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庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

日本の森林資源を経費がかかる赤字体質にした責任は?

2014-10-12 | 森林・林業

林野庁が1984年から始めた【緑のオーナー制度】は、国有林の育成に民間の資金の出資を募り、20年間で利益が出る目論見で始めた官営事業である。

元本を保証する投資ではないのに、確実に利益が出る様な説明で10年間も、詐欺商法まがいのやり方で、資金を募った責任は大きい。

森林育成事業の本質は、適正な森林管理をするだけでなく、育成した樹木が市場で適正な価格で売れる様にすることである。

ところが、林野庁の官僚たちは、「林業の実態を知らない素人同然」で、樹木を伐採して集材、運搬に、多大の経費がかかることを甘く見たのである。

 

林野庁は1947年に【国有林の育林と経営】を独立採算性によって、維持する様に権限と責任を持たされた。

ところが、その時以来、1993年に木材価格の低下によって、生育した樹木の販売価格では、経費がかかりすぎて、採算割れを引き越す事態となってしまった。

専門家集団として、林業の最先端の技術開発と経営を革新する役割があった。

日本の森林の3割に近い森林を保持して、山林主としては日本の第一位であり、最先端の知識があると期待されたのである。

だが、60年以上も経つのに、林業経営の仕組みも進歩せず、林業関連の技術開発も全く進歩しなかった。

 

ヨーロッパの林業先進国の、ドイツやスエーデン、オーストリアでは、国情に合わせた林業の経営と進化が著しく、林産物の輸出ができる実力がある。

ところが、日本の林業の10年一日のごとく、生産性は著しく低いままである。

その為に、林業従事者の給与は低い水準に抑えられてしまった。

ヨーロッパでは、着々と機械化を進めて、林業従事者は機械のオペレータとなり、高度の技術と高い給与水準が当たり前の産業となっている。

 

日本はやっと10年前くらいから、機械化林業の必要性に転換したが、機械は大半が輸入品であり、弱小の林業経営者には高価すぎて負担がおおきい。

補助金で補てんすることで、やっと普及を始めているが、日本の林業地に適合する機械は、開発が始まった段階に過ぎない。

林野庁は国有林の経営すらも、3兆8千億円の赤字の累積を積み上げて、破綻して国民の税金で赤字を返済することになった。

その上、民間の林業事業者には、森林の荒廃を何とか防ぐために間伐の実施に補助金を出し続けている。

この責任は自民党政権の無策にあると断定できる。


林野庁で国有林事業を経営すると毎年損失を生みだす。

2014-10-11 | 森林・林業

林野庁が国有林の育成に、国民の意思による出資金で、「20年間の育林事業」を実施して、生育した樹木を販売して、その販売益を出資者に還元する。

この事業を1984年に開始したが、20年後の段階で木材価格の低迷で、樹木の販売金額が大きく下がり、「出資金の元本割れ」が9割に達してしまった。

1993年度の途中から、「出資金の元本は保証しない」とパンフレットに明記したが、それ以前の出資者に対しては賠償する責任がある。

これからも、1993年までに契約した元本割れの出資者の賠償金請求は、続々と広がる懸念がある。

 

ところで、この様な出資者への【損失リスクを明記する】ことさえ守れば、元本割れする様な事業を認めて良いとは思えない。

証券会社の投資案件に様に、失敗した投資の損失責任は、当然、出資者が負うべきだが、それが続けば投資会社の信用がガタ落ちして、最後は倒産する。

ところが、官庁の様な倒産のリスクのない組織が、出資によるリターンを約束して借り入れるのは、モラルハザードを引き起こす。

林野庁の責任は、リスクを明記しなかったことだけではなく、森林の育成に失敗して、国有の財産を大きく減少させた方が大きい。

 

今回の問題の根源は、林野庁に国有財産の国有林を預けて、森林育成の事業を独立採算性にして、経営を官僚任せにした政権に責任がある。

1947年に制定された国有林野事業特別会計法に基づき、独立採算性で運営する制度を続けて、2009年4月1日に廃止された。

1998年時点では、累積債務3兆8000億円のうち2兆8000億円を一般会計に移し、残りの1兆円を2048年度までに返済することになった。

2008年の段階では、依然として累積債務は1兆3000億円残されていた。

 

自民党政権時代の国有林育成事業は、大きな赤字を生み続ける、巨大な官営事業であり、木材価格が低下したからと言って、赤字の言い訳にならない。

森林における樹木は適正な育林の継続で、樹木は順調の生育していく。

樹木の生長量は、平均で6.7m3/ha.であり、国有林の面積は760万ha.で、毎年5000万m3の樹木成長量がある。

この成長した樹木の価値は、市場で取引される価格はスギ丸太で15000円/m3程度であり、毎年毎に7500億円の財産の増加に匹敵する。

だが、財産を市場に出すには多額の経費がかかり、毎年の収支が赤字になる。(続)


国が実施した政策で民間人に損失を負担させる理不尽。

2014-10-10 | 森林・林業

成果主義の美名のもとに、働く人たちの意思が目標とする成果に縛られる悪弊が拡大して行くことで、息苦しい社会が蔓延している。

本来のあり方は、目標を掲げるのは個人の意思であり、それに向けて努力することが生活の張り合いが出て、活力のもとになるのだ。

初めから成功するとは限らないが、社会的に意義があることには、時間を惜しまずに挑戦することが肝要である。

とはいえ、国が実施する政策では、成果を問わないとは、言えないのが常識だ。

 

林野庁が1984年から1999年にかけて、『国の森林を守る』という大義名分のもとに、民間人から多額の資金を募集した事業に、判決が出された。

国のズサンな募集説明によった出資者の損害を、賠償する命令が出された。

[緑のオーナー制度]を、林野庁は【あなたの財産を形成しながら・・・】と謳って、20年間の出資を募り、総額で約492億円を集めたのである。

一口50万円で、「国有林に樹木200~250本程度のスギ林が育成される」と説明し、民間人の資金で、国有の森林の育成が出来て、森林を守れると謳った。

20年後には、成長したスギの樹木を払い下げることで、出資金以上の利益が出せる様に、思わせぶりのパンフレットで販売したのだ。

 

この募集に応じた民間人オーナーは、延べ8万6千人に広がり、制度が終了した1999年までに【4600箇所(2万5千ha)】の森林が契約された。

そのうち、満期を迎えたオーナーの分【1371箇所】の森林が売却されたが、約9割の森林は、販売価格が出資金よりも低い【元本割れ】であった。

林野庁は、樹木の成長によって収益を追求した成果として、木材価格の低下の影響で、出資者に損失を負担させたのである。

官庁の役人は、国民が『善意で国有林を守る』ことに、損失を覚悟でおカネを寄付してもらった程度にしか、責任を感じていない。

 

さすがに裁判所の判決では、「木材価格の下落によって、出資金が元本割れするリスクの説明がなかった」コトを重視して、84人の出資者への賠償を命じた。

これは明らかに法律違反だから当然の判決だが、問題は残りの訴訟を起こしていない出資者や、訴訟しても敗訴した155人に対する「林野庁の役人」の責任を、どの様に問うべきなのか、大きな問題を孕んだままである。

説明のパンフレットでは、森林を守るために寄付的な出資とは書かれていない。あくまでも出資に対する利益が出る様なイメージの説明だけである。(続)


地域密着のバイオマスエネルギー利用こそが将来目標だ。

2014-04-22 | 森林・林業

「エネルギー基本計画」の中で、再生可能エネルギーは2013年度から3年程度は、導入を最大限加速していく、としている。

では「木質バイオマス発電」の導入加速はどのようにしていく方針なのか、具体的な施策は見えない。

「原材料の安定確保等を踏まえ、分散型エネルギーシステムの位置付けも勘案しつつ、規模のメリットの追求・・・・」との記述は、矛盾している。

分散型エネルギーとは、地域に密着したシステムのことで小規模が基本になる。

一方、規模のメリットの追求と言えば、大型の発電所を主要な消費地に立地させる「リサイクル木材」(建設廃材など)を主燃料とすることになる。

 

ところが、「再生可能の分散型エネルギーシステムの構築は、地域に新しい産業を起こし、地域活性化につながる」、と記述しているから、『小規模の電力システム』の積極的な普及を目指していると言える。

そのために「個人や小規模事業者も参加しやすくする」と言っているのだが、「バイオマス発電事業」においては、小規模の設備を無視しているのだ。

買取り価格を「風力発電」では、20KW未満では[55円/kWh](20KW以上は22円/kWh])と格別に優遇している。

「小規模水力」では、200KW未満は[34円/kWh]、200~1000KW[29円/kWh]、1000~30000KW[24円/kWh]、と規模別で差をつけている。

 

「木質バイオマス発電」は、発電規模によっての区分けはなく、使用する木質燃料の素性によって、優遇の買い取りを区分けしている。

未利用木材(林地残材)では[32円/kWh]、一般木材は[24円/kWh]、リサイクル木材(建設廃材)は[13円/kWh]として、燃料による区分である。

なぜ、この様に燃料別にしたのか、担当官庁と専門委員から聞きたいところだ。

バイオマス発電は、燃料の収集コストによって、発電コストが大きく影響されるから、未利用材の収集コストを勘案しての、区分であろう。

 

だが、机上論しか出来ない専門家や役所では、これが林業の再生に悪影響を及ぼすことなど、想定すら出来ないのであろう。

欧州での林業先進国では、「木質バイオマス発電」は地域密着型であるべきとして、規模別に区分しての買取り価格優遇で、小規模発電を奨励しているのだ。

今の再生可能電力の買い取り制度では、バイオマス発電は中央の大企業が地域の資源を収奪して、利益を独占する仕組みで、狙いはマトハズレになるのだ。


理解者が少ないバイオマス発電では地元への貢献が少ない。

2014-04-21 | 森林・林業

再生可能エネルギー電力の中で、「バイオマス発電」が稼働後の必要とする燃料供給は、出来る限り近距離で調達できることを考えるべきである。

他の再生可能電力の太陽光、風力、地熱、小水力は、いったん設置したら、あとは保守、メンテナンスが必要だが、ほとんど人手を必要としない。

この大きな違いを理解していない有識者?が多すぎるので、「バイオマス発電」の普及には、まだ障害が多く残っている。

現実をしっかりと理解した上で、適切な普及促進策が打ち出されるべきである。

 

先日の4月11日に日本の長期の目標を「エネルギー基本計画」として、安倍内閣が閣議決定した。

このなかで、再生可能エネルギーの項目で、「木質バイオマス」の利用の考え方が記述されている。

「未利用材による木質バイオマスをはじめとしたバイオマス発電は、安定的に発電を行うことが可能な電源となりうる、地域活性化にも資するエネルギー源である。特に木質バイオマス発電については、我が国の記中名森林を整備し、林業と活性化する役割を担うことに加え、地域分散型のエネルギー源としての役割を果たすものである。」

 

この様にその役割を中央官庁でも、認識していると言えるが、実際の施策の検討になると、全くの机上論の域を出ない実情にとどまっている。

続く記述では、「一方、木質や廃棄物など材料や形態が様々であり、コスト等の課題を抱えることから、既存の利用形態との競合の調整、原材料の安定供給の確保等を踏まえ、分散型エネルギーシステムの中の位置付けも勘案しつつ、規模のメリットの追求、既存火力発電所における混焼など、森林・林業施策などの各種支援策を総動員して導入の拡大を図っていくことが期待される。」

この様に問題が多いことを総花的に記述しているだけで、何を実施して行こうとするのか、全く意味不明の【基本計画】となっている。

 

中央官庁の政策をアテにするのでは、いつになったら適切な林業の活性化とバイオマス発電の普及が進むか、見えないママに混乱が起きるであろう。

このブログで指摘して来た様に、今後は、各地でのバイオマス発電の建設ラッシュが進むので、その燃料となる木質チップの供給事業を、新興すべきである。

その事業の主体は地元密着の「林業と健全に育成する目的に企業」が実施にあたるべきで、儲け主義の「悪徳事業者」を排除する仕組みが必須である。(続)


木質資源を長距離輸送するのは愚かな利用の仕方である。

2014-04-20 | 森林・林業

日本の有識者の頭では、エネルギー原料を長距離輸送することを、当たり前の様に思いこんでいる。

それは、石油を中東諸国から大型タンカーで輸入したり、オーストラリアから石炭を輸入する時代を、当然の様に受け入れてきた習慣の延長である。

これを木質資源に当てはめることは、大きな判断の誤りである。

木質資源は、エネルギーの密度が低いので、長距離を輸送して利用すると、輸送コストが大きな割合を占めるので、効率の悪いエネルギー利用となる。

 

再生可能エネルギーによる発電事業は、大半が設備を設置するまでが大仕事で、

太陽光発電や風力発電が良く知られている。

設備の設置までの計画が順調に進めば、あとは保守、補修の仕事は1割以下の手間で済む。

地熱発電、小水力発電等は、メンテナンスさえしっかりとやれば、安定した発電量が得られて、経営的にも効率の良い事業となる。

しかし、「バイオマス発電」の事業は、設備の設置までの仕事は、半分程度の手まであって、本当に経営的に成り立たせるには、近隣の林地からの「未利用材」の調達が継続的に可能であるか、にかかってくる。

 

現在、新規に「バイオマス発電所を建設する計画」は、この木質材の安定供給に不安があるために、港湾施設のある地域に設置している。

国内の未利用材やリサイクル木材を燃料として計画しても、各地でのバイオマス発電の建設増加で、燃料となる木質材の獲得競争が起きる懸念が大きい。

その場合に、不足する木質燃料を海外から船の輸送に依存する「輸入木質材」をアテにできるからである。

これでは、本当の「エネルギー自給政策」にはならないので、バイオマス発電所は、林業地の近くに設置して、安定的に未利用材が調達できる様にすべきだ。

 

そのためには、バイオマス発電所の規模を大きくしないことである。

5000KWのバイオマス発電所は、年間で6万トンの木質チップを必要とする。

これは、毎日200トン近い木質材の輸送が必要になるので、100km圏内まで、調達先を広げる必要が生まれる。

これを2000KW以下の発電規模に抑えれば、70~100トン程度に抑えることで、50km圏内で調達できる。

さらに小規模化すれば、目の届く範囲の20km圏内で調達が可能になるのだ。


本来の目的の林業活性化は地産地消のバイオマス発電奨励。

2014-04-19 | 森林・林業

日本の「バイオマス発電」の普及促進を図るために「再生可能電力の固定価格買取り制度」通称[FIT]が制定されたことは、読者も良く知っている筈だ。

ところが、この買取り価格の区分けがかなり煩雑になって、多くの人はその制度の中身も知らないであろう。

その様な「区分けをした理由、狙い」も知っている人はごくわずかである。

要点をもう一度おさらいして、その考え方に不適切な面があることを指摘して、どうすべきかを説明しよう。

 

まず「未利用木材」の区分けで、[32円/kWh]が決められている。

これは、間伐によって林地に切り捨てられた木質資源を、できるだけ多く、集材、搬出、運搬してもらい、その資源を電力に利用するのが狙いである。

「林地残材」と呼び、これを運び込むには経費がかさむので、発電所での利益を確保出来るには、発電コストを上まわる買取り価格を設定する必要があった。

その次に、「一般木材」の区分けで[24円/kWh]が決められ、さらに「リサイクル木材」と呼ぶ区分で、[13円/kWh]が設定されている。

この区分に入るのが、「建設物を取り壊して発生する建設廃材」が、想定されていて、今までは、産業廃棄物として扱われる厄介ものであった。

 

この「リサイクル木材」の木質材を、「林地残材」に混入させて、全量を「未利用木材」の証明書をつけて持ち込めば、大儲けが出来る仕組みになっている。

この様に、悪質事業者が入り込む動機を、わざわざ刺激して「悪徳事業」を普及させるのが、現在のバイオマス発電の[FIT]の区分なのである。

これを防止する「証明書制度」は、お役所の都合だけを守る、「タテマエだけの言い訳」に過ぎないのである。

善良な事業者が不利になり、悪徳業者が増殖する【デキの悪い制度】なのだ。

 

これを、どうすれば「善良な事業者」が報われる制度にするかが問われる。

林業の先進国である欧州では、この様な木質材の素性別の区分はしていない。

木質材はチップ化してしまうと、素性を見分けることはほぼ不可能だからだ。

その代わりに、「バイオマス発電所」の発電能力に応じて、[FIT]の買取り価格の区分を設定している。

一番優遇されているのは、地域に密着した「バイオマス発電」で、小規模の発電能力(例えば300KW以下)であれば、『地域の周辺の未利用材』を確実に利用する事業として、地域経済に貢献する効果が期待出来るからである。(続)


未利用の間伐材の利用促進によって林業再生を狙うが・・。

2014-04-18 | 森林・林業

林業の実情を知らない官僚や有識者が、「バイオマス発電の普及・促進」の政策を具体化すると、現場の都合が優先して乱伐が進んでしまう。

それを防ぐには、バイオマス発電所の持ち込まれる木質材が「健全な森林育成」の役立つ間伐材であることを、照明する制度を作ることになった。

原料の出所の証明、いわゆる「トレーサビリティ」を義務付けて、林業の再生に貢献する様にした。

だが、現実に実行していることは、「バイオマス発電所」に持ち込まれる木質材に、伐採した事業者が「間伐材であるコトの証明書」をつけるだけである。

 

この証明書があれば、バイオマス発電所が引き取った木質材は、「林地に廃却された未利用材」として扱われて、発電電力を電力会社に買い取ってもらう価格が有利に扱われる。

2013年7月から実施した「固定価格買取り制度」[FIT]では、通常の「買い取り価格13円/kWh.」の2.5倍の[32円/kWh.]に優遇されている。

実際に、今まで林地に廃棄されていた「未利用間伐材」を集材して、エネルギーに利用出来ることを、奨励する制度である。

有識者や中央の官僚が構想する、「間伐材の利用促進による林業の再生」は、この様に「机上のプラン」としては、理想的に見える制度である。

 

しかし現実をみると、その様な絵に描いた様な模範的な事業者ばかりではなく、「世の中はもっと泥臭い意図」で、動いていくのが常識である。

すぐに気がつくのは、この「間伐材である証明書」はだれが発行して、だれがチェックするのか、不正行為は防止できるのか、の問題である。

正真正銘の「未利用の間伐材」に紛れ込ませて、「皆伐による伐採木」が運ばれて場合は、証明書の発行者はどのように扱うのか。

 

「皆伐による木質資源」は、住宅用の丸太原料とそれ以外に分けられる。

住宅用の丸太の価値が高い場合は、住宅用材の市場に回すが、市場の需要が弱い場合は、燃料用に回した方が「扱い事業者の利益が増える」から、【未利用の間伐材】としての証明書をつけて、「バイオマス発電所の燃料」に回すであろう。

この程度ならば、まだ許容できる拡大解釈だが、「建設廃材の産業廃棄物扱い」の木質材を、【未利用の間伐材の中に、混入してチップに加工】すれば、全量が「未利用の間伐材」として扱かわれる【偽装証明書】は簡単に作成できる。

お役所が、その様な不正行為を監視する「予算も人材もいない」のだ。(続)


中央政府も自治体も林業の実情に無知で荒廃を招く。

2014-04-17 | 森林・林業

 成長戦略の対象として「林業の再生」が採りあげられて来た傾向は、日本の眠れる資源を活用できて、エネルギーの自給率の改善に歓迎すべきことである。

しかし、行政側も民間企業も林業の実情に無知なままに、「脱化石燃料の電力」として、バイオマス発電に入れ込む傾向は、多くの問題を引き起こす。

いったん稼働を開始したバイオマス発電所は、大量の木質材が必要であり、供給を継続できる体制が、全く準備不足なのである。

このママでは、林業の再生どころか、木質資源の乱伐と荒廃が危惧される。

 

その事態が予想されるコトは、林業の実態を知っている人にはすぐに理解できるのだが、表面的な林業しか見ていない役所や有識者には無理である。

判り易く説明をすると、次の様に連鎖的に事態が進むのである。

まず、木質バイオマス発電所が稼働すると、近隣の林業現場に切り捨てられていた間伐材が収集・運搬される。

2~3年はこの間伐材で供給されるが、すぐにもっと奥地の林業地から集材しなければ足りなくなる。

 

ところが奥地での間伐材は、伐採も収集も経費がかかるので、木質材の買い取り価格を上げてもらわないと、採算が合わないのだ。

そこで、やむを得ずにバイオマス発電事業者は、買い入れ価格の上昇を飲まざるを得ない。

そこに付け込んだ新規参入の事業者は、適正な間伐をする代わりに、林業地を広範囲に伐採してすべての木材を運び出す【皆伐方式】で、大量に木材を供給する様になる。

この場合は、住宅用の建築材料用も、燃料用の丸太も一緒に運び出される。

 

【皆伐方式】で伐採した跡地には、確実に植林を実施しなければ、山肌の地面が雨で流出する恐れが大きい。

植林後には、下草刈りや初期の間伐を実施して、適正な育林をしなければ、将来の森林資源を継続できなくなる。

ところが、一次的に参入した「バイオマス発電の燃料供給事業者」は、【皆伐方式の後の植林・育林事業】には、全く関心がない。

経費ばかりが嵩んで、収益のでない育林は、収穫が30年~60年後になる林業には、投資効率が低くて、まともに取り組もうとしない。

急激な事業規模拡大での弊害は、この様な乱伐が発生し、林業地は荒廃する。


林業の活性化策に不可欠な林業技術者の育成を図れ。

2014-04-16 | 森林・林業

政府は成長産業化の分野として、農業、林業の活性化を目指すと言うが、林業分野では6次産業の掛け声だけに終わっている。

林業の再生にとって、「バイオマス発電の新設・普及」は、有効な政策である。

この促進に貢献する『再生可能電力の固定価格買取り制度』は、民主党政権で成立し、昨年の7月に施行されて以来、各方面に大きな影響を与えている。

バイオマス発電分野も本格的な建設ラッシュを迎えて、活況を呈しているが、この下流に相当する事業は、経済産業省の管轄下で、それ以上のことはしない。

 

ところが、この事業の根幹になる『継続的な木質燃料の供給』は、経済産業省の所管から外れている。

海外から輸入する木質材燃料ならば、経済産業省も責任を負うが、国内の林業地からの木質燃料は、農水省、林野庁の所管になる。

この官庁はエネルギー供給や電力事業に関しては、素人同然の官僚ばかりで、何をすれば事業が円滑に進むか、ほとんど判っていない。

数年先のことなど、検討をまともにしないのが、農水省の体質の様だ。

 

林業を所管する林野庁では、人工林の維持のためには間伐を実施することを奨励し、間伐作業に補助金をつけている。

しかし、弱小官庁であり、補助金の総枠は微々たるもので、人工林の健全な育成を維持することも難しい。

そこに来て、バイオマス発電所用の木質燃料の供給まで、円滑にできる様にする権限も責任も負っていないし、予算枠もない。

バイオマス発電の木質燃料の供給は、相変わらずの縦割り行政に谷間に落ち込んでいるのだ。

 

さらに、深刻な状況になっているのは、間伐作業をまともに実施しようとすると、林業技術者が圧倒的に不足してしまう。

現在でも、住宅用の丸太の伐採と集材で、林業事業者の作業能力は目いっぱいの状況である。

今までの体制では、切り捨てるしか出来なかった「低級材の丸太」を、林地から集材してチップ化する作業は、経費がかさむので事業にはならなかった。

ここにきて、バイオマス発電所の建設ラッシュを見込んで、木質チップの供給事業を計画する民間事業が増加している。

しかし、その作業に当たる林業技術者は、増員できる体制にはなっていない。


林地に廃棄されていた間伐材の利用促進が林業活性化に。

2014-04-15 | 森林・林業

植林された人工林の育成においては、苗木の段階は密殖状態に植えるので、10年、20年と成長する間に、樹木の枝が重ならない様に間伐を実施する。

その時の間引きをした樹木は、今までは現場に切り捨てておくのが通常である。

ところが、最近では間伐した樹木も有用部分を丸太にして、運び出すことが奨励されている。

間伐の実施に補助金が出る制度では、間伐材は運び出すことが義務化されるので、間伐材の新規の用途を開発することが、必要になっている。

 

その利用先として盛んになるのは、「バイオマス発電所の燃料」の用途である。

現在の計画中のバイオマス発電所は、5000KW~30000KWである。

この燃料として、5000KWでも年間で6万トンの木質チップを消費する。

30000KWクラスの発電所となると、年間30万トン以上を運び込む必要があり、1日で1000トン、10トン積みトラックで毎日100台が、運び込んで供給し続ける体制を整えなければならない。

近隣の林業地の間伐材は当然、使用することになるが、足りなくなるのは目に見えている。

 

ところが、バイオマス発電所を計画する民間企業の経営者は、この継続的に木質チップ燃料を調達する仕事を、おろそかに扱っている。

当面の2年間くらいは、林地に切り捨てられている間伐材を、少し経費をかければ集材してチップ化することで、新規に稼働する発電所の必要量を満たせる算段をしている。

それは、数年で集材できる範囲の間伐材を集めることで、必ずなくなってしまうのだが、その後をどうするのかは、確たる見通しもないままに、発電所の工事だけは進んでいる。

 

発電所の近いところからの間伐材利用が進み、順々に、より遠距離の林地の間伐材を調達することになる。

しかし、その頃には、各地でのバイオマス発電所が林立することで、遠距離の間伐材を調達することは、高い買い値で集めるしか出来なくなる。

それは、発電所の燃料経費が高騰するコトになって、経営状態は悪化する。

つまり、上流の林地の間伐材を大増産しなければ、バイオマス発電所の稼働は軒並み、赤字に転落することになりかねない。

ところが、林野庁や自治体は、間伐の支援をホンのわずかしか実施していない。


木質バイオマスのエネルギー利用は現場の実態を見てから。

2014-04-14 | 森林・林業

バイオマスと言っても、生物の残存物もバイオマスエネルギー利用の分野に入るので、廃棄物の処理と混同する人が多くいる。

本命は木質材を検討すべきであるが、議論が多岐にわたることで、政策的には中途半端な扱いに終始してきた。

ここにきて、日本の山林に放置された未利用の木質材を、可能な限り、エネルギー利用出来ることが、もっとも重視すべき分野であると見られる様になった。今でも、もっとも理解度が低いのが「バイオマスエネルギー」の分野である。

 

ところが、バイオマスエネルギーを論じる有識者は、ほとんどが日本の山林の実態を知らないで、机上の議論ばかりで済ませてしまう。

現場の実情も知らず、林業の基礎知識さえない評論家的な識者が、書類と工業生産的な大量生産の認識しか持たずに、現場無視の机上論を展開している。

この典型的な問題点は、このブログの2010年4月17日の「森林資源に恵まれた日本が、森林破壊を進めている」の表題で、国として「林業の活性化」には、何も取組んでこないで、国際条約の【京都議定書の締結】の条件である、森林吸収源としての対応策として、一時しのぎの補助金を出すばかりであった。

 

この時期は、放置したままの森林は、[CO2]の吸収源としての機能を果たしていないとみなされた。

そこで、「森林育成のための間伐」を実施した森林では、それが認められることになって、各地の林業者に間伐実施の補助金を出して、何とか必要な面積の森林吸収源を認めてもらったのである。

何もしないよりは、間伐を実施するのは、健全な林業のためには必要な作業であるから、国の補助金を使ってでも、実施したことは良いことである。

しかし、伐採した丸太を運び出す作業道もない林業地が大部分で、ほとんどが間伐材を林地に切り捨てるしか出来なかった。

 

30年も育てた樹木の間伐材を、運び出す経費がかかるのでは、だれも「間伐材を利用」出来ない。

伐採された樹木は、せっかく育ててきたのに、切り捨てられて腐って行くママに放置するしかなかった。

この実態に気がついた、政府と自治体では、間伐の補助金をつける条件として、間伐材を集材して、運び出すコトを義務付けることにした。

結果は、低質な間伐材が市場で供給過剰になって、林業の採算性を悪化させた。


再生可能エネルギーのバイオマス利用では林業を活性化せよ。

2014-04-13 | 森林・林業

日本は長い間、国内の林業をおろそかにしてきたので、国内での森林資源の利用は低水準のままに放置されてきた。

ここにきて「再生可能エネルギーの電力」を優遇する制度が出来たので、各地で「バイオマス発電所」の建設計画が、急激に広がる勢いとなっている。

発電所の規模は、5000KWから3万KWまでのクラスで、火力発電所としては小さい規模だが、必要とする木質バイオマスの量は、地域で集めるには大変な量になる。

 

日本の森林資源は、戦後の乱伐による樹木の収穫によって、多くの山林がはげ山状態になってしまった。

そこで、その再生のために、植林の進展を進める政策で、1000万ヘクタールの針葉樹を植え付ける拡大造林政策が実行された。

そこまでは良いのだが、植林してから伐採が可能になる年数は、30~40年を必要とする。

その間の木材の不足分は、海外からに輸入丸太に頼る政策が1990年頃まで続いていたので、日本での林業事業者は、ほとんどが廃業に追い込まれてしまった。

 

今の時点では、植林した樹木は、40年~50年の樹木で伐採の適齢期時期を迎えている。

しかし、林業の維持と技術革新が停滞していたために、いざ、伐採して収穫する事業に従事できる人材は、完全に不足の状態になっている。

そこに来て、ここ数年の間に【かって例を見ない勢いのバイオマス発電所建設ラッシュ】の時代になってしまった。

発電所を建設する方は、それほどの難問はなく、日本の工業力と建設土木業の一部で、充分に対応出来るから、計画どうりに発電を開始できる。

 

しかし、発電所が稼働した後は、24時間昼夜運転で、バイオマス燃料と大量に消費するから、毎日、大量の木質チップを供給しなければならない。

だが、木質チップにする原材料は、林業の従事者の不足で、増加することが出来ないのが現状である。

3年後の供給量の不足は、目に見えている大問題であるのに、政府と自治体は「林業従事者の大量、かつ早期の育成」については、全くの無策に近い。

日本に蓄積された「豊富な木質資源」を、発電所にまで持ち込む体制が全く出来ていない現状を、安倍内閣のだれ一人として、認識していない低レベルだ。


中央集権官僚の発想の限界。地域と民間の活力を引き出せ。

2012-02-20 | 森林・林業
地域主権の確立には、地域経済の自立が重要な目標となる。
日本は工業化立国の目標で、長い間、農業、林業、漁業の近代化、経営効率の向上に対する取組をおろそかにして来た。
その中でも林業は、日本中が森林地帯であるのに、大事な資源を有効に育てて、地域社会の産業に育成する事を、怠ってきた。
今世界中で、森林資源の有効活用の技術進化と、事業の育成に進みだしている。
だが、日本の行政組織のままでは、この産業化には程遠い取組に終始している。

森林資源の6次産業の大規模な事例を紹介しよう。
イギリスでは、1967年に建てた106万キロワットの石炭火力発電所が、バイオマス発電所に生まれ変わった。
2011年3月には石炭発電を終わり、その後は、木質ペレットを燃料とするバイオマス火力発電で、電力供給を実施する。
石炭より熱カロリーが少ない分は、約30%減の74万キロワットになるが、世界最大のバイオマス発電所となる。
木質の燃焼は[CO2排出]にはカウントされないので、石炭燃焼がなくなった分だけ、温室効果ガスの大幅な排出削減となる。

イギリスは森林がほとんどないために、木質ペレットは大西洋を隔てたアメリカ・カナダで製造した輸入ペレットを利用する。
1年間で230万トンの木質ペレットを調達する計画で、森林資源の豊かなアメリカ東海岸から、輸送費の低減が可能な船舶輸送にしたのである。
また、石炭の様に野ざらしのヤマズミ保管が出来ないので、輸送船の中を保管倉庫として1週間の停泊中に順次供給し、次の船舶に交代する仕組みである。
森林資源のない国でも、世界中に存在する有効利用可能な森林資源を「温室効果ガスの排出削減」の6次産業化への取り組み事例の代表である。

一方の日本では、近郊にある山林の資源すらも有効に利用していない。
日本の豊かな森林資源は、年間2億5千万トンもあるが、多くは未利用のまま、山林の中に置き去りにされている。
農林水産省は、補助金政策でバイオマス利用関係の事業を促進しようとするが、中央集権体制の弊害で、効果的な税金の投入がされていない。

やる気のある自治体に、霞が関の論理を押し付ける「名目だけの6次産業」の、バラマキ行政の典型的な非効率政策に落ち込んでいるのだ。

日本の政府は国民の財産・資源を外国人に売り渡している。 

2010-10-05 | 森林・林業
日本の固有の領土である「尖閣諸島」において、中国は露骨に自国の領土であることを公然と宣言し、中国漁船が日本の国内法を犯した罪で留置されたことに抗議をした。
これによって、日本人が自国の領土、領海、[EEZ]に対して、どのように対処してきたかの不備が、数多く指摘されている。
これを機会に、腰を据えた議論と方策を実施しなければならない。

特に[EEZ](排他的経済水域)については、国民のほとんどが日本人の財産であることも気がつかない状態であった。
これを放置して、何も知らない放棄海にしておいては、必ず、不法の行動を起こしてくる、野蛮な国が現れる。
今は、地下資源の海底探査を、細々と進めているだけだが、本格的に調査を拡大して、機器類の進化と専門調査人員の拡充を図るべきである。

それとは別の課題であるが、先日、NHKのクローズアップ現代で、「森林地が外国人の所有に」
との表題で、日本の森林が、外国人(特に経済力がついてきた中国人)によって、買い漁られていると報道された。
日本の森林所有者は、林業の不振と国内産の林産物価格の低迷によって、林業地を保有するメリットが全くなくなっていることに失望している。
これ以上、子孫の為に保有しているよりも、時価より高値で買ってくれる人がいれば、喜んで売ってしまいたい心境である。

中国経済の大発展で、大金を手にした中国人資産家は、この時とばかりに日本の土地を買い漁っている。
特に、森林地は今が底値の状態だと判断して、有り余るお金を投機の対象として投資をしてくる。
日本の森林地は、国土の保全と大事な水の水源地として機能があるが、公的な部門(政府、自治体)は大赤字の財政の為に、適切な保全の資金を投じていない。
荒れ放題の森林地もあって、今後に懸念を残す地域が膨大に広がっている。

その状態の森林地を合法的に買い取って、値上がりを待って売りさばくことは、投機家にとっては当たり前の仕事になっている。

日本の政府、自治体は、そのうちに森林の崩壊をほおっておけない状態になって、強い世論の声に従って、税金を森林の再生に投入する羽目になる。
もちろん、個人所有の森林地にも手入れの為の補助金を投入するであろう。
そして森林地を保全して、少しは将来の林産物の収益が見込まれる状態にまでに回復させる。

その時が森林地の時価の値上がりが見込まれる。
そのチャンスを逃さずに、底値で買った森林地を価格の上昇利益を確保する様に、外国人の投機家は、売りさばいて逃げる。
つまり、日本の国民の税金で森林地の再生を実施することで、価格が上昇することは良い様だが、
そのすきを狙って合法的にお金を稼ぎ、外国に持ち去る仕組みである。(以下、次回)