中身が良く説明されないままの「平成の開国」というスローガンが、横行し始めている。
管直人首相は、施政方針演説で日本の活性化は、第三の開国が必要であり、自分は歴史に残る仕事をする姿勢を貫く、と勇ましく宣言している。
国内だけでは物足りないのか、わずか6時間の為に、スイスのダボスで開かれた「世界経済フォーラム年次総会」に参加して、「開国と絆」と題した講演で自由貿易を推進し、各国と経済連携を深めることで、「第3の開国」を目指す決意を表明した。
海外に向けても国の方針を明言したのだから、そうは簡単には撤回しないであろう。
だが、自由貿易の中身はまったくこれからの議論となっている。
民主党は、総選挙の公約で「環太平洋パートナーシップ」( TPP)への参加方針は一言も触れていない。
今年の6月までに、参加の意思の可否を政権内で決めると言明しているが、これは当然、参加表明の前に、総選挙で国民に信を問うつもりであろうか。
自民党もそれまでに、明確な開国の方針と内容を提示して、国民の選択の機会を提供するべきであろう。
菅首相は、TPP参加によって農業が壊滅するリスクを指摘する反対論者にたいして、2者択一の立場ではない、と言っている。
TPP参加によって、関税ゼロ化に向けて、農業を自立できるように並行して進める方針だ。
だから、どちらを犠牲にするとかいうわけではない、と説明している。
この認識は非常の危ういものがある。
日本の農業の自立問題は、そうは簡単には方向性も決められず、しかも30年以上に渡って国のの手厚い保護政策にも拘わらず、ずっと補助金漬け、無駄な公共事業などの積み重ねで、慢性の病気状態に陥っている。
それを、莫大な予算を投入する「戸別所得補償制度」を掲げただけで、後は何の自立政策もなく、関税ゼロ化を10年以内に達成しようという、意気込みだけのスローガンにしか聞こえない。
鳩山内閣が、アメリカの沖縄駐留米軍の普天間基地の移設問題で、中身の難しさも知らずに、
「2010年5月までに、国外、少なくとも県外移設の方針を決める。」と意気込みだけで動き出し、
最悪の妥協策に追い込まれた状況に酷似している。
民主党政権は、中身の分析や具体策の詰めが非常に甘いことが露呈している。
総選挙の公約で言い切った、「税金の無駄使いと天下りを根絶」、「総予算207兆円を全面組換えして16兆円の財源を生み出す」など、国民に聞こえの良いスローガンを並べて、総選挙で選ばれた。
まだ1年半しかたっていないのに、この大きなスローガンは、完全にほころびている。
「平成の開国」などとカッコツケの言葉に惑わされないで、本当の課題は、国内農業の長期的観点に立った、自立政策が基本にあることを認識すべきである。
管直人首相は、施政方針演説で日本の活性化は、第三の開国が必要であり、自分は歴史に残る仕事をする姿勢を貫く、と勇ましく宣言している。
国内だけでは物足りないのか、わずか6時間の為に、スイスのダボスで開かれた「世界経済フォーラム年次総会」に参加して、「開国と絆」と題した講演で自由貿易を推進し、各国と経済連携を深めることで、「第3の開国」を目指す決意を表明した。
海外に向けても国の方針を明言したのだから、そうは簡単には撤回しないであろう。
だが、自由貿易の中身はまったくこれからの議論となっている。
民主党は、総選挙の公約で「環太平洋パートナーシップ」( TPP)への参加方針は一言も触れていない。
今年の6月までに、参加の意思の可否を政権内で決めると言明しているが、これは当然、参加表明の前に、総選挙で国民に信を問うつもりであろうか。
自民党もそれまでに、明確な開国の方針と内容を提示して、国民の選択の機会を提供するべきであろう。
菅首相は、TPP参加によって農業が壊滅するリスクを指摘する反対論者にたいして、2者択一の立場ではない、と言っている。
TPP参加によって、関税ゼロ化に向けて、農業を自立できるように並行して進める方針だ。
だから、どちらを犠牲にするとかいうわけではない、と説明している。
この認識は非常の危ういものがある。
日本の農業の自立問題は、そうは簡単には方向性も決められず、しかも30年以上に渡って国のの手厚い保護政策にも拘わらず、ずっと補助金漬け、無駄な公共事業などの積み重ねで、慢性の病気状態に陥っている。
それを、莫大な予算を投入する「戸別所得補償制度」を掲げただけで、後は何の自立政策もなく、関税ゼロ化を10年以内に達成しようという、意気込みだけのスローガンにしか聞こえない。
鳩山内閣が、アメリカの沖縄駐留米軍の普天間基地の移設問題で、中身の難しさも知らずに、
「2010年5月までに、国外、少なくとも県外移設の方針を決める。」と意気込みだけで動き出し、
最悪の妥協策に追い込まれた状況に酷似している。
民主党政権は、中身の分析や具体策の詰めが非常に甘いことが露呈している。
総選挙の公約で言い切った、「税金の無駄使いと天下りを根絶」、「総予算207兆円を全面組換えして16兆円の財源を生み出す」など、国民に聞こえの良いスローガンを並べて、総選挙で選ばれた。
まだ1年半しかたっていないのに、この大きなスローガンは、完全にほころびている。
「平成の開国」などとカッコツケの言葉に惑わされないで、本当の課題は、国内農業の長期的観点に立った、自立政策が基本にあることを認識すべきである。