日本の国土を健全に保ち、豊かな生態系の向上には、山間地の森林を育成し保然することが不可欠である。
同じように、日本の沿岸部の海水域を健全にして、豊かな魚介類の生育には、自然の海藻類を維持することはもとより、人工的に藻場を造成して育て、生育した海藻類を収穫して利用することが必要になっている。
森林の保然は国民的な合意になっているが、沿岸部の海藻類を育成することは、国民のほんの一部の人にしか認識がない。
直接の恩恵や被害を受ける漁業者にとっては、藻場の造成の必要性は分っていても、今の世の中の金がすべての様な風潮の中では、経済的には成り立たない。
しかし、それでも日本の海洋産業を育成するには、まず、ここから始めなければならないことを主張して、地道に活動してきた人たちがいる。
【海の森作り推進協会】を創って、日本の沿岸部に人工的な藻場を造る運動を20年近くにわたって活動している。
このブログに引用したデータは、その活動の中心となって進めてきた松田恵明(よしあき)氏の著書『海の森づくり―いつまでも魚が食べられる環境へ―』緑書房、2010年3月10日発行、を利用させていただいた。
海洋産業について関心を持ったならば、この著書を一度、購読することをお勧めします。
その中で、【富栄養化】対策と、【海中のCO2固定】についての観点から、藻場を造る具体例として、【コンブの海中林をつくる】活動を採りあげて、実践した結果を説明する。
これは、昆布の種苗を培養水槽で45日程度生育させて、100mの長さのロープに30~50cm間隔で、5cmに切った種苗(種糸と呼ぶ)を挟み込んでいく。
このロープ(幹網と呼ぶ)を湾内など(水深15m程度)に設置して1月頃から6月まで育成する。
5cmの種苗からは約50本の葉がでてきて成長する。
一枚の葉は、それぞれ100g~200gに成長するので、5cmの種苗から7.5kgのコンブに成長する。
100mのロープ一式に取り付けられた種苗は、成長後に約2000kgのコンブとして収穫出来る。
この昆布養殖のロープを、日本の沿岸に設置した場合の生産量の概算を検討してみよう。
100mの幹綱を10本併行に設置できる設備をひとつのブロックと想定して、日本の沿岸総延長3万5千kmの4%相当(約1400km)に設置した場合を検討する。
1ブロックで140m長さとすると、10万ブロックを設置できる。
1ブロックで生産できるコンブは、6か月で20トン、1年間で40トンになる。(もちろん、暖期と寒期では栽培する種類を選ぶ)。
この想定によるコンブの生産量は年間で400万トンになり、富栄養化に悩む内浦などの対策として効果を発揮する。
この昆布を水揚げして利用すれば、海中の炭酸ガス固定に寄与する。この効果については次回に。
同じように、日本の沿岸部の海水域を健全にして、豊かな魚介類の生育には、自然の海藻類を維持することはもとより、人工的に藻場を造成して育て、生育した海藻類を収穫して利用することが必要になっている。
森林の保然は国民的な合意になっているが、沿岸部の海藻類を育成することは、国民のほんの一部の人にしか認識がない。
直接の恩恵や被害を受ける漁業者にとっては、藻場の造成の必要性は分っていても、今の世の中の金がすべての様な風潮の中では、経済的には成り立たない。
しかし、それでも日本の海洋産業を育成するには、まず、ここから始めなければならないことを主張して、地道に活動してきた人たちがいる。
【海の森作り推進協会】を創って、日本の沿岸部に人工的な藻場を造る運動を20年近くにわたって活動している。
このブログに引用したデータは、その活動の中心となって進めてきた松田恵明(よしあき)氏の著書『海の森づくり―いつまでも魚が食べられる環境へ―』緑書房、2010年3月10日発行、を利用させていただいた。
海洋産業について関心を持ったならば、この著書を一度、購読することをお勧めします。
その中で、【富栄養化】対策と、【海中のCO2固定】についての観点から、藻場を造る具体例として、【コンブの海中林をつくる】活動を採りあげて、実践した結果を説明する。
これは、昆布の種苗を培養水槽で45日程度生育させて、100mの長さのロープに30~50cm間隔で、5cmに切った種苗(種糸と呼ぶ)を挟み込んでいく。
このロープ(幹網と呼ぶ)を湾内など(水深15m程度)に設置して1月頃から6月まで育成する。
5cmの種苗からは約50本の葉がでてきて成長する。
一枚の葉は、それぞれ100g~200gに成長するので、5cmの種苗から7.5kgのコンブに成長する。
100mのロープ一式に取り付けられた種苗は、成長後に約2000kgのコンブとして収穫出来る。
この昆布養殖のロープを、日本の沿岸に設置した場合の生産量の概算を検討してみよう。
100mの幹綱を10本併行に設置できる設備をひとつのブロックと想定して、日本の沿岸総延長3万5千kmの4%相当(約1400km)に設置した場合を検討する。
1ブロックで140m長さとすると、10万ブロックを設置できる。
1ブロックで生産できるコンブは、6か月で20トン、1年間で40トンになる。(もちろん、暖期と寒期では栽培する種類を選ぶ)。
この想定によるコンブの生産量は年間で400万トンになり、富栄養化に悩む内浦などの対策として効果を発揮する。
この昆布を水揚げして利用すれば、海中の炭酸ガス固定に寄与する。この効果については次回に。