日本の産業構造において、大きな比重を占める自動車関連の「技術革新」の動きは、世界に引けを取らないレベルで、日夜、研究開発が盛んである。
基本の動力エネルギーは、「ガソリン、軽油」の化石燃料依存から離脱できる様に、「世界最高レベルの省エネルギー性能」を各社が競っている。
さらに、電力エネルギーの利用に向けて、「電気自動車」の開発競争も激しくなっている。
電力とガソリンを使い分ける「プラグイン・ハイブリッド車」も、いよいよ、本格的な市場競争の時代に突入する。
これらの新技術商品を支える基本の部分は、「高性能・長寿命・低コスト」であるが、中でも「二次電池(充電放電を繰り返してつかう)」の技術開発は、生命線ともいえる重要な基幹技術である。
新技術の進化には、「市場の需要に支えられた商品の販売」が進まないと、革新技術は育成出来ない宿命を持っている。
『ハイブリッド車』に始まった「二次電池の技術革新」は、今や、「電気自動車」と『プラグイン・ハイブリッド車』の普及期において、技術競争が激化する。
この様な最先端の分野では、一日たりとも停滞はゆるされない。
常に先を見る姿勢に徹して、過去のしがらみや成功体験に縛られていては、すぐに停滞の陥り、先頭グループから脱落して敗退する。
モーター技術や電力の制御システムは、この自動車の技術革新に必要性に迫られて、難しい課題を次々の克服して、世界の最先端を維持している。
家電製品の分野では、液晶テレビに象徴される様に、前向きの姿勢に経営判断が躊躇した途端に、海外の企業にトップを奪われて、赤字に転落した。
同様に、太陽光パネルの開発生産技術において、政府が普及にブレーキをかけた間に、中国メーカーに抜かれて、いまや経営に苦しむ状況に追い込まれた。
自動車産業の技術革新は、電力供給体制が硬直化していることで、自動車ユーザーの不安感から、「最新技術車への購入関心」が削がれる様になる。
その様な風潮になれば、新規需要の減少になり、企業の投資意欲が削減されることで、技術進化のスピードが遅くなってしまう。
それは、自動車産業も【家電産業の赤字】、「太陽光パネル産業の苦境」とおなじ様なトップから陥落する危険性に、常に晒されているのだ。
電力業界が後ろ向きの原発維持の姿勢では、技術革新に邪魔になるだけである。