庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

旧態依然たる自民党に対抗できる中身を持った政権政党には・。

2016-03-31 | 快適エネルギー社会問題

民進党はエネルギー政策で「日本の将来が脱原発依存」で進めることが基本方針であるが、その代替策の電源をどのような構成で進めるか明示していない。

自民党政権の日本の電力エネルギーの将来目標は、経済産業省の官僚が作成した「2030年の電源構成目標」である。

これには、原子力発電は20から22%としているので、明らかに【原発の維持と新規増設】を目論んでいる。

これに対して、「民主党政権時代」には、原発への依存を2030年代に後半にはゼロにするとの目標を閣議決定している。

政権を失ったとはいえ、政党としての基本方針がなくなったわけではないから、常に、この方針に沿った政策研究と対案としての法案提出が必要だ。

 

自民党政権が国民の信任を失うのは時間の問題だが、その時期に「政権担当能力」が選挙民の多数を占める信任票を得られないようでは、日本の将来は見えない。

少なくとも国の存立の基本であるエネルギー資源の将来目標は、提示できる能力がなければ失格である。

それならば、まず第一番目に必須の政権公約は、脱原発の代替策である。

2030年には、原発で稼働している割合はわずかであろうが、仮に「原発電源の依存度を5%以下に想定すると、15%以上の電力の代替電源目標をどうするのか。

「再生可能エネルギーを最大限導入します。」では、どの技術分野で、どの産業を育成する戦略目標か、皆目分からない。

「地産地消の分散型エネルギー社会の実現」、と言っても漠然とした願望にすぎない政権公約では、自民党にとって変われる【強い信念が感じられない】。

 

民主党政権時代に成立した「再生可能エネルギー電力の固定価格買取法」[FIT]では、「太陽光発電」の大量の普及促進に成果を生み出している。

この制度の改良は必須であるが、その程度の修正では「他の発電電源」の飛躍的な普及促進は望むべくも無い。

今から10年程度で、20%近い原発の代替電源を育成目標にするならば、画期的な戦略目標を立てて、最重点の国策にしなければ実現は覚束ないであろう。

それには、日本の周囲の沿岸部に、『大規模な風力発電のウインドファーム』を建設していく「国家的プロジェクト」を立ち上げて推進すべきであろう。

 

幸か不幸か、大震災、原発大事故のあと、原発への過度の依存はやめる方針に転じたのを機会に、「大型洋上風力発電」の技術開発が2011年に着手された。

2012年から順次研究を積み重ねて、試作研究基の運転が開始し、今後の展開に必要なデータを蓄積し始めている。

これらのデータを元にして、「日本沿岸部の洋上風力発電の基地建設の長期計画」を策定すれば、2030年までに、かなりの電力供給を風力発電に依存する方策の可能性が見えてくる。

このプロジェクトの経済効果も並行して算出すれば、理解が得られるだろう。(続)


民主党の政治家は進化する活動をしているなら国民に示せ。

2016-03-30 | 快適エネルギー社会問題

安倍政権の公約実現先延ばし流儀は、そのうち国民から信頼されなくなるのは確実だが、問題は「代替政権の候補」が、民主党時代から進化していないことだ。

先のブログでは、目標の政策があっても「財源が必要であるのに具体策を示さない」安直な政治姿勢である。

とにかく、税金の無駄使いを止めさせれば、必要な財源を確保できる、という説明は「3年半の民主党政権の裏切り」で、国民は誰も信用していない。

今回の「待機児童解消問題」でも、保育士の給与を5万円増加させる、と言い出したが「財源の説明はいい加減」で、信用できるとしている人は見当たらない。

『人を大事する政策』を実行するには財源の確保が根底にあるのだ。

 

自民党政権の公約では、官僚依存ではあるが、財源の議論は実行する姿勢はある。

保育士の待遇改善策も5月にまとめる「一億総活躍社会」の実行計画に沿って、改善策の具体的制度を提出すると、説明をしている。

先送り体質の流儀に逃げ込まないことを期待するしか無い。

自民党政権では、成長戦略を不可欠の基本政策としているのは、基本的な姿勢であるが、民主党の政権公約では「軽座成長戦略」の基本方針だけしかない。

「2014年12月の民主党マニフェスト」では、「グリーン・ライフ・農林水産業、中小企業に政策資源を集中」としているが、総論的な願望だけである。

「未来につながる成長戦略」の記載だけで、何を育成するか全く示していない。

 

それから1年余りの間、野党時代の失意からか、国民が期待を持てるような「次世代産業の育成目標」の具体策を作成する意向も全くない有様だ。

この間に、アベノミクスの失策はあきらかになり、【第三の矢と称する成長戦略は一向に先が見えない状態】なのに、民主党は失策を非難しているだけである。

安倍政権がひどい能力でも、民主党がそれ以下では、国民が支持したい「政権担当能力のある政党」が、選べない状態が続く。

民主党は「脱原発依存」を掲げて、「再生可能エネルギーを最大限導入します」と公約に掲げているのに、新たな政策提案は全くない有様だ。

【思考停止状態】だと、安倍首相から罵られても、仕方がない怠慢な状況だった。

 

民進党に進化したのならば、「再生可能エネルギー」最大限の普及拡大政策を示して、『税源の最大限を集中的に投入する戦略』を立てるべきである。

いまや、世界の電力産業は、おきく変革しようとしている。

太陽光発電産業は、中国では世界最大の生産量に発展し、インドではこれからの電力を必要としている地域には、新規の普及を加速する。

風力発電産業は、この10年で画期的に進化して、「発電コストが最小」の電力産業として、世界に大きく伸びようとしている。

民主党の政治家は、野党時代の大事な時期を怠惰に過ごすのでは、望みがない。(続)


民進党は財源問題から逃げずに既得権勢力の抵抗を乗り越えろ。

2016-03-29 | 快適エネルギー社会問題

民主党が従来の【財源軽視姿勢】を真摯に反省して、その最大弱点を身にしみて感じた政治家集団として。「民進党」として、再出発することを歓迎したい。

野党連合として、ただ「与党案・政府案」を批判するだけでは、多数派のゴリ押しで議論を打ち切り、傲慢な姿勢を改めることはない。

しかし、きちんとした論法で「実現可能な法案」として提出して、「マスメディアが責任を持って報道する」中身があれば、堂々と国会で論戦をするのが良い。

心ある国民は、この論戦を見ながら、次期政権を担う政党と政治家を見定めていく「レベルの高い政治議論」の国になっていくだろう。

毎回のように無責任な議論を繰り返すようでは、国民から不信任を受ける。

 

民主党政権に交代したのは、今までの自民党政治が、「既得権集団の利害調整」を繰り返した「旧態以前の様相」に愛想をつかして、自民党を不信任にしたのだ。

民主党が掲げた政権公約には、期待も一部はしたが、とにかく、一度、政権を担当させて、政治的な能力を伸ばしてもらいたい、との支援もあったのだ。

ところが、野党連合の時代ばかりの政治家では、責任ある『財源を確保しての政策議論』が全く進まないで、他人に要求するばかりの野党体質であった。

批判するだけなら、初心者政治家でもできる。

人に嫌がられても、必要な財源を生み出す能力が無ければ、新規の政策議論ができないと、覚悟した民主党議員が全く居なかったのだ。

 

ついに、政権公約では絶対に【4年間は実施しない】としていた【消費税増税】を言い出して、国民から「激しい批判を浴びる醜態」に陥った。

議論があまりにもズサンな説明で、内部での分裂を繰り返し、対抗する「自民党の老獪な戦術」に翻弄されてしまった。

ただ一つの成果は、増税に頼らないで「電気料金の賦課金制度」によって、『再生可能電力』の飛躍的な普及促進を図ったことである。

既に2012年7月から実施されている「固定価格買取制度」[FIT]の成立で、民主党政権の業績として評価され、自民党政権でも経済効果に貢献している。

しかし、この法案の骨子は、既に欧州各国で成果を上げている制度で。いうなれば「先進国のモノマネ」法案である。

 

たとえモノマネでも、国民に負担を了解してもらい、経済効果を引き出す政策は、果敢に挑戦して「法制度を進化」させることが政治家の役割である。

自民党の政治家たちは、モノマネの法制度すら【既得権勢力の抵抗】にあうと、できない理由を探して「先送りして責任回避する」悪弊を身につけている。

次回の選挙で落選しないための「政治的な保身術」だけを磨いて、自民党内のボスにのし上がっていくのだ。

民進党の政治家にも、出身母体の利権の代弁をする集団が所属しているので、日本の将来よりも、出身母体を優先しないように監視をしなければならない。(続)

 


安倍政権の逃げ腰先送り流儀と民主党流儀の財源軽視。

2016-03-28 | 国創り政治問題

安倍政権は世論で問題にされて、対策の必要性が発生すると、対策本部とか、有識者懇談会などの体裁を取り繕って、取り組んでいる姿勢を世論にアピールする。

あれこれと、もっともらしい手順で議論を重ねるが、ほとぼりが冷めるのを待って、何もしないで先送りする。

このやり方で、自民党政権の時代が続いた為に、日本の改革が世界の中で大きく立ち後れる原因となった。

日本のマスメディアの特徴は、他に目立つ話題が生まれると、主要な取材は「目の前の関心」を新たな問題に採り上げる。

その体質が、日本の世論に悪影響して、長期的な問題が深められないで終わる。

 

今回の「待機児童問題」が採りあげられたのは、何回に及ぶか計り知れないが、その都度自民党政権では、対策に取り組むポーズだけはするが、何もしない。

自民党政権の認識は、人の育成よりも「お金の流通の方が大事」であり、お金を大量に扱う「経団連に属する大企業の支持」が大事なのである。

だから、「安倍政権の発足と同時に超金融緩和」をスタートさせて、「デフレ脱却」を錦の御旗にしながらも、肝心の「働く人の環境改善」には、関心を示さない。

「円安誘導」によって、大企業にお金が潤うようになっても、給与の増加は大企業社員のみで、大多数の勤労者は実質賃金が下がり続けている。

共働き環境に追い込みながら、保育園の受け入れ強化には、全く手をつけない

 

待機児童問題が急激に社会問題になってから、慌てて【緊急対策と称する「役所の通達」】を打ち出したが、なんのことはない、既存設備のままの定員増加だ。

これだけで、後は5月の対策案ができるまで、先送りの「逃げ場つくり」である。

「一億総活躍社会」の看板が泣きだすような、働く人の環境を大事にしないで、産業界の都合ばかりを重視して、「経営する側の立場」しか理解できない。

公共事業や法人税減税に回す予算は、膨大に振舞っても、「保育園の施設充実」や、「保育士の労働環境改善」には、回すお金を惜しむ。

恒久財源がないから、時間をかけて検討すると言い訳だけをして世論のほとぼりが冷めるのを待つ」、自民党流儀で先送りをする。

 

対抗する野党連合は、民主党政権が発足時に掲げた「保育所の待機児童を解消する」との公約を、3年半では実現しないで、放り投げてしまった。

その原因は、政権に就く前には「想定した税金の無駄使い」を洗い出せば、待機児童ゼロを実現できると、甘い想定をしていた為だ。

野党の眠りから冷めたかのように、「待機児童ゼロ」に向けて、「保育士の給与を5万円増加する」と打ち出している。

どうせ野党連合の議員立法だから、与党の反対で否決されると思いながらの「法案提出」だから、自民党もタカをくくって、【恒久財源がない】と早くも拒否だ。

民主党政権がなんで迷走したのか、真剣に反省するなら、もっと深く考えよ。(続)


日本の経済成長を支える世代交代が遅ればせながら進みだす。

2016-03-27 | 快適エネルギー社会問題

安倍政権の経済政策では、「第三の矢と言われた成長戦略」が、あまりマスメディアに取り上げられないので、日本が沈滞していく一方だと不安が増大する。

たしかに旧時代産業が、次々に「赤字転落」とか、「外国企業に会社ごと売却」などのニュースに接していれば、日本はこのまま沈滞すると思い込む。

かっての日本を支えてきた「鉄鋼業界」は、中国などの無謀な設備増強による「過剰な生産力」によって、急速に市況が悪化して生産設備の縮小を迫られた。

産業の象徴であった「製鉄所の高炉」は、次第に整理されて「てつはこっかなり」と豪語した産業ではなくなっている。

 

日本の経済成長を支えてきた「家電業界」も、海外の新興国に生産拠点を移し、大量生産での価格競争力に依存する「商品生産」は、日本での生産を休止した。

価格競争力によらない、「高付加価値」の新機能を開発して成功した商品が、日本の工場での生産品として健在で、地域の雇用を守っている。

いちじきは、海外への移転をふせぐには、働く人の賃金をできるだけ抑制することで、雇用を守ろうとした。

さらに、臨時雇用的な「非正規雇用」社員を増やして、「労働分配率」を減少することばかりを、企業も国も奨励したために、需要不足の経済が深刻化した。

給料をおさえても、海外への移転時期を少しだけ遅らせた効果しかない。

 

自民党政権も「需要不足経済」を招いた責任が大きいが、労働界の代表が多く参加する「民主党政権」の、労働分配率低下の責任が大きい。

民主党の政権交代選挙の公約では、働く人への配分を増やすとの目標を掲げながら、財源の方はまったくおろそかで、無駄使いを減らすことばかりに熱中した。

結局のところ、僅かしか捻出できず「将来の成長の芽」に成る研究開発の予算までも【専門性もない知識で評価】して顰蹙を買った。

今回の「民主党の再出直し」の政権公約では、「将来の経済成長」の目標分野を「十分な知見を得て研究」したのであろうか。

とくに「再生可能エネルギー分野」では、6年間の進化と世界の情勢は大きく進展したことを、認識しての再出発であろうか。

 

もはや「原子力依存ではない」のは常識だが、化石燃料、特に石炭燃料からの離脱が急務である。

その代替電力は、風力発電に依存する時代が、明確に見えているのだ。

大型の風力発電の大規模施設の研究開発が進化して、今後10年以内に「世界の主力電源」に成るのは確実である。

日本は、限られた国土では、設置の適地が限られるが、日本の沿岸部を利用した「洋上風力発電」の大量設置の可能性の調査結果では、大きな期待ができる。

経済産業省では、この設置適地の調査を2016年度には完了する予定である。

この風力発電産業界が大きく育つことで「経済成長を支える」の代表となる。(続)


国民を愚弄する与党と財源問題に無責任な野党勢力の選択は。

2016-03-26 | 国創り政治問題

久々に日本での政界にも「野党勢力」が存在することをアピールして、安倍政権の唯我独尊的な政治の怠慢を、チェックする役割を演じる意思を表明した。

民主党と維新の党が、やっと「格差是正を前面に掲げる、11の提案」をまとめて、民進党として「政権奪還」に動く姿勢を現した。

政権転落後のショックで、思考停止状態に陥り、気力喪失の政治家集団となって税金の無駄使いをしているだけのリハビリ状態から抜け出す様相である。

まずは、「待機児童問題」への対立案を作成して「野党勢力」の合意として、議員立法で提出した。

「保育士の給与面の待遇改善」が主力の対策だが、財源問題が壁になる。

 

「待機児童解消」を目指すタテマエは、与野党共に同一だが、対立軸になるのは「財源問題の対応策」の違いが大きい。

自公政権側は、現状で捻出できる予備費の範囲で、4%程度の給与増加を早急に実施する、と参議院選挙対策の暫定政策でしかない。

これでは、公約の2017年末の「待機児童ゼロ」の実現は、まったく不可能だ。

選挙さえ乗り切れば、あとはどうにかなるとの無責任な政治家集団の典型である。

政権公約にするつもりもなく、国民を愚弄しているとしか言いようがない。

安倍首相は、本来の認識では「子育ては個人の責任」と割り切って、経済活動が活性化することばかりに、関心を払うだけである。

 

民進党は、「人への投資」を重視して「子育ての負担を軽減して社会で支援」する政策を重視する。

今回の「保育士の待遇改善」を前面にして「月額21万9千円の給与」を5万円増加させる対策案を主力にしている。

必要な財源を2770億円と想定して、公共事業費の削減で捻出するとしている。

この対策案を実施すれば「2017年末の待機児童解消」は実現するだろうが、公共事業費の削減で恒久的な財源を確保できるわけではない。

民主党政権時代の最大の失敗は、この恒久財源の検討が全くおろそかにされていたので、次々に政権公約の実行が迷走して、国民の失望を買ったのだ。

 

安倍政権は看板を掲げるだけで当面を取り繕う「先送り内閣」だが、民主党政権、いや「民進党の公約」は、またまた財源論議なしの「希望だけ政権」になる。

これでは【国民は又モヤ、不毛の選択】を強いられる無駄使い総選挙の再現だ。

先送り常習犯の安倍政権は、すでに国民を裏切っているが、対抗する民進党が、同じ失敗を繰り返す「無責任な能力」しかないのでは、子供は救われない。

財源問題に踏み込んで、正々堂々と国会で論戦をして、国民にどちらが責任を負える政党になっているか、政権を担うに値するかを問え。

まずは、来年4月の消費増税10%を実施して、恒久財源を確保して、子育て世代への配分を厚くして、安心できる子育て環境を作るのか、信任を問うべきだ。(続)


老化現象の大政党よりも新進気鋭政党の未熟な段階に叱咤激励。

2016-03-25 | 国創り政治問題

「日本の衰退現象」の象徴である「待機児童問題」は、10年来の課題でありながら、抜本的な対策と取られずに、すべて先送り状態であった。

たまりかねた民間の母親が、「日本死ね!」と放った暴言が、やっと政治を動かし始めた事態が、いかに民主政治が「未熟な段階」であり、政治の貧困である。

それでも、少数政党の利点を生かした「公明党の待機児童対策推進プロジェクトチーム」が、緊急提言をまとめて安倍首相に提出した。

中身は、「保育士の賃金を確実に4%引き上げる」ことで、就労支援の一部になるので、保育士不足に悩む「保育園の経営」の援護になる。

さらに、「小規模保育園の定員枠を上限19人から22人に引き上げる」規制緩和だ。

 

とにかく、何もしない大政党よりも、出来ることからでもまずは始めよ、である。

自民党政権の老害ぶりが、【日本を衰退に陥らせる】前に、少しでも「若年世代を重視する政策」に転換する機会にすべきだ。

この制度改良で、どこまだ待機児童が減るかは誰も言えないが、机上論に時間を浪費するよりも、改善の方向に進むことは即刻実行するべきだろう。

それで、あとは何もしないのではなく、抜本的な対策として。「保育園の経営を支援し、保育士不足の経済的な環境の改革」が、時期を失せずに取り掛かるべきだ。

保育士の資格を取得していても、就労支援がない現実を放置してきた原因は何か。

同様の問題がいたるところに散在しているので、解決する模範事例にせよ。

 

人手を必要としているのに、就労支援がないことで、国民の生活に支障をきたしている問題は、大抵の場合は資金不足である。

今度の保育士不足も、平均賃金が21万6千円の給与では、勤務条件が厳しい割には低すぎる給与であることは、明らかである。

「民進党の新政策」では、保育士の給与を月5万円増加する法律を提出した。

対象人数は47万人になり、財源は年間で2800億円が必要となる。

この恒久的に必要となる財源を、「公共事業費の削減と租税特別措置の見直しで捻出する」としているが、具体的な実現可能な対策案になっているのか。

民主党政権時代の、『人を大事にする基本方針』は、国民の支持を得て政権発足したが、必要な財源の捻出には失敗して、失望を買ったことを思い出させる。

 

野党だからといって、財源の捻出の検討をおろそかにする体質は、5年半を経過したのだから、進歩したのであろうか。

どうせ多数与党の前には廃案になるから、「とにかく参議院選挙の前」に対策案を提出した、という実績だけを示す魂胆ならば、世論の批判を免れない。

万年野党体質のままの総選挙では、世論の信任を得ることは、実現しない。

総選挙後には、すぐに実行できるレベルの「対立案の具体化」ができなければ、真剣に政権交代を狙える資格をもっていない。

政策案のバラ色のばらまきではなく、実行可能な財源を明確な根拠でしめせ。(続)

 


安倍政権の骨太の方針は脆弱な骨粗鬆症に転落して骨折した。

2016-03-24 | 国創り政治問題

安倍政権の思考停止状況はますます酷くなる一方で、国民に約束した「政権公約は次々と反故同然にされてゆく。

民主党政権の時も、政権公約は立派であったが、実際の政策の施行に必要な財源の検討をおろそかにしていたため、次々と公約不履行の迷走状態に陥った。

安倍政権は、民主党よりも経験豊富な政治家が多いから、そのような醜態をさらすことはない、と豪語していたが、3年で化けの皮が剥がれたようだ。

何に取り組んでも財源の議論がおろそかで、表面を取り繕うか、先送りの逃げ場作りに走ってしまう。

民主党政権の時代よりも、国民を裏切る事態が頻繁に起きてきた。

 

民主党政権の失敗の原因は、十分な検討もされないで「野党転落のショック」から思考停止になって3年異常を経過した。

バラバラでは自民党に対抗できないのは当然なのに、3年間も要してやっと野党再編の入口にたどり着いた。

新党名は「民主進歩党」略して「民進党」は民の心理を理解したのだろうか。

骨太の方針は「格差是正に力点を置く」だが、政策の実行可能性はどうなのか。

「最低賃金水準時給1000円に引き上げる」としたが、この目標は、鳩山政権の公約に大きく書かれていた。

しかし、3年半の政権担当時代には全く成果を上げられず、野党転落の海江田党首は、目標数値の1000円を隠して、責任を負わない「未熟ぶり」であった。

 

安倍自民党政権の公約では、【格差是正への配慮は全くない】経済政策で、働く底辺層の人への配分は、アベノミクス政策では、減少する流れになった。

世界経済の最大の課題は、この所得格差の是正であり、いかにして「低所得者層」への配分を増やして、総需要不足の問題を解決していくかにかかっている。

先進国の最低賃金水準は、1300から1500円/時間であり、日本のように低い国は例外的である。

また【所得格差拡大の要因】となっている【非正規雇用】の制度は、先進国では異常に高い比率で4割に達し、「不安定な日常生活」を放置している状態だ。

今頃になって、「同一労働同一賃金」の検討を始めるようでは、頭の中は老化が進み、野党が言い出したことの後追い政策で、責任を負った政党の資格はない。

 

【少子化の流れ】になすすべなく、【格差拡大】にも手遅れの認識では、日本の将来を担う「骨太の基本方針」がないに等しい。

その程度の認識では、世界中の政治家は心血を注いでいる『経済成長戦略』に、【周回遅れになる制度疲弊】を改革することは覚束ない。

「日本をイノベーションに適した国」にしていく「骨太らしき方針」は、中身が穴だらけの【骨粗鬆症の老人化】した国の、カラ元気にしかならない。

まずは、生活に密着した「育児と毎日の収入」の骨格を、健全にすることだ。(続)

 


まともな思考に取り組んで将来世代に引き継げる目標を示せ。

2016-03-23 | 国創り政治問題

日本はバブル崩壊後の長期的な低迷期を過ごして来たために、創造的な思考ができない頭脳構造に退化してしまったようだ。

長期的なデフレが続くから「物価の下落」を止めるのが目的のようになって、物価上昇目標を決めて、政府の国債を買取ることで、市場にお金を流すことにした。

しかし、市場にお金を流そうとしても、借り手がいない現状を放置したままでは、投資も消費も上昇しないから「物価上昇目標」は絵に描いた餅にしかならない。

物価の下落だけは、超金融緩和の当然の成果である「円安誘導」によって、輸入品の原材料の価格が上がった影響が現れて、1%程度の上昇だけは実績となった。

だが経済活動の改革には、全く手がつけられていないと同じで、思考停止状態だ。

 

デフレ脱却ができず、【格差拡大の転換も手つかず】である上に、最重要な「新産業育成の芽」を見つけ出す「政府の戦略的な骨太の方針」は未着手のままだ。

アベノミクスの威勢の良い掛け声は、いまや幻想の世界に飛び散ってしまった。

2016年の施政方針演説では、「一億総活躍社会」を勇ましく打ち出して、「GDP

目標600兆円」を掲げたが、中身はお粗末の一言に尽きる。

「女性が輝く社会の実現を」と政権公約で高々と看板を掲げて、安心して子育てに取り組める支援をする、と約束している。

2017年末には保育の受け皿を確保し、「待機児童の解消を目指します。と言う。

ところが、【保育士の不足が問題の根源】であり、キツイ勤務環境の割に合わない「低賃金の実態を知っても何もしない」のが現実の政治家である。

 

日本を担う次世代の子供たちを後回しにして、既得権益を離さない【旧時代勢力の要求ばかりを優先】していては、国は衰退していくしかない。

保育士の賃金水準が異常に低いのは【政治の怠慢】であることは明確だ。

それにもかかわらず、今年度の対策では、保育士の給与水準を2%上昇目標で済ませるような、無定見、無責任な姿勢に終始している。

引き上げには、財源が足りないと【言い訳だけで済まそうとする無責任な官僚と政治家ばかり】で、財源を探そうともしない。

まともに考えれば、何を差し置いても『少子化の流れを転換する』ことが最優先だとわかるはずだ。

 

自民党政権が長年にわたって築いてきた制度や仕組みは、次世代の害になりつつある「負の遺産」として増殖している。

【既得権益を守る】制度は、いたるところに増殖して、次世代をになう「価値のある創造を生み出す機会」を奪っているのだ。

「一億総活躍社会」と大風呂敷で鼓舞するような、内容が貧弱な方針でゴマカスよりも、まず「2017年末には、【保育園また落ちた!】の不満をゼロ」にせよ。

【財源が足りないからできませんでした】とお詫びをするような醜態は見せるな。

まともな思考を実行して、「まず、待機児童ゼロ」から実践して、範を示せ!(続)


国民の願望に沿った基本的な政策を真摯に取り組むしかない。

2016-03-23 | 国創り政治問題

現在の社会の難問は、「デフレ脱却」であり、その対策の方向は「総需要の創出」が急務であることは、誰であろうと一致した方向である。

その上で、社会的不公平が広がり【格差拡大の流れ】が止まらず、先進国でも国民の不満は高まるばかりです不安定な状況が拡大している。

それには一段と経済成長を促進して、企業活動を活発にすれば、政府の税収が増えて、公共投資が可能になって「インフラの促進、近代化」が可能になる。

ここまでの認識は共通であるが、この先の議論が迷走して「この10年間では世界は不安定な状態に落ち込んでいくばかりである。

 

日本はアベノミクスと称して、大胆な金融緩和を実施して、大企業の収益に恩恵を施したが、そのお金は内部留保と海外に流れただけである。

お金を消費に回すのが切実な働く人に【届かなければ金融緩和政策は失敗した】と判断するのが妥当だろう。

アメリカの代表的な経済学者のスティグリッツ教授とポール・クルーグマン教授との提言を、安倍首相が拝聴したが、総需要の創出を強調しされた。

アベノミクスの金融緩和と財政出動の政策は肯定的であったが、それだけに頼っていたのが大きな失策である。

格差是正を怠り、富裕な人や大企業にお金が回ることばかりの政策止まりだった。

 

今頃になって「非正社員問題」に取組み始めたり、消費購買力を減少させる「消費増税の再延期」に言及するようでは、「総需要喚起」には、周回遅れだ。

言うまでもなく、低所得者にお金が届けば消費に回るのは明らかで、それを、一番後になるような流れにしているのは、経済の基本を知らないお坊ちゃんだ。

まず、その格差是正の政策を「いの一番に手を打って」から、肝心の経済成長の芽を育てることに専心する。

日本の中堅の国民層は、将来世代にとって良いことにお金が使うことには、躊躇しない傾向がある。

特に現代は「環境に良いことは将来世代にとって最重要」と考えるので、民間企業が環境価値を高める商品やサービスを提供すれば、お金を出す気になる。

 

その反対に将来性のない「目先の価値ばかりで一過性になる商品」には、財布の紐を引き締めるだけで、消費に向かわない。

生活必需品にたいしては、節約志向での低価格商品を求める傾向は一層強まり、物価下落の流れを期待し続けるので、「日銀がインフレターゲット」の低金利政策を強めても、物価上昇に繋がらない。

物価上昇を2%にすることを宣言して、消費を控えている人に「今のうちに買っておこう」を考える【買い急ぎ心理】をあお「インフレターゲット政策」は、企業には刺激する政策だが、肝心の消費志向が冷え込む状況では投資はしない。

国民が『願望している分野の成長の芽を育てる』政策に専念せよ。(続)

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基本的な認識を転換すれば経済の好循環は総需要増加に向かう。

2016-03-21 | 経済問題

安倍首相は「日本を含めて世界の需要を作っていくことが最も重要だ」と、やっと気がついたようである。

アメリカのノーベル賞経済学者のスティグリッツ教授の意見に共鳴して、今までのお金を潤沢にして、経済を活性化する方向は間違いであったと理解した。

金融緩和政策は、「総需要を最大にするように日銀が判断」する基本方針に転換させて、需要が増えるかどうかも解らない「物価上昇目標」の「リフレ派経済学者」の論法からは、離脱することだ。

民間企業が内部留保ばかりを重視するのは、【リフレ派の論法】を信用していない証拠でもある。

 

それよりも、消費購買力を最大に維持する事を、経済政策、金融政策、雇用政策の面から見直して、できる事はなんでも実施する気構えを、示すことに尽きる。

法人税の減税は当然の理屈では「減税は中止して、当面は維持する」政策に転換する。

その上で「従業員の給料を上げる」ことと、「外注企業からの購入を人件費増加に見合う分の仕入れ価格増加」を図った事実を証明することで、その分は免税する。

これが実現すれば、大企業は免税対象になる外注企業を探すことが、企業メリットになるので、積極的に外注企業に給与増加の実績を要望することになる。

 

また「非正規雇用の社員」を登用することで、「正社員比率を上げる実績」を示した企業だけを、法人事業税で優遇し、それを実行しない企業には、年々「法人税の増税を実施する」制度を発足させる。

このようにしていけば【安い人件費に依存している企業】は、可能な限り「正規雇用社員」に登用して、税制の優遇を受けようと努力する。

もちろん、正規雇用になった社員のやる気も向上して生産性が上がるから、企業にとってもメリットは大きい。

それでも、人権の増加負担が厳しい中小企業には、生産性向上の為の設備投資資金を、無利子で融資する制度で支援をする。

 

このように単刀直入に、非正規雇用社員の正社員への登用を促進すれば、「同一労働同一賃金」のような抽象的な議論に終始するポーズより、はるかに効果的だ。

正社員への登用が果たせた社員は、収入の安定と将来への希望が開けて、生活の豊かさを求める志向が活発になる。

その時期にこそ、マイナス金利政策の効果が歴然と現れるだろう。

延払いでもOKの商品。サービスがこの時とばかり市場に供給されるので、消費購買力の増加が一段と加速される。

この消費意欲の向上を予測した企業は、政府に言われなくても、果敢に新規の設備投資を加速し、新商品の開発を進めて投入を急ぐ経営に転換する。

政府にとやかく言われずに、内部留保資金を果敢に投資に回すだろう。(続)


経済再生の道を間違えたのだから率直に進路を変更せよ。

2016-03-20 | 経済問題

経済の再生には、低所得者層への「収入増加政策」が最も適切な対策である。

それには、収入格差を拡大させた「非正規雇用社員の制度」を、出来るだけ早期に縮小して、低賃金化で利益を上げようとする企業の退出を計るのだ。

低賃金しか払えない仕事には生産性をあげるために、公的支援を手厚く実施することで、働くひとの収入を上げることを最優先する。

問題は公的支援の財源を、どのようにして生み出すかに、知恵を絞ることだ。

その具体策が提示できないうちは、減税の政策は全て凍結することに決める。

安倍政権が、まず第一に打ち出す政策は、法人税の減税を先送りすることだ。

 

法人税の減税は「官製春闘」を言い出した【安倍首相の肝入り減税策】で自民党税制調査会」では、財政再建の見通しがついた段階で、検討する課題としていた。

それを経済界への賃上げ成果によってデフレ脱却への「好循環を起こす」ことへの、「見返りでの減税実現」の意味合いがあった。

しかし、賃上げの水準は、3年足らずです「賃金上昇は打ち止め」をなり、【大企業は先行き景気不透明感】を理由に、企業の内部留保を積み上げる判断をした。

つまり、賃上げの経済の好循環を実現するより、企業防衛を優先する方針だ。

安倍首相は大甘の交渉人で、約束違反をされて「減税の旨味だけ食い逃げ」されても、一旦、要求を飲んでしまった法人税減税は、平気を装って実行する。

 

その減税によって、財政の悪化は必然であり、埋め合わせは、確実に【一般国民の負担増】となって、数年後には降りかかってくる。

アメリカのノーベル賞経済学者の「ジョセフ・スティグリッツ教授」は、【世界的な需要不足が加速する】経済情勢を指摘して、積極的な財政出動を提案した。

これは、政府が国債を増発してでも、「総需要創出に向けて国際協力が大事」として、日本が「総需要創出」の財政出動の模範をしめすべきだ、との提案をした。

安倍首相は「景気が失速したら元も子もない」と言い出しているが、消費増税の10%への引き上げを、再度延期する流れにしようとしている。

 

消費増税を延期することは、国民の社会福祉の充実が先送りされるのと同じだ。

アベノミクスで富裕層と大企業だけを富ませて、「トリクルダウンが起きない」ことを実証しただけで、国民の不公平が増加する「消費増税8%」を実施して負担増を拡大させただけで、実質賃金の水準を【安倍政権発足前よりも下げ続けて】しまったが、その反省とおわびもなく3年間の責任をチャラにするつもりだ。

それでも、野党勢力には【対抗する政権の基本戦略すらない】状況だから、今のうちに解散総選挙で、国民に不毛の選択を迫って、あと4年間を逃げる。

それでも、曖昧なアベノミクスの修正と様子見に終始するよりは、潔く覚悟を決めて、国民の大多数を占める「働く人の給与増加」を最優先にする政策に転換する政権公約の出直し選挙で、政策転換の是非を問うべきだ。(続)


デフレ経済の脱却を理由にして格差拡大を増加させた愚策。

2016-03-19 | 国創り政治問題

「富裕層と勤労者層」、「大企業と中小企業」、「中央都市部と地方農山村」の経済格差が拡大し続けるのが、先進国の最大の衰退原因である。

その中でも、日本の特徴的な問題は、「正社員と非正規社員」の露骨な労働環境の差別化で、近年の社会的な不満の最大要因である。

自民党政権も民主党政権時代も、なすすべなく「経済界のいいなり」になって、非正規雇用の制度を規制緩和と称して、企業のやりたい放題を認めてきた。

日本は格差の少ない社会であったが、非正規雇用の増加が社会問題の根源であるにもかかわらず、改悪の路線を進み続けてしまったのである。

 

世襲政治家の経済知らずの頭でも、デフレ経済の原因だが【賃金の長期的な減少】が大きく影響していることはわかるようになった。

金持ち層にお金が回っても、海外の貯蓄や消費を増やすだけで、日本の経済への還元は少ない。

大企業を儲けさせても、投資収益率の良い海外の地域に優先的に投資資金を回すだけで、それも見当たらなければ【内部留保資金】を増やすだけだ。

ついに労使交渉に、政府の関係者が【経済界へのコネによる働きかけ】を始めて「官製春闘」の新語を生み出し、一時的には大企業も応じたが、3年で挫折した。

経済も企業経営も知らない「世襲政治家集団」の、認識の浅さを露呈したのだ。

 

ほとんど全ての政策がデフレ脱脚に成果がなく、逆に【所得格差の拡大】の効果を加速することばかりを実行してきた。

格差の拡大を是正する政策には、『弱者への再配分政策』が必須であるが、その重要な財源となる「法人税の制度」を、大企業に有利な企業利益の減税に走ってしまった。

社員への給与配分を減らして【利益をふやす企業を優遇する】インセンティブとなる、安倍政権の愚策の典型である。

ついに、何をしたら良いかもわからなくなった安倍首相は、アメリカの経済学者の意見を聞いたら、法人税の減税は愚の骨頂と意見をされた。

 

おまけに「大企業を減税では優遇して、税収を減らし、代わりに消費税を上げる」愚かさを指摘されたので、民主党政権をおだてて成立させた「消費増税10%」の約束を、またまた先送りする迷走がはじまりそうである。

これでは、さらに財源が不足して「格差是正の弱者救済政策」は、何もできなくなった。

民主党政権は、「弱者の救済よる格差是正」を看板に掲げていたが、自民党安倍内閣は、所得格差を拡大させておきながら弱者救済政策は、財源不足を理由にして先送りでごまかそうとしている。

「同一労働同一賃金」の目標だけを、格好つけて打ち出したがポーズだけだ。(続)

 


経済の再生にはこの道しかないと言ったがどこに行くのか。

2016-03-18 | 国創り政治問題

安倍政権の経済政策の行く先は、どこを目指して「国民の豊かさ」を実現しようとしているのか、3年間の実績では「皆目わからない」状況である。

デフレ脱却が急務であるのは誰しも依存のない目標であるが、その先になにが目標になっているのか、迷走して目的とする「国つくりの姿」が見えない。

世界での共通した大問題は、経済停滞にともなって「格差拡大の社会的不公平」が大きくなっている。

この不公平感を放置していると、底辺層の不満が鬱積して社会の安定が失われて、

豊かな生活環境が悪化して、毎日の安心感が喪失した社会になっていく。

欧州の格差拡大の国が増えてる状況で、社会の不安定がますます問題になった。

 

日本は世界の中でも「格差が少ない国」の例であったが、アメリカの新自由主義経済の悪影響によって、資産格差、所得格差が増加する流れになってしまった。

これから「教育格差拡大の懸念」や、地域格差の拡大問題にさらされる。

歴代自民党政権は、小泉内閣の時代は「構造改革路線」で、既得権構造を破壊する活動によって、不公平感を抑制したが、効果は一時的であった。

やはり、アメリカの影響下では、自由貿易の拡大やグローバル化による「国際競争の激化」によって、【市場での自由競争至上主義が正当化】されてしまった。

弱肉強食の世界が理想とされて、「脱落した人や組織」を救う「セーフティネット」の議論が活発な時代になったこともある。

 

だが結局の所、「格差拡大の方向で経済成長」をはたしても、拡大させた後での弱者の救済には、膨大な予算が必要となる。

それに見合う税収が順調に増加するならば、経済成長を継続していく状況を続けることで、社会の安定は保たれる。

だが、グローバル化されていく【自由貿易経済の中では先進国が停滞】せざるを得ない状況になる。

さらに積極的に経済成長を目指すことは、既得権構造の強化につながり、不公平感の増大になっていく。

こうして、先進国の経済成長は鈍化したまま、【経済格差だけは拡大していく運命】にある。

 

従来の経済理論は、「グローバル化した世界では通用しない」のが明確になった。

人々が「生活を守る為に消費を減らす」傾向が強まっていて、「所得格差の増大に伴って消費を減らして節約する」。

これがデフレ経済に落ち込む原因だから、「物価上昇目標2%程度」を政府が公言して、粘りつよく金融緩和を続ける政策が浮かび上がってきた。

「インフレ期待による設備投資の増加」がひきだせるとした「リフレ経済」は、海外の成長率の高い国に資金が投資されるだけで、空ぶりの成果しかない。

安倍政権の経済政策は、時代遅れの手詰まりの袋小路に入っている。(続)

 


目標だけ掲げても実現できる政策内容としてお粗末に過ぎる。

2016-03-17 | 暮らし・健康問題

アベノミクスの行きつまりは最早明確になったが、野党各党は批判をしているだけで、「経済再生の具体策は総論のみ」の状態で、対抗策も何もない。

これでは国民が選挙の時に、どの政党に政権を任せるか「選択する公約がない」のと同じ状況のままで、その時点の流れだけで判断してしまった。

民主党政権は、公約に並べた目標は良くても実際に進める段階では、政策を法制度にまとめることもできず、政治的な幼稚さを露呈してしまった。

少しは反省したのか、今回は「参議院選挙に向けての政策の中身」を具体策で競う姿勢になったようである。

「保育所の待機児童を解消する」との政権公約にやっと取り掛かった。

 

政権交代選挙から既に6年半を経過しているので、対抗策として出す「政策の中身はかなり充実している」と期待したが、その具体策を見てみよう。

民主党内の議論を昨年から始めて、「議員立法で成立させる準備」を進めてきた。保育の現場で人材を集めやすくするため、全産業の平均賃金よりも月額で11万円も安い現状を改革するために、月1万円引き上げる助成金を創設する。

これが、6年半も時間をかけて検討した具体的な政策なのかと、目を疑う。

現在の保育士の平均給与は、月21万9千円と言うが、それを22万9千円にすれば「待機児童ゼロにできる保育所の増設」が実現できる、としている。

 

ところが、政府自民党では、5月にまとめる「一億総活躍プラン」には、【保育士の給与アップは2%を目標】としている。

これは、20%の間違いではないから、政府は「待機児童ゼロ」を目標にする気はさらさらない。

共働き世帯への支援は不要なことと考え、一億の中に入る必要もない活躍プランの想定外だとしている。

これでは、【保育所、また落ちた。活躍出来ねーじゃねーか。日本死ね!】と言いたくなるのも無理はない。

 

自民党政権の歴代と民主党政権に交替後の6年半の期間に、政治家は全く仕事をしてこなかった証明である。

与野党問わず、生活の原点である「働く生活環境」を作り上げるのが「政治の基本」で、政権公約に掲げた政策を与野党一致で最優先に具体化すべきだ。

政策案が複数あるならば、国会で最優先の議案として審議し、成立させよ。

問題の根源には、『保育士の給与アップの財源』を、どのように生み出すか、の論議を徹底して世の中に説明して、国民の大多数の理解を得ることにある。

財源の具体策のない「政策論議」は、議論する価値の無い「机上の空論」、「お茶飲みばなしの雑談」に過ぎない。

民主党政権は、財源の議論を空想だけに終始して、政権公約に掲げた目標をほとんど空論に終わらせてしまい、世論の支持を裏切って追放されたのだ。(続)