今までの日本での新型コロナウイルス感染対策は、感染初期の症状が出ていない人は検査対象から、意図的に外している。
感染の陽性:陰性の判定には、ある程度の感染経過後の症状が進んだ段階での、ウイルスの増殖した粘液を採取する必要があるからである。
感染初期の段階では、粘液の中にウイルスの量が少ないと、陽性が判定されずに、陰性とみなされて、感染者でない扱いになってしまう懸念からだ。
それと、粘液採取段階で、医療従事者のウイルス感染の危険性もあるから、陽性の反応が出る率が高い段階での検査をするのが効率的だという。
それで、発熱が4日以上続き、咳などの症状が著しい人を対象に絞って検査を実施する。
それも、判定する機器の扱いに一定以上の技術が必要で、安易な検査キットでは、判定の精度が落ちるから、専門の検査機関を絞っていた。
一日、300件程度しか検査ができない、と言っていたのは、この検査体制、検査能力、感染力の強さに対するリスク回避が理由であった。
しかし、隣国の韓国では、それらの課題を全て検討していた結果、ドライブスルー方式や、ウオークスルー方式の、新しいアイデアを駆使して、1日で
1万5千の検査能力を実現していた。
日本は検査システムの「ボトルネックを解決する努力」を怠り、できるだけ初期の段階での感染者発見という、基本の医療業務を軽視したのである。
海外の医療専門家から、この日本の検査実施数の少ない現状を、徹底的に批判されてしまい、慌てた厚労省関係者は、6000件まで可能と改良した。
しかし、二ヶ月以上の経過した今日でも、検査実施数は、3000~3500程度にとどまっていて、感染の疑いの人が増えても検査待ちの状態が多発する。
日本の医療行政では問題解決能力が低レベルと、世界に証明しているのだ。