アメリカの安全保障戦略上の最大に敵対国家は、習近平が統帥する中国政府であることは明確である。
北朝鮮の非核化の動きが、アメリカの思うように進まないのも、中国が影響力を強めようとする意図によって、妨害されていると見ている。
また、東南アジア諸国への経済援助は、中国の海軍力強化の動きに対する、東南アジア諸国に対する警戒心を和らげる狙いである。
さらに、将来に勢力拡大の布石として、アフリカ諸国へ経済支援とインフラ投資への重点的な介入は、新植民地主義と警戒されている。
このような露骨な中国の動きは、アメリカのトランプ大統領でなくても、将来の安全保障戦略にとっての、障害となると認識されている。
そこでトランプ大統領は、具体的な中国への要求として、長年に渡って放置されてきた、対中貿易収支赤字の削減に重点を置いた。
自由貿易至上主義を先導してきたアメリカの国策を、根底からひっくり返す、「二国間貿易協定主義」への転換である。
対EU諸国に対する貿易赤字問題では、アメリカ産の農産物を優先的に買い付ける、数量管理貿易を交渉で獲得した。
隣国のメキシコに対しては、自動車部品の原産地調達率の改定と、その部品製造企業の時給制限を新たに設定した。
ここで本丸の中国政府の貿易赤字改善策の具体化で、攻撃を仕掛ける。