庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

電力会社の広報を務める政党の支持率が高い不可思議。

2012-11-30 | 核エネルギー・原子力問題
自民党の政権公約で、もっとも見苦しいのは「原発の再稼働は3年間で判断」としていることで、【先送り主義】、【日和見】【中央官僚(電力族ムラ)依存】の出来の悪い政治家を代表している様なお粗末さだ。
原発維持が基本体質の様だが、「エネルギー政策転換の基本計画は10年後」だと、堂々と公言している。
つまり、最重要な国家的課題も10年間も懸けないと、方針を出せないと【無能力、無定見、無信念】を、自ら表明している。
こんな政党が、事前の世論調査ではトップ、と言うのだから、他党の政権公約は、それにも及ばない信用度、低水準ということになる。

自民党は、電力会社の言い分をそのまま鵜呑みにする議員しかいない様である。
各党の政策責任者の討論でも、自民党議員は「原発を稼働しないと電力料金が上がる」と、盛んに再稼働の必要を力説するが、電力会社の【消費者軽視の殿さま体質】には、少しも言及しない。
まるで、独占企業の代弁する様な、「電力料金の値上げ広報マン」の様相である。
来年の7月までは、「原子力規制委員会」の安全審査基準が完了しないから、それまでは「原発再稼働はゼロ」は既定の事実なのに、広報マンを演じる様だ。

総選挙までは、ドサクサ解散の影響で、「原子力発電の真のコスト」を徹底的に調査と議論をする時間的余裕はない、ので、「原発発電」が安いか、高いかは、水掛け論に終始しそうだ。

選挙が終わったら、再稼働の是非と電力コスト論争の根拠を、正確に事実に基づく算出基準で「国民的視点での再点検」をしてもらうべきである。
原発の発電コストには、既存設備の償却費負担(設備を途中で廃炉する前提)の増加を含めるべきである。
使用済み核燃料の再処理路線の中止と、直接処分に必要となる新規の経費増加分も、発電コストに入れる。
安全基準を満たす為に追加の設備投資や管理強化の費用も。当然上乗せする。

自民党以外の「原発を廃止して行く路線を公約する政党」は、選挙民に【原発の真の発電コスト】を、選挙終了後に始めることを約束すべきだ。
どの政党も「原発発電は安い」と言う電力会社の説明を信用していないのだから、超党派で合意して、すぐに再調査を始めることを公約するのだ。

国民は、この結果を早く知りたいと願っているから、実行しない筈はない。

TPP交渉参加を争点化するメディアの見当はずれ。

2012-11-29 | 経済問題
各政党が乱立した総選挙の争点化を、メディアはピンボケの扱いをしている。
なかでも、野田首相が国際交渉での「TPP交渉参加」は、【論争点が見当はずれ】で、問題の中身も国内産業の対処姿勢も、混沌とした議論に終始している。
「TPP交渉」は、アメリカが主導して【自国の利益を徹底的に主張し、他国に譲歩させる】外交戦略の一部である。
これに参加することは、「アメリカの海外市場戦略の傘下に入る前提」での、産業政策を作ることが必須である。

ところが、各政党が「公約らしき文言」を掲げていても、『日本の将来の国創り、産業の在り方』は、すべて【曖昧模糊とした作文】に留まっている。
これでは、国際交渉での立ち位置、軸足が定まらず、どうなってしまうか「選挙民の選択に耐える政策」の中身が全く見えないのだ。

野田首相は対米追従路線のとり繕い課題として、「アメリカにおもねるTPP交渉参加」を、とにかく中身よりも参加する前ノメリ姿勢に終始する。
党内の異論が続出する中で、「TPPは日中韓FTAなどと同時並行的に進めて、政府が判断」という、曖昧模糊とした公約に留めてしまった。

他党の中では、まず「交渉に参加して国益を主張し、反する条項があれば交渉から離脱」という、交渉しないでは判らないから、当たって砕けろ!と主張する。
これらの陣営には、「日本維新の会」「みんなの党」などがある。

もう一方は、交渉参加したら「間違いなくアメリカの言いなりになり、不利益を飲まされる」から、最初から交渉参加は止めろ!という。
この姿勢には、「自民党」「公明党」など、とにかく先送りしたいグループと、絶対反対の「共産党]「社民党」「新党大地」などで、「日本未来の党」は?だ。

この状態で政策を競う「選挙公約の争点」して扱うよりも、将来の産業政策を示す『最重要な政権公約』として、各政党の能力を浮き彫りにするべきである。
「官僚依存政治体質」の自民党と公明党は、政権をとってからでないと、官僚が支えてくれないから、それまでは消極的に先送りをしておく能力だ。
民主党は、政治家主導で行きたいが、党内の議論が一向にまとめられないので、どうにでも変更出来る「同時並行的に進める」と、決断しない姿勢の能力である。
他党は、外交交渉などは野党体質で判らないから、ハナから能力は問えない。

外交とは、「武器を使わない戦争」であると、メディアは再認識して「日本が確保すべき産業の未来」を、各政党が明確にするように指摘すべきなのだ。

原子力政策の転換は合意済。問われるは具体策の中身だ。

2012-11-28 | 核エネルギー・原子力問題
脱原発依存社会への転換は、国民全体の合意された方向である。
しかし、なぜ今度の総選挙の争点にして選択しなければならないのか、筆者の理解を超えて感覚的な「国民の選択」が、問われる状態になっている。
空気や流れ、ムードに左右される政権選択は、国民に手痛い影響も出る恐れがあるが、現実の社会では【社会風潮の勢い】で決まって行く事が多い。
自民党が与党に戻るのも「民主党政権への失望」であるし、「日本維新の会」への期待はムードであり、脱原発勢力がバラバラであるのを懸念した空気によって、「急遽第四極」の結集の流れが始まっている。

このブログでは、空気とは別に、社会活動では歴然とした論理、事実によって動くことを前提にして、議論を進めることにしている。

核エネルギー利用は、1945年の原子爆弾投下の大事件に発してから、あまりにも無知と戦略の世界で翻弄されて、今でも「世界中で一番危険性のある問題」である、との認識に立って進める必要がある。
その第一歩は、日本の原子力政策を、基本に戻って戦略的な考えを貫くコトに政治的信念を置くことである。

当面の脱原発、再稼働ゼロは、表面的な争点にすぎない、と思うべきである。

使用済み核燃料の再処理を放棄することは、日本だけの決断では出来ないことは明らかだが、民主党はその戦略をほとんど軽視していた。
今までに再処理をして「日本の責任となるプルトニウムの管理」を、「原発ゼロに向けた転換路線での扱い」が全く出来ていないのだ。
プルトニウムは水爆の原料になるので、保有も輸送も厳重に管理される必要があるが、日本は「原子力発電の燃料」として、確実に消費する約束である。
これを「再処理路線を凍結して直接処分」に転換したら、今までに蓄積された「プルトニウム」をどうするのか、国際社会に説明出来なければならない。

外交オンチの民主党では、基地問題でもめてアメリカの不信を買った。
自民、民主の無策の政府に乗じて「竹島の実行支配」を増長させてしまった。
100年の計で領土の拡大を狙う中国に、ツケ入るすきを与えて「尖閣諸島の領土問題化」を現実にして、国際社会に知らしめてしまった。

原子力政策の転換も、「プルトニウム処理」という問題を解決する能力を、日本が着実に出来るかで、外国は日本の実力と方向を推し測っているのである。
総選挙の結果、政権与党になる政治家の政治信条が、確固としているか疑問だ。

脱原発の実行には政治的信念が必須。自民、民主とも?

2012-11-27 | 核エネルギー・原子力問題
原発への取り組みを曖昧にした「太陽と維新の合併」は、脱原発への後退と見做されて、「即時ゼロや10年以内にゼロ」を主張するグループからは失望されて、新たな「第四極」勢力を結集する流れとなっている。
しかし、自民党が3年間は『安全性第一主義』で「原発の基準や適合性を専門家集団に任せて口を出さない」、と公約した。
つまり3年間は再稼働ゼロを約束したのと同じ公約である。

民主党は1年も経たずに消費税増税を言いだして、公約違反を公然と始めて実行したから、「自民党が公約破り体質は明らかだ!」と信用されないのだ。

これでは、政権公約による選挙は、無意味になってしまうが、現実はどうなるにしても、一応、「公約を前提にして論争をすすめる」しかない。
1年~2年かけて「安全性に関する基準と対策」を実行できたとして、その先の議論を進めてみよう。

それまでに、「使用済み核燃料」の処分方法は、政府で決定できるであろうか。
経済産業省の内部の検討でも「プルトニウムを取り出す再処理路線」は、技術的にも未完成であり、直接処分よりも大幅にコストが高い。
だから、青森県の六カ所村の「再処理工場の完成」を諦めて、最終処理路線を『直接処分』に転換するべきだ、との議論が主流になっている。

自民党の世襲族議員は、霞ヶ関官僚が決めてくれなければ、何もできない政治能力であるから、「安全基準のハードル」を越えたあと、【使用済み核燃料の行き場をどうするか】で、迷走状態に陥る。
「官僚主導主義政権」では、原子力推進は霞ヶ関の意向次第になるのだ。

この事実を明確にして「マスメディア」で、本格的な議論を巻き起こせば、原発の再稼働の是非について、世論がすんなりと賛成する状態にはならない。
しかも、世界で最も危険な放射性物質「プルトニウム」を、燃料に使う「再処理路線を維持」したままの原子力政策は、全く信認されないだろう。

民主党が2030年代に原発ゼロの方針を打ち出しながら、閣議決定が出来なかった大きな理由は、この【使用済み核燃料の処分方法】(バックエンド処理)を決められないで、官僚からつき放されたからである。
政権与党の座を離れれば、この重大な決断から逃げることが出来る。
「決断の民主党」は、決断出来ない体質なので、与党から離れることを決断したのである。

『脱原発スローガン』の政党は、この問題は合意しているのか。

再生可能エネルギー促進は国論統一。原子力は逃げ姿勢。

2012-11-26 | 快適エネルギー社会問題
自民党は総選挙に向けて、ようやく「政権公約」を発表して、与党を目指す。
しかし、エネルギー政策においての反省は中途半端であり、他党からは、「原発は維持する路線の自民党」と攻撃されている。
遅きに失したというべきだが、自民党は結党以来「原子力推進一本やり」であった姿勢を、当面の最優先課題として「再生可能エネルギーの導入」、「省エネの推進」を最大限に進める。としているので「国論は一致」している。

この転換に当たって、反省の弁として
「これまで原子力政策を推進して来たわが党は、この様な事故を引き起こしたことに対して、お詫びするとともに・・・・。今後のエネルギ―政策の根本に『安全第一主義』(テロ対策を含む)を据え、特に原子力に関しては、「権限、人事、予算面で独立した規制委員会の判断をいかなる事情よりも優先します。」
と明確にうたっている。
つまり、津波・地震の想定はもとより、テロ攻撃に対しても「万全の安全性」を確保した上でなければ、安全第一主義に反することになる。

3年間はこの方針のもとに『安全性を最大限向上』させることが、電力会社の義務であり、そのルールを、万全にすることは、「政府と国会」の責任になる。
現在は、仮に再稼働している「大飯原発3・4号機」も来年の9月には定期検査で停止するが、その時期にはまだ、安全性の基準を審査するルールが確立出来ているとは言えないだろう。
さらにテロ対策が万全であるか、それに対応する設備の改修や管理体制が作れるのか見ると、3年間は再稼働はゼロであろう。
これらの新基準に沿って安全性最優先にしたら、原発の発電コストは、今の試算よりも『大幅に高騰する』ことは確実である。
電力会社はそれでも、原発を再稼働しようとして、別の理由を出してくるのか?

中央政府は、安全性のルールを規制委員会に移譲することを明言した。
規制委員会の人事を牛耳るのは、政権与党になるが、その時に自民党が与党であって、原子力規制委員会のメンバーに【元原子力ムラのメンバー】を推薦する様ならば、化けの皮がはがれる。

さらに、自民党の政権公約で逃げ回っているのは、「使用済み核燃料の再処理路線」の転換には触れていない。
廃炉処分によって大量に生まれる「高レベル放射性廃棄物」の処分地や処理費用負担など、反省すべき重要課題を【逃げの姿勢に終始】しているだけなのだ。

争点は「消費税・脱原発・TPP」よりも『脱官僚支配』。

2012-11-25 | 国創り政治問題
先の国会で成立した「消費税増税」の配分先の中身は、「マスメディア」で、採りあげられることは少ない。
5%アップ分のうち「1.54%」が地方交付税として、地方自治体に回ることになっているが、これは、アップ分の30%に留まる。
つまり、国の権限は7割を維持するのが根底にあり、民主党の「地域主権を目指す」との公約からは大きく外れる。
自民党では、長年の【地方分権によって権限移譲】を図る公約にしても、財源の配分は、やはり中央が握ることにこだわっている。

第3極の政党「日本維新の会」は、消費税増税分はすべて『地方政府の財源化』すると明確に主張している。
10%をさらに11%にすれば、5%は各地域政府の自主財源となり、6%分を『地方政府の格差是正』に向けた調整財源とし、地方交付税を全廃する。
格差是正の権限と配分基準は今後の課題だが、この公約は確実に『地方政府の財源』を安定化して、『地方政府のレベル向上』には効果が表れるであろう。
従来の【地方分権】【地域主権】よりも、大きく踏み込んだ『地域社会を基本とした経済活性化』に効果を期待する政策である。

消費税アップに反対、凍結を主張している少数野党は、今の経済状態では「消費税アップは経済活性化を損なう」と主張するが、地域社会の疲弊や経済復活の政策は提案出来ていない。
重要課題に代替策を提示できていない野党の言い分は、聞いても意味がない。

『地域主権・道州制』の導入を主張している「みんなの党」は、地方政府の自立を目指すが、その財源の確保や地域毎の格差をどう調整するかは、政策を提言していない点が未熟政党と見られている。
このままでは【批判体質の万年野党】になり、選挙民からは失望されるだろう。

政権獲得を目指して「最重要な政策を実現する」と、目標を絞って「選挙民に理解できる改革路線の柱」を訴える必要がある。

かっての小泉内閣は、「郵政官僚と財務省の権益破壊」に向けて『郵政民営化』を目標にかかげて、この「一点を是か非かを問う総選挙」に打ってでた。
国民の大多数は、官僚組織の権益確保に辟易していたので、この一点だけでも官僚組織を破壊してもらう改革路線を支持した。

今度の総選挙で、一点突破の論争を『脱官僚支配政治』に向けるべきである。

消費増税によって権限増加を狙う財務省に対抗せよ。 

2012-11-24 | 経済問題
総選挙の争点として、消費税の凍結や延期を主張している政党は数多くあるが、財政再建や経済の再活性化に対する説明は少ない。
民主党と自民党は消費税10%を決めて、それを社会保障費にすべて充てるとしているが、経済の活性化を図らなければそれでも足りなくなる。
そして、両党とも「中央集権国家体制」をそのまま維持して、「財務省を頂点とする官僚が作る政策」に依存する。
金融緩和に対する姿勢は「日銀の物価維持目標」、いわゆる「インフレターゲット」を掲げて、デフレ脱却の金融政策依存を主張しているだけである。

デフレ経済離脱は、すべての政党、専門家が主張して、争点にはならない。
デフレからインフレ2%程度を目指して【マクロ経済、金融政策】議論の段階は、日本全体でも異論がなく、名目2%の経済で実質的な経済活性化を、どの様に図るかが、最大の経済対策の論争の要である。

自民党は、建設国債の大量発行による「土建国家、公共投資重視」である。
民主党は、「グリーンエネルギー、福祉、医療分野」への、最重点投資を最大限に進める、としているが、中身は空白で実効性には疑問だらけだ。

どちらの政党にしても、「中央官僚」の力に依存して、おカネを中央政府が采配をふるって配分する「こう着した官僚主権」政治であることは変わりない。
ここの底流には「中央政権の生命基盤である【官僚組織による上から支配の構造】を、今後も継続しようとする、官僚群の強固な抵抗がある。
その具体的な主要政策が、徴税権の確保であり「消費税増税」は、財務省の悲願として、自公政権時代から民主党の菅、野田政権によって成立にこぎ着けた。
中央官僚たちは、「増税成果を権益増加」に向けて、着々と次の権限増加に向けて、政策を練り上げている。

自民党政権になれば、【コンクリート公共事業】への予算配分で土建国家再生にむけて「中央官僚の権益」増加を図り、民主党政権ならば、【エネルギー・福祉・医療】への予算配分を大幅に増加させて「中央官僚の権益」増加に邁進する。
これらの政策が効果を出せるかは、二の次の問題で、カナメは中央官僚の組織の権益が増加するかが、最大の関心事である。

この既得権益の破壊に挑戦するのが、『第三極』と呼ばれる少数政党である。
だが小異が多すぎて「大同団結で中央集権国家への挑戦」は、道が遠いままだ。

この最重要の争点は、いまだ「マスメディア」は、理解できていない。(続)

国民の最重要関心は経済再生。これを選挙の争点化せよ。

2012-11-23 | 経済問題
今度の総選挙で国民がもっとも関心を持っているのは、20年以上に渡って停滞している経済の再活性化を、どう実現して行くかの課題である。
その大きな分かれ目は、中央集権の国の采配で「活性化策を中央から支援する」のか、地方政府を強化して、競争的な環境において、『地方政府の力量を引き出す』政策に大転換するか、の選択である。

民主党と自民党は、旧来型の中央政府主導による予算の配分権限で、経済活性化政策の采配を続けて、支持基盤の業界に注ぎ込むことになる。
あとは、日銀に金融緩和を迫るだけの【他力本願】の姿勢に終始する。

「日本維新の会」は、とにかく中央官僚の支配を解きほぐして、地方政府の力量に権限移譲することを、進める路線である。
他の少数野党は、経済再活性化策については、何も中身がないから論外である。
自民党は「地方分権」を言い続けていたが、その中身はゼロに等しい。
民主党は「地域主権」を公約していても、政権担当の3年間で成果はだせない。

今の論調では、明治維新以来の中央集権体制は、強固に定着していて、「マスメディア」でも、地方政府による「経済活性化」は、理解出来ない状態にある。

だが、歴史の事実は、【中央集権、独占体制のこう着体質】を、分割して対等の競争環境におけば、組織と人材は活性化して、あらゆる面でのメリットが生まれてくるのだ。

国鉄の分割民営化は成功事例の最たる模範である。
道路公団の分割も、組織の活性化に貢献して、高速道路サーボスは見違える様に向上している。
以前の電電公社体制は独占による停滞から、NTT、KDDI、SoftBankの競争環境で、サービス、価格とも大幅に進歩している。

中央官庁の経済産業省、農林水産省、国土交通省など、中央でまとめなければ出来ない役割以外は、すべて各地方政府(道州レベル)の権限と予算を移譲すれば、活性化策の競争環境に置かれて、効果の出ない助成金制度を真剣に見直す必要に迫られる。

「日本維新の会」の改革路線は、地方政府が出来るところは、中央官僚が采配から、地方政府の首長、議会、地方政府官僚に権限を移譲せよ、としている。
その財源には、「消費税収分」を大幅に増額し、地方政府組織を強化し、人材の移転と強化をすることが、経済再活性化の要であると主張しているのだ。

消費税増税問題を選挙の争点に扱うメディアの無定見。

2012-11-22 | 国創り政治問題
「脱原発」をどのくらいの期間で実施するかを「選挙の争点」とするのは、低レベルの議論に留まっている。
「TPP参加」の是非を入り口の段階で、どうするかを争点化するのは、不適切な取り上げ方だ。
どちらも「マスメディアの扱い方」がお粗末であることが原因で、本当の争点が混迷して見えなくなっている。
更に、輪をかけて議論が迷走しているのは、【消費税増税】の見直し議論である。

民主党は財政の健全化に向けて、消費税を将来に増税する必要性を認めていた。
しかし、政権交代における国民への最大の約束は、まず、中央集権の役人の既得権を増長する【税金の無駄使い】を、徹底的に洗い出して、まずスリムにすることであった。
ところが、人気取りの政策ばかりを優先して、肝心の「財源の捻出を出来ない無能ぶり」が明らかになり、苦肉の策として財務省主導の増税路線に頼り、完全に【選挙の公約違反をした責任を問う】のが、大きな争点である。
公約を公然と破り、しかもその言い訳を、「社会保障の充実・一体改革」のためだと、取り繕う【不誠実さを選挙で審判】するのが本来である。

ところが、消費税アップを必須としてきた自民党は、この言い訳に悪乗りして「消費増税分は社会保障だけに使う」と、影に隠れる無責任ぶりである。
その一方で、「国土強靭化」と称して、従来の【土建国家路線への回帰】を目指す、税金バラマキによる権力基盤を復活させようとしている。
この路線での政策が経済の再生には無効で、1990年以降は行き詰まっているのは明確なのに、まだ懲りない【旧態依然の無能ぶり】を露呈している。
消費税アップで社会保障費の分が浮いたから、財源が出来たと「子供じみた説明」が通用すると勘違いしている。

争点の主軸は、民主党は財政再建を最重要とみて今後の政策を選択する方向だ。

自民党は、相変わらずの「中央集権官僚の権限頼り」の、公共事業優先である。

対抗する勢力の「日本維新の会」は、消費税の全額を『地方政府の自立財源化』を主張して、中央政府からの【地方交付税】に全額置き換える制度改革を提案しているのだ。
中央集権のママにするか、地方政府をとにかく『独り立ちさせて地域の活性化を図る』かを選択する。
これが本当の選挙の争点で、明確にするべきなのだ。

TPP参加是非は総選挙の争点として不適切な論争だ。

2012-11-21 | 経済問題
総選挙の争点として「TPP交渉参加」の是非が、各政党の評価の基準として、論議を巻き起こしている。
民主党の野田首相がアメリカとの協調改善の手段として、交渉参加の方針を決定したい意向を表明し、これに賛同しない候補者は、公認しない考えだ。
国際交渉に参加するかしないかの段階で、異論を述べるグループを排除して行く姿勢では、一国の指導者としてふさわしいか、国民の判断が問われている。

【TPP交渉】は、数多くある国際交渉の一部であるにも拘わらず、これが選挙の争点だと大きく扱う「マスメディア」の姿勢も問題で、低レベルである。

通商協定では、本来は2国間などの限られた国どうしの取り決めを、両国の国益に沿える範囲で貿易の自由化を進め、国内産業の保護を理由とした「関税実施権」は、国の権利の基本である。
10年来の交渉によって、「日中韓3カ国FTA」(自由貿易協定)が、本格交渉入りを決定したが、内容はこれからの折衝、駆け引きが重要なのだ。
領土紛争とは切り離して、お互いの国の産業・経済にメリットある通商関係を創っていく重要な交渉で、政権交代の道具にすることは国益にそぐわない。

なぜ「TPP交渉」の是非を選挙の争点化するのか、不可解だが、もっと掘り下げてみると、自由貿易化に向けての姿勢の違いが浮き上がってくる。
日本経済の活性化の為には、輸出産業の保護が重要で、「輸出で稼ぐことに依存して雇用を維持し、輸入品が安くなるのは消費者にとってよいことだ」という1990年代の考え方を延長しているグループは、自由化を促進せよ、と言う。
だが、低価格輸入品によって国内雇用の減少を、どう対応するかの説明はない。
「輸入品に勝てない産業は縮小してもよい!」という割り切りをしているノダ。

他方の「TPP交渉」に参加反対を主張するグループは、「アメリカの国益に沿った関税ゼロ化」を拒否をして、逃げの姿勢に留まっている。
「交渉に参加した上で、国益にそぐわないならば交渉から抜ければよい。」とするグループは、関税ゼロ化の例外規定をつくる必要を主張するだけである。
そのためには、農業などの日本に必須の産業を、国際競争の中でどのように育成して維持して行くかの「日本の国創りの産業戦略」を10年、20年に渡る継続した政策論で、国民に説明出来なければならない。

自民党すらも、1990年代以降は、「国の将来像、農業など地域社会の持続産業」についてのビジョンを示さずに、【官僚任せの成り行き主義】の怠慢ぶりである。

脱原発は総選挙の争点として低いレベルのスローガン。

2012-11-20 | 核エネルギー・原子力問題
国民は長期のエネルギー政策を決めるに当たって、中央官僚が作る「長期エネルギー政策見通し」という、経済産業省主導による【省益優先】に適合したエネルギーミックスを鵜呑みにしてきた。
なかでも、経産省の中で最も力の強かった原子力族官僚に主導権を握られていて、21世紀の本命エネルギーである「再生可能エネルギー」(経産省では新エネルギーと呼び、新参モノ扱い)は、つけ足し程度の余計者扱いであった。
その影響で、日本には優れた「再生可能エネルギー技術を持った民間企業は多いにもかかわらず、普及率においては、欧米にはるかに遅れをとった。

3・11の原発大事故の影響で、国民は「原子力ムラの暗躍」の実態を知り、脱原発依存社会に向けての国民的総意を創りだした。
日本の様な狭い国土で、地震・津波の自然災害が【世界中で一番頻発する】環境の中で、原子力発電に頼る「賢くない選択」は止めるべきなのである。

今回の総選挙でも、原発に対する政策は、まだ振れ幅が大きいが、すべての人が「原発を止めて行く方向に合意」している。
総選挙の争点は、原発を止めて行く時間的な目標の違いだけが浮かび上がる。

技術的、産業政策的には、「原子力エネルギー即時ゼロ」にしても、電力不足の問題はクリア―出来ることは明確である。
再稼働を止めると、当面は化石燃料の輸入増加による貿易収支の悪化が起きる。

電力会社は、燃料輸入増で軒並み赤字になると訴えているが、沖縄電力は原発ゼロでも、他の電力会社よりも電気料金はわずかに高いだけである。
離島地域を持たない有利さを見れば、原発稼働ゼロでも、沖縄電力よりも電気料金を低くできるのが本来の姿で、再稼働否定は値上げとは関連しないのだ。

「脱原発」は総選挙の争点として掲げられているが、「発電・送電の分離制度」が実現すれば、原発を持つ電力会社の経営は不利になるのは明らかで、政治の力よりも「経済原則で原発ゼロに向かう」のは当然の成り行きである。
今後に重要なのは、原発の運転を40年以内で止めて廃炉にする計画を、国民の負担を最小にとどめる「原発離脱政策」が、本格的に議論される必要がある。

【原発即時ゼロ】【2020年までにゼロ】【2030年代にゼロ】【10年間は今のママ様子見】、と主張は乱立している。
だがどの政党も、「国民負担を最小にする原発離脱政策」は未着手なままで、スローガンだけに留まっているレベルでは、選挙民に対して無責任であろう。

自民党は全く準備不足。民主党は中途半端。第3極は?

2012-11-19 | 国創り政治問題
民主党野田政権が実行した消費税増税は政権公約違反は明らかだが、自民党、公明党の要求は、「国会解散によって信を問え」の一点張りであった。
総選挙は、今後の「国創りのビジョン」と「政策の実効性」を明確に国民に説明して、これからの4年間の政権を委ねてもらう信認を、得ることにある。
それに対して、自民党は未だに「政権公約」がまとまっていない。
解散総選挙を訴えていたならば、当然、政権担当時に実行する公約を、十分に練り上げておかなければ、解散要求自体が無責任でお粗末な政党である。

野田首相は、自民党の内部の政権公約議論が出来ていないのを見透かして、わずか2日後の解散を宣言した。
民主党自体も、政権公約の見直し改訂は途中段階であったが、自民党の中身はそれ以上にバラバラの意見であるから、纏められる能力がない。
例えば、原発の再稼働を認めるとしておきながら、廃炉問題、使用済み核燃料問題、電力市場改革問題に対する方針は、何も検討が出来ていない。
自公政権時代の「原子力・電力ムラの官僚」に依存する政策に、頼りきっているから、政権をとってからでないと、国民に対しての説明が出来ない。

言い逃れ策として、「原発の再稼働を認め、10年間は様子を見る期間」にする。
つまり、従来どうりの原子力官僚にオンブして、エネルギー政策の改訂版を「官僚が作る期間」が必要だと言っているのだ。
自民党の「保守政党」の体質は、従来どうり官僚に依存して、問題が出ている部分を縦割りの官僚組織で検討して、その答えを承認して進めるだけだ。
財政赤字の問題も、財務省の言うことを聞いて「増税路線」をのむしかない。
「TPP交渉参加」問題に対しても、経産省と農水省の方針が正反対に向いている為に、どちらつかずの「アイマイな姿勢」で、政権公約とは言えない。

民主党政権の裏切り行為に失望して、政権公約も曖昧にしか出来ない自民党の「官僚依存保守政治」に移行したら、またまた1年も持たない内閣の連続になるだろう。
だが、1カ月しかない選挙準備では、民主党も第3極政党も、国民の信頼を得ることは困難である。

国民の選択が、従来型の保守政治を望むならば、あと4年間はデフレ経済、マイナス成長に甘んじる覚悟を迫られている。
それが日本の政治力のレベルだと、割り切るしかないが、国民の責任なのだ。

保守も中庸も「中央集権官僚の既得権」には敗退に終始。

2012-11-18 | 国創り政治問題
最大多数の300人以上の衆議院議員をわずか3年3カ月で、総選挙によって100議席も割るかと言われる民主党は、政権の座から転落する危機にある。
この危険を冒してでも、解散総選挙のでる理由は、約束を守ることが子供時代からの信条であった野田首相のこだわりであろう。
正直の上にバカがつくと言われたと自ら『バカ正直』だと披露するので、「馬鹿正直解散」と命名された。
本当に馬鹿正直ならば、4年間の任期中には「消費税増税は決定しない」との公約を守るのがスジであろう。

自民党政権も小泉内閣で、3分の2以上の議席を占めたが、その後3人の世襲首相によって、国民からは見放されて、解散に追い込まれて100議席に転落した。
なぜ国民から信頼されなくなったか、3年以上も経っているのに、何も生み出せない程度の反省しか出来ずに、今回の総選挙は敵失に乗じるだけだ。
国民の大半は自民、民主の両党に不信感をもってしまい、2大政党のどちらも投票の対象ではなくなっている。

そこで、その他の10以上に増殖した少数政党が大同団結で、対抗しようと活発な動きになって、国民の関心は結集勢力の実行能力に注がれている。

第3極勢力とひとくくりにするには、基本政策は集約できるほど明確ではない。
ただ、「官僚依存政治の硬直化」と「中央集権国家」の弊害を打ち破る方向では一致して、改革の意気込みは評価している。
「国民の生活が第一」の基本は、脱官僚、地域主権国家を目指し、増税もしないで「中央政府は最小規模」を目指す方向である。
「日本維新の会」を主軸とする政党に大同団結は、脱官僚、地域主権は同じだが、消費税増税により、「地方税化」によって地方政府の財源を確保する、と方針を打ち出している。

この方向で国民に期待に応える「第3極政党」の主張が争点になる筈である。
自民党は口先では『地方分権、道州制移行』を言うだけで何もできなかった。
民主党の政権交代のマニフェストには「地域主権」「脱官僚依存政治」を明確に掲げていたが、泥の中に紛れてしまった。
この2大政党とも、「ウソツキ」か「無能力政党」か、どちらかであろう。

では第3極の政党が団結したら、能力が大幅に強化出来るのか、不信ばかりだ。
そうは言っても、国民は「中央集権の硬直化打破」に、大改革を期待している。

2大政党制が机上の空論となったのが明確になる総選挙。

2012-11-17 | 経済問題
総選挙に向けて駆け込み政局が始まったが、次回の比較第一党に近い「自民党の政権公約」は、未だに出来ていない状態のお粗末さだ。
あれだけ「衆議院の解散だ!総選挙だ!」と大騒ぎしながら、まだ重要課題の政策目標が出来ないのは、野党ボケの兆候とシカ思えない。
自民党の体質を引きずったバラマキ型政策は、「東北大震災」を引き合いにして、東海、東南海地震に備えて、今後の10年間で20兆円の公共投資をする。
しかし、財政赤字がひっ迫状態にあるのに、財源の件には一切触れていない。

民主党が予算の総見直しにより、「16兆円のムダ削減をして新規政策の財源」を生み出すとしていたが、野党ボケの体質による「甘い目論見」であった。

自民党政権になって「政権公約で、どこの財源」をあてにしているのか。
赤字国際発行に延々と反対して、国民生活に大損害を与えてきたのに、今度はかってに借金を増やそうという魂胆か。
長年の自民党政治によって膨れ上がった国の借金に、どのように向かおうとしているのか、まだ国民への説明は一切ない。

日本の国創りの将来構想は、今の段階で自民党は何も言っていない。
経済対策では、「TPP参加」は交渉自体は否定しないが「聖域なき関税撤廃には反対」と言う、日本のお坊ちゃん言い分が通用すると思っている様だ。
アメリカは自国の利益追求のために、【原則関税ゼロ】を大義名分とした強者利益優先の自由貿易を押し付ける戦略に徹している。
安倍内閣以後の自民党政権の外交能力では、とても信用出来るレベルではない。

ところが、「民主党のTPP参加」の党内政策は、一向にまとまる気配もない。
自由貿易促進か、国内産業、特に「農業の再生自立化に向けて保護育成」をどうするのか、重要な経済戦略の分かれ目を、国民に説明出来なければならない。

20年以上に渡る経済停滞による「デフレから離脱する経済戦略、金融政策」は、自民党、民主党のどちらも、迷走状態のままである。
日銀に金融緩和をさらに求める「他力本願」を主張するだけで、国創りの基本となる「新産業の育成」を、長期的、継続的に実行していく『信念を持った産業育成』の目標も工程表も、全く手つかずの状態にある。

ただ一つの「グリーンイノベーション」分野で、『再生可能電力の産業促進』は、民主党菅政権の時に成立させた「FIT」(固定価格買取り制度)が、やっと促進効果を発揮し始めた。
民主党の成果はこれだけと言える。
他になにがある?

何ごとも中庸をとる主義の人が決断する政治に転換した。

2012-11-16 | 国創り政治問題
決められない政治の典型であった民主党の首相が、やっと決める為に政治決断をした。
政権公約に反する「消費税増税」を、政治生命を懸けるとして「選挙民の意思を裏切った決断」をした割には、他の政策課題はすべて「決められなかった」。
日本の国会は参議院が決定権を持ってしまう、異常で不合理な制度になっているのを、誰も是正出来ない状態で6年が過ぎでしまった。

参議院での多数派を占める自公両党の同意なしには、日本の政治は動かなくなってしまった変則状態は、今後も続くだろう。
衆議院で政権を持つ与党の政策は、対立状態では【衆議院の多数】では、決めることはできない。
必ず『参議院の多数』の同意を得なければ、タナザラシか否決されて廃案になる運命になってしまった。

「郵政民営化改革」の推進で、衆議院の多数を得ていながら、参議院で否決された『小泉首相』は、衆議院の解散に打ってでて、3分の2以上の多数派を獲得することに成功して、この壁を打ち破った。

野田首相は、「衆議院の解散」によって、何を実現しようとするのか、今の状況ではアイマイなままである。
ひとつは、民主党の公約である衆議院の定数削減であるが、これは次の国会での実現するという、「あいまいな証文」を自民党からとっただけである。
経済対策の中身は全く具体性がなく、日銀の金融緩和を要求しているだけの「野党体質に転落」したテイタラクだ。
脱原発問題も意志薄弱に「2030年代に原発稼働ゼロを目指す」と言う、なんとも情けない曖昧な政策目標に留まる。

では何を「選挙民の選択」に問うつもりでの解散なのか。
自民党の政権公約は、「後ろに後退する政治」だと、民主党幹部は言い始めているが、3年半前の野党時代の批判優先体質に後戻りをしている様だ。

野田首相が決断したのは、身内の中での政策調整が全く進まない体質を、一度総選挙で清算して、政策で一致する政党に出直しをするしかない、と考えた。
だから、「出直し政権公約に賛同しない候補者は、出て行ってくれ!」なのだ。
選挙戦の開始までに、従来の政権公約を改訂して、比較第一党を目指すとしているが、裏切り続きの「民主党の公約」を、どこまで選挙民は信用するのか。