庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

将来の国つくりの基本となる政策の財源捻出を本気でせよ。

2016-05-31 | 国創り政治問題

消費増税を本気で検討したのは【民主党政権の末期、野田内閣】の時であった。

2012年の後半からは、民主党政権の政権公約が実行できない最大の原因が、財源の捻出の検討不足であり、財政再建の逼迫から赤字国債も限界に来ていた。

当時の野田政権は、後先のことも考えずに、とにかく「社会保障の確実な改善」には財源が必須であり、その財源としてならば「国民は消費増税に賛同するだろう」と、安易に考えていた節がある。

野党の自民党は、この時とばかり「責任を野田政権に押し付けて」、「社会保障の充実との一体改革」の大義名分を掲げて、与野党一致で消費税10%に合意した。

国民は、この民主党政権の公約違反に激怒して、「鉄ついを下す意味で民主党政権を大敗させた」のは、ついこの間である。

 

政権交代した安倍政権は、「前政権の責任だからと安易に8%に増税」して、デフレ下経済からの離脱に強力なブレーキをかけてしまった。

消費増税だけが原因ではないにしても、安倍政権の経済政策は。ことごとく空振りであったから、3年間の経済成長はゼロ相当である。

働く人の実質収入は、ゼロ成長かマイナスに転落して、消費購買力の減退は続くばかりだから、今回の「消費増税10%」の実施は、先送りが当然である。

野党4党は、増税延期は当然として、安倍政権の経済政策の失敗が延期せざるを得ない状況にしていると、責任を問う形で「内閣不信任案」を提出した。

儀式はすませるしかないが、民進党は先の増税提案の責任を回避できるわけではないと、肝に銘じておかなければならない。

 

増税延期の責任を「安倍政権に押し付けて」選挙戦の訴えの柱とする狙いでは、6年前の民主党となんら進歩がない状況になる。

日本が抱えた難題の政策課題には、大きな財源の創出が不可欠である。

それを、財務省の官僚の入れ知恵に染まって、消費増税をいう安易な道を選んだのが「民主党の政権交代の大失敗」であった。

安倍政権は敵失のおかげで「政権が転がり込んできたタナボタ内閣」である。

民主党政権と大差の無い、財源捻出には不得手の「世襲政治家集団」の自民党では、3年半も経ているのに、新たな財源創出の取組みには全く不熱心であった。

このまま2年半を経ても、赤字国債の増発から解き離れることは無いだろう。

 

民進党の「机上論政治家集団」は、6年前からは少しは進歩したと思いたい。

消費増税が国民からは忌み嫌われる上に、消費購買力にブレーキをかけるので、日本の歴史から見て、避けるべき増税策である事は明確である。

それよりも、「不動産所有者への増税」、「高額な資産家の相続税」、そして、「環境税への新規増税」のなど、検討すべき増税の対策法はいくらでもある。

いま、最も国民が支持する増税策は、「タックスヘイブン」に隠れた資産への、課税強化策である。最高の難題だが、それに挑戦する意欲は示すべきである。(続)

 


G7サミットの危機回避リスクは日本だけの空振り経済不況だ。

2016-05-30 | 経済問題

安倍政権は、ついに「アベノミクスの不調」を認めて、消費増税10%の実施を2年半先送りする方向に転換した。

リーマンショック並の経済不況だと、日本の一人負けを強調したG7サミットでは、

世界経済の緩やかな回復基調にある、との認識が大勢である。

それでも、2年半の増税延期はデフレ経済への転落を防止するには、避けられない先送りで、それだけ「アベノミクスの成果がカラブリ」であると判断したのだ。

それでは、先の「一億総活躍プラン」の実行に要する財源を、どのように捻出するのか、参議院選挙前に国民は知る権利がある。

それもなしで、内閣が居直ることは有言不実行の際たるものである。

 

安倍首相は、日本の経済停滞の実情にやっと目を向けるようになって、働く人の実質収入が「減り続けている」ことに気がついた。

名目だけの数値を見ている限りは、この賃金デフレと実質収入が減少する【アベノミクスの失敗】は見えてこなかった。

G7の各国では、低所得者層への配分を可能な限り増やす政策を実施し、収入格差の縮小を図っている。

しかし、日本だけは「アベノミクスの3本の矢」などと、言葉遊びに浸っている間に、【世界経済のお荷物に成り下がった】ことに気がついていなかった。

ついに、財政再建の目玉政策であった「消費増税」は先送りに追い込まれた。

 

超金融緩和政策は、インフレターゲット論の狙いで「消費増加を呼び起こす」ことだが、完全に失敗している。

国土強靭化をうたい文句にして、公共投資の大判振る舞いを実行したが、地域限定の効果しかなく、しかも一過性の経済効果だけで、空振り同然である。

経済成長戦略の活性化は必須だが、新自由主義経済の導入以後は、大手民間企業の関心は、【国内での新技術開発より、海外での事業展開】に向かってしまった。

安倍政権が長期的な成長戦略目標を打ち出しても、大半の企業は様子見をするだけの消極的な投資しかしない。

空振り同然の成長戦略では、経済の活性化には貢献しない段階にとどまる。

 

安倍首相が日本経済の停滞を認識して、リーマン・ショック前夜の危機を言い出すのは、日本経済にとっては適切だが、世界が同じと見るのは視野が狭すぎる。

ドイツでは、着実に次世代産業への投資と「格差縮小政策」を進めている。

アメリカは製造業の復活を目指し、エネルギー産業の次世代育成を怠りなく実行し、いまでは「石油も天然ガスも輸出できる余力」が生まれる状況だ。

フランスでは、20年以上も前から「少子化対策を最優先で実施」してきた成果で、『特定出生率は2以上に回復』して、少子化に歯止めをかける成果を産んだ。

それらの見習うべき課題も放置してきて日本が、いまさら世界経済の停滞をお説教するとは、笑止千万と言われても仕方がない。消費増税延期は当然である。(続)


経済危機の再来を回避するためにあらゆる政策を動員せよ。 

2016-05-29 | 経済問題

安倍首相はG7サミットで、世界経済の停滞を抜け出すためには、財政出動が必要だとデータを引き合いにして、リーマン・ショック並の経済危機を訴えた。

しかし、債務危機の遭遇した欧州では、低成長が続いているが回復の兆しが見え始めて、むしろ「財政の健全化を優先する姿勢」に終始している。

アメリカでは景気が上向き始めていることで、金融危機があった2008年とは状況が違うと、財政出動が必要と判断してはいない。

むしろ。景気回復の状況次第では、アメリカのFRBでは6月頃には、利上げの時期との判断もあり、上向き状況である。

G7の国では、2015年の経済成長率が低かったのは日本であり、各国首脳の認識は安倍首相とは大きな開きがある。

 

リーマン・ショック並の経済危機を回避するためには、あらゆる政策手段を動員して実行することが必須だと言う安倍首相は、完全に自己中心の様相だ。

G7サミット終了後の記者会見では、「最も懸念されるのは世界経済の収縮だ」として、「協調して金融、財政、構造改革を進めて3本の矢を放つことを合意した」。

それを、「アベノミクスを世界に展開する」と言い出したのは、呆れた言い分だ。

3本の矢の表現が国際会議に通用するわけでもなく、日本の超金融緩和政策は中途半端に終始している。

財政政策については、世界最大の借金体質のまま、先進国首脳に講話をする資格も無いのに、協調を押し付けようとする。

構造改革は、安倍政権の3年の成果は皆無に近い状況だ。

 

こんなていたらくを直視しないで、「あらゆる政策を総動員してアベノミクスのエンジンを最大限ふかす。」と言い出しているのは、自己陶酔の際たるものだ。

アベノミクスの現実は、消費購買力の減退を加速する方向にエンジンをふかしていることを、真摯に反省しなければ、説得力は全くない。

それには、「所得格差の拡大の流れを完全に転換する」ことしかない。

超金融緩和のお金も、財政出動のお金も、現状の経済構造のままでは、【富裕層にお金が偏る】ことは、もはや明確である。

アベノミクスの大きな欠陥は、この【格差拡大にブレーキをかけることが全くできない】まま、いたずらにお金を流通させることだけに専念したからである。

 

「一億総活躍プラン」の中身はまだ未熟ではあるが、格差拡大の是正の向けている政策目標が盛り込まれている。

もうアベノミクスの看板は引き下ろして、『格差縮小社会を目指す政策を最前面に』

押し出して、「あらゆる政策手段を打ち出す時期」であると決断せよ。

まずは消費増税の延期は、野党の提案を取り入れて、消費購買力にブレーキをかけることを当面はやめる。

2年以内に、消費購買力が活性化してから、改めて増税を検討するしかない。(続)

 


核兵器廃絶に向けて日米首脳の取り組みを期待する。

2016-05-28 | 核エネルギー・原子力問題

世界の期待は、「核兵器の廃絶に向けてアメリカが責任を果たす」としている。

日本は唯一の被爆国として、各国首脳に継続的に働きかけて、核保有国同士の削減交渉を前に進めることが、世界が期待しているであろう。

今回のアメリカ大統領が、初めて被爆地広島を訪問した機会を、核兵器廃絶の機運を最大にするきっかけにして行きたい。

2010年4月には、ロシアのメドベージェフ大統領との間で、2018年には戦略核兵器の配備数をそれぞれ1550発に引き下げることに合意して削減してきた。

しかし、ロシア大統領に復帰したプーチン大統領が、さらなる削減目標の1000発程度に削減する交渉に入ることを拒否している。

 

それ以来、削減する交渉は、ウクライナ危機の影響で【米ロ関係が悪化して削減交渉はストップ】してしまった。

安倍首相は日本の立場を生かして「真剣に核廃絶に取り組む」熱意があるならば、ロシアとの関係を修復しながら、「戦略核兵器の削減交渉」に貢献するべきである。

現在の世界中の核兵器保有数は18000基に達し、米ロの保有数だけでも14000基を超える。

100基以上の保有数は、フランス300、中国260、英国215、パキスタン130、インド120、となっていて、米ロ関係の悪化の影響により削減が進んでいない。

広島でオバマ大統領と安倍首相が、核廃絶に向けて「われわれの責任である」と宣言したのを機会に、決意を新たにして削減交渉を進展させるべきであろう。

 

日本がなすべき事は数多くあるが、まずは自国の方向を【核の傘による安全保障体制】を、基本的な議論を起こして、核兵器依存から離脱するのが第一である。

戦後の日本は、アメリカの軍事力に依存して安全保障体制を築いてきたが、冷戦時代の終結の1990年以降に、核兵器を拒否する国民的な議論を避けてきた。

これでは、唯一の被爆国としての役割を【自ら放棄してきた行動】をとっている。日本が核兵器廃絶に向けて、発信をする役割を放棄していた状況である。

各国首脳の広島、長崎の被爆地の訪問を要請するだけでは、核兵器の廃絶に向けての行動が、有効に生かされる事がない。

 

大きな障壁になっていた「アメリカ大統領の被爆地訪問」が実現したから、次の重要な課題は、「日本が核兵器の傘」から離脱する行動を開始する事である。

そのうえで、削減交渉のブレーキを取り除く国際交渉に向けてのイニシアティブを取る行動に「日本の全国民的合意」を結集する事である。

日本はロシアとの削減交渉の仲介を率先して貢献し、悪化している米ロ関係の修復を実現できる支援を優先的な外交課題にするのだ。

この取り組みにより、アジアにおける「核兵器の拡散の流れ」にブレーキをかけることにつながっていく。

核兵器の廃絶に向けて、有言実行の内閣を国民は支持するであろう。(続)

 


世界が共有する目標は核兵器の廃絶に向けて合意すること。 

2016-05-27 | 核エネルギー・原子力問題

5月27日は「日米両国にとって記憶すべき日」になった。

71年間もの間、日本は世界で唯一の被爆国であったが、世界に向けてのメッセージの発信は、非常に曖昧で矛盾した姿勢で取り繕ってきた。

アメリカのオバマ大統領は、就任直後のプラハでの演説で、「核兵器のない世界を目指す」と演説して、ノーベル平和賞を授与される栄誉に輝いたが、軍事的な紛争の後処理と対応で、成果と言える進展ができなかった。

今回のG7サミットの訪問を機会に、周到な準備とプロセスを経て、71年前の被爆都市広島を訪れて、世界へのメッセージとして、核兵器廃絶の目標をアメリカが率先して行動することを、発信した。

 

安倍首相も核兵器の廃絶に向けて努力を重ねる責任を負っていると、日本を代表しての宣言を発信した。

今回のアメリカの現職大統領が広島を訪問し、核兵器の大量保有国民の意識を転換させるために、被爆国の首相がともに『核なき世界を目指す』と宣言した。

アメリカは、世界の戦争抑止に大きな役割があり、その目的に沿った「抑止力強化の核兵器の近代化」を進めている。

日本は、安全保障の観点から、「アメリカの核兵器の抑止力の傘のもと」にいることで、中国政府や北朝鮮の核兵器による脅しに対抗する。

そのような理由が各国の安全保障と、外交の手段をしていっそう強化される。

 

その流れを、『核兵器廃絶が人類共通の目標』とするには、これからの100年の間、政治指導者の最重要な認識を強化しなければならない。

そのためにも、もっとも訪問が難しかった「現職アメリカ大統領の被爆地訪問」が実現した意義は大きな成果である。

日本は核兵器の非保有国として、世界をリードする役割があると、国民全体で共有すべきである。

北朝鮮のような国際政治のはぐれもの国家が、核保有をしたとしても、「対抗策としての核保有」は、完全に放棄すると国民的合意を確立すべきである。

それでいて、アメリカの核の傘に依存する安全保障政策を、真剣な議論と戦略形成によって、核の傘からの離脱が、政権指導者の最大の責務である。

 

非核保有国の間では、国連の条約で「核兵器の保有を禁止すべき」との主張が勢いを増している。

日本は国連の作業部会に参加したものの、禁止条約には否定的な姿勢である。

一気に禁止条約には、核兵器保有国の参加拒否で進展はしないが、あらゆる知恵と方策を検討して、少しでも核廃絶に向かう流れをつくることに、日本は積極的に貢献する必要がある。

広島・長崎訪問が、各国指導者の政治的なステータスとして、世界に広まる活動をすすめることが、日本の政治家の共通目標になることを期待したい。

 


財政出動の加速よりも税金逃れの摘発を加速することが第一だ。

2016-05-26 | 経済問題

現在の世界経済の停滞の原因には、流動性の高い資金が「効率的な投資」に向かないで、単なるマネーゲームへの資金として、無駄に潜っているからである。

どこに潜んでいるか派、誰の目にも明らかなように、世界の各地に蔓延ってしまった「タックスヘイブン」の登録されたペーパーカンパニーの口座に潜んでいる。

ここに潜んでいるお金が、経済変動の中で「利ザヤを稼ぐチャンスとうかがいながら、利食いの機会をねらっている。

むしり取った利益は、闇の中で移動して「税金を一切払うこともなく」、また、新たな潜伏場所を探して、次の利食いのチャンスを待つのだ。

これでは、世界の中央銀行が、超金融緩和政策で大量のお金を市場に供給しても、マネーゲームだけがさらに活発になるだけである。

 

実業の世界に回るお金は「投資収益率も下がり続け」て、さらに強欲資本主義の様相を加速するだけである。

安倍首相の経済政策では、グローバル化された世界経済のお金の流れを把握せずに、とにかく円安誘導して、市場に大量の資金を流し続けた。

しかし、外資が大きな割合を占めている大企業は、日本経済の都合などは後回しで「もっとも投資効率の良い市場」に向けて資金を集中していく。

倫理観尾内資本家や経営者は、世界経済のことなど頓着せずに、税金が一番安い地域「タックスヘイブン」を経由させて、節税に邁進する。

なかには、【違法行為にちかい脱税まがいの資金運用】をする企業も多い。

 

これでは世界の各国は、「本来は徴収できるはずの税額」を税源とすることができず、必要な政策への税金投入ができなくなる。

【タッックヘイブンの抜け道を放置して】おくことは、穴だらけの容器に経済の血液たるお金を注ぎ込んでいる【愚かな行為を続けている】ことになる。

この問題は一国の努力ではどうにも改善できない「長年の難題」であるが、グローバル化経済が進むほど、その弊害は計り知れないほどに膨れ上がっている。

今回G7サミットでは、この問題も話合われることになっているが、各国首脳陣も関心が薄いようである。

特に議長国の日本のリーダーが【タックスヘイブン問題の弊害】に不案内のために、世界経済の活性化に財政出動が必要と、頭が凝り固まっている。

 

無数の穴が空いている世界経済の現状を放置したママ、財政出動が効果を生むことは少ないであろう。

さらに、「タックスヘイブンは資金洗浄」の最適な手段として利用され、そのお金の多くが、「暴力的なテロ組織の活動源」にもなっていると報じられている。

実態把握が不十分だが、タックスヘイブンに登録されている法人の実態すら秘密のベールの中では、【テロ対策の本気度が問われる怠慢な姿勢】であろう。

各国首脳の共同宣言のなかで、その本気度を発信して欲しいものである。(続)

 


日本のイニシアチィブでタックスヘイブンの解消を目指せ。

2016-05-25 | 経済問題

5月26日に先進国サミットの首脳が伊勢志摩の集結し、世界経済の好転に向けての対策を話し合う予定である。

日本は財政出動による経済の刺激策を、先進国の合意として打ち出せるように働きかけてきたが、財政出動に慎重なドイツやイギリスは消極的である。

日本の借金体質が異常なまでに高いのに、さらに借金を増やしてでも景気回復への財政出動にこだわるのは、常軌を逸している。

それよりも、大きな課題になっている【タックスヘイブンへの資金逃避】を、制限することで「税金逃れの大改革」を、先進国首脳で取組みを一致させることが、世界経済の活性化には、有効性が高いはずだ。

 

例えば、イギリス領ケイマン諸島には、日本からの証券投資額が、2015年末時点で74兆円に達している。

アメリカに投資されている金額は165兆円だから、それよりも少ないが、イギリスへの投資額20兆円に比べると「圧倒的に多い」のは、なぜか。

会社設立の手続きが容易だから、との理由もあるが、法人税がなく、キャピタルゲイン(金融資産などの値上がり益)への課税がないからだ。

世界中の金融資産が課税逃れで、このような地域に投資が集中している現状を放置していて、世界中の先進国は税収不足の難題に向かって困っている。

課税逃れで資金が集まるうえに、国税庁の専門家は【一部の富裕層がペーパーカンパニーを作り資産隠しと収益の不申告】で、グレーゾーンに利用すると見る。

 

イギリス領であるから、イギリスの法律で適正な規制をかけて税率も上げれば、イギリス国内の税収不足を補完することができるはずだ。

財政出動ができないと「イギリス首相が言い張る」のは、自身の関係者がケイマン諸島に資産を大量に隠しているから、税率を上げることはしたくない。

つまり、イギリスの指導者は、イギリス国内の景気回復や世界経済の活性化よりも、自身の財産を増やす方法を守りたいのである。

イギリス首相の立場で反論すると、ケイマン諸島での税率を上げると、もっと安い税率やゼロの国・地域に、法人と資金が流れていくだけで効果がない、と言う。

それならば、G7共同宣言で、これらの国に税率の引上げを要請すればよい。

 

サミットの議長国である日本が、この共同宣言の草案を作って、各国首脳に示せば、税率を引き上げる動きに転換していくきっかけになるだろう。

先日の財務省と中央銀行総裁のG7会合では、財政出動が議論されたが、「そのレベルでの共同宣言では、パナマなどの国が言うことを聞くはずはない。

やはり、先進国の最高レベルの首脳人が合意して、強い共同宣言の内容にしなければ、長年のタックスヘイブンの悪習からは、離れられないだろう。

安倍首相がそのイニシアチィブが取れないようでは、世界の経済の回復を呼びかける能力もない、【ポーズをとるだけの政治指導者】にすぎないとみなされる。(続)

 


働く人の価値を上げる方策は教科書がいくらでもあるのに・・。

2016-05-24 | 経済問題

安倍首相が国会答弁で、「デフレ脱却の教科書がない」と情けない心情を打ち明けていた。

それは、グローバル化された世界経済の事態が、世界初の状況だから、教科書には書いていないのは当然である。

そこで、世界の最先端の研究と提言をしている専門家の指摘を、真摯に受け止めて深い思慮をめぐらせれば、やるべき課題は見えてくるのだろう。

その面では「日本は労働環境改善」の視点が遅れているから、欧米並みに後追いするだけでも、対策には事欠かない改革課題が残されている。

 

「非正規社員の労働待遇改善」では、『同一労働同一賃金』への取組みは当然の課題であるから、野党の同意は問題なく、産業界を従わせる方策を練ればよい。

同様に、「時間外労働の割増賃金増加」は、難しい点はないから、やる気になりさえすればできる課題だ。

『有給休暇の確実な取得』は、働き手の意識改革が必要だが、経営者側の義務とすれば、着実に定着する労働環境改善につながるだろう。

もちろん働き手の代表がほとんどの野党には依存はないはずだ。

選挙での争点にするほどの主張の隔たりがあるわけでもないので、有権者の選択基準は、その「実現への本気度と実行能力」の評価になるだろう。

 

そんな甘い期待を持っても、日本の労働慣行は「そうは簡単には改革されない」と、批判的に言い出す専門家の声が聞こえてきそうである。

そんなことを企業側に押し付けたら「労働単価が引き上げられて」。人件費の圧迫で企業側の経営が苦しくなる。

だから国際競争に晒されている企業の現状を理解した上での、「労働慣行改善策は時間をかけて進めるしかない」と、したり顔でのたまうエセ専門家の声である。

この声に従って歴代の自民党政権と民主党政権の3年間が、労働環境改革の遅れを助長してきたのである。

その結果は、【長期の賃金デフレ】であり、ホワイトカラーの【労働生産性の低さ】に現れて、将来への展望を暗くしているのだ。

 

まずは、働く人の「労働環境の改善」を欧米の先進国並にするのだ。

その上で「働く人の価値を高く評価」して、現行の賃金水準を毎年確実にレベルアップさせていく。

そんなことをしたら、企業は人件費の増加に耐えられないで、赤字になるではないか、との声が出るだろう。

消費税の増加は仕方がないと言いながら、人件費の増加は御免被るという経営者は、日本での経営者を務める資格は無い。

消費税も人件費増加分も、黒字経営できるレベルに価格を上げるのが当たり前だ。

それで、価格上昇が、「日銀の物価上昇率2%」になるなら、全く問題ない。(続)

 


一億総活躍社会に向けて働かせ過ぎを防止すると生産性が向上。

2016-05-23 | 暮らし・健康問題

安倍政権の経済活性化対策では、大企業優遇の「法人税減税」を前倒しで実施するが、これではデフレ対策にはならないことが明確である。

賃金水準を引き上げるデフレ対策を実施した企業への見返りとして、法人税減税を適用する様に、速やかに改訂を加えるべきであろう。

それだけでは、働き手の消費意欲の向上は限定的であるから、「一億総活躍社会」へ向けての実施する政策として、時間外労働の割増賃金を引き上げるのだ。

これは、仕事が増えている状態では、企業は人員の増員をするよりも、【時間外勤務時間をできるだけ延長】した方が、人件費の総額を抑えるのに有利である。

これを、働きすぎ防止も含めて、消費行動に必要な時間を確保するのである。

 

また、働く人の当然の権利である「年次有給休暇の取得」を確実に実施することを、企業に義務つけるのである。

有給休暇の所得率が、9割以上に達していない場合には、法人税減税の恩典を剥奪して、働かせる環境をおろそかにしているとして、罰を与えるのだ。

有給休暇を計画的に確実に利用できることで、消費行動を起こしやすくなる。

給与水準の余裕のある人ほど、企業は働かせると得すると勘違いをして、【有給休暇をとりにくくする】傾向がある。

これが、健全な労働環境を維持できないことにつながり、総合的に見れば「労働生産性を低めている」現状なのである。

 

民主党政権に交代した時期の政権公約では、労働環境を改革する認識が薄く、「過労死や過労自殺を防ぐ」としているだけで、『時間外労働の割増賃金引上げ』にもふれず、『有給休暇の確実な取得』の改革にも無関心であった。

その点では、安倍政権の「一億総活躍プラン」の実現には、期待すべき改革が目白押しである。

有言不実行にならない様に、具体策をしっかりと検討して、長年の労働環境改善を怠ってきた、「労使双方に警告する」効果を期待したい。

働く人の価値を大幅に向上させることで、生産性が向上するのは間違いない。

 

それと、時間外労働の割増賃金増加は、人手不足が慢性化している職種では、新たな人員増加を迫られるので、給与水準の上昇に良い影響が出るだろう。

また、有給休暇の取得を確実にさせることで、働き手の健康維持とリフレッシュ効果で「勤務に対する意欲向上」が生まれて、企業側にとっても効果があるのだ。働きすぎの抑制と労働需要の増加で、賃金水準を押し上げる効果が期待できる。

その結果の「消費購買力の向上」は、確実に需要不足経済を活性化させる。

賃金を引き上げて、人員増加を迫られた企業側も、働き手の意欲向上と生産性の

改善が生み出されて、人件費の増加以上の収益改善が期待される。

これらのすべてが、「デフレ経済の脱却」に向けてのプラス要因であるから、安倍政権の悲願の『経済成長、景気回復』につながるのだ。

この道しかない! (続)


所得格差の縮小を最優先課題にして経済成長に波及させる。

2016-05-22 | 国創り政治問題

経済成長だけを優先する政策では、「格差拡大の流れ」になって消費購買力は伸びないことが判明した。

底辺の所得層にあつい配分を配慮しないと、経済成長によって得られた富は、海外の資本収益率のよい国に流れてしまい、需要不足経済に落ちこんでしまう。

アベノミクスでは、格差縮小に向けての政策が全く欠落していたので、超金融緩和のお金も、国内投資に向かわないでデフレ脱却の機運をのがしてしまった。

安倍首相は、経済政策の行きつまりを追及されて、国会答弁で「デフレ脱却の教科書」があれば、実施できるのだがと自嘲気味に嘆いていた。

 

教科書には無くても、トマ・ピケティ氏の提言の『格差縮小の政策』を実行すれば、自ずと消費購買力が大幅に改善されて、需要不足経済の解消になる。

そこまで行けば、後は通貨政策によってお金の流通量をコントロールし、さらに金利政策で、適正な金利水準、例えば「物価上昇率2%前後」に管理する。

つまり、デフレ脱却の教科書ではなくて、『収入格差是正の政策のお手本』が、整理されていないのが、現状なのである。

【世襲政治家の生活感覚欠除】が、この収入格差の拡大で消費購買力が大幅に減退していることを、ヒフで感じ取ることができないだけである。

最低賃金でアルバイトをして、若い時代に苦労したことがないからだ。

 

民主党政権の時も「最低賃金の時給1000円目標」を掲げていたが、3年半の間の実績は完全に落第である。

それだけが原因ではないが、デフレ経済の停滞の主因の「賃金デフレ脱却」を放置して、値下げ競争に明け暮れる経済界の生残り競争ばかりに目を奪われる。

その犠牲になった働き手の収入格差を拡大して、経済活動の6割を占める【消費購買力の減退】を招いたのだ。

民主党政権の政治家たちの方が、パート労働の経験が多いと思ったら、若い頃から官僚生活や政経塾活動のエリート意識の虜で、生活感覚が身につかない様だ。

机上論は得意でも、現場での汗水垂らす仕事の経験がなかったのだろう。

 

その点では、現在の中国政府の指導層の方が、文化大革命時代の苦難の環境で、地方の下働きの労働経験の皮膚感覚が染み付いている。

驚異的な経済成長のもとで、収入格差や地方と中央都市部との格差拡大を、将来の国つくりの最大の難関と捉えている。

中国政府は共産党主導の国家資本主義経済だから、いざとなったら賃金水準を国策的に管理できる制度に移行していくだろう。

日本では、政府が関与できる給与水準は、最低賃金であり、間接的には「保育士の給与水準」にも、支援の制度を作れる。

もちろん、「老後の介護問題」でも、介護士の給与水準にも財源を創出して人手を確保できる。こんな優しいことすら手がけていなかったのだから、初心者だ。(続)


消費税の増税はさらにデフレ経済の停滞を継続させるだけ。

2016-05-21 | 国創り政治問題

安倍政権の経済政策が「富裕層と大企業」に偏った恩恵をもたらす効果しか産まなかったのはもはや明確である。

その上に、逆進性の高い【消費税を増税する愚策】を強行して、消費購買力を弱めるブレーキ効果を生み出して、消費意欲を減退させたのは大失敗であった。

それなのに、社会保障の充実との引き換えだから「消費増税の痛み」を、【国民大多数に負わせるのは止むを得ない選択だ】との論者が多くいる。

それは、財政赤字の増加を懸念することから、赤字幅を減らすことが最優先の政策であるかのような、単純思考に固まっている。

税制の見直しで、消費を抑えずに増税する方策はいくらでも考えられるのだ。

 

直近の事例で言えば、安倍政権は経済界の要求に優先的に応えようとして、法人税減税の強行を図って、実効税率で30%を割る水準にした。

しかし、それだけ経済界を優遇しても「官製春闘の成果」は、昨年よりも賃上げ水準を抑えてしまう企業が多く、アベノミクスのトリクルダウンは消滅した。

企業側の言い訳は、世界経済の低迷と日本国内市場の先行き不透明により、今年以降の業績は低迷するとの経営判断で、賃上げは最大限でこの程度だと説明する。

つまり、税負担を減らす恩恵には、応える余裕はないというのである。

安倍政権の大企業優遇で「デフレ脱却を図る」狙いは、これで挫折がはっきりしたことを、日本全津々浦々に知らしめることになった。

 

デフレ脱却に貢献する活動、つまり、人件費を物価上昇目標2%に沿って、賃上げを実施し、人件費上昇分を価格に転嫁して2%値上げをする。

または、外注企業の賃金引上げに配慮して、その分の購入価格を転嫁することを認めて、調達価格を引き上げる。

当然、製品価格のコストアップ、サービス経費の上昇分をサービス価格の値上げに転嫁する。

これで、日銀が目指している「物価上昇率2%の達成」に、大きく近づくことができるようになり、他の企業も人材確保の狙いで賃金引上げに協力する。

物価上昇率の水準以上に名目賃金を引き上げていれば、消費購買力を維持することが出来るので、需要不足経済に陥る懸念はないだろう。

 

法人税減税の恩恵は、このように「デフレ脱却に協力した見返り」として、優良企業にご褒美を提供する施策にするべきである。

【賃上げを抑えて設備投資もしない】で、【利益だけを上乗せ】した強欲企業に減税をして、株主に利益を優先する企業は、ご褒美を与えるに値しない企業である。

最大限の経営努力をしても黒字化できない企業には、無理やりの賃金引上げを義務つけるのは無理だろうから、当面は法人税減税とは縁がない。

知恵を絞れば、アベノミクスの効果を引き出す税制度改革は、いくらでも「草案を作成出来る」はずだから、まずは『消費増税を2年間延期』することだ。(続)

 


安倍政権に対抗するには財源の議論を深めて国民に示せ。

2016-05-20 | 国創り政治問題

民進党と連携する野党は、消費税の10%への増税時期を2年間先延ばしをするべきと、安倍政権に要求した。

その分の税収減は、法人税の軽減をやめて各種の軽減税率の見直しで、税収増加を図り、不足する分は「赤字国債の発行」による将来世代からの借金で賄う。

これは安倍政権に対する挑戦状の意味もあり、やっと政権交代をねらう意欲を国民に示す態勢を作りつつある。

それならば、さらに財源の捻出策を徹底的に検討して、次世代にツケを残さないような「経済の成長戦略」を提示する必要がある。

4年前のように、政権交代をしたら財源の捻出が、「税金の無駄使い」を減らすことでいくらでもできると、安易な考えでは国民は信用しない。

 

増税時期を先延ばしするのは、安倍政権にとっては歓迎したいのは山々だが、【リーマンショク級の経済危機】が起きない限り、実施するとした公約違反になる。

世界の経済が不透明という程度で先延ばしをできないので、「参議院選挙では争点にしない」可能性がある。

消費増税の先延ばしは、アベノミクスで失敗したことを公式に認めたことになり、その上で「一億総活躍社会」の実行プランの実効性の議論が必須になる。

18日にまとめた政府の案では、ほとんどが民主党時代の政権公約を譲り受けた上で、具体策を提示しているだけである。

これで、民進党への対抗策を争点にする必要がなくなる。

 

ところが、肝心の財源の捻出になると、全く実行可能な対策は示されないで、これでは以前の民主党政権の時期から進歩してないのは、自民党政権も同罪である。

民主党政権の公約不履行は、この財源の検討が未熟の状態で、政権交代が実現してしまったので、準備不足の感があった。

それと同では、3年以上も政権の座にありながら、消費増税以外は税源の検討もできずに、ただ「大企業向けの法人税減税」など、ばら撒き政策しかできない。

結局の所、アベノミクスでの円安誘導によって、【日本の財産を減らしたおこぼれの税収増加】に乗っているだけである。

 

実質賃金の低下が続き、デフレ脱却の見通しもたたずに、格差拡大の弊害を野放しにしてきたツケが、実質消費購買力の低下を長期化させている。

これでは、民間企業が日本国内市場の需要増加を狙った【新規投資を実施するはずが無い】状況にしている。

「一億総活躍社会」プランの「経済成長目標GDP600兆円」に対して、日本の経済界は全く冷えた見方しかしていない。

国民の生活を豊かにしていく具体策の第一は、『働く人への収入増加策を最優先する』ことで、消費購買力を大幅に向上させることにある。

それには、当面の「収入格差を縮小する政策の財源」を創出することが優先だ。(続)

 


今後の日本を託せる政治家を真剣に選択するのが国民の責務だ。

2016-05-19 | 国創り政治問題

「一億総活躍社会」の実行プランの概要が安倍政権から提示された。

この内容については、個別の課題の問題点を随時取り上げていこうと思う。

一番身近な問題で、早急に手当てする必要のある「待機児童ゼロ」政策では、政権に対抗する野党の連合が論戦を挑んで入る。

安倍政権は、野党案を財源の説明もないから、議論に値しないと【たなざらし】を決め込んでいた。

それなのに安倍政権は、「保育士給与増額額対策案」の財源を「アベノミクスによる税収増」を当てると言い出しているのは、無責任な態度の典型である。

参議院選挙のまえの、本当に政権を託せるのは、与党か野党連合か、重要な論争の成り行きが注目される。

 

安倍政権を選択したのは、【民主党の政権公約の不履行】と、公約では「消費増税はしない」との【約束を反故にした】ことで、民主党不信任の棚ボタの結果だ。

安倍首相の威勢の良い「デフレ脱却の政策」にたいして、とにかく任せてみるしか「選択の余地がなかった」、止むを得ない投票の結果である。

それが。超金融緩和による円安誘導しか、経済政策の成果が出ていない。

円安誘導による「輸出企業の利益増加」と、株価の上昇による「富裕層と大企業」への恩恵はあっても、3年たっても【デフレ脱却の効果は出ていない。】

それどころか、収入格差拡大は進んで「非正規雇用社員」は増え続ける。

ついに、安倍政権になってからの「実質賃金の低下」は3年連続の停滞したままの有様で、アベノミクスで経済が活性する可能性はゼロにちかい。

 

それでも、安倍政権が野党のバラバラの迷走に助けられて、政権の支持率は一定レベルを保っていたのは、ほかに政権選択の道がなかったからにすぎない。

ここに来て民進党を主軸とした「野党連合」は、どうやら動き出せる状況になって、「保育士の待遇改善」を打ち出して安倍政権の対抗策を打ち出した。

慌てて「待機児童ゼロ目標」の実現策として、保育士の給与改善を月6千円の増加を打ち出したが、野党連合の月5万円目標とは、かけ離れている。

そこで、安倍政権の対抗策は、「経験を積んだ保育士には最高月4万円増加する」と言い始めている。

 

もし、野党連合の対抗策がなければ、わずかな増額だけで「待機児童ゼロ」の対策済みと、当面を取り繕うだけで済ませていただろう。

やはり、政権交代意欲を持った野党が、国民が選択できる「具体的な政策案」を提示して、政権与党の不備を明るみ晒すことで、政治家の意識が緊張する。

確かに、新規の政策では財源の不備が問題であるが、その点では「安倍内閣の具体的財源策」も曖昧で、「野党案をたなざらし」にする資格も無い。

国会の論戦で、「財源を含めた実効性のある政策案」の中身を競うべきである。

それを見ている国民が、次回の選挙で、政権党を選択する投票ができる。(続)


国民に対する真摯な取り組みと説明が不足している安倍首相。

2016-05-18 | 経済問題

安倍内閣の経済政策の成果として、2016年1月から3月期の物価変動の影響をのぞいた実質成長率は、0.4%増と発表された。

年率に換算すると1.7%のプラス成長と説明されたが、ひどいカラクリの見かけの数値である。

2016年2月は29日まである閏年で「うるう効果」でGDPの数値が1.1%分だけ押し上げられるから、実質で修正すると「ゼロ成長」にとどまった。

いや、全体の総額での実質成長がゼロとした場合に、上位の10%の富裕層や大企業の方に富が集中して増加するから、他の90%の平社員や非正規雇用社員、そして中小企業の人たちは、【実質成長がマイナス】になっていると見れる。

 

それでいて安倍首相は国会での説明では、都合の良い数値ばかりを、【安倍内閣の成果】だと、声を大にして誇らしげな態度で突っ張っている。

なんと見かけの数値ばかりを挙げて、内容の不足を取り繕うのは、みっともないというか、不誠実な態度と言わざるを得ない。

比較するには、時節柄の問題を引き合いにすると、実質の燃費性能が目標に届かないから、【都合の良いデータだけを抽出して達成した】ようなものだ。

現代の資本主義の経済効果の数値は、【国全体での国内総生産GDP】で表すのが慣例になっているから、ゴマカシと言うのは「誹謗中傷」と反論される。

しかし、「全国津々浦々に恩恵を」と公約しているのだから、「日本の90%の人々の経済効果」を、きちんと算出して説明するのが真摯な態度であろう。

 

アベノミクスで経済効果の恩恵を大多数の国民が実感できないので、3年経ってからの経済政策の目玉を「一億総活躍社会」と看板を書き換えて、「名目GDP600兆円目標」のアドバルーンを打ち上げた。

これだけでは【格差拡大社会が加速する】と批判されるので、民主党の政権公約であった「待機児童ゼロ」の看板を見習って、子育て重視の姿勢を打ち出した。

それだけでは、真似政策の政権と言われるので、2050年には「一億人の人口維持の長期目標」を持ち出したので、ここで、民進党との違いと見せつけた。

しかし、「保育士の給与増加6千円から4万円」の政策では、【財源不足】をクリアーする具体策は、【野党と同レベルの曖昧なママ】のお粗末さである。

 

7年前の民主党への政権交代を競った時の「高い理想の長期目標」を、国民は大いに期待をしたが、政治家のレベルが低すぎて、【民主党は空中分解】に終わった。

自民党政権は、財界の意向や新自由主義経済論者の虚偽の理論に翻弄されて、【実質成長はゼロを続け】、日本の大多数の人たちの生活を貧乏に追い込んだ。

アベノミクスで【景気回復、この道しかない】と宣言した2014年の政権公約は、ことごとく有言不実行に終わっていることを率直に認めて、説明が必要である。

対する野党と第一党の民進党は、国民が奮い立つ「国つくりの将来像」を提示して、『具体的な財源をかならず練り上げる真剣さ』を要求されているのだ。(続)


強欲資本主義とは決別すると宣言して日本の将来の目標は。 

2016-05-17 | 国創り政治問題

瑞穂の国の資本主義経済のあり方は、格差拡大社会の延長では絶対にない。

アメリカ社会の格差は、すでに限界を超えているので、経営者側の共和党ですら、このままでは社会の不安定が原因で、体制への不満が爆発すると懸念する。

日本社会では、アメリカほどのひどい格差社会にはなっていないが、ズルズルと惰性の政治に陥って、将来の希望を持てない人たちが増え続けている。

「一億総活躍社会」を目指すとしても、どの様な分野の活力をあげて、日本社会が輝く道を歩むことを目指すのか、安倍内閣のプランの提示を期待するしかない。

このままの【強欲資本主義の路線】を踏襲することは、日本の沈没につながる。

 

安倍首相は自著の中で、日本は「瑞穂の国の資本主義を目指す」と、格調の高い理想を掲げている。

しかし、実際の政権を担う政策では、超金融緩和によって「資本主義の利益追求の路線」を、一層加速する政策に着手している。

お金を潤沢にして低金利にしておけば、民間企業が「利益追求の意欲が増加する」と見ていた。

しかし、民間企業の利益が「円安効果で大幅増収」しても、海外への資本収益率のよい市場に投資を向けるか、内部留保を増額して、生き残りを優先する。

よほどの倫理観の高い経営者がいる企業以外は、【従業員への給与配分は、最小限度に抑える】のが、グローバル化された世界市場での経営の原則である。

 

安倍首相の著書では、このような自社の利益を第一優先にする経営方針を、【強欲資本主義】とサゲスンダ呼び方で否定的に切り捨てている。

「瑞穂の国の資本主義」は、利益追求企業をどのようにして更生させるのか、一切は不明だが、「一億総活躍社会プラン」で取りまとめて、安倍政権の第二段階の主軸に据えつもりのようだ。

施政方針演説では、「長時間労働の抑制で働き過ぎを防ぐ」、「同一労働同一賃金」の実現、「非正規雇用社員の正社員化や処遇改善」、と目標は高い。

先進国の中では最低レベルに近い「最低賃金の大幅引上げ」も不可欠だろう。

これらの政策目標は「民主党政権」の公約であったが、【空手形に終わった】。

 

これらの財源を確実に捻出して、早急に実現することで、信頼される政権となって、長期の停滞から浮かび上がる道筋をつけられるか、大きな転換期である。

安倍内閣が打ち出した「強欲資本主義からの決別」には、民進党では、7年も前の「民主党のマニフェスト」に掲げて、政権交代を果たしている。

当時の国民の大多数は、自民党政権の新自由主義路線の将来に見切りをつけて、人を大切にする「民主党の5つの約束」を熱狂的に支持したのだ。

しかし、絶対多数の議席にもかかわらず、ほとんどの政権公約は実現できずに終わり、財源不足を理由に「消費増税の愚策」に転じて国民を裏切った。

安倍政権もアベノミクスで「全国津々浦々に豊かさ」を、空手形にしないこと!