庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

無駄になる公共事業でも下からの押し上げ効果をもたらす。

2014-05-31 | 経済問題

上層部を富ませても、その資金はグローバル化した現代では、運用益が一番有利な国に流れて、底辺層に回ってくることは殆どない。

むしろ、その悪影響のしわ寄せは、もっとも弱い立場の人に負担が回って、格差を拡大する効果が大きい。

アベノミクス第一の矢は、超金融緩和による円安誘導政策であるが、これは大企業、富裕層に恩恵を注ぐが、弱い立場の一般国民と輸入依存関連の中小企業に、損害を回す【格差拡大政策】の典型である。

 

ところが、アベノミクス第二の矢の【公共事業の大奮発】による税金のバラマキ政策では、各地での「雇用の改善」が進んでいると報じられている。

4月の有効求人倍率は1.08倍とバブル崩壊以後の最高値に並んだ。

大都市圏や都市部では人手不足の状況で、全国に人材の奪い合いが起きている。

愛知県の有効求人倍率が1.56倍と最高で、最下位の沖縄県は0.64倍と、地域格差は依然として大きいが、人手不足の県外からの募集が広がり、「勤務条件を破格の優遇」にして、集中的に人手を集めている。

 

その結果として、勤務条件のきつい深夜時間帯では、時給1500円を超える企業も現れた。

平均的な接客業の有効求人倍率が2.54倍となって、2年半続けて現在の時給925円まで上昇し、さらに引き上げる動きになっている。

これは、アベノミクスの公共事業バラマキと大震災の復興事業の本格化によって、日本中が人手不足による、賃金上昇の流れになったのであろう。

これは、長年に渡って引き下げられて来た「労働条件のレベル」を、下げ止まりさせて、ヒトを安く、深夜でも働かせる様な「労働条件デフレ」を、改善する成果となって現れる。

 

アベノミクス経済は、掛け声だけの表向きの「経済回復」のアピールが多い。

だが、この「労働条件デフレ」に歯止めをかけて、下からの給料ベースの増加傾向に転じた功績は、安倍政権の数少ない得点として評価してよいだろう。

しかし、公共事業の予算を、大量の国債発行に依存している様では、減点されるが、今後の行政改革による無駄な税金の使途を削減して、後からでも償う必要がある。

しかし、小泉政権退陣後に下がり続けた「有効求人倍率」を1.08倍に引き上げた潮流を、『日本全体の賃金デフレからの脱却』に向ければ、大きな成果である。


20世紀の旧時代経済思想に囚われている安倍政権。

2014-05-30 | 経済問題

安倍政権の経済政策は、大企業や輸出依存企業が売り上げ、利益を増やすことに重点を置いている。

これは、中国の小平が提唱した先冨論「可能な者から先に裕福になれ。そして落伍した者を助けよ。」との共通点が多い。

日本の高度経済成長時代にも、国を牽引する様な産業や大企業を優遇して、とにかく経済活動の規模を拡大することを重視した。

この理論によって、経済規模が弱体であった日本は、高度経済成長に転じで先進国の仲間入りを果たした。

 

この考え方は、アメリカでは「トリクルダウン理論」ともいわれては、新自由主義の代表的な主張の一つであり、この学説を忠実に実行した時のアメリカ合衆国大統領ロナルド・レーガンの経済政策、いわゆるレーガノミクス(Reaganomics)によって実行された。

しかし、その後のアメリカ社会は、経済各差が拡大した社会に転じて、富める層と生活レベルが最低水準で停滞したママの下層社会が、国の大きな問題につながって行った。

現状では、マクロレベルでのパイの拡大が、貧困層の経済状況を改善につながることを裏付ける有力な研究は存在しないとされている。

 

この、トリクルダウン理論(trickle-down theory)は、「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)する」とする仮説で、理論とは言えない「経済思想」であり、イデオロギーの範ちゅうである。

アメリカ社会は、富める1%の超富裕層が、社会制度の仕組みや政策を支配している。

国全体の国内総生産[GDP]が成長し続けていても、残りの99%の一般国民の生活は豊かにはならない。

底辺層の職業に縛られて永久的に生活の向上が見込めない層が増え続けて、「社会不安を増加」させる【格差拡大社会】に落ち込んでいる。

 

日本社会においても、この経済格差拡大への潮流が1990年頃から流れていた。

その流れを冗長する様な、【労働分配率を低下させる政策】が、経済界の要求によって実施されたので、経済は賃金デフレに陥り、経済成長も抑制した。

それでも、中国の先富論、アメリカにトリクルダウン理論、を信奉する旧時代の自民党思想により、「大企業を優先」して活性化させれば、国民全体に富が浸透して、国は豊かに成長する、と信じ込んでいる。


産業だけは栄えて働く人が不安定になる社会が成果か?

2014-05-29 | 暮らし・健康問題

安倍政権が5月28日に開いた「産業競争力会議」では、「働いた時間ではなく、成果に対して払う新たな制度」を導入する方針を決めた。

「労使で合意した一般社員も対象にする」との方針で、中核・専門職で働く【幹部候補生】となど、民間議員が追加案を提示している。

これに対して、厚生労働省側は、「世界レベルの高度専門職」に対象者を限るとした対案を提示した。

つまり、高年収者で、時間の制約を受けない専門的な活動をする職種に限ることで、労働環境を低下させることを防止する姿勢である。

 

これは、厚生労働省の姿勢の方が適切で、成果を要求される職場環境に振ると、弱者の立場の働く人への労働強化になる必然性を認識している。

ところが、民間側の議員は【高度専門職に限っては意味がない】と苦情を並び立てている。

今後は、労働政策審議会で具体的な制度づくりの検討に入るが、そこで、安倍政権の問題認識レベルが問われることになる。

 【幹部候補生】に限るなどの美辞麗句は、ブラック企業の常套手段で、入社早々の新入社員を、店長候補としてサービス残業をせざるを得ない様な環境におく。

 

もっと以前には、労働の機会を増やす為には、【派遣社員制度】を大幅に広げることが、働く人の就業機会が増える、とのうたい文句で職種を拡充した。

その影響で【派遣社員制度の拡大によるデフレ現象】が起きて、臨時雇用的な不安定な状況を加速し、非正社員の大幅な増加を招いてしまった。

それが、全体的な給料レベルの低下を招き、正社員のベースアップを抑制する効果(成果?)生みだして賃金の恒常的な低下を招いてしまった。

今の段階に至っては、長期のデフレ経済の原因は、【賃金デフレが主因】であったことは、周知の事実である。

 

「産業競争力会議」の民間議員は、この非正社員の急増と賃金デフレを引き起こした【派遣社員制度の無定見な拡充】が、日本の将来にとって大きな禍根を残した事実をどう釈明するつもりなのか。

この働く機会を増やす美辞麗句で、日本経済を長期停滞とデフレ経済に追い込み、それによって【少子化傾向が助長された】成果?が生まれたのである。

産業のことだけしか見ていない、【近視眼的な民間議員を重んじる安倍政権】の経済運営と少子化対策の無策ぶりは、いつか大きな成果?となって戻ってくる。

 


何を目指して働き方の自由化残業代ゼロを導入するのか。

2014-05-28 | 暮らし・健康問題

経済活性化の成長戦略が一向に見えてこない安倍政権では、民間の経営者などを加えた「産業競争力会議」が、働き方の規制緩和を言い出している。

規制が産業の自由度を阻害しているから、新産業は生まれにくく、事業活動にブレーキをかけているコトが、経済成長の停滞を招いているとの認識だ。

だから、働き方の自由度を上げる策として、「労働時間にかかわらず賃金が一定」という制度を一般社員も対象で設ける、との提言である。

これを言い出している経営者の代表は、要するにもっとやる気のある社員を、時間の制約を取り払って、「モーレツ社員」として会社に尽くせ、とする。

 

これが、その会社だけの都合を優先している「旧時代の感覚」であることを、少しも気がついていないで、会社勤めをしたこともない安倍政権の世襲政治家は、「ごもっともで貴重な提案」だと受け入れる。

確かに20世紀では、いわゆる管理職になれば、労働時間の制限もなくなり、会社の都合次第で、休日出勤も深夜残業をいとわずに働く場合があった。

それで、頑張る社員が多ければ会社の仕事は成功して、世界で勝ち残れる企業に成長してきたのは事実である。

だから、「過去の栄光を取り戻すには、モーレツ社員を増やせ」の単細胞だ。

 

これでは、またまた、子育て世代への圧力となって、子供を授からない、育てるにしても一人だけ、いや、結婚もしない、という若年層を増やす効果だけだ。

いわゆる「モーレツ社員」の本場である東京都の若年世帯が、子育てを敬遠しているので、【特定出生率が1.1以下】になっている事実をどう考えるのか。

東京都の様に、若い人たちを引き寄せる魅力のある都会生活が、子育てに不向きな育児環境と、職場も仕事優先一辺倒にむけて、社員の風潮が流されていく。

これで、経済活性化が起きたとして、その代償に【少子化は強化】される。

 

くだんの「産業競争力会議」の経営者のエリートたちは、会社が栄えて行くだけしか、眼中にはない様である。

会社が儲かれば、経営資源としての資金や資産が増えるし、株価も上昇して会社の価値が上がるから、経営手腕を高く評価されて名声があがる。

その代わりに、都会の若年層から子育ての機会と環境を奪い取り、人手不足になれば、地方から新たに若年層を吸い寄せて、地方の経済は衰退させる。

それで一部の産業競争力は強化されるが、日本全体では少子化と地域社会の衰退で、「消費力の減退と需要不足」によって、経済はさらに縮小方向になる。(続)


日本の国富を守るエネルギー自立への方針を。

2014-05-27 | 快適エネルギー社会問題

現在の日本の将来における最大の懸念は、少子化問題による人口減少である。

これは経済の縮小の原因になるだけでなく、日本の国内に温存された資源やエネルギー、そして最重要な文化資産を継続して発展させる人材の不足になる。

貿易赤字が拡大して、経常収支までも赤字化してしまう様な、経済運営の失策を止めるには、まず、「少子化問題」の根源に向き合わねばならない。

問題の根源には、多種多様な複雑な要因があるが、能力不足の政権にたいしては、まずは、経済問題とエネルギーの自給化に向けた対応が先決であろう。

 

政府は、「3・11」以降の原発全停止に対して、火力発電の燃料費の輸入増大を貿易赤字の原因としている。

だから原発を早期に再稼働すべきだ、との方針は、短絡的な思考の典型であり、

国民は将来を見据えた「エネルギー基本方針」を再構築するコトを期待しているのだ。

それを理解しないで、当面の繕い的な基本計画では、誰も政府のするコトに賛同しないで、信用を損なっている。

将来に期待が出来ない段階では、「少子化問題」をさらに加速するだろう。

 

「再生可能エネルギー」の可能な限りの促進、と謳っていても、いまだに、微々たる普及率のエネルギーだと軽視し、排除しようとする勢力が多数、存在する。

このブレーキ役の守旧派産業界の石頭が、政権の中枢に影響しているので、「エネルギー基本計画」に対する国民の賛同は、まったく得られない状況だ。

しかし、世界はそのような立ち遅れた日本には関係なく、再生可能エネルギーを将来の主力に据える『あらゆる政策を動員して普及促進』の競争段階にある。

その方向に添えて、「シェールガス革命」に対応すべく、天然ガスの普及拡大促進にも、邁進をしなければならない。

 

この天然ガスは、自前の国産エネルギーの確立ができるまでの、「中間的なエネルギー」だが、他の化石エネルギーに比べて環境負荷が少なく、日本は技術的にも優位にあるから、国の総力を挙げて、普及とコスト削減に取り組むべきだ。

この二方向戦略を確立してこそ、「エネルギー基本計画」に対する国民の賛同が得られて、将来に対する希望も芽生えてくる。

この機運ができることが【少子化問題】の出発点であり、その先には、国産エネルギーの拡大によるエネルギー自立化へのビジョンの提示が必要である。

日本の将来の経済的な基盤を、『自立するエネルギー計画』の上に立てるのだ。


社会の誤りを指摘して正す役割のメディアが無責任だ

2014-05-26 | 国創り政治問題

このブログで【少子化問題】を最重要視すべきと書いてきたが、安倍政権のチグハグぶりや、アベコベ政策を、何の批判も出来ない【マスメディアの盲目的な報道姿勢】が、この問題を放置する風潮を作りだしている。

つまり、日本の将来の人口が減って行くのは仕方のないことで、時代が進むと当然の様に【少子化が進む】という運命論に支配されているから、若年世代が減少しても国の形が継続していれば良いのである、と頭が働かなくなっている。

しかし、【少子化問題】は先進国化する代償として甘んじる現象ではない。

それは、政治の欠落であり、産業優先の誤った経済運営による弊害の問題だ。

 

本日の朝日新聞(2014年5月26日)の社説に、【人口急減社会の問い】と題して、「生き方の再検討を迫る」との論説を掲載している。

どうすればこの人口減少の流れを緩められるか、の問題に対して官民三津の有識者会議が報告をまとめた。

さほど目新しい指摘や対策があるわけではなく、元々やるべきことはハッキリしているから、実現できるかどうかだ。

との他人ごとの様な真剣みのない、評論家的な論説に留まっている。

 

これが、日本の政治と社会をリードする言論の代表であるとすれば、思考力の貧困化が日本の最大の危機と言ってしかるべきである。

「やるべきことはハッキリしている」とは、「子育て支援が薄い、共働きの広がりに、支援策が追いついていない」、という指摘だけである。

もちろん、この課題の政策の遅れは著しい問題点であるが、その他人ごとの様な無責任な感覚が、この日本の知識層のレベルが低下してコトの証であろう。

支援策の具体的な制度や仕組みを論じないで、ただ、「他の先進国に比べると遅れている」と、まったく知恵も熱意もない論調である。

 

その様に具体的に実行すべき策を提案もせず、「遅れているから真似をしてでも後追いせよ」と言うだけでは、サルでもできるレベルである。

その一方で、「長時間労働が際立つ」と指摘し、「残業も転勤もいとわずに働くのが当たり前だったから」と、高見の見物的なモノ言いである。

派遣社員制度を放置し、時には礼賛して「非正社員の増加を放置」して上で、賃金格差が拡大した、と結果論を報道するだけである。

この「賃金デフレ」を冗長して責任も、マスメディアの大本営依存が原因だ。

メヂィアの責任者こそが、『少子化問題の先頭に立つ』覚悟をすべきである。


目先の勇ましい安全保障に力を入れて肝心の問題は逃げる。

2014-05-25 | 国創り政治問題

安倍首相は日本の将来にとって最も大切な【少子化問題の対応策】を、本気で取り組む姿勢が全く見えない。

その対応策として有効である「地域社会の活性化」についても、従来の政策のおざなり的な対応に終始する。

地域社会の活性化を牽引する「再生可能エネルギー」の普及促進も、掛け声だけの官僚依存のままである。

さらに、地域社会を疲弊させるような、大企業優遇の法人税減税を強引に進める方向だ。

 

どの政策をみても、安倍政権は将来をしっかりと見据えている気配はない。

例えば、今マスコミを賑わしている「集団的自衛権」の解釈で、従来の路線を一内閣だけでの判断で、変更できる路線は、国民の意思に全く反している。

それをすぐにでも実施しなければならない課題でもないのに、他のことは差し置いて「国家の存亡をかける重大問題」であるかの様な態度は、疑問だらけだ。

各方面から出されている疑問を、国会や有識者会議、全国的な議論の場を設けて、着実な理解と合意を得る努力を怠って、ハショッテいるだけである。

これでは、国民の将来の安心感を増加させる方向は、全く逆の効果しかない。

 

【少子化問題】対して、何の有効対策も打ち出せないばかりか、人口減少を加速する政治を強行して、何の安全保障対策と言えるのか、愚かな思い込みだ。

差し迫った問題の離島の防衛問題は、海上保安庁の機動力の強化で対応するのが最も得策で、それを実行した上での追加の方策は、外交問題で論じるべきだ。

外交交渉が行き詰ったらすぐに、防衛力の強化を称して軍事衝突時の戦力を言い出すのは、政治的能力、外交交渉能力に大きな欠陥がある証明でもある。

 

もう少し穿った見方をすると、【少子化問題】に対しては、誰にでもすぐに判る「待機児童の減少対策」程度しか考えつかない上に、まともな予算を計上出来ない実行力で、社会的な批判と国民の関心をそらすのが狙いの様である。

これに対してマスメディアの方も、安倍内閣の「集団的自衛権」の問題対策に引きずられ、【大きな紙面と時間を割いて報道する】、大本営従属路線だ。

一番肝心の国民生活と人材、豊かさの維持の根幹になる問題を、表面から遠のけて政治の弱体を覆い隠す「安倍政権の策略」に、乗せられている。

それと、成長戦略と称する経済政策の弱体な中身を、ぼやかす戦術であろう。

原発維持依存政策や、既得権益層優遇の政策は、すでに破綻の方向であるのに・。


大企業を優遇することで経済成長を図る安倍政権の愚。

2014-05-24 | 経済問題

安倍政権はまたもや「大企業に有利な税制」に転換しようとして、法人税の減税を目論んでいる。

世界中から日本に企業を呼び込むためには、割高を言われる「法人税の税率を10%程度引き下げる」ことで、日本の経済は活性化すると見ているのだ。

ところが、この減税を実施すると5兆円ほどの税収減少になるので、代わりの財源を捻出する必要がある。

それを、またまた消費税増税に求める魂胆であるが、まずは、「配偶者控除」を見直して、「共働きを奨励」する方向である。

 

共働きを増やすことで、経済成長に貢献すると勘違いをしているが、一次的には世帯収入が増えることで、お金は豊かになるかも知れない。

しかし、子供を養育する費用が増えるからといって、一人っ子を二人にするとは考えられない。

むしろ、日常生活の時間の余裕が減ることで、子供を持たないか、一人だけにする世帯が増えるであろう。

つまり、法人税減税の影響で、さらに【少子化が進む】方向になるのだ。

 

若年世代の共働きが増えて世帯収入が増えることで、一次的には消費が増える。

しかし、一人っ子や子供のいない世帯が増えて行けば、20年後には確実に働き手も減ることになる。

消費人口が減ることは、「総需要不足」を引き起こすので、国内企業の事業は停滞して新規投資は確実に減ることになる。

つまり、共働き世帯を増やしても、経済は縮小路線を進むコトになる。

法人税の減税そのモノは、経済効果はあるとしても、代わりの財源を作りだす政策が間違っては、かえって逆効果になるのだ。

 

また大企業への減税を実施して企業収益を増やしても、国内に再投資をする可能性が低いことは、「超金融緩和」の実情を見ても明らかである。

それよりも、地域に密着した中小企業を支援する制度を優先し、地域社会に雇用を創出した実績を評価して、各種の減税を実施する方が効果が持続する。

それも、低賃金で成り立つ「廉価製品」の事業ではなく、地域の潜在的な資源を引き出して「高付加価値」を作りだす事業を、開拓するコトに重点を置く。

地域の資源を活用する事業だから、海外製品との価格競争にはならない。

低賃金にする必要のない「地場産業」を優遇する政策こそ、最優先すべきだ。


将来の豊かな社会の原点は地域経済の再構築にある。

2014-05-23 | 暮らし・健康問題

安倍政権の旧時代感覚は、あらゆるところに思惑違いを引き起こしている。

超金融緩和による「国債の大量買入れ」は、銀行が保有していた国債を日銀が買入れることで、銀行に大量の資金を流す政策であった。

ところが、銀行に渡ったお金を国内の企業、特に地方の中小企業に回して、投資を促す狙いであったが、国内需要が低迷したままでは、投資意欲は起きない。

日銀では低金利で企業に貸出しをすれば、融資額が増えて国内に潤沢なお金が回ると見ていたが、それは完全に思惑違いであった。

 

一方で中央の「大手銀行での潤沢な資金」は、国内企業への貸出には回らず、国際化した大手企業の海外事業拡大への投資資金に回っている。

つまり、超金融緩和政策によって「円安に誘導」した結果、一般国民と地域の企業には円安による経費増の負担を回して、お金を吸い上げて来た。

その反面で、銀行に集まったお金は「海外への事業拡大資金」となって、大手企業、国際化した企業の業績拡大に回されたのである。

ホンの一部のお金は、春のベースアップの資金に回されたが、下請け企業や中小の輸入経費の増大による損失を被る企業では、賃金上昇は望むべくもない。

 

この様な現状を見た「若年世代」は、将来に生活に夢を託すことはできない。

地方の下請け的企業で働く人への「賃金上昇」の潮流を作りださなければ、消費意欲の増加もなく、地域企業の新規投資意欲も増えていかないのだ。

この様な「地場産業」や「下請け企業」の活性化を図ることが先決で、それによって働く人の賃金上昇を、最優先で引き上げることが必要なのである。

大企業や銀行の優遇によって、上からおカネを注いでいく「トリクルダウン効果」は、もはや期待できない経済論だ。

地方企業、地場産業を優遇して、現場で働く人を最優遇してこそ、日本の経済の活性化はホンモノになっていく。

 

中央からの経済活性化の本場である「東京都の特殊出生率」が、全国で最低の1・1であること知るべきである。

その一方では、北陸の県では、全国の平均を上回る特殊出生率で、この現象は、地方での仕事の安定度と余裕、家庭生活の安心感が優れていることによる。

それでも、「人口減少を止める特殊出生率2.1」を、大きく下回っている現実を重く見て、総論的な[GDP](国内総生産)増加を論じる政策は、すべて見直すことが、日本の豊かな将来に向けての再出発になるのである。


国の将来像も描けない政権には少子化傾向の改善は無理。

2014-05-22 | 暮らし・健康問題

安倍政権は頭の硬い守旧派の集団の様に、何が国民の意向なのか、聞こうとする姿勢が見えない。

国民が一番の望んでいるのは、将来の生活が安心できる社会を目指したい、との意思を示して、政府が実行して行く事を期待している。

ところが、歴代の政権は安心社会を築くのは、能力不足を露呈している上に、安倍首相の様に旧時代への逆戻りを指向している慢心ぶりに、もはや期待できないと思い始めている。

これでは、『少子化傾向を改善』することなど、望むべくもない。

 

自民党政権の政治家達は、日本のあり方に対して、いまだに製造業の強みをいかした「加工貿易立国」の延長でしか、将来像を描けない。

それは、グローバル化した世界経済の中では、もはや、成り立たない目標だ。

現実は、製造業によって豊かに栄えてきた地方にも、大きく影響が表れている。

静岡県は工業製品の出荷額で全国3位の地位にいたが、自動車部品や2輪車生産、電気機械、製紙などの主力産業は、製造現場を海外に移転してきた。

その結果、静岡県の人口減は日本のワースト2位(1位は北海道)になり、働く人の流出が続いている。

 

これは、一時的な流出ではなく、構造的な問題で大量生産的な製造業は、日本での再構築は困難になっている。

新幹線が一番早く開通し、高速道路も充実したことで、製造業の立地条件が恵まれた静岡県は、地方の発展モデルであったが、これは、限界になっている。

それなのに、産業界では、「企業が競争力を高める」ため、柔軟な働き方をできる【残業代ゼロの勤務形態】を実現する様に要求している。

これを実現すれば、地方の産業は復活し、女性の就労が容易になり、『子育てのし易さ』が向上するとでも言うのか、全く理解に苦しむ。

 

そもそも、国内の製造業が成立しなくなり、仕事がどんどん海外へ移転してしまう傾向は、国内の家庭の消費力の減退にある、と認識しなければならない。

それを逆方向に推し進める「低賃金化」の元凶となる、【派遣労働者の増加】を企業側の言いなりに進めた自民党政権の責任を自覚していない。

さらに輪をかけて、産業界のやり易い様な「残業ゼロ制度」を導入すれば、働く人への圧力は高まるのは、誰にでも判る筈だ。

それによって、晩婚化、未婚化、【少子化】は、加速されるのは必須だ。(続)


数字で目標を立てることくらいは凡庸な政治でも可能だ。

2014-05-21 | 暮らし・健康問題

安倍政権の実行している政策は、【少子化の流れ】を止めて国の基盤である人材を厚くする方向にいっていない。

今までに書いた様に、若年世代、女性層にとって、結婚して子供を育てる夢をむしばむことばかりを実施してきたからである。

今になってやっと『保育所の増設』すると、取り繕う後追い政策ばかりである。

今度は、民主党政権も放置してきた、「学童保育」の増強を言い出して、小学生を持った共働き世代への支援をやっと始めた。

 

学童保育の施設は、昨年の5月時点で2万1482箇所あり、89万人の児童が登録しているが、整備が追い付かず、利用したくても出来ない自動が9000人いる。

潜在的なニーズは、30万人程度はいると厚生労働省はみているが、その分の受け入れ策を用意して、すべての希望者を受け入れることを可能にする。

共働き世帯の増加に追いつく様に5年で進めるとしている。

しかし、この程度の仕事に5年もかけるなどは、低次元の行政能力である。

来年度に、すべての希望者を受け入れるくらいの熱意が欲しいところである。

 

保育所の不足が長年に渡って言われてきたのに、安倍政権の政策では40万人分の定員を増やすのに、2017年度末までかかる計画の様である。

しかも、この「待機児童解消加速プラン」と称する計画を政権発足後に1年もかかってまとめたが、その予算規模は235億円程度しか計画していない。

土建事業には3兆円以上の予算を回す勢いなのに、肝心の次世代を育成する政策は、けた違いに少ないのが、安倍政権の【人よりもコンクリート】の姿勢だ。

少なくとも、この計画に懸ける費用と人員を増強して、2015年度末までに「待機児童ゼロ」を達成する勢いにしないと、加速プランとは言えない。

 

共働き世代の子育てを支援することは、『少子化対策の初歩』であり、その達成は必須である。

その上で、2人以上の子供を授かって大切に育てようとする若年世代が増える「安心出来る子育て社会」の構築を、骨太の政権目標に据えるべきである。

それも、共働きできる様に【女性の就労を促進する】ことで産業に奉仕するなどの、目先のせせこましい目的ではなく、将来の優秀な人材育成にある。

安倍政権の政策は、名目的な経済成長ばかりを追い求め、「世界で一番、企業が活動し易い環境を作り」を目標としている。

これは、『世界で一番、子育てがし易い社会環境を創る』に換えるべきである。


安倍首相のやっていることは少子化を加速する政策だ。

2014-05-20 | 暮らし・健康問題

少子化の課題に対して、安倍政権は有識者を集めて対策の方針を検討してもらうことを始めている。

しかしやっていることは、少子化がより一層進むことばかりを採りあげて、若年世代、特に女性に対して、【家庭を持つことの不安】を増加させるばかりだ。

経済を強くすることは、将来の生活への安心を強める助けになるが、その手段としての、「貿易の無制限な自由化」を目指す[TPP]交渉の譲歩では、逆効果でしかない。

 

ましてや、経済を強くもしないのに、旧時代への逆戻り的な【原発再稼働】と【核武装への道】を強化する様では、少子化が止まることはあり得ない。

原発への依存を続ける「エネルギー基本計画」では、日本の将来においても安全性よりも大資本、大規模事業を偏重する方向で、少子化を加速した原因だ。

経済成長を最優先にしてきた国策としては、適切な政策であったが、それも1990年までの段階で終わっている。

その後は、金融重視政策やら、情報化社会へ向けての「IT産業立国」など、将来像に対する迷走を続けて、将来への不安を拡大してきた。

 

歴代の自民党政権では、【少子化の流れ】を止めることができずに、とうとう、先進国の中でも一番低い「特殊出生率1.4」にまで落ち込んでいる。

この原因をしっかりと分析もせずに、1990年までの経済成長路線、[GDP]の数値目標を追い求める既得権層の言い分ばかりを、鵜呑みにしていた。

2000年代の構造改革路線では、腐敗した既得権層を破壊する革新を図ったが、その後の「自由競争路線至上主義」によって、「賃金デフレ」の常態化に進んでしまって「ブラック企業」の増加を放置してしまった。

これが、若年世代の晩婚化、非婚化を加速したのが間違いないのである。

 

賃金デフレは【デフレ経済の長期化】を引き起こしただけでなく、結婚しても共働きをしなければ、一定以上の生活が出来ない。

この当然の傾向に対して、歴代の政権は、【保育所の慢性的な不足】を、自治体の責任で解消する政策に責任を転嫁してしまった。

財源不足の自治体などは、それどころではないとして、保育所不足と低レベルをそのままにしたので、当然の様に、子供を産まない家庭が増える方向だ。

必要最小限の「保育所の充実、増設」すら出来ない安倍首相は、日本の将来を本当に考えているのか、頭の中を理解しがたい逆方向の政治をしている。(続)


少子化対策に向けてアベコベミクスを打ち続ける安倍政権。

2014-05-19 | 暮らし・健康問題

自民党政権の歴代内閣は、すべて経済成長を促進しようとして、産業界の言うことばかりを優先的に採用してきた。

肝心の働く人の待遇改善には、後回しの恩恵を回す程度で、いわゆる「トリクルダウン効果」しか、頭の中にはなかった。

つまり、企業が儲けることが先決で、その利益の配分を働く人へ回すのが基本で、儲からない場合は、賃金を下げるのがスジであり、政府が介入すべきではない、としてきた。

 

その結果は、市場競争の激化によって賃金が年々引き下げられ、年功賃金の制度が崩れると同時に、雇用の安定までもが軽視される様になった。

企業の業績が悪くなれば、正社員の割合を減らして臨時雇用的な非正社員の仕事にまわした。

結局、人件費の平均が下がることで、経費削減に邁進することを奨励するコトに力を入れる始末である。

それは、「賃金デフレ」を引き起こすと同時に、長期的には「特殊出生率」を下げる悪影響を引き起こしたのである。

 

安倍政権は「トリクルダウン」の効果に疑問がだされたので、今年の春闘には大企業に対して「ベースアップ」の要請をする様になった。

ホンの少しの効果があった様だが、若年層や低賃金に就労者にまで、賃金アップの効果が回って行くには、まだ不十分の状況である。

これでは、結婚適齢期の若者が婚期を遅らせるのと当然である。

それだけでなく、結婚をあきらめる人の割合は増える一方であり、これでは【出生率は下がる】ばかりである。

 

幸運に巡り合った結婚しても、「不安定な雇用」や、「先の展望の見えない低賃金」の段階では、子供を持たない夫婦が増えていく。

民主党政権時代には、『コンクリートから人へ』のスローガンで、子供の育成は公共の役割として、育児世帯への助成を厚くしたが、十分とは言えない。

それが、自民党の政権に復活した段階で、また、子供への支援は中途半端に引き戻してしまった。

「特殊出生率の回復」を懇談会で検討させるなど、「茶番劇を演じるテイタラク」で、こんな状況で少子化社会を憂いても、神様は子供を授けてはくれない。


安倍内閣のやっていることは砂上の楼閣を建築している。

2014-05-18 | 国創り政治問題

日本の将来は『少子化対策』が最優先で実施され、若年人口の減少が止まってから、本当の国創りの段階になる。

それまでの景気対策やら国土強靭化などは、土台のないところに建築する様な愚かなコトに等しい。

日本の国民が本当に要望しているのは、現段階のわずかな経済成長の数字ではなく、次世代の優れた人材が育ち、将来とも豊かな日本が持続することにある。

たしかに『豊かな国土と文化を支える』には、経済の活性化は不可欠であるが、それは手段にすぎないのだ。

 

ところが、政権に復帰した自民党は、長年に渡って停滞してきた経済を、一次的とは言え、バブル的な株式上昇、金融資産の増加による景気浮揚に浮かれた。

経済さえ順調ならば、長期安定政権が維持できるとして、従来の景気対策に逆戻りをしている。

短期的には成果が出ない『本当の次世代産業育成』には、官僚依存の成長戦略で、目標がアイマイで総花式バラマキ的な予算である。

そして、相変わらずの外圧依存を追い風にする様に、構造改革路線と【将来の国創り構想を抜きにした自由貿易立国】に、突き進もうとしている。

 

しかし、『次世代産業の育成には、層の厚い優秀な人材』を育てて、常に世界の先端を進むだけの革新力が必要である。

それには、現世代の努力も必須であるが、それ以上に日本の将来を支える次世代の日本国民を増加させる『最重要な政策』が欠落しているのが問題である。

現世代が作りあげてきた今の産業は、時間とともに競争力を失うか、海外への技術移転で、日本の支えとしての力は弱体化する。

それを、次の新産業に置き換えていくことが、日本の豊かさを持続できる基本的な戦略である。

 

だが、その戦略も曖昧な状態の上に、実行にあたっての次世代の若年層が大幅に減って行く様では、実現は不可能に近い。

差しあたっての問題である【特殊出生率の長期的減少】を、すぐにでも増加に転じさせなければ、すべての成果が崩れ落ちてしまう運命にあるのだ。

難しい課題であるから、すぐの具体的成果が出るわけではないにしても、目先の共働き世代の【待機児童問題】さえも実行出来ない様では、無策に尽きる。

「TPP」や「集団的自衛権」の議論よりも、最重要の問題と認識すべきだ。


国の存立の基盤は最優先で優秀な若年世代を子育てに。

2014-05-16 | 暮らし・健康問題

安倍政権が発足後に、日本の将来は経済成長を続けることだと言わんばかりに、超金融緩和によって産業を活性化しようとした。

それは円安によって、【弱者と国内企業に犠牲の上】で、グローバル化した大企業の利益を増やして、[GDP]の数字を増加させることで実現しようとする。

しかし、それが継続できる見込みが立たないことに気がつき、政権発足後の500日を経過して、やっと『少子化の問題の中長期対策』を打つ必要があるとし始めている。

なんと怠慢で鈍い感性であるか、根本の人の問題にやっと目を向けたのである。

 

ところが、例によって人の気持ちも理解できない【世襲型政治家】たちは、自分の感性では頭が働かないので、いわゆる専門家と称する「左脳型人間」の論理頭を借りようとする。

そして、2050年においても人口1億人以上を保つ、といいだして、若者世代、女性層からの反発を受けそうな、「産めよ増やせよ」的な数値目標を言い出す。

結婚をしない、あるいは結婚しても子供を持たない世代の気持ちを、十分に聞き出すことから始めるべき問題を、20年以上も前の感覚で議論している。

 

少なくとも「特殊出生率」のことを、もっとよく見て「打つべき対策」をすぐにでも始める必要はある。

東京都の特殊出生率が日本最低の1.1(女性一人が生涯に産む子供の数)であることはもはや常識である。

経済的に国が豊かになれば子供を育てやすい筈が、逆の傾向で、「通勤時間が長く保育所は足りず、子供を生むと仕事を続けにくくなる企業が多いコトによる。

夫婦とも正社員が当たり前の地方の県の方が、子供が多く産まれている。

子育てに親世代や社会の支援が厚く、子育て中の収入の確保がし易い地域は、子供が増えている。

 

経済成長戦略とか、集団的自衛権の議論も重要だが、時間が相当程度にかかる政策であるし、国民の協力と合意が基盤になる必要がある。

その一方で、少子化対策は10年以上前にも検討すると言いながら、自民党政権は野党時代の3年半の間、何もしないで、民主党の失策待ちの怠慢さであった。

政権交代後にはすぐに手を打つべき『少子化対策』の具体策を、ただ経済が好転すれば「若者が子育てに向かう機運がでる」と、あなた任せの無策である。

少子化対策は、最重要で最優先の課題であることに気がつくのが遅すぎる。