庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

地域社会の外に流出するエネルギー費用を自給する仕組み。

2020-12-31 | 快適エネルギー社会問題

現在の政府の仕組みでは、税収を中央政府の方で多めに徴収して、地域の規模や経済的な力に応じて、地方交付金で支援する仕組みになっている。

その交付金の配分でも、使徒を限定しない部分は少なく、中央政府や県庁の意図によって、使徒を限定した補助金的な部分が多い。

これでは、いつまで経っても、中央政府の決めた方針や、県庁の組織に依存した政策を、命令通りに実行する請負的な業務の割合が多くなってしまう。

この先の共助社会を目指す意思があるなら、まずは自立的な収入を増やして、地域の特色を生かせる事業を、自らの意思で創り出す方向に転換する。

それには、人材の育成も必要であるから、育成期間には、中央政府、県庁の補助金を利用して、地域で消費する電力エネルギーを自給するのだ。

小規模の地方自治体でも実行可能なエネルギー事業は、太陽光発電が最も適している上に、事業性も十分に見込める。

小規模の遊休地でも利用可能で、現在の太陽光発電設備であれば、地元事業者のレベルで、保守は十分可能である。

初期の設備投資を適切に支援すれば、10年程度で設備償却が可能であり、その後の補修や保守費用は発電した電力収入でまかなって、地域に供給した電力費を利用者から納めて貰えば、地域での新規事業費として利用できる。

今までは、外部の電力会社に納入していた電力費用を、地域社会と自治体への収入とすることで、経済的に地域への還流によって、自立を促せる。

令和3年以後は、地域電力自給化を柱に据えて、自立の入り口にするのだ。


地域社会の経済的地位を向上して、行動自粛の弊害を軽微に。

2020-12-30 | 経済問題

新型コロナウイルスの感染拡大は、経済的な行動を制限して、都市部での損失は多大であった。

しかし、過密都市や、事業者が集中している繁華街など、一部の感染可能性が多大な地域を除外すれば、それほどの感染拡大のリスクはない。

過密都市部を除けば、人が集中する大規模なイベント以外であれば、過剰な行動自粛は必要ないということが、この1年間で認識されてきた。

GOTOトラベルのように、過密都市部から地方の集中密度の低い地域への旅行を奨励しては、地域社会への感染拡大のリスクは増えてしまう。

だから、不用意に観光開発の支援策として、無制限の補助する制度は不適切であるが、本来は地域の自律的が感染抑制策を確立すれば、旅行などの行動自粛の全国的アピールは不要なのである。

地方での感染者数が目立つのは、商業地区都市部での感染クラスターであり、地域での行動範囲の感染ルートは抑止が可能なレベルである。

この時期に、地域での経済的な活動の自立化によって、中央部や地方の主要都市での行動自粛の声に、影響されない様にすべきである。

中央集権化の悪影響は、日本的慣行の弊害を受けない様にしていくことで、地域自立化を真剣に検討していく必要がある。

地方自治体は、大都市や首都圏の声に引きずられない様に、自立的な体質の転換していくチャンスでもある。

「大きいことはいいことだ」を、この際に小さい方が良いと転換するのだ。


燃料電池車両の水素を化石燃料から製造している現実を知れ。

2020-12-19 | 革新的な持続産業問題。

電気自動車を大量に普及させることで、CO2排出削減ができると想像するのでは、あまりにも初歩のレベルの認識不足である。

同様に、燃料電池車が水素を燃料としているから、CO2排出削減になると思い込んでいる行政関係者や政治家が多くいて、日本の後進性が露呈する。

水素を作る方法は、今までは、化石燃料の炭水化合物から炭素を除く処理をして、水素を取り出している。

つまり水素を取り出す残りの部分には、炭素が多量に含まれ、これをCO2として分離して貯留するか、他の製品に配合して大気に出さない必要がある。

このようにして製造された水素は、【グレー水素】と呼ばれて、温室効果ガスを大気に放出しているのかどうか、不明で疑わしい。

だからグレーと呼ばれるのだ。

本当に環境対策とするならば、電力の製造時に、CO2を一切出さない「再生可能エネルギー電力を使用して、水を電気分解して水素を取り出し、残りの酸素を有効利用する仕組みだ。

このようにして製造する水素燃料は大変高価になるので、製造量は全く少ないレベルで、大量の燃料で燃料電池自動車を走行させる製造量はない。

それにもかかわらず、燃料電池自動車の普及ばかりに着目して、再生可能エネルギーからの水素製造を疎かにしてきたのが、経済産業省である。

ここにきて、「グレー水素」を水素スタンドに供給してきた現実が、公になって、燃料電池自動車の補助金の条件が満たされずに、嘘がバレている。


電気自動車の充電電力が火力発電由来ではCO2削減はない。

2020-12-18 | 交通問題・自動車

ガソリンを燃料とする自動車が、温室効果ガスのCO2を大量に排出していることは国民の誰もが知っている。

このところ、菅政権が『2050年までに炭酸ガス排出ゼロ』を日本の再生の柱とする長期目標を打ち出したことで、自動車の電動化が注目された。

欧州や中国では、2030年頃から2035年頃までに、国内での新車販売では、ガソリン車、デイーゼル車、化石燃料を消費する車は販売禁止とした。

自動車は、新車販売時から、15~20年は使用することが常識である。

このように、化石燃料車を販売禁止とすれば、2050年頃には、市場で利用される自動車には、化石燃料を利用する状況は、ほぼゼロになっている。

特殊な僅かに残されたガソリン車、デイーゼル車の燃料は、化石燃料ではなく、バイオ燃料や、合成燃料のような「CO2排出はゼロと評価される」燃料となるので、自動車から排出されるCO2は、確実にゼロにできる。

航空機や船舶からのCO2排出も、同様な技術を応用して、先進国としての義務を果たすことが、一流国の証となるのだ。

日本も遅れじとばかりに、ガソリン車の販売禁止を検討し始めている。

ところが、今のレベルでの電気自動車を普及させるには、高額の補助金を追加しなければ、消費者にはメリットはない。

しかも、電力での再エネ比率が2割程度では、実力的にも火力発電時におけるCO2排出が圧倒的に多いので、CO2排出削減にならずに増えてしまう。

しかも、バッテリー製造では、追加のCO2排出が加算されてしまうのだ。


長期的な目標が欠けている環境政策は、泥縄的なチグハグさ。

2020-12-17 | 革新的な持続産業問題。

日本がやっと「温室効果ガス」のゼロに向けて、国の総力を傾けて取り組む姿勢に転じたことは、大変に良い流れだと言えます。

しかし、長期的な目標の設定が「2050年に温室効果ガスのゼロ」に向けて、動き出した各方面で、チグハグな政策が公然とはびこり出している。

自動車の排出する温室効果ガスは、日本全体での2割程度だが、ガソリンで走る自動車の排気ガスで、大量のCO2が出ると知っている。

そこで、走行時にCO2を排出しない電気自動車(EV)や、水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)を、早急に普及させる政策を検討し出した。

しかし、日本の現状での電力構成では、CO2を排出しない「再生可能エネルギー電力」は2割程度にとどまっている。

欧州の主要諸国では、再エネ由来の電力は、すでに4割前後に達していて、2030年には、5割以上を目標にして進行中である。

さらに、加速するために、2030年目標を55%以上に引き上げる議論が進んでいるから、2030年に自動車をEV化して、全量を切り替える意義がある。

しかし、日本の再エネ由来の電力は、2030年目標では、22~24%と、低レベルの目標しか掲げていない。

こんなレベルでは、電気自動車の方が【CO2排出ガスが多い】実情のままで、補助金を使ってでも普及させる意義は非常に少ない。

まさに泥縄的な電気自動車普及政策で、本来の目標から離れてしまう政策が、環境政策として打ち出されては、国民を愚弄する傲慢さであろう。