僅か2週間、いやクルーズ観光旅行の15日間も含めて、一ヶ月程度の期間に、限られた船内で滞在した人々に、災害が襲ってきた。
新型コロナウイルスの感染率は、19%という高率で感染する事態だ。
これを日本全国での感染率とするのは、早計だが、1億2千万人の日本人口では、2280万人が感染者になる可能性がある。
これは、クルーズ船のように、密接に人が交流する空間での仮定だが、とにかく、空気感染、接触感染で、短期間で爆発的に拡大する恐れは大きい。
それに輪をかけたのが、隠れ感染者の可能性を恐れて、子供たちに感染して、ウイルスが各家庭に持ち込まれたら、全国に広がるのは確実だ。
信用性のあるデータがない状況で、後手ゴテ批判を浴び続けた安倍総理大臣は、専門家の意見も聞かずに、「全国一斉休校」を突然に宣言した。
しかも準備期間もなく、3月2日からとの慌てぶりは狂気の沙汰である。
北海道での感染では知事の指示によって、一斉休校の指示が出されていた。
また、新型インフルエンザの流行が最盛期になった場合には、地域を限定した一斉休校は効果的な対応策であると、実績が明らかになっている。
この唐突の一斉休校では、検討不足の事態が次々に指摘されている。
この状況が引き起こす事態を、全て、事前に検討して上で、その対応策を担当官庁や地方自治体、教育委委員会、教育関係者などに示すべきだ。
せめて感染者数が多い限定地区において、一斉休校を実施して、その状況で発生する不具合、不安、救済措置などを、実例を把握する必要があった。
このような当然の措置を、全て眼中にない状態で決断するリーダーは、国難に遭遇した時には、国の運命を任せられない、国民総不安を引き起こす。
この事態の追い込んだ原因をしっかりと把握して、混乱状態での重要な決断の誤りを、二度と起こさない為の事例研究として、後世に残すべきだ。