北朝鮮の核武装の流れを転換させた大きなポイントは、アメリカが主導した国連決議による経済制裁の徹底化であった。
その締め付けが十分に効果を見せはじめた段階で、米朝首脳会談の機運を作り出して、それに北朝鮮が活路を選択したことが転機となった。
金正恩委員長は、北朝鮮の国家体制の保証と引換えに、核武装の完全放棄に国策を転換したのである。
この核武装の完全放棄には、長距離ミサイルの開発中断と関連設備の放棄が含まれる。
この事例に沿って、トランプ大統領は、イランに対する経済政策の強化を図り、イランとの直接交渉を開始する首脳会談の開催を提示して【長距離ミサイルの開発禁止】を実現しようとする覚悟である。
イランの場合には、核武装はまだ準備段階で、核武装放棄の決断はし易いはずだが、イスラム教国家としてのプライドが大きな壁になる。
トランプ大統領が重要視する「長距離ミサイル開発の禁止」は、イスラム教国家としての、遠大な国家目標に大国が抑圧していると受ける。
長距離ミサイルの技術開発は、国際的には禁止の対象にもなっていない段階で、核武装を放棄していれば、アメリカの脅威にはならない。
それでも、将来の核兵器の小型化開発を見込めば、アメリカ本土に到達できる長距離ミサイルは、阻止する最優先の戦略兵器なのだ。