民の要求を泥沼の中で見ぬドジョウ。

2011-11-24 | 核エネルギー・原子力問題
原発事故の終息も中途半端な状態であり、電力供給の不足の懸念もないことが判れば、この冬場は原発の再稼働は、まったく必要がない。
それでも、今現在の時点で稼働している原発は11基になるが、これも順次、定期点検の時期になり停止していく。
そして、来年の夏場の前には、すべての原発は停止して、日本はいち早く、『原発依存がゼロ』の国となって、国民は原発事故の不安状態からは、解放される。

しかし、この事態に対してとにかく原発を再度、稼働に持ち込んで、復活させようと目論む勢力は、依然として暗躍している。
まず第一に、原発の炉心溶融事故の原因と破損状況は、いまだに誰にも判らない状態で、とにかく電源がすべて失われたことに起因するとしている。
その対策は、津波に対する堤防を補強し、非常用の予備電源を増強する事に限定し、これさえ対策すれば、もう安全であると言い張る連中である。
国民は、こんなゴマカシの説明には、もう騙されない。

次の論法は、万が一の不安全の懸念は残るが、原発の稼働をしないと、火力発電の燃料代による負担が増えて、電力料金を値上げする必要がある。
だから、定期点検を終えた原発は、安全宣言を出して地元に説明して再稼働を一日も早く実施するべきだ、と言い出す。
原発の発電コストは、「5.3円/kWh.」で、火力発電より安い。と言い張っていたが、これが甘い計算であったことは周知の事実となった。
経済産業省の管轄下の専門家会議では、コスト計算の見直しをしたが、それも原発に有利な非現実的な根拠により、「7.7円/kWh」であると言い出したが、これも信用できる数値ではなく、賠償費用を含めれば大幅に高騰する。

そして、発電所の運転に対して保険をかけるのは常識であるが、今回の大事故によって、原発の運転に対する保険はリスクが高すぎるとして、保険会社の全体での組織が、保険の引き受けを拒否する事になった。
自動車にたとえれば、自動車保険を引きうける会社がゼロの状態である。
電力会社は、無保険の発電所を運転する無謀運転手であり、それを要求する政府の責任者(首相と経産相)は、無法経営者ということなのだ。

安全性が確認されず、経済的には疑問だらけ、そして無法状態の運転を、無理にでも強行する必要性はどこにあるのか。
来年の夏場の前には、ドロドロ状態の中から引っ張り出されるドジョウ内閣では、国民は不安だらけである。

来年の電力供給の判断は地域主権の先例とする脱原発へ。

2011-11-23 | 核エネルギー・原子力問題
今年の夏場は、大震災の影響で東北電力と東京電力管内は、計画停電や強制力のある電力使用制限で、大きな国民生活と企業活動に大きな影響を受けた。
【原子力発電に多大に依存する国創り】の危険性を実感して、国民はエネルギー政策の転換が必要であると、否が応でも気がついた。
しかし、エネルギー政策転換の議論は、政府の側での「エネルギー・環境会議」に任せてしまい、重要な政策決定の判断を先送りばかりしている。

それで、来年の夏場はどうするのか、一向に野田内閣からの説明は出てこない。
動きのまったく遅い政府はあてにならないとして、電力会社は社内で供給力の精査をしてきたが、結論が出た様である。

11月22日の報道によれば、電力の供給力は、問題ないとの見通しである。
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2011112201002279/1.htm

「東京電力が来年の夏に向け、保有する全ての原発が東日本大震災の影響や定期検査で停止しても、火力発電や揚水式発電の増強により今夏の最大供給力を上回る約5700万キロワットを確保できるとの試算をまとめたことが22日、東電関係者への取材で分かった。
東電は福島第1原発事故後も「原子力は重要な基幹電源」との立場を変えていないが、実際には原発がなくても計画停電などの影響が出ない可能性が高い。」                   
これで、「原発の再稼働がなければ、生産活動や経済への悪影響が出る」と、国民を脅して【原発の利権を維持】しようとして来た、原子力族と村人たちのタクラミが嘘であることがハッキリした。
関西電力管内では、東京電力管内と同程度の自主的な節電、省電力化設備により、供給力は不足しないことも、判明するであろう。
関西電力は、管内の自治体や住民に十分な説明をする責任がある。

またヤラセ問題の不明瞭な原発誘導をたくらんで来た九州電力と北海道電力は、率直に反省して、電力の供給量の適切な情報を出して、説明するべきである。
供給力に本当に懸念があるならば、電力管内の自治体の知事、市長、住民たちに説明して、「自主的節電を要請するか、それとも、危険性のあるままに原子力発電の一時的な運転を容認するか」を決済していく。

これこそ地域主権の実践であり、中央官僚や政治家が指図をする必要などは全くない。

国民が将来の不安を抱えたままでは増税は委縮経済に。

2011-11-22 | 国創り政治問題
日本の経済の活性化の為には、「生産力の増強」でもなく、「生産性向上による経費削減」ではない。
この20年間に行われてきた経済政策は、この基本的なところで間違っていた。
特に、輸出企業の競争力を維持するためと称して、働く人の給料を減らし、人員削減に努めて人件費を下げることが、企業にとっての業績向上の目標になってしまったことが、最大の誤りである。

何度も書いたが、日本経済の最重要課題は、「総需要の拡大」を図ることである。
だが、この重要な視点がいつもボケてしまい、見当違いの論議ばかりが横行してしまう。
経済活動に刺激を与えるとして、20年間に渡って多額の借金による【公共投資】を実施してきたが、土建業界や一部の旧時代産業へのバラマキに終わり、国民の消費指向は縮小の一途であった。
自民党政権は、借金を増やして「将来性のない産業につぎ込んだ」だけに終わり、国民生活の将来の展望を開くコトに失敗したのである。

民主党の政治家たちは、日本の将来像を描くコトをしてこなかったために、政権をとっても、自民党政治の後始末ばかりに追い回されている。
その不手際を国民は見せつけられて、さらに将来への不安を煽られるので、消費意欲は萎むばかりである。
野田政権は消費税の増税ばかりに力を入れているが、これが「総需要を抑制する」効果のある政策だと判っているのか。
今やるべきは、自民党政権では出来なかった、官僚の無駄使いの徹底削減と、地域社会への権限を委譲して、中央集権の非効率を改革することである。

まず公約どうりに、「公務員給与を引下げ」、ぬるま湯的な「宿舎の大半を廃止する」などの、姿勢を正す政策を実行に移し、政府が本気で改革を進め出したと、国民に理解してもらうことである。
消費税のアップの期限を2013年とか、2015年と言い出すのなら、その前に公約した政府のムダの洗い出しを、期限を明確に約束する事が先決である。
その時には国会議員の定数の削減は当然で、歳費の2割以上~5割程度の縮減は必須課題である。

企業の役員や幹部が元の高い給料を獲り、甘い優遇環境のままにいて、倒産しそうだからと言って、従業員の負担を先に求めるなどは、責任者としてノ―だ。

明確な誤り政策の転換すらできない臆病な政治家ばかり。

2011-11-21 | 核エネルギー・原子力問題
民主党の「提言型政策仕分け」が、昨日(11月20日)から始まった。
最初に採りあげたテーマが「原子力政策関連」を対象にした「高速増殖炉(もんじゅ)」の税金の使い方の適否であったことは、評価できる。
がしかし、なぜ「原発の大事故の後」でなければ、この様な税金の無駄使いにメスを入れられなかったのか、この方が問題はおおきい。
約1兆円モノ税金を、20年近くに渡ってつぎ込みながら、まったく成算の見込みが立たない研究開発に、国民、電力消費者の貴重なおカネを消費した事実を、政権交代後の見直し課題としなかった「失策」が、責任を問われる。

自民党の電力族、原子力族との癒着体質は公然の事実で論外であるが、民主党の幹部や議員たちに、「もめる課題は避けてとうり、目立つことでパーフォーマンス効果」のあるテーマを追いかける【民主党の目立ち屋体質】が、この重要な問題の原因をはらんでいる。
「提言型政策仕分け」は不明確だが、「しわけショ―」に終わる可能性が高い。
直接の責任官庁の文部科学省では、「原子力政策の見直しは【エネルギー・環境会議】で議論しているので、それに沿って対応したい。」との逃げに終わる。

自分たちの権限のもとで使う予算であるのに、「その責任の大元は他所にあるので、廃止の権限はない」、とでも言いたい無責任ぶりである。
民主党の公約には、原子力政策の拡充は一切ふれていないし、「ムダと思われる予算は徹底的に洗い直して12兆円を浮かせる」として政権交代した。
しかし、すでに3回の予算編成をしているのに、この課題がマスメディアに大きく採りあげられる様になってから、やっと廃止の合唱となった。
政権の責任者の野田首相と枝野経産相は、まだ明確な判断の発言もない。
いったい、この国の政策の責任はどこが負っているのか。

前政権の菅内閣の時に、「高速増殖炉(もんじゅ)」の再開決定をした時点で、財務相は野田氏、官房長官は枝野氏であった。
なぜ1兆円もつぎ込みながら、まったく成果の出ていないテーマに、再開の指示を出したのか?
ムダの削減を徹底すべき時期に、(ムダと判る研究の)再開を認めたのか?

自民党の政治家と同じ様に、「止めたら1兆円の投資が無駄になる」とせめられる事を恐れただけの、臆病な政治家であったとしか思えない。
来年の夏まで先送りするなら、両氏の説明を是非、聞かせてもらいたいのだ。

電力族に操られたままのエネルギー政策の無駄使い。

2011-11-20 | 核エネルギー・原子力問題
民主党政権に交代してから、エネルギー政策を転換出来たかと言えば、2011年の3月11日の原発大事故が起きるまでは、自民党政権時代と大差がなかった。
原子力族と電力産業の利害に操られて、ウソのデータで塗り固められた「安全神話」と、「原発は安価」という表向きのPR作戦に乗せられたままであった。
「電力の安定供給」という、重要な責務を果たす上で、急激な転換政策はとれないが、それでも、実行可能な転換手段は、いくらでもあった。

このブログで2010-5-6に書いた「エネルギー政策の長期目標に原子力発電は疑問だらけ。」として、その問題点を指摘した。
中でも、15年以上も事故で停止していた「高速増殖炉」(もんじゅ)の実験運転再開については、民主党政権の時代に実施した、最低の政策判断であった。
2009年までに投じた建設費は6000億円、運転経費に3000億円を使い果たし、まだ、実験の初歩段階に留まっていた、(お粗末な)未熟技術であった。
自民党政権時代ならば、その責任を問われる恐れもあって、停止したままでごまかしてきたが、それでも1日4000万円の維持費用は無駄に消費する。

民主党は、その「無駄使いに区切りをつけることが可能」であったのに、原子力族、電力産業の裏工作に乗せられて、実験再開を決定してしまった。
案の定、1カ月程度で「お粗末な落下事故」を起こして、すぐに停止してしまい、今になっても対策が出来ていない。
その間の約20カ月の間には、1日4000万円の経費、20カ月で240億円が、ナトリウムを固まらない様にするためだけの費用として、消えていった。
鳩山内閣から菅内閣への交代のドサクサに紛れて、実験再開決定にさせてしまった「原子力族」の狡猾さには、民主党の仮免許政治家は、ころりと操られたのである。

政権交代後に2年3カ月もたっているのに、「高速増殖炉の廃炉」の決定すらできないで、何が「無駄の削減に最大限に取り組んでいる」と言えるのか。
関西電力管内(もんじゅは福井県にある)が、この冬は電力不足の懸念があると言いながら、無駄な電力消費の象徴である『もんじゅの停止』も出来ないで、民間企業に節電を要請するなど、お粗末な状態のままである。

もんじゅの維持費は電力料金に上乗せされた「電源開発促進税」から回され、今までに使われた1兆円以上の費用は、すべて消費者負担である。
野田内閣はこの無駄な経費を2012年度予算に計上しているムダ内閣なのだ。

ドジョウ内閣の国創りは誰に聞いても[ I Don’t Know ]

2011-11-19 | 国創り政治問題
[TPP]交渉に参加が出来なかったら、日本は衰退の道に陥る。
これが、ここ1カ月ばかりの空気であり、これに気がつかない連中は、KYだ!
数年前の自民党内閣時代に流行した、空気を察して動くことが賢いのだ、出来ない奴はKYだ!と決めつけられて能力が疑われた。
空気に逆らう連中は、ドンドン排除して、空気が読めて意見が一致する仲間うちだけで、モノゴトを進めるのが正しいやり方だ。
そして、原子力村の村人たちだけで、技術的には未完成の原子力発電を、安全で安価な電力エネルギーだとして、54基の原発大国とした。

これが、自民党政権時代の「国創りの目標」であったのか?
エネルギーを自給できない日本では、石油の輸入がストップしかねない中東の原油依存は危ういから、その懸念をなくすためには、中東に依存しないで、燃料の備蓄が有利な原子力発電にしておけば、石油危機や原油の値上がりの弊害がなくて、安価な電力を安定的に供給できる。
これを理解できない奴は、不見識な[お騒がせ屋]だから、意見を聞く必要はないし、それをいちいち、(理解力のない)国民には説明する必要もない。

その結果は、ご覧のとうりの現状であるが、その後始末も出来ないで、雲隠れや、知らんぷりの政治家や官僚が、無責任を決め込んでいる。
原子力依存は石油ショック時代の反省から決められた国策であり、それに従って職務を全うしたのだから、責任を負わせる理由にはならないと言う空気。
責任者をあぶり出しても仕方がないが、【原子力大国】を目指したのは、明らかな誤りであった、と反省する必要はあるのだ。

しかし、野田内閣は、この重要な反省をおろそかにして、[ I Don’t Know ]
「誰かに聞いてくれ」の「DK姿勢」一辺倒である。
[TPP]交渉に参加すれば、10年後には「農業関連は大部分が輸入品に置き換わる」。その時の地域社会や農業は、どうするつもりか?[ I don’t know ]
20年来の円高傾向により、多くの企業の採算性が無理になり、海外への生産移転が加速した」。円高を止める政策はなにか?[ I don’t know ]
長期のデフレ経済により、働く人への労働分配率は低下一辺倒で、格差の拡大が社会不安を増加させる」。」この対策はどうするのか?[ I don’t know ]

いったい、日本を[D]どの様に[K]改革するつもりですか?[ I don’t know ]
「[D]ドジョウが[K]金魚の真似は出来ない」から、[ I don’t know ]だ!

各国の伝統と文化を尊重しながらの経済交流拡大が原則。

2011-11-18 | 国創り政治問題
日本を取り巻く諸外国との関係は、安全保障と経済発展の基本路線に影響する。
対米追従外交の[TPP]交渉参加問題で、国内の議論は大迷走している。
それは、根本的には「日本の将来の国創り」に対する議論も提案もないままに、従来の自由貿易、市場経済万能のアメリカ流を【盲目的に信奉】して来た、惰性的な政治姿勢の弊害である。

ここに来て、アメリカ流に少しでも対抗しようとする動きが起きている。
[FTAAP](エフタ―プ)「アジア太平洋自由貿易圏」という、アジア諸国だけに限定した連合組織を目指している動きである。
貿易を活発にして、お互いの経済メリットを引き出そうという理念で、[TPP]の様な、何でも自由化、関税ゼロ化を原則とする大国に有利な条件がなく、「関税撤廃の例外を認めて国内産業を保護する」ことが、共有されている。
日本にとっては、この[FTAAP]への参加の方が、はるかに現実的に検討されるべきであろう。

だが、コトは経済的な理由だけでは処理できず、この連合組織は、中国の意図が反映されるのは確実である。
アメリカとの「南シナ海」の覇権争いの駆け引きにも影響するのは確実で、日本は中国との紛争問題(尖閣諸島など)を、どうするかの基本戦略もないままに、経済的なメリットの議論だけで動くのは、将来に禍根を残す。
野田首相は、[TPP]参加問題で、アメリカの言いなりだとの非難をかわそうとして、[FTAAP]への参加も検討している、と批判を封じ様とし始めた。
自分の政治的立場を優先して、日本の将来の国益を切り売りする様な、禍根を残す交渉はして欲しくない。

あっちこっちを向いて、国益ばかりを主張していては、日本は付き合っていくには、「経済のことしか頭にない」【エコノミックアニマル】の称号をうける。
[国益]という言い方には、日本の利益ばかりを主張する印象がある。
本来は『日本の国創りの将来像』を、国内世論の支持を受けるレベルにまでに創り上げて、その精神に沿って日本の主張を提案し、交渉に臨むべきだろう。

日本の伝統的な文化と地域社会を基本的に守ることは、東南アジア諸国の考え方も一致する筈である。

それを根底にして、各国の保護産業をお互いに尊重して経済交流を深める。
この基本原則こそが、貿易拡大を目指す前提にすべきなのだ。

生き馬の目を抜く修羅場に出るには準備も能力も・・?

2011-11-17 | 国創り政治問題
日本にとって最重要な『国創りの理念』論議は、そっちのけで、目先のアメリカの外圧に対する取り繕いの議論が、始まっている。
曰く、自由貿易は善であり、将来において保護主義的なことは許されない。
曰く、アメリカとの関係を損ねたら、外交も経済も立ちいかなくなるから、多少の無理難題でも、譲歩する必要がある。
曰く、日本の市場を外国企業に開放するのは当然の流れで、その競争に勝てないならば、日本の企業が退場を強いられるのはやむを得ない。
アメリカの言うとうりに、「全業種、全品目を、自由化、関税ゼロ化、非関税障害の撤廃」を論議の対象にする。

これが、日本国民の将来の生活を支えるべき、日本国の政府の言い分としたら、恐るべき「国民無視の感覚」である。
日本独自の制度や、関税による輸入制限は、惰性で残されている障壁ではない。
長い歴史と、外交交渉、海外企業との軋轢を経て、「いわゆる国益をかけて」時間をかけた外交交渉の結果の妥協策による産物である。
それを、外交の経験も知識も能力もあやふやな、ドジョウ内閣の面々で、「10年後には完全自由化」とする交渉に、準備もなく参加表明をするつもりでいる。

仮免許しか持たないドライバーが、いきなり交通流のすさまじい高速道路を走りだしてしまった様である。
他の自動車のベテラン運転手からクラクションで脅かされて、無理なスピードを出そうとして、事故を起こさない様、神様に祈るしかないのであろうか。
ここは、乗客であるマスメディアのうるさ型も、スピードを上げさせるのではなく、最低速度ギリギリまで落とさせて低速車線を走り、事故を起こさない様に慎重に運転することを、声を大にして警告すべきだろう。

現在の大きな課題になっている、農業問題、米農家の大規模事業へ転換などは、10年で出来るなどの【安易な願望的政策】では、絶対に不可能である。
ということを認識していれば、全品目を対象として関税ゼロ化への交渉毎に、参加の意思表明をするなど、ウツケモノ扱いされる。
アメリカの様に、初めから例外品目(砂糖など)を、声を大にして言いながら、その一方で、他国に対しては例外の関税障壁は認めない、と、言い張る。
これくらいに厚顔無恥、傲慢さがないと、対等の交渉による国益確保などが出来るわけがない。

八方美人ぶりでその地位を得た人物には、無理な役割である。

空気を読み、風の向きを見る曖昧発言は「○○〇○色」。

2011-11-16 | 国創り政治問題
このブログで、「国創りの将来像」について何度も書き続けてきたが、現政権の「野田内閣」に対しては、この最重要課題を期待する方が無理だ、と言える。
当面の重要課題としての『デフレ経済の克服』に向けた施策は、天災ともいえる「大震災、津波被害」からの復旧による経済効果は生まれるであろうが、これは「政府が計画した総需要の増加策」ではない。
災害にあわれた方々の心情への理解もなく、野田首相は【千載一遇のチャンス】と、思わず発言している。
これが、経済オンチの「無策首相にとっては、与えられた唯一の経済活性化策」になるとは、なんとも情けない状況である。

最難題である『国創りビジョン』は、ひとまず長期戦として、直近の重要課題である、「脱原発依存社会」に向けた政策は、どう進めて行くつもりなのか、少しも発信がない。
経済界に向けては、電力供給を重視するから、原発の定期点検が終えたら「再稼働を急いで認める」様な発言をしている。
一方では国民目線から、「原発の安全神話崩壊」に対する「安全性重視」の姿勢を採る発言もしている。
どちらから見ても、文句を言われない様な曖昧な態度をとり、情勢が移りゆくのに任せて、風の流れを読んで動く【風見鶏体質】を露呈している。

直近の「自由貿易化に向けたアメリカ戦略」によって、仕掛けられた[TPP]交渉参加の是非論争に対しても、「協議を開始する」とか、「全品目を関税ゼロ化」には、一言も言っていない、と否定しながらもアメリカの流儀には、ただ黙って見ているだけなのだ。
野党や国民の目からみて、この様な曖昧姿勢と、何も主張をしない日本政府のやり方では、国益を守る外交交渉は、危うい状況に陥ると危惧している。
それで曖昧発言と重要論点を避ける姿勢には、73%の人が疑問を持っている。

マスコミ用語に、「玉虫色の発言」という、どちらから見ても「良い結果が期待できる」様に、見せ方を工夫する説明の仕方がある。
今回の野田首相の発言や、説明不足に対する弁解は、どちらから見ても、疑問を持たせ、悪い影響が出る懸念を持たせる発言が目立つ。

どの陣営、立場からも「悪い結果を予測」させる【ドジョウ色の説明】とも言える【疑心暗鬼を呼ぶ政治姿勢】は、早々に国民の支持を失うだろう。