庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来世代のために水素エネルギーの実用化は必須だが・・。

2015-02-28 | 快適エネルギー社会問題

日本が将来は水素エネルギーを身近に利用する社会になって行く事は、脱化石燃料化社会への転換策として必要な方向である。

再生可能エネルギーを大量に生産して、一時的に蓄積する技術としては、水素への転換と貯蔵、輸送技術には、大きな革新が期待される分野である。

ところが、世間では、トヨタ自動車の燃料電池乗用車の市販開始の発表で、水素自動車社会が将来のあり方であるかのような錯覚に陥っている。

マスメヂィアの論調も、この水素燃料の乗用車が未来社会を背負う、「期待のホープ」であるかのような報道ぶりである。

 

このブログで、説明している様に、水素エネルギーを活用する社会の到来は、必然性があるから、この方面の技術開発には、官民挙げての取組が必要だ。

しかし、できた水素を、乗用車に率先して里余する必要性は全くない。

たまたま、世界第一位の自動車企業のトヨタが発表した技術だから、これが正しい方向だと思い込んだら、それこそ、科学オンチも甚だしい。

水素エネルギーの安全な利用策は、まだ未解決の問題が多く内胞されている。

特に、超高圧で輸送、補充する現在の燃料電池自動車の技術では、水素漏れを確実にゼロにするのは至難の業であり、万が一の事故のよる被害が懸念される。

 

それよりも、このブログで説明した様に、安全な化学物質に転換したり、天然ガスの状態にして、利用する方がはるかに安全であり、経済性も有利である。

さらに優れた方法が各民間企業で、研究されて新たな展開が予想されている。

その様な状態で、自動車用に水素燃料を大量に輸送、補給するために設備投資を政府の税金で支援するのは、まったく意味が見えない偏愛的保護である。

水素補充スタンドの設置には、ガソリンスタンドの5倍以上費用が必要になる。

民間ベースでは、絶対に採算性は合わない事業である。

 

安倍内閣はこともあろうに、この一部の民間企業のために、水素スタンドの設置に大金の補助をすることを決定した。

それで、日本中に1500基の水素スタンドを設置するとしているが、これでいったい、どこの国民は利便性を受けるというのか。

広い日本中に1500基のスタンドでは、広域で利用する乗用車など、利用には不便極まりない代物である。

その乗用車には、大金の補助金をつけて普及を後押しする理由が、全く不明だ。

なんと、金持ちの特権階級のためだけの政策を重視するのか、呆れかえる。(続)


既得権構造の束縛の中ではホンモノの将来戦略は描けない。

2015-02-27 | 快適エネルギー社会問題

日本の将来の国創りの基本となる『エネルギー産業』を、真剣に考えて実行に移しているグループは、確実に各方面に存在する。

しかし、そのグループやメンバーは、主流の官庁でもなく、大企業の中枢のメンバーでもないのが、現実である。

洋上風力発電の技術挑戦は、環境省が手がけている上に、余剰にできる電力を「水素エネルギーにして貯蔵」する技術も、主流の企業ではない。

水素エネルギーを電力に変換する技術も、まだ小規模の実験段階である。

 

長崎県の五島列島の電力は、離島のために送電線網の容量が小さくて、「受け入れ可能な再生可能電力」の上限は、小規模に制限されてしまう環境にある。

これを、離島の電力対策としてしか見ない様では、次世代技術開発の意義も理解できず、『エネルギーインフラの構築の将来像』を描けない愚か者である。

五島列島の実績を生みだせば、その発展型が『九州全土に適用されるモデル』となるには、容易に想像できる様でなければ、先の読めない凡人にすぎない。

そのモデルが、将来は『日本全体のエネルギー・電力インフラ』のベースになると想像できるヒトが、ホンモノの政治家であり民間企業のリーダーである。

 

【エネルギー戦略の策定の責任を持つ経済産業省】は、何時までも原子力産業の既得権に引きずられて、2030年に向けての将来像が描けないでいる。

現実の既得権集団の中にいると、先を読む本当の議論も、どこかに放り投げ捨てて、【妥協の産物の様な戦略】をツギハギだらけで、ツジツマを合わせる。

むしろ、本流にいない『本物を見分ける視点で構想』することで、将来最適のビジョンを描くことができるのだ。

安倍政権は、「水素エネルギー社会への幕を開ける」と豪語して、いるが、戦略なき目先の人気取り政策の段階でしかない。

 

特に安倍首相に至っては、『水素エネルギー社会への転換の意義』が、全く理解できていない様である。

トヨタ自動車が公表した「燃料電池車の発売」により、子供じみた発言が飛び出している。

曰く、「規制緩和を大胆にすることで、普及促進を図る。・・・水素スタンドでは、ユーザーがセルフサービスをできる様にしていく。」と・・・・?

ガソリンスタンドの話とカン違いする科学オンチ、安全オンチぶりである。

水素エネルギー利用社会は、自動車のための革新技術ではないのだ。(続)

 

 

 

 

 


日本のエネルギーの安定供給と自給率向上を目指せ。

2015-02-26 | 快適エネルギー社会問題

水素エネルギーを日本の将来のエネルギー供給の主力にして行くには、多くの技術革新が必要である。

余剰電力を蓄える手段として、電力で水素を製造する設備は現状でも可能だが、さらに変換効率の優れた方策は研究開発されるだろう。

水素エネルギーを安全で安価に貯蔵する方法も、現状よりも改善されることで、

日本の技術が世界の先端を進むコトが期待される。

優れた技術が、水素エネルギー活用で実用化すれば、大きな輸出産業になる。

 

ところで、日本の水素エネルギー社会への技術開発は、どの様な段階にあるか、読者も含めて国民に大多数は、知らないのが現実であろう。

2月26日(木)朝日新聞(朝刊11面)に、次の様な記事が掲載されていた。

《風力で水素    必要なとき燃料電池で発電》

「風力発電の電力で水素をつくって貯蔵する。  そんな取組が長崎県の五島列島で動き出す。 大規模にためられない電気の代わりに水素として貯蔵し、必要な時にこの水素を使って燃料電池で発電する。  電力の地産地消につながる試みだ。」

「環境省が3月から五島市の椛島沖1㌔で運転中の洋上風力発電で実験を始める。  今は海底ケーブルで九州電力の送電網につないでいるが、離島で送電網の容量が小さく、発電能力の3割しか電気を流せない。  この余剰電力で島内の水を電気分解して水素をつくる。」

この記事は11面の左下の片隅に、小さいスペースで掲載されている。

新聞関係者の認識では、水素社会への技術挑戦は、現在の段階では、「ホンのオマケ」程度の挑戦でしかない、とのレベルであろう。

しかも、エネルギーの国家戦略を担う、「経済産業省」の事業ではなく、よそもの「環境省」の事業である。

 

日本政府の中枢の安倍政権は、この様な将来展望に沿った「技術挑戦課題」の意義や重要性について、理解がほとんどできない。

その理解不足は、「再生可能電力の接続保留問題」を引き起こし、欧米先進国に対する大幅な遅れを生みだしている。

日本の民間企業は、資金の内部留保も十分にあり、挑戦課題を浮き彫りにすれば、新技術への果敢な挑戦は、確実に成果を生みだす筈である。

しかし、この様な『民間企業の内部の蓄積された能力』を、存分に発揮させる『政策的意図』が欠落しているので、民間企業は大胆な研究投資が出来ない。(続)


日本の指導層は科学も経済も理解できない守旧派ばかり。

2015-02-25 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギー電力を「経済的に蓄積する技術」は、【蓄電池一辺倒】に凝り固まった電力族官僚が、日本の将来への技術開発を邪魔している。

それは、電力をいつでも取り出せる技術は、蓄電池よりも「水素エネルギー」に転換して蓄える方策が、最新の技術開発前線では本命となっているからだ。

水素の形で蓄える必要はなく、化学物質の形で安全にかつ、安価に貯蔵する方策はいくらでもある。

例えば、水素を天然ガスの形で蓄積するならば、現存の天然ガス備蓄設備を拡大するだけでよく、利用策としては都市ガスとして、熱利用が可能である。

 

欧州では、都市ガスの燃料として、風力発電の余剰電力を水素か天然ガスにして、都市ガスに混合して、消費者に供給するシステムが動き出している。

日本の様に縦割り行政に凝り固まって制度では、風力発電から水素ガス、都市ガスとして利用するなどは、縦割り行政の壁で、まともに検討すらされない。

安倍政権が、「水素エネルギー社会への幕を開く」と豪語する気なら、この縦割りの硬直化したエネルギーの管理体制を、根本から改革する覚悟をすべきだ。

岩盤規制を撤廃して、新産業として飛躍できる土台を創るのならば、将来を展望した『技術革新の上に構築したエネルギー戦略』が必須である。

 

ところが安倍首相は、未だに「原発の維持」に根本方針を置くために、『盛り上がった再生可能エネルギー普及』に、マイナスとなる制度規制ばかり掛ける。

しかも、その愚策に対して、守旧的な「マスメディア」は、まともな論評も出せないままに、世界の常識に反する後ろ向きの報道ばかりしている。

「再生可能エネルギー」は、天候任せのアテにならない電力で、既存の電力網にとっては邪魔な存在だから、普及量はほどほどにしておくのが良い。

これが、日本の指導層にはびこっているから、九州電力で起きた「接続保留ショック」の様な、呆れかえる事態が生じるのだ。

 

『再生可能エネルギー』は電力で利用するだけにとどまらない。

「備蓄することが可能」で、輸送も従来の燃料並みに安全にできる。

必要な地域に送り、熱利用することもできるし、電力にして活用もできる。

この様な未来社会に対して、日本で「原発を維持する」ことは、新技術の開発の邪魔になり、普及を抑えるブレーキ役にしかならない。

それでも、「成長戦略の加速」を言い出す安倍政権は、なんと先の読めない【科学オンチ】【安全オンチ】【エネルギーオンチ】の政治家ぞろいであることか!


水素エネルギー社会に向けてのまともな取組を支援せよ。

2015-02-24 | 快適エネルギー社会問題

日本のエネルギー自給化に向けて、『再生可能エネルギー』を最大限に導入することが、将来世代にとっての大きなプラスの遺産となる。

それなのに安倍政権は、せっかく盛り上がった地域での「再生可能電力」への設備投資を抑制する政策を実施して、地域のやる気を削いでしまった。

政府がやるべきことは、電力の需要が少ない時に、余剰に発電できるエネルギーを「水素エネルギーに転換する技術の開発促進」が第一である。

第二には、その水素エネルギーを安全にかつ安価に備蓄できる設備を各地に設置する事業を最大限に支援する。

 

そして、「備蓄された水素エネルギー」を、必要に応じて発電に利用し、廃棄される熱エネルギーは、地域社会で有効に利用出来るインフラを設置する。

こうして、日本が中東諸国に莫大なお金を支払っている石油の輸入量を削減して、貿易収支の赤字を黒字に転換するのだ。

これらの基本技術はすでに実現しているので、実効可能な国家戦略である。

政府が支援をすることで、民間企業の技術開発の機運を盛り上げて、世界で最高の効率、低廉なコストを実現して、日本中に普及させることだ。

もちろん、世界最高の技術が出来れば、海外への輸出産業にも発展する。

 

ところで、水素エネルギーの備蓄方法については、読者の中でも、ご存知の方は少ないのでないでしょうか。

通常の方法では、高圧にして水素の体積を減少させて、高圧タンクに貯蔵する。

これは、燃料電池自動車として、水素タンクが開発されているが、700気圧の超高圧にするために、タンクの構造と強度を上げる技術開発が難点である。

その高圧の水素を充填したり、輸送するためにエネルギーの消費を増やし、危険性も増えるので、あまり好ましくない。

 

そこで、低温で液体化した水素を備蓄したり輸送する方策が開発されている。

これも、超低温にする設備と、温度を維持することに、多くのエネルギーを消費するので、あまり有利ではない。

現在は、常温、常圧で保管できる液体に転換する技術が研究されている。

「有機ケミカルハイドライド法水素貯蔵」と呼ばれる方式で、水素を結合した化学物質(メチルシクロヘキサン、など)にして、貯蔵しておく。

必要なところまで、輸送するのは容易であり、使用直前に水素を取り出して、利用出来るので安全性も高い。こうした研究を支援するのである。(続)


技術革新の中身も安全性の知識もない首相の見せかけ。

2015-02-23 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギー電力を最大限に普及させることで、日本の経済成長を加速し、石油や石炭の輸入を減らすことが可能になる。

地方創生に効果があるのはもちろんのこと、エネルギー自給化へ大きな貢献が図れる。

それなのに、安倍首相は経済産業省と電力族の既得権擁護の策略に乗せられて【再生可能電力の接続に上限を設ける抑制策】に、同意してしまった。

歴代の首相の中で、これほど電力族の手玉に取られた首相は見当たらない。

 

その一方で、水素エネルギー社会への転換には、どういうわけか、熱心に進めようとしている。

施政方針演説でも、「安倍内閣の規制改革によって、夢の水素社会への幕が開きました。全国に水素ステーションを整備し、燃料電池自動車の普及を加速させます。」と意気揚々と宣言している。

自動車会社のお先棒を担ぐような、軽々しい発言もあって、どうやら水素社会は規制改革の象徴と見ているようで、中身は少しも判っていない。

【再生可能電力には抑制の規制強化】をしておきながら、水素は規制改革で進めるなど、見当違いの発言もほどほどにした置いた方がよい。

 

水素エネルギーは、どの様な方法で作るのが適切なのか、しっかりと議論の上で『規制改革を転換』して行く必要があるのだ。

3・11の大津波で電源を失った原発が、冷却不足に陥った原子炉の格納容器から大量の水素が発生し、原発建屋内に充満して、大爆発の事故を起こした。

水素は、従来の燃料よりも確実に危険性が増える物質である。

しかも、閉鎖された空間に充満すると、大爆発の危険性が増大する。

そんな基本的な科学知識もない「安倍首相」は、規制改革さえすれば、水素エネルギー社会の扉が開くとでもカン違いしている様である。

 

まず、水素の製造法の経済的な開発優先する段階で、それが『技術開発の促進策』によって、世界の最高水準を達成する必要がある。

その上で、安全性が高く、日本の様な地震大国、津波被害が予測される状況でも、万が一の大事故の発生時にも、人命に影響がない備蓄設備を開発する。

その上で、需要がひっ迫する『電力の必要時に連動する発電設備』を、最新の技術力を結集して、最高効率の発電方策を国の基幹とするのである。

この様な国の総力を上げるエネルギー戦略が、今こそ、必要な時期である。(続)


地域振興に有益な水素エネルギー貯蔵施設と発電設備を。

2015-02-23 | 快適エネルギー社会問題

安倍政権はせっかくの新技術である風力発電の普及を、電力会社の都合を優先して、発電設備の抑制策を実施している。

風力発電の技術進化は著しく、世界では主流の発電方式になっているのに、日本ではいまだに無駄な規制ばかりが拡大することで、技術を持った民間企業の活力を削いでいる。

風力発電の電力は需要側が少ない時でも、お構いなしに発電するから、広域での系統連係による送電網が不可欠であるが、それを逃げ回るばかりだ。

 

その上に、電力の備蓄に対して後ろ向きの方針で、せっかく設備を造った「揚水発電」の設備を無駄に遊ばせている。

そして、民間企業には【割高になる蓄電池】を設置させる方向で、「風力発電の新事業の採算性を低下させる」コトを強制している。

余剰に発生する電力を有効に蓄えて、需要が増大した時には電力を供給するのは、公共性を持った事業になる。

これは、民間企業任せではなく、地域の行政や公共性を持った送電線事業会社の役割に誘導して行くのが、国がやるべき本来の仕事である。

 

その備蓄方法には、『水素エネルギーを変換して蓄える』方法が、これからの時代の主流になるだろう。

水素エネルギーの利用策は、燃料電池自動車の燃料になるので、社会的に大きな話題になっているが、自動車への利用はまだ先の段階で良い。

それよりも、既存の火力発電所を活用して、水素を燃料とする火力発電に改造することが、もっとも経済性に優れた利用策である。

老朽化した石油火力発電所に、水素の製造設備と備蓄設備を設置する費用は必要だが、蓄電池を大量に設置するよりも、はるかに経済的である。

 

石油火力発電所を、水素火力発電に改造する技術は、何も難しい新技術は不要であり、改造時に発電効率を上げる設備にすることで、採算性は向上する。

余剰電力から水素製造するのも、新技術は不要であるが、製造効率を上げることが今後の課題となるので、政府で積極的に支援するのが良い。

将来は、洋上風力発電が、日本の沿岸の多くの適地に設置されるので、その地域の余剰電力は、送電網を経由しない様に、地域での水素製造で蓄えておく。

そして需要が大きい時間帯には、地元の水素火力発電所を稼働させれば、『地産地消型のエネルギー供給体制』が整うのだ。

これが地域振興の土台になる。(続)


将来世代のために電力エネルギーの貯蔵方策を研究せよ

2015-02-21 | 快適エネルギー社会問題

日本のエネルギーの調達を将来とも海外に依存するのは、次世代にとっての負担となるのは確実である。

国内産のエネルギー源を、現世代の責任で開拓して将来に備えておくことが、最優先で実行されるべき課題である、と合意を創る必要がある。

ところが安倍政権は、この様な重要な国創り戦略の提示を一切しないで、原子力発電の設備があるから【再稼働出来る状況になったら稼働するのは当然】との、現世代の目先の利益のことしか頭にない。

さらに、次世代にツケを残す様な【石炭火力発電の新設】を、後押ししている。

 

現世代がやるべきコトは、『再生可能エネルギーの産業化』を積極的に推進し、2030年以降には、すべてのエネルギー・電力を、『再生可能エネルギーに依存する社会』を築いていく「国創りの基本条件」を構築することである。

それには、『最も将来性のある洋上風力発電の技術開発』を、最優先の位置付けとして、国民の理解を得る方策を作りだす必要がある。

その上で、風力発電には、どうしても弱点として、天候に依存するために発電量が変動するから、この電力を有効に蓄積して、必要な時点で利用出来る方法を開発しておくことである。

 

電力の余剰が生まれた場合に、蓄積する技術手段は、いくらでも存在する。

その中で、エネルギー利用効率性が良く、安全にかつ経済性も優れた方策を見つけ出すことが、この10年間の重要な研究課題である。

世の中では、電力の貯蔵と言えばすぐに「蓄電池の設置」を持ち出すが、その方策がベストとはいえない状況だ。

「蓄電池の技術水準」は、年々進化しているが、それでも、蓄積エネルギー当たりのコストが割高である。

それよりも、経済性に優れた畜エネルギー方策は、各方面から提案されている。

 

例えば、原子力発電の電力が余剰になった場合に、揚水発電の方式がかなり昔から実用化されて、日本での「揚水発電の設備能力」は、非常におおきい。

これは、原発が一定運転で夜間も発電する場合に、電力の余剰が生まれるので、原発の新・増設によって電力エネルギー蓄積のため、日本各地に建設された。

『原発への依存度を大幅に下げる』ことで、この「揚水発電の設備」は、不要になってくるので、この設備を「風力発電の余剰電力」の蓄積に活用するのだ。

安倍政権は【原発推進の路線】だから、この揚水発電を使うのを避けている。(続)


日本の電力の大半は風力発電に依存する将来展望が開ける。

2015-02-20 | 快適エネルギー社会問題

日本は歴代の自民党政権が「再生可能エネルギーの将来性」を軽視して、【原子力発電を主力のベース電源】としたことが、国民に大きな不幸を招いた。

民主党も無批判に、政権交代後の1年半を「原子力発電の増設」を基本姿勢として、安全性や将来性の見直しをおろそかにする風潮を加速してしまった。

2011年3月11日の時点から、大きく転換すべきであったが、将来展望を持てずに迷走したまま、政権を失った。

交代した安倍政権は、どちらともつかない日和見主義で、原発維持路線と縮小路線の様子見のママに、ただ時間を浪費している状況である。

 

現在の状況を直視して、真摯に将来性を検討すれば、世界の潮流は、風力発電が主流のエネルギーとして発展している。

日本では、【風力はあてにならないエネルギー源との誤った風潮】が20年に渡って広まっているために、誤解を生んだママの状況であった。

ここにきて、やっと、産業界も経済産業省とともに、日本の将来のエネルギー源として、洋上風力発電に注力した技術開発に踏み込んでいる。

三井物産戦略研究所が、2015年2月4日に公表した「戦略研レポート」を引用して、最新情報を紹介しよう。

 

【浮体式洋上風力発電】の潜在能力。

・日本の海域における洋上風力発電のポテンシャルは、613GW(6億1300万kW)(俗にいう原発613基分。設備利用率が1/3としても200基分)

・2030年の洋上風力発電コストは、8.6~23.1円/kWh.

  将来は大量生産による大幅なコストダウンが期待出来る。

 特に、「浮体式洋上風力発電」は、洋上に浮かせまま曳航出来る特徴がある。

日本の優れた造船技術と設備の有効利用で、成長産業に出来る可能性は大きい。

 

 8.6円/kWh.を早期に実現して、電力費の高値を引き下げる効果を遠からず実現できれば、日本のエネルギ―費用は大幅に低減が可能となる。

将来において、石炭火力発電の10.3円/kWh.を下回ることで、化石燃料の火力発電を大幅に削減して、風力発電に置き換える国策として実施する。

2030年には原子力発電はすべて廃炉にすることで、国民の願望は実現出来る。

そこで、浮上してくる課題は、風力発電が余剰に生みだす電力を、どの様に蓄えておいて、エネルギー利用に活かすのか、技術開発の必要がある。

この課題について、国民には何も知らされていないのが、政府の怠慢である。


再生可能電力に対する理解不足は経済成長の妨げになる。

2015-02-19 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギーの必要性は誰しも理解出来る様になったが、その弱点の【悪評が流布して誤解が蔓延】していることが、普及の妨げになっている。

将来の『発電コストが合理的なレベル』になるには、技術進歩と普及拡大による量産効果によるコストダウンが必要であると、理解される様になってきた。

この技術進歩を支援するためには、当面の「再生可能電力事業者」を、採算性が成り立つレベルの支援する制度が必要となる。

これは、「再生可能電力の固定価格買取り制度」の成立と価格設定で、2012年7月にスタートして、各地での普及が進み始めている。

 

ところが、『買取り制度の支援』によって、地域での太陽光発電や風力発電の占める割合が増えると、需要の少ない時期には、余剰電力が発生する。

これを、日本では【九州電力の接続保留問題】として、社会的にクローズアップされたが、誤解だらけのママに、経済産業省は発電抑制に転換してしまった。

つまり、せっかくの発電設備を接続させないで、電力の余剰分を捨ててしまう処置をとってしまうのだ。

この余剰に発電できる能力を活かせないのは、「九州電力管内」の狭い送電線網だけで、地域間の融通をきかせない「現行の地域独占電力体制」が問題なのだ。

 

この地域独占体制を改革するには、2018年の『発電・送電分離制度』が実現して、独占的な電力会社の既得権をはく奪しないとできないと経済産業省は言う。

しかし、九州地区の電力を中国地方や、さらにその先の関西地区に電力を送れる送電線の設備容量は、現在では、十分に余力はあるのだ。

それを国民に説明もしないで、ただ、余剰に電力を接続すると【送電網が管理出来ないから発電抑制しかない】、との【電力会社の言い分を丸のみ】する。

つまり、政治の怠慢による制度欠陥が、せっかくの『再生可能電力の拡充』の意欲を示している地域の「新規事業者のやる気」をストップさせている。

 

これは完全に中央政府の責任であり、中央官庁の制度改善の放棄による。

あたかも、天候に左右される「太陽光発電・風力発電」の変動する発電方式が欠陥であるかの様な誤解を生みだし、あえて普及を止める意思なのだ。

送電線網の強化が必要になるのは、まだ先の課題であるのに、今時点で、電力の余剰分を捨てるしかない様な「欠点を強調する流れ」を当然としている。

これは1990年代から、「再生可能電力は基幹電力には不向き」との悪評を強調して、【原子力発電が将来の主力のベース電源】とした流れの延長である。(続)


経済成長のけん引役を引きずり下ろすだけの安倍政権。

2015-02-18 | 快適エネルギー社会問題

国民の各層が最も期待しているのは、政府の成長戦略が狙いどうりに実行されて、地域社会も活性化し、大多数の国民が収入増加で豊かになることである。

安倍政権は、この狙いとは逆方向に経済状態を向かわせてしまい、国民に格差拡大の悪影響を押し付けてしまった。

対抗する民主党や他の野党も、批判をするだけで、明確な経済成長の具体策を持たないで、ただ、所得の再配分ばかりを責め立てている。

富裕層に対する増税などにより、再配分の財源を生みだす必要はあるが、大元の経済成長がゼロでは、大した再配分は出来ないのだ。

 

成長戦略の中でも最有力の分野は、このブログでは何度も指摘した様に、『再生可能エネルギー産業』への、最大限の集中的な投資である。

安倍政権は、政権公約だけは『最大限の導入促進』と掲げているだけで、実際に打ち出している政策は、ブレーキをかけることばかりだ。

世界の先進国のなかで、【再生可能エネルギーの普及率が低い国】となっている。

2013年までの普及率はわずか2.2%にとどまっている上に、将来の普及目標も情けないほどに少ない。

 

EUでは、2030年に電力の45%を自然エネルギーで供給する目標を決め、米国でもカリフォルニア州が2030年に50%という目標をたてている。

いまや、「2030年に電力の40%以上を自然エネルギーで供給する」ことが、先進国標準となっている。

その様な現状には目をそむけて、安倍政権は、相変わらずの原子力発電の維持にしがみつき、安い電力を求めて石炭火力発電の増設を推進する。

これでは、民間企業の『再生可能電力事業への参入意欲』を削ぐことに、政策の重点を置いていることになる。

 

経済産業省は、電力会社の既存の設備を守る「規制強化」に走っている。

この様な空気を察知して、各地域の電力会社(九州、中国、四国、東北、北海道)の管内では、「再生可能電力の送電線への接続に条件を追加」している。

せっかく民間の投資意欲が盛り上がっている産業に、ブレーキをかけてしまう無神経さでは、【政府の主導する成長戦略】には、乗るわけにはいかない。

まともに受けて、新規の事業計画や投資を検討しても、いつ梯子を外されるか判らない状況では経営判断は出来ない。

先送りの様子見をするのが得策と、守りの経営方針に留まるばかりだ。(続)


現実の経済状況を直視しないで安倍幻想の世界に浸る。

2015-02-17 | 経済問題

日本の経済成長の指針となる2014年の国内総生産GDPが発表された。

10月~12月期では、消費税引き上げ後に始めて年率で2.2%のプラスであるが、民間のエコノミストの予測の平均3.5%よりも低水準であった。

これで、2014年の実質成長率は0.04%となり、ゼロ成長にとどまっている。

全国平均でゼロ成長であるから、富裕層と大企業は大きく収入を増やしている分だけ、国民各層と中小企業、地方の小規模事業者は、マイナスになる。

つまり、安倍政権の経済運営の結果は、2割程度の高所得層を富ませて、それ以外の平均的な国民の収入と財産を減らしている。

 

国会での「日本社会の格差が拡大している事実を認めるか」との民主党の岡田氏の代表質問に対して、安倍首相の答弁は概ね横ばいであると逃げに徹した。

何やらわけのわからない理由を挙げて「格差に対する指標はさまざまであり、格差が拡大しているかどうかについては、一概には言えない。」と居直る。

アベノミクスの政策に対する批判で、「トリクルダウン効果はもはや期待できない」と言われると、「初めからトリクルダウンを想定はしていない。」と断言。

その一方では、「賃上げの流れを来年の春、再来年の春と続け、全国津々浦々にまで届けて行く。」と施政方針演説では、とくとくと説明している。

 

これでは、日本語の使い方も判らない首相を相手にするには、どうすればよいか、困惑の限りである。

トリクルダウン効果とは、まさに安倍首相の説明の意味なのに、「初めからトリクルダウンを想定していない。」とは、カタカナ語を理解出来ないレベルか。

上から滴り落ちるのはトリクルダウンで、大企業と大都市から序々に地方と中小企業に恩恵が浸透して行く効果は、違うとでも言い張るのか。

ここで、国語の使い方を論争しても無駄であるが、矛盾だらけの施政方針演説と国会答弁からは、『本当の熟慮した政策』は生まれないのは確かだ。

 

大企業だけは、申し訳程度に賃上げに応じても、実質賃金が増えるのはわずかで、それ以外の中小企業は、物価上昇に追い付く賃上げは実施されない。

2割の富裕層が豊かになり、8割の国民は【横ばいすら保障されず】に貧乏になって行く状態で、将来に希望がもてない。

そして、円安のおかげで、輸入価格の増大で経常収支も赤字寸前の状態に落ち込んだ状態で、日本の財産は確実目減りしている。

安倍政権のデフレマインド払拭は、2013年の段階ではボロが出なかっただけだ。


地方経済の活性化に向けて中央官庁の権限を移管せよ。

2015-02-16 | 国創り政治問題

日本の最大の問題は地方経済が疲弊して雇用の創出が進まずに、都市部だけ活性化するコトで、都市と地方の格差が拡大してしまうことである。

『地方創生』の掛け声は、その潮流に歯止めをかける意味で、安倍内閣の4年間における最優先課題にして、取組むべきであろう。

その先がけとして、「農協のピラミッド組織」の硬直体質を破壊するために、「全国農業協同組合中央会」の権限を大幅に縮小させるコトに着手した。

これで、すぐに地域の農協が自立的に活動を活発化させると見るのは、現状を甘く見過ぎている。

 

地域社会、地方の行政体が、中央の指令を気にしながら活動をする習性は、60年の長きにわたって染みついているから、簡単には体質は変わらない。

そこで、さらに地域の自立心を活性化させるために、「中央官庁の農林水産省」の中央の指導体制を、地方行政に大半を移管する大改革を実施すべきだ。

戦後に1600万人を超えていた農業人口は、200万人にまで減少している。

この実態を的確にとらえて、地域発の『強い農業の実現』に最大限の知恵と資金を投入する体制に変革するのだ。

それには柔軟な発想を加えて、現場の創意工夫の活発な展開が必要になる。

 

中央官庁に予算の配分と決定をする官僚がいては、地域発の発想はほとんどが進まなくなってしまう。

発想を転換して、中央の予算配分の権限をすべて移管させて、官僚達は地域に移住して、地元で支援をするコトにして業務を移管するべきだ。

霞ヶ関の会議室と机上の検討では、農業の様な地元の様相を把握する必要のある事業の課題には、適切な判断は出来ない。

今までの様な、稲作だけを優先して【カロリー当たりの自給率】を議論する様な感覚では、世界に通用する『農産物の高付加価値』は、生まれないのだ。

 

国の予算と行政官僚が、地方に移転すれば、出先の官庁や県の役人との接触が活発に実行出来る様になる。

顔を合わせる機会や、農産物の栽培の現場に出向く回数も増えて、それだけ密着シテ改革が進むだろう。

すべてがうまく行くわけではないが、遠隔地の霞が関で、あれこれ指図をする無駄と行き違いは、最小に抑えられる。

この様な権限の移譲が、地方経済を活性化して、自立心を育成するのである。


何も出来なかった2年間の反省もなしに地方創生とは。

2015-02-15 | 国創り政治問題

安倍政権の政策の目玉として、「地方創生」を大きな課題に上げている。

施政方針演説でも、「地方こそ成長の主役です。」と最重点の取組を打ちだして、

「熱意ある地方の創意工夫を全力で応援する」と断言した。

「地方分権でも、霞ヶ関が主導する従来のスタイルを根本から改め、地方の発意による地方のための改革を進める」と約束している。

しかし、実施する具体策としては、「地方で就職する学生には、奨学金の返済を免除する」と小じんまりとした政策しか打ち出せない。

「本社などの拠点を地方に移し、投資や雇用を拡大する企業を税制により支援する。」との方針を上げている段階にとどまっている。

 

既に2年間の期間が過ぎたが、2013年に政権発足した段階で、「魅力あふれる地域を創ります。地域毎の創意工夫をいかすための、地方分権改革です。」

「大都市の改革を始め、地方に対する権限移譲や規制緩和を進めます。」と施政方針で約束したコトは、いったい、なんだったのか。

衆議院選挙では、野党の政策が具体策の全くない、お題目だけに政権公約であったので、自民党の不戦勝の様な形で、過半数を維持した。

しかし、地方首長の選挙では、ことごとく自民党推薦の候補は敗れて、地方の重視を掲げる安倍政権への信頼は、地に落ちたも同然の状態だ。

 

成長戦略の重要課題に『農業の革新』を上げているが、政権発足後にも施政方針で[攻めの農業政策]が必要であるとしていた。

若者たちが、故郷を守って『希望を持てる強い農業』を創っていく、としていたが、いったい、何を具体的に実行したのか。

地方分権政策は、まったく手つかずで、「自由度の高い交付金の創設」を、2年経ってからやっと言い始めている。

 

「地方への新たなヒトの流れを生みだす」と言いだしているが、この2年間でますます大都市集中、地方の疲弊、人口減少が進んでしまった。

何故、東京一極集中の流れを止めようとしないのか。

農業改革の要として、【全中の中央統制権限】を廃止することで、地方の農協の自立性を支援して、『農業強化には地域農協の自立が不可欠だ』との方針だ。

安倍政権としては、地方の自主性を最重要視する姿勢に転換した様である。

それならば、地方分権改革の要として、まず【農水省の中央統制権限】を大幅に縮小する改革に着手して、範を示すべきだが、それには後ろ向きの様だ。(続)


何を最優先で改革すべきか、判っていない安倍首相の愚。

2015-02-14 | 快適エネルギー社会問題

再生可能エネルギー産業の育成には、まだ多くの課題が積み残されている。

今回の『太陽光発電』の接続保留問題は、地域独占の電力会社に左右される送電線の運用が障害となって、現在の要求に沿えない状況が放置されていた。

九州電力で余剰に発電されたら、となりの中国電力の送電線網に流して利用するのは、素人が考えても出来る筈が、現状では電力会社のエゴが優先する。

さらに、中国電力を介して、関西電力の大消費地域に送れば、発電抑制などのムダな規制は不要で、多くのメリットがあるのに、政府は何もできない。

 

長年の間、原発の電力を最優先する「原子力立国」の麻薬中毒に、むしばまれた感覚が、一般社会の常識を受け入れない【傲慢な体質】に、染まっている。

安倍政権は、この様な既得権構造を改革する能力も、意欲もない様である。

施政方針の中でも、この送電線網の管理体制の大改革には、一切、触れていないで、経済産業省の官僚に任せるだけで、逃げる姿勢が見え見えである。

その逃げ腰の弱みをゴマカソウとして、「明治維新のリーダー」の言葉を引きながら、「明治の人にできて、今の日本人に出来ないわけはありません。」

「前に向かって歩みだす時です。」と声高に叫ぶが、本人は後ろ向きのママだ。

 

施政方針演説でも、「電力システム改革」を進めて、発電部門と送電部門の分離によって、送電網には『新規参入者に公平の接続権を保証する』、としている。

しかし、現実に打ち出す政策は、原子力を最優先し、将来の新産業として育成すべき「再生可能電力」は、邪魔もの扱いする感覚から抜け出ていない。

送電部門の分離は、既存の電力会社の利権優先を抑える効果はあるが、それだけででは、「電力システム改革の入り口」にすぎないのだ。

9電力会社から分離した送電会社を、西日本の送電線網を一元的に管理して、各電力会社の管轄を超えた広域の範囲で、電力の融通が可能にする改革だ。

 

この重要な送電層網管理の統合化が出来なければ、各送電会社の都合が優先する事態に陥り、発電・送電の分離制度の意義がほとんどない。

さらに、広域的な融通を前提として、将来に『再生可能電力の大幅拡充期』に合わせて、弱体となる送電線網の大幅強化をする必要がある。

安倍政権の政策では、既存の原発を再稼働することばかりに予算を回している。

電源三法の交付金の大半は、原発立地の県や地元への交付金に回り、送電線網の拡充や、相互融通への設備資金に回らない現実だ。

安倍首相は自分が言っている意味が解らず、「最大限の導入」を連呼している。