21世紀の化石燃料の代替には、海の藻類を原料とする研究が盛んになっている。
これらの藻類は、太陽光を受けて「光合成を行う植物プランクトン」が、研究開発の対象である。
アメリカの南東部の沿岸部は、太陽光の日射量が強いので、これ地域の沿岸部で「海の藻類の栽培を工業規模で開発」すれば、将来の一大産業にできる。
また西海岸部の南側でも、亜熱帯の乾燥気候の地域が、工業規模での大量生産に適した候補地である。
海の微細藻類は、バイオ燃料用の油脂を抽出した後の材料は、動物の飼糧にも利用可能で、高付加価値の副産物を開発することが期待されている。
このような研究報告書が、アメリカの各所から公表されているので、日本でも企業の研究部門や関連の政府機関が、関心を持たざるを得なくなるであろう。
今までも、日本の各企業と大学の研究機関が、微細藻類の栽培の研究にとりくんできたが、全て「淡水の藻類」であった。
名前が知られている例を挙げると、「ユーグレナ(ミドリムシ)」が有名である。
油脂を大量に生産する種類として「ボトリココッカス」の名前も聞いたことがあるでしょう。
いずれも、あるレベルまでの試験的な生産には実績を上げているが、日本では大規模の工業生産をする計画には至らない。
その理由は、太陽光を受けて「光合成による炭水化物の生成」には、絶対的に大面積の土地が必要になっている。
日本では、土地代の経費が高くついて、工業規模にするとコスト高になる欠点が浮き彫りになる。
結局、実験的に成果を収めた実績をもとにしての「大面積規模の工業生産計画」立案する段階では、土地代の安価な海外に生産拠点を立地するしかない。
それでは、長期的には「国創り基本目標のエネルギー自立」には、向いていない。
ならば、海での栽培が可能な「海の微細藻類(植物プランクトン)」の研究が、本命になる必要がある。
ところが、植物プランクトンの栽培の改良を実施して、商業規模の生産に成功したと仮定してみよう。
植物の特性は「太陽光による光合成」が基本であるから、同じ栽培条件の海域があれば、日本の沿岸部よりも、「亜熱帯乾燥地の沿岸部」の方が、日本の2倍近い「太陽光の日射量」に恵まれているので、オーストラリア沿岸部が有利になる。
つまり、海の微細藻類でも、植物性プランクトンに依存する方法では、必ず海外生産に移行してしまう運命にある。
では、日本のバイオ燃料生産計画の、適切な選択はどうするのが良いのか。
それは、微細藻類ではなく、「海の大型海藻類の栽培」を主流にするのだ。(続)
国土面積が少ない国だから、人口密度の高い国では「産業立国」が困難だと言いふらされてきた。
しかし、明治維新以来の海外からの科学技術の導入と、日本人の努力の結集によって、技術レベルは欧米に近づいてきた。
太平洋戦争によって、一時的に挫折を強いられたが。日本人の精神構造はそれを乗り越えて、1980年代には、先進国のレベルに達している。
欧米を追い越したかに勘違いをして、【バブル経済に踊ってしまった】が、その挫折から立ち直りに、多くの時間を浪費してしまった。
今のままの、新自由主義経済からは決別する時期にある。
そして、エネルギー産業の将来は「原子力立国」からは、完全に離脱する。
その代わりに、日本の周囲の海洋を、徹底的に研究を進めて、経済的に成立する産業を開発して、国策として振興する時期にある。
ここで、勘違いをしないように、」十分な調査と議論が必要になっている。
海洋の開発というと、すぐに【海底に眠る地下の埋蔵資源】のことだと、早とちりをする人が多くいる。
確かに長期的には、先祖から受け継いだ、海底資源を有効に利用するべきであろうが、それには、地道な技術開発を積み重ねなければ、経済的には引き合わない。
それよりも、海洋の開発は、まずは解除の風力を資源と見て、「洋上風力発電」の技術開発に本腰を入れる時期に来ている。
現在の段階は、陸上の風力発電は、もうすぐ「地上の火力発電」よりも安価に電力エネルギーを生産することが可能になる。
そのうちに、技術進歩と解除の送電技術が革新されることで、浮体式の洋上風力発電が、商業的に成立する「最も安価な電源」となる時期が到来する。
この洋上風力発電を、ウインドファームとして兼摂計画を実行すれば、沿岸部は関連の産業で賑わいを見せる。
日本の国土の過疎地になりかかっている「沿岸部を経済的な活況に転換」できる。
さらに、風力発電の基地にとどまらないで、「海上の藻類を栽培する基地」として「技術開発を国策で実施」していけば、沿岸部の経済が活況になる。
バイオ燃料としての製造価格が、商業的に競争力を実現するには、まだ革新技術の開発が数多く控えているが、日本の高度経済成長期には、それを実行できた。
この21世紀の半ばには、日本の沿岸部がバイオ燃料産業で成立できる時期が、到来するであろう。
ただ、欧米の研究が進むのを待ってから、成功した部分だけを後追いで真似しようとするならば、有能な人材は海外に出て活躍してしまう。
最も優れた人材を確保し、育成する気概が日本になければ、従属的な下請け産業として、おこぼれをもらうだけに終わってしまうだろう。(続)
アメリカは世界一の資源国であり、国土面積も広大である。
また、海洋への沿岸部分藻、大西洋側、太平洋側、メキシコ湾岸と、広大な海洋面積に恵まれている。
そのような、資源国家、大陸国家、海洋国家と、3分野での有利な条件もあって、「食糧自給率100%以上」、「エネルギー自給率100%以上」と、国としての基盤は磐石である。
それでも、長期的な産業戦略を描けば、エネルギー資源の枯渇に備えて、再生可能エネルギー分野での、先端的な研究には投資を惜しまない。
その顕著な事例が、バイオ燃料分野への研究開発支援の戦略的な展開である。
日本は、国土面積も狭くて、地下資源の埋蔵量は、ゼロに等しい。
だからエネルギー自給率の割合が、水力発電の一桁台に比率に甘んじている。
だからと言って、原子力エネルギーに依存しようとした【原子力立国戦略】は、もはや破綻同然である。
日本でのエネルギー自給率の向上は不可能で、現状を直視するしかない。
と諦める人が多いが、日本が周囲を豊かな海に囲まれた「海洋立国」であることを忘れている。
再生可能エネルギー電力の分野では、このブログで何度も書いているように、『浮体式洋上風力発電』の技術革新を、国家戦略として実施すべきなのである。
代替燃料の分野では、「バイオ燃料の技術革新」を目標にして、国策として「粘り強い戦略的な研究開発支援」を実施すべき段階にきている。
特に近年のアメリカが、「海洋の微細藻類」の「統合バイオ精製所の最適化」に取組みを参考にして、日本独自の戦略的な研究をすべきである。
アメリカの成果を見てから、日本は後追いをすれば良いとの、2番手手法では、世界の市場競争の舞台では、初めから敗退の運命にある。
【二番手ではダメなんです!】
この【後追い根性が高い志を奪う】他力本願のみすぼらしい精神構造に陥るのだ。
日本は小さいながらも、精神的には高い志を持つ意気込みで、独自の文化を育み、限られた環境下での最大限の努力を重ねてきた国民的資質を持っている。
豊かな資源がないかわりに、勤勉で努力を惜しまない、技術力を磨いてきた。
今の日本人に求められるのは、日本的な国土を生かして産業を、高度に熟成する段階に来ている。
その源泉となる、エネルギー源を自給する気概を持つべきなのであるが。初めから資源がないと諦めるのは、自立心を失っている。
日本は人口あたりでは、最大の「排他的経済水域を保有」する、海洋立国は可能な国土条件にある。
後は、その先祖からの資源を、自立できるエネルギー産業に育てることである。(続)
安倍政権は、電力の構成比率の将来目標を2030年に向けて定めているが、燃料における「再生可能エネルギー」の割合を具体的な目標を定めていない。
航空機用の燃料については、EUが2020年には一定の割合の「バイオ燃料」を利用するように目標を義務付けているが、日本の航空企業は輸入だよりの姿勢だ。
石油企業では、研究開発には取り組んでいるが、様子見のポーズだけである。
先にあげたアメリカ政府は、1990年代から積極的に、農産物のトウモロコシから作るエタノール燃料を自動車用ガソリンに混合することを義務つけてきた。
食料を自動車用燃料にするのは、食料危機を誘発するからやめるべきとの批判を浴びて、陸上の草木類のセルロース系を燃料にする研究にも力を入れてきた。
近年になってからは、陸上の作物よりもはるかに生産効率が高く見込める「海洋の微細藻類」を将来の主要な作物に取り上げる動きとなっている。
アメリカのエネルギー省では、これからの「バイオ燃料」「バイオ化学物質」「バイオ電力」のコストを、化石燃料由来の製品よりも安くする取り組みを強化する。
この研究開発の目標に沿った、あらゆる方面の関心のある研究者に、資金援助する研究公募を実施する。
この研究支援は、「統合バイオ精製所の最適化」と称して、特に「藻類ベース燃料」に重点的に研究助成する方針を打ち出している。
アメリカのエネルギー戦略の将来に対する研究開発投資には、日本も少しは見習うべきであろう。
アメリカの食料自給率は100%を優に超えている。
エネルギー自給率は、一時期には国内需要が「モータリゼーション」の進展によって急増したために、中東からの石油輸入に依存する体質になってしまった。
1970年代のオイルショックによって、中東石油に依存する体質の脆弱さに、国家としての危機を覚えて、国内のオイルシェールの掘削技術開発が急務となった。
粘り強い研究開発の成果によって、2000年代から「オイルシェールからの石油生産コスト」」が低下し、原油が100ドルに達する時代には、有利となった。
また、シェールガスの生産では技術開発が進化したので、アメリカ国内での「天然ガス生産」は、コスト競争力を強化することに成功した。
日本は石油ショック時代に「代替エネルギーの開発」に力を入れ始めたが、国土に資源があるわけでもないので、途中で諦める状況になった。
太陽光発電の技術開発には、研究支援を継続して、1990年代には、世界での最も技術が進化して、生産量も設置容量藻世界一になった。
ところが2000年代の初頭には、【技術開発は民間ベースで良い】との判断で力の抜いたために、中国政府の国策に破れて、今では、後追いの状況に転落した。
バイオ燃料の分野では、初めから「世界の研究開発から置いていかれて、いまでは、欧米の研究成果を見ているだけの、情けない状態に置かれている。(続)
日本では大量の自動車、船舶、そして、航空機の輸送機関で「石油系の燃料」を、消費しているが、すべての燃料が海外からの石油輸入に依存している。
また、暖房や熱利用の機器にも。天然ガスと石油、石炭を消費しているが、化石燃料は、世界的な消費削減の時代になっていく。
アメリカは国内での天然ガスの生産も活発で、石油の生産も、「近年の技術革新によって「シェールガス、シェールオイルの生産」が、軌道に乗り始めた。
今では、100%の量が自給可能になっているので、国際価格が上昇すれば、国内の生産量を増やし外貨を節約し、国際価格が下がれば輸入量を増やしている。
このように、国益を重視した受給と生産のバランスをとる構造になっている。
それほどに石油や天然ガスの資源に恵まれているアメリカだが、「エネルギー省のバイオエネルギー局」では、「藻をベースとしたバイオ燃料技術の開発支援」に、力を注ぎだしている。
アメリカのバイオ燃料といえば、食料となる「トウモロコシをエタノール燃料」の生産に回すことで、ブッシュ政権が国家プロジェクトとして支援していた。
それで、ガソリンには「エタノール混合を義務付け」たりしたので、「食料を犠牲にして自動車に回すのはけしからん」との批判が世界中から起きていた。
バイオ燃料を利用することが、食料危機を増加させるとして、「環境問題の解決にはならないと非難されて、アメリカも、一定の範囲で補助制度を止めている。
だが石油に依存することを、早期に離脱することが「国益に沿うとして、植物のセルロース系からのバイオ燃料製造」にも、こだわりも見せて支援してきた。
しかし、この近年になって、「藻をベースとしたバイオ燃料」が、最も将来性のある「研究開発課題」として、注目するようになっている。
近年の研究によって、海の微細藻類には「一般的な地上植物よりも一桁以上多くネネルギーが保存」されていることがわかった。
例えばアメリカ全土の4%の面積に相当する39万平方km(テキサス州の半分)の面積で藻を栽培すれば、アメリカの液体燃料の需要をまかなえる。
また、藻類が世界の食料需要を保証することが、可能な量を栽培できる。
このように「海洋の微細藻」(植物性プランクトン)の工業的な規模で開発することで、食料不足対策にも活用できる可能性が大きい。
世界の人口が96億人まで増加した21世紀の半ばには、人間のための栄養成分を多量に含み、動物の飼料にも大量利用が出来るので、救世主になり得る。
現在は、食料とエネルギー作物を地上の農地で栽培しているが、その1割以下の面積で「食料用と燃料用の藻類を栽培」することができるようになる。
海の植物プランクトンは、すべての海中生物の生命を支えている「基礎的な食料」であり、「環境的にも炭酸ガスの吸収」の効果が、他のどの方法よりも効果的だ。
アメリカ政府は着々と、この藻類の研究に大きな国費を投じ始めている。(続)
日本での「原子力立国」が、幻想に翻弄されて国費を無駄に投じる結果に終わることは明白である。
しかし日本の識者たちは、大半が「化石燃料依存時代」の発想から抜け出ることができずに、いまだに、石炭や石油に依存し続けるエネルギー構造に囚われる。
原発が稼働しない分を、石炭火力発電の依存度を高く維持したまま、2050年を迎えようとしている。
2050年には、先進国の責務として、「温室効果ガスを80%削減」の目標が、国作りの基本的な資格として、試される時代が到来するのは確実である。
このままいけば、日本は先進国としては失格の評価は間違いない。
日本は2000年代の初頭までは、世界での環境先進国として、海外諸国からも見習うべき国との評価が高かった。
しかし、その後の政権の迷走によって、「再生可能電力の技術革新」にブレーキがかかる事態となって、革新的技術は停滞状態に陥っている。
原子力発電への依存の夢が破綻した後も、「再生可能電力」の普及促進策は、「電力固定価格買取制度」の法制度には、なんとか成立させたが、後が続かない。
安倍首相はことあるごとに、「再生可能エネルギーの普及促進」には、最大限の努力を払う」と声高に言明しているが、実際には何も実行しない。
【原子力発電の負の遺産】を、国民の目から誤魔化すことしか眼中にない。
それでも「世界中が再生可能電力」の普及促進に流れているので、後追いながらも少しずつ普及が始まっている。
2030年までには、22%程度に電力比率を増やす目標を立てているが、この実行作は、全く不十分な政府の取り組みに終始している。
それでも電力比率の分野では、マスメヂィアが時々、批判的に取り上げるので、政府も取り組みに気をぬくわけにはいかない。
今後も、温室効果ガスの排出量が最大の「石炭火力発電」の増設には、メディアも監視の目を向けて、批判する議論が活発になるであろう。
それに加えて問題なのは、電力以外の輸送用燃料の分野と、暖房や熱利用の燃料分野では、石油や天然ガスの代替となる「再生可能燃料」」には、関心がない。
自動車用燃料のガソリンには、エタノールの混合を5%程度に義務付けた法制度があるだけで、実態把握すらできない状態である。
安倍政権は、欧米先進国では「実施済みの炭素税」(温暖化対策税)すらも、検討もしないので、再生可能燃料に対する「技術開発の誘導政策」が、ない状態だ。
日本の自立にとっての「エネルギー自給率」の改善目標は、電力以外については「輸入依存のままに放置する」方針で、国産の自立した燃料政策はない。
アメリカでは、石油の代替になる「バイオ燃料の革新技術」には、国費を投じて「国内で大量生産するバイオ燃料」の研究開発に熱心な取組みを続けている。(続)
日本でのバイオ燃料製造を目指して起業したベンチャー企業「ユーグレナ社」は、最終目標を太陽光の光合成で育つ「ミドリムシの大量培養」を目指した。
太陽光に恵まれて平均気温も高い地域を探して、候補地は沖縄県石垣島に「実験培養の設備」を投資してきた。
日本の公的資金の支援も受けて、10年間近い期間をかけて培養のノウハウを蓄積し、ミドリムシの食品事業などで成功してきたが、バイオ燃料はこれからだ。
大量培養には広大な土地と、大量の二酸化炭素が必要になる状況である。
日本の起業家が日本の支援を受けてチャレンジした事業であるが、結局、大量生産が必要になった時期には、太陽光と広い土地と温暖な気温が必要になる。
この様な条件を備えて土地は、日本で探そうとしても無理な話である。
他の方法による「バイオ燃料用の作物、藻類」を実験事業として挑戦している企業も、進展状況は報告されないが、成功するには、太陽光が不可欠である。
民間企業として事業性を追求したら、確実の「太陽光に恵まれた地域」を選定して、「安価で広大な土地」を確保しなければならなくなる。
この【成功への基本条件】を満たす地域は、日本国内にはない、と言える。
いくら日本の政府を支援して育成しても、最終的には大規模化する段階で、海外への投資をするしか、成功への道は開けていない。
成功した「バイオ燃料を日本に輸入」する契約にしておけば良い、と考えるのは甘い想定である。
石油の輸入依存から離脱しようとした「バイオ燃料製造国産化」は、到達点では輸入依存にならざるを得ないのだ。
この様な自明のことですら、日本の中央官庁は考えていないのだろうか。
いや、聡明な中央官僚たちは、そのことは充分に承知の上で、「光合成型植物の栽培と藻類の培養」に、研究支援の名目で税金を投入し続けている。
その理由は明確ではないが、当初の「エタノール燃料の国産化」の看板を掲げて、「バイオ燃料製造支援」の名目で継続することが肝要になっている。
エタノール燃料製造は、このブログでも紹介した様に、すでに「セルロースエタノール」の量産化に向けて、各企業の進出競争が始まっている。
バイオジェット燃料の分野では、一部の海外企業が先行しているが、詳細は公表されていない。
日本の政府は、いつまで、様子見をするつもりか、国民は何も知らされない。
バイオ燃料の国産化によって、エネルギー自給率を高めることで、将来の不安定な国際情勢でも、国民生活の維持を確実にすることが、最重要である。
電力の脱化石燃料は、「再生可能エネルギー電力」の可能な限りの普及促進は、言うまでもない重要国策であり、今後も絶え間のない推進が必要である。
同時に、電力以外のエネルギーは、石油を代替するには「国を上げての普及促進策」が待たれる。
その解決策の最有力な候補を、「海面での大型海藻の栽培と従属栄養型藻類の増殖」のシステムによって、バイオ燃料の効率的な生産を具体化し、拡大する。
電力の再生可能エネルギー化は、多くの国民の合意を経ているので、中央政府の政策支援が迷走することは、もはやないであろう。
しかし、石油系燃料の代替策としての方策は、「バイオ燃料製造」の方法が、多岐にわたるので、中央政府は、選択する方針すら決めることができない。
このブログでは、再生可能エネルギー化のなかでも、『海藻+藻類』の路線を選択すべきと、提言してきているが、その理由を理解できないでいる様だ。
それは、【バイオ燃料の原料を陸地で栽培、または培養する】、との方法論にしがみついているからである。
なぜ、陸地での栽培、または培養では、将来性がないか、今までも辛抱強く説明をしてきたので、読者の大半は理解されていると思います。
しかし、途中から読んでいる読者には、判らないかもしれないので、再度、【陸上作物ではダメなんです】との理由を説明して行きます。
日本での太陽光の日照率は、世界の中では恵まれている方ではない。
晴天の多い地方では、太陽光をフンダンに利用出来るので、広大な土地さえあれば、太陽光エネルギーを利用するのに、適した地域である。
この様な地域では、太陽光発電と、バイオ燃料事業が有利に展開できる。
日本では、どの様な方法を採るにしても、日照率は、世界での最良の地域に比較して7割から8割に減少する。
つまり、同じ品種の作物や藻類を利用して、太陽光を炭水化物又は脂質に変換する場合に、最良の地域よりも生産性は、7割から8割に低下するのだ。
例えば、日本のベンチャー企業の「ユーグレナ社」では、沖縄県石垣島で、「ミドリムシの培養研究と実験事業」を展開して成功してきた。
しかし、いよいよ本格的に量産する段階では、アメリカに工場を建設する。(続)
日本のエネルギーの自給率を上げる長期的な国策として、海洋を利用して大型海藻を栽培し、それを元にして「バイオ燃料の原料となる油脂を生成」する。
これは誰にでも理解できる筋道であるが、中には、「大型海藻類で、油脂の成分を多量に生成する品種」を探す方が良い、との着想を持つ専門家もいる。
それができれば、もちろん適切な方法ではあるが、その様な品種の発見は、大変に困難で、一種の賭けに等しい作業になり、いつ実現するかは不明確になる。
それよりも、現段階で発見されている『従属栄養型藻類』の培養による方法ならば、すでに実証されている製造法である。
この製造方法ならば、国内での原料を使う技術はすでに実現して、あとは、大量生産を目指して、一層の技術改良を図る課題が見えている。
その各工程の技術改良と事業性を向上するには、システムの合理性を追求して行く必要があるが、これらは、民間企業の得意とするところだ。
政府や地域自治体は、この様な課題に取り組む企業を支援する体制を創り、製造コストの削減を進める努力を支援することにある。
公的組織が審査して、【特定の企業を支援の対象と絞り込むことはしない】こと。
それは、事業者間での公平な競争環境を損なう恐れが大きいからである。
公的な支援は、製造された「バイオ燃料に対する優遇策」で、『生産された成果に対して積極的に行う』必要がある。
これは何度も説明した様に、「再生可能電力」の育成促進策で、成果に対する報酬、「発電し送電線に接続して売電」出来た電力量に賦課金を支給する方法だ。
これならば、現時点では市場での価格競争力が無い「生産事業者」でも、積極的に参入して、事業を進める段階でコストダウンの努力をはらう。
その努力の上に、賦課金がなくなって「十分に成立する事業」に育つのである。
新事業の展開中に、挑戦し努力して成果を生みだした事業者が報われるのだ。
『従属栄養型藻類』は、発見されて実績のある品種に限定する必要はない。
油脂分の生成量は多い品種の探索は品種改良は、おおいに進める課題である。
しかし、この領域は未知の研究分野であり、政府や自治体のお役人が関与することは、やめるべき領域である。
「エサの原料となる大型海藻の栽培事業は、海面の環境条件に左右されるから、地域社会の創意と努力に任せて、政府はその資金の支援だけに留めるべきであり、中央官庁の指図は一切、控えることが肝要であろう。(続)
日本が四方を海に囲まれて『世界第6位の[EEZ]排他的経済水域』を保持した海洋国家であることは、今さら説明の必要もない。
しかし従来の日本政府は、この事実を活かそうとしてきた実績はないに等しい。
漁業にしても、外洋に出て行って収穫だけを追いまわす、狩猟的な漁業の段階では、将来の発展性は望むべくもない。
最近になってやっと、栽培的漁業、養殖漁業が研究開発され始めた程度で、新産業に育成するには、多くの人的資源と継続的な研究開発投資が必要である。
バイオ燃料の研究開発に「栽培型漁業」、しかも『大型海藻の栽培』との課題が必須との説明には、違和感を持つ人も多いでしょう。
海洋で栽培できる最大の植物は『大型海藻(コンブ類)の栽培』であるから、この植物資源を大量栽培して、利用可能にすることが、大きな価値を生みだす。
この栽培技術の改良は、まだ時間をかければ収穫の効率は向上する余地は十分にあり、農水省の主導で「国策として戦略的展開」を計画する段階である。
大型海藻類は、多くの有価物となる成分を含んでいるので、食品産業に留まらず、化学製品分野への利用も可能である。
その最大の利用先は、「バイオ燃料の原料」としての用途である。
しかし大多数の専門家は、大型海藻類には、油脂成分が少ないから、利用は不可能だと、頭から決めつけている。
その様な頭の固い人たちは置いといて、このブログで、説明した(2015年9月27日~30日)様に、『従属栄養型藻類』のエサとして利用する方法で実現する。
この藻類(例えばオーランチオキトリウム属)は、エサを食べて増殖を繰り返し、体内に大量の(3割程度)油脂類を生成する。
この油脂類を抽出して『精製工程』を経て、バイオジェット燃料や軽油の代替燃料に利用するのである。
まだ理解が不足の人に説明を付け加えると、鶏に餌(炭水化物)を食べさせて、「卵《タンパク質》」を得る様に、飼育をする新事業である。
同じ様に、「いなわら」や「穀物粉」(炭水化物)を牛に食べさせて、牛肉(タンパク質、脂肪)を得る飼育をする酪農と同じである。
大型海藻類の成分をエサにして、鶏や牛の代わりに、『従属栄養型藻類』に食べさせて、「バイオ燃料の原料になる油脂」を得る「飼育事業」になるのだ。
達成目標は、石油から精製する燃料よりも安価な「バイオ燃料」製造だ。(続)
日本の国土は山地が多い地形で、穀物栽培に適した平坦地はすくない。
雨量には恵まれているので、山地には樹木の育成が適しているので、林業を振興すれば「セルロースの生産」には向いているが、木材収集のコストが高い。
それ故に、林業の振興が難しい面もあるが、エネルギー利用への道は、まだ未開拓の状態と言ってよい段階である。
これからは、エネルギー利用面からも「林業の振興」を、国策として重点的に研究開発から進めるべき課題である。
そうは言っても、脱石油燃料に向けての「バイオ燃料開発」は、急務の段階に差し掛かっている。
まずは、「バイオジェット燃料の開発」を重点的に進める政策を実施する。
それには、このブログで提案した様に、「バイオジェット燃料賦課金制度」の様な、民間の研究開発力を引き出す「インセンティブ政策」も、実行すべきだ。
今の日本政府は個別の研究課題に、その都度の審査で助成金を支給する程度の、旧来型の開発支援策しか、実行していない。
これでは、ブラジル政府の成功や、アメリカ政府の様な成果は期待できない。
だからと言って、ブラジルの様に広大な未開拓地を抱えていて、サトウキビ栽培に適した気候条件を利用した成功事例を、マネしても成果は無理である。
アメリカの場合には、大規模栽培のトウモロコシ農家が、中西部にひしめいている国情では、農家の収入増を図るのが、国策的にも有利であった。
トウモロコシの場合は、エタノール製造面での効率は優れているわけではないが、農家の保護と安全保障上の理由で、優遇政策を農政として実施している。
日本がそれをマネしても、何のメリットもないのは明らかである。
成功事例を見て参考にすべきことは、国土の状況にあった作物、植物を適切に選定して、継続的に栽培技術の改善を図ることである。
その原料が現在は多少の割高でも、買取保証を国策的に実施すべきなのである。
日本が建国以来、稲作によるお米を主産物に選定して、地域創りの基本を稲作文化として定着させてきたが、このことを、肝に銘じるべきである。
日本の国土に適している作物、そして、継続的に大量生産ができる作物、それは、四方を海に囲まれた日本の作物としては、大型海藻が想定される。
戦前から栽培技術の進化で、日本の沿岸で継続的な収穫ができることは実証済みである。
あとは戦略的に、燃料製造の技術革新を図ることに尽きる。(続)
世界のエネルギー政策は、地域の気候と土壌に適した作物を原料として、最新の技術を駆使することで、石油の代替になる燃料を製造することにある。
石油はやがては枯渇する燃料であり、いつまでも依存を続けることは、国の安全保障の面で不利な状況になる。
アメリカは、自国内に石油を産出する資源国だが、自国の石油を温存して大半を輸入してきた。
政情が不安定な中東に依存することから離脱するために、20年以上に渡って石油の代替となる燃料を自国産の植物から作るバイオ燃料の開発に注力してきた。
今回のデュポン社が成功した「セルロースエタノール」は、アメリカが多くの企業の研究を支援してきたテーマの一つだが、どうやら成果に結びついた。
この技術を海外に移転することで、アメリカは安全保障上の立場がさらに有利となり、エネルギー自立は、もはや手中にしたと言える。
日本のバイオ燃料の政策は、将来の目標も曖昧なまま、世界の研究開発の状況を調査しているだけの段階である。
ご承知の様に、ブラジル政府は、サトウキビの栽培を国家的に支援して製造される糖蜜を、砂糖とエタノールの両方の生産バランスをとる国策としている。
ブラジル政府は、サトウキビ農家を保護するために、砂糖の市況が悪化した時は、エタノール生産に振り向けて、事業の採算性の維持を確保している。
アメリカは、2000年代の初めころは、トウモロコシから生産する「エタノール燃料」を、あらゆる支援策を講じて、国策として進めてきた。
最近は、目標とする普及量を達成したので、「トウモロコシエタノール」の生産支援は終了させたが、今度は、「セルロースエタノール」に取組むだろう。
だからと言って、日本では、サトウキビも栽培に不向きであり、トウモロコシは、アメリカ産のコストには到底、及ばないレベルで無理である。
日本では、植物の栽培から得られるセルロースを原料とするには、農作物の残渣としても、原料の収集にコストがかかりすぎて、事業性は乏しい。
結局のところ、日本政府としては、海外の技術の調査を続けるしか、やりようが無いと、責任を放棄しているのが現状である。
唯一の選択として、単位面積当たりの収量が多い「藻類の培養」に着目しているが、この【藻類の培養によるバイオ燃料】は、難問がヤマズミである。
このママでは、「バイオ燃料」の時代にも輸入依存が続いてしまうだろう。(続)
日本が「電力の再生可能エネルギー由来への転換」が遅れてしまった理由は、経済産業省につながる「原子力族」が、妨害してきたことによる。
原子力の電力ばかりを優遇する方針にして、再生可能電力は、一定の育成策は終了したと勝手に宣言して、優遇策を縮小してしまったのである。
それ以来、民間企業の研究開発は、完全に失速して世界の開発競争のながれからは、周回遅れの地位に転落している。
「脱石油燃料」の政策では、原子力発電の電力に頼る【愚策の構想】により、自動車用の石油代替策は、実質的には進歩を止めてしまった。
一方では、アメリカの様な自動車交通に依存した大陸国は、石油からの依存度を減らす為には、国費を長年に渡って膨大な研究開発金額を投じてきた。
2000年初頭では、「トウモロコシから作るエタノール」を、自動車用の混合ガソリン(10%エタノール混合)の使用を、割高の段階でも義務付けてきた。
トウモロコシを原料とした時代から、次世代は、「植物のセルロースからエタノールを製造」する課題に、多くの企業が研究投資をし、国が援助してきた。
その進化の中身は、企業機密であるから、日本にはほとんど成果が伝わらない。
最近のニュースによれば、アメリカオハイオ州で、デュポン社が建設していた「セルロースエタノール工場」が、操業を始めたと伝えられた。
トウモロコシの葉や茎のセルロースで、年間37万トンの原料を半径50km圏内の農家から調達して、生産される。
この製造されたエタノールは、カリフォルニア州に送られて、自動車用の混合ガソリン燃料として使用される。
カリフォルニア州では、[CO2排出]削減計画の推進策があるので、割高の段階でも積極的に利用が進むのである。
この工場建設とトウモロコシ残渣セルロースの供給で、アイオワ州の500軒の農家の仕事が増加し、近隣では150人の仕事が創出されている。
この様に、農村部への仕事の創出とエネルギー源の対外供給によって、地域経済の向上に貢献する事業モデルとなる。
デュポン社は、この工場で使う革新技術による「セルロースバイオ燃料」は、風力エネルギーや太陽光エネルギーと同様に、地域社会に貢献できるとした。
適地があれば、世界のどこにでも、同じ技術を移転する方針で、中国の企業や、欧州ハンガリー、マケドニア共和国にも、技術移転の動きを始めている。(続)
日本で将来の国の安全保障と安定した経済活動を目指すには、エネルギーの自給率を大幅に向上させて、不測の事態にも耐えられる体質にするのが目標だ。
それには今の段階で、温室効果ガス削減の機会を逃して、輸送用機器の燃料を国産化に取り組まなければ、いつの時点で取組ができると言えるのか。
2020年の航空機の燃料の[CO2排出]削減の行動が必要になり、本格的に『脱石油を目指した再生可能エネルギー』によるバイオ燃料産業の好機である。
航空機燃料から始めれば、自動車用燃料、船舶用の燃料の国産化につながる、バイオ燃料産業が促進される状況に発展するであろう。
その絶好の時期が始まっているのに、藻類の培養で油脂を生成、抽出する事業を海外生産に依存してしまっては、国の長期政策としては不都合に尽きる。
油脂を最終製品のバイオジェット燃料に精製する設備を、海外技術でも日本に設置して、最終工程を国内の生産に固執するのも、せめてもの救いである。
最終工程だけでも、日本国内で取組む仕組みを確保しておけば、当面は原料を海外からの輸入でつないでおいて、時期を見て国産化に移行ができる。
期待すべきは、「日本発の技術で、日本に適した藻類の油脂生産の産業化」であって、本格的に取り組む体制を早急に構築して行くべきであろう。
この「バイオジェット燃料の国産化」が端緒となって、原料となる油脂の生産が軌道に乗り始めれば、『軽油の国産化』が間違いなく実現する。
軽油はご承知のとうり、トラック輸送の燃料として大量に利用されている。
船舶用にも建設機械の燃料としても、利用範囲が広いので需要量は飛躍的に増大するから、国産化が進めば大きな産業が、国内に創出される。
年間での需要量は3000万KL以上で、軽油価格が100円/L.としても、3兆円規模の新産業となり、石油の輸入減少で貿易収支の大幅改善となる。
今がその入り口に立っていると認識しなければならない。
この10年間に「バイオ燃料の国産化」の可能性に全力を傾ける時期であることは、自明のことであるのに、政府も民間企業も様子見をしているばかりだ。
経済の長期的な自立と発展には、エネルギーの自給率向上が、大きく貢献できる要素である。
今までの日本は、耐久消費財の技術革新と事業の拡大で、経済成長の原動力としてきたが、これからは、その貢献度合いは、機体ができない。
エネルギーの自立の上に、高付加価値の分野に進むことができるのである。(続)