民進党はエネルギー政策で「日本の将来が脱原発依存」で進めることが基本方針であるが、その代替策の電源をどのような構成で進めるか明示していない。
自民党政権の日本の電力エネルギーの将来目標は、経済産業省の官僚が作成した「2030年の電源構成目標」である。
これには、原子力発電は20から22%としているので、明らかに【原発の維持と新規増設】を目論んでいる。
これに対して、「民主党政権時代」には、原発への依存を2030年代に後半にはゼロにするとの目標を閣議決定している。
政権を失ったとはいえ、政党としての基本方針がなくなったわけではないから、常に、この方針に沿った政策研究と対案としての法案提出が必要だ。
自民党政権が国民の信任を失うのは時間の問題だが、その時期に「政権担当能力」が選挙民の多数を占める信任票を得られないようでは、日本の将来は見えない。
少なくとも国の存立の基本であるエネルギー資源の将来目標は、提示できる能力がなければ失格である。
それならば、まず第一番目に必須の政権公約は、脱原発の代替策である。
2030年には、原発で稼働している割合はわずかであろうが、仮に「原発電源の依存度を5%以下に想定すると、15%以上の電力の代替電源目標をどうするのか。
「再生可能エネルギーを最大限導入します。」では、どの技術分野で、どの産業を育成する戦略目標か、皆目分からない。
「地産地消の分散型エネルギー社会の実現」、と言っても漠然とした願望にすぎない政権公約では、自民党にとって変われる【強い信念が感じられない】。
民主党政権時代に成立した「再生可能エネルギー電力の固定価格買取法」[FIT]では、「太陽光発電」の大量の普及促進に成果を生み出している。
この制度の改良は必須であるが、その程度の修正では「他の発電電源」の飛躍的な普及促進は望むべくも無い。
今から10年程度で、20%近い原発の代替電源を育成目標にするならば、画期的な戦略目標を立てて、最重点の国策にしなければ実現は覚束ないであろう。
それには、日本の周囲の沿岸部に、『大規模な風力発電のウインドファーム』を建設していく「国家的プロジェクト」を立ち上げて推進すべきであろう。
幸か不幸か、大震災、原発大事故のあと、原発への過度の依存はやめる方針に転じたのを機会に、「大型洋上風力発電」の技術開発が2011年に着手された。
2012年から順次研究を積み重ねて、試作研究基の運転が開始し、今後の展開に必要なデータを蓄積し始めている。
これらのデータを元にして、「日本沿岸部の洋上風力発電の基地建設の長期計画」を策定すれば、2030年までに、かなりの電力供給を風力発電に依存する方策の可能性が見えてくる。
このプロジェクトの経済効果も並行して算出すれば、理解が得られるだろう。(続)