林野庁が1984年から始めた【緑のオーナー制度】は、国有林の育成に民間の資金の出資を募り、20年間で利益が出る目論見で始めた官営事業である。
元本を保証する投資ではないのに、確実に利益が出る様な説明で10年間も、詐欺商法まがいのやり方で、資金を募った責任は大きい。
森林育成事業の本質は、適正な森林管理をするだけでなく、育成した樹木が市場で適正な価格で売れる様にすることである。
ところが、林野庁の官僚たちは、「林業の実態を知らない素人同然」で、樹木を伐採して集材、運搬に、多大の経費がかかることを甘く見たのである。
林野庁は1947年に【国有林の育林と経営】を独立採算性によって、維持する様に権限と責任を持たされた。
ところが、その時以来、1993年に木材価格の低下によって、生育した樹木の販売価格では、経費がかかりすぎて、採算割れを引き越す事態となってしまった。
専門家集団として、林業の最先端の技術開発と経営を革新する役割があった。
日本の森林の3割に近い森林を保持して、山林主としては日本の第一位であり、最先端の知識があると期待されたのである。
だが、60年以上も経つのに、林業経営の仕組みも進歩せず、林業関連の技術開発も全く進歩しなかった。
ヨーロッパの林業先進国の、ドイツやスエーデン、オーストリアでは、国情に合わせた林業の経営と進化が著しく、林産物の輸出ができる実力がある。
ところが、日本の林業の10年一日のごとく、生産性は著しく低いままである。
その為に、林業従事者の給与は低い水準に抑えられてしまった。
ヨーロッパでは、着々と機械化を進めて、林業従事者は機械のオペレータとなり、高度の技術と高い給与水準が当たり前の産業となっている。
日本はやっと10年前くらいから、機械化林業の必要性に転換したが、機械は大半が輸入品であり、弱小の林業経営者には高価すぎて負担がおおきい。
補助金で補てんすることで、やっと普及を始めているが、日本の林業地に適合する機械は、開発が始まった段階に過ぎない。
林野庁は国有林の経営すらも、3兆8千億円の赤字の累積を積み上げて、破綻して国民の税金で赤字を返済することになった。
その上、民間の林業事業者には、森林の荒廃を何とか防ぐために間伐の実施に補助金を出し続けている。
この責任は自民党政権の無策にあると断定できる。