安倍政権の経済政策は迷走したままの、無目的な経済成長率指向に陥っている。
デフレ脱却は重要な政策であるが、そのためには「所得格差が拡大する」のは、やむを得ないとは、誰も思わない世界の常識となっている。
円安誘導による「株価上昇を目指しアベノミクス」は、富裕層ばかりが潤う、矛盾だらけの愚策であり、「インフレターゲット論」もアメリカ経済のマネである。
毎年のように物価が上昇するのが、マクロ経済の理論では良いかもしれないが、本当に追求して欲しいのは、毎年の収入が少しづつでも増加する経済である。
物価上昇率が2%になっても、収入の増加が1%以下では、生活水準が下がり続ける経済環境であり、誰もそれを望まない。
安倍政権は3年目になってから、給与水準の引き上げにやっと熱心になってきた。
今の段階では業績に余裕の出た企業だけであるが、2%以上のベースアップを実現する方向で、政策誘導している。
すべての企業で働く人たちに、給与水準の上昇を毎年の目標に据えることである。
もちろん、所得格差の拡大を進めたしまった「労働者派遣法」などの悪法を改定して、【非正規雇用の制度】は徹底的に改めなければならない。
働き過ぎの悪習も、労働時間のずさんな管理は当然、止めさせて、過剰な長時間労働を撲滅する。
有給休暇の取得は100%完全消化を目指し、守らない企業は、株式上場を取り下げさせるくらいに、政府側が徹底させるべきである。
これで働く人たちの労働環境は、毎年のように改善されるので、将来の家庭作りの目標も立てやすくなる。
非婚化、晩婚化の傾向も歯止めがかかり、個性を生かした人生設計が可能になる。
子育て環境の立ち遅れには、政府と自治体の総力を挙げて改善に取り組み、待機児童問題の解消と、保育環境と人材の確保に財源を優先的に回すのだ。
その財源の捻出には、既得権産業保護に浪費していた税収を当てるのは言うまでもないことで、「企業保護よりも育児優先」を徹底する。
これで、人口減少社会への懸念に歯止めがかかり、経済での不安が減少する。
輸出拡大努力をするのは当然の政策であるが、其のために、人件費を抑制したり、長時間労働を強いるなどは、もっての外の悪行である。
また、エネルギー多消費産業では、エネルギー源を徹底的に「再生可能エネルギーへの転換計画」を義務つける。
こうして、国内での「化石燃料からの離脱」が潮流となれば、「再生可能エネルギー産業の育成」が軌道に乗る経済構造となる。
このような過程を経て、初めて「経済成長が定常的に実現する社会」のなるのだ。
この方向で、快適な労働、快適な家庭作り、その基盤のエネルギーは、世界の環境に最も適合する「快適エネルギー」で、賄える社会が到来する。